埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

胸やけの経験はありますか?

私はかなりの頻度で胸やけを感じていました。
しかも中学生の頃からです。

炭水化物大好きで、
野菜が大好物だった私は、
今から考えたら
かなりのタンパク質摂取不足でした。

前のblogでも書きましたが、
私は胃袋を使わない食事をしていた訳です。

つまり、
タンパク質が胃に入らなければ、
胃はしっかり働いてくれません。

炭水化物と野菜が大好物だったため、
私は人生のとても長い時間を
胃を使わずに生きてきた訳です。

だから、
たまに焼き鳥を食べたり、
焼肉を沢山食べたりすると、
必ず胸やけが起こりました。

そんな胸やけ中学生だったある日、
新三◯胃腸薬を飲んでみたら
なんとなく症状が楽になる事に
気がつきました。

それ以降、
つい最近まで新三◯胃腸薬は、
私の常備薬でした。

しかし、
胸やけが治った訳ではありません

”自分は胃が弱いから、まあしょうがないか”
程度に考えていました。

今現在は、
消化酵素を上手に摂っており
胸やけはほとんどありません。

このゴールにたどり着くまでには、
だいぶ道草を食いました。

前降りが長いのですが、
今日はここからが本題です。


.........



数年前まではある薬を飲んでいました。
それは胃酸を抑える新しい薬、
プロトンポンプインヒビター(PPI)です。

これが登場する前は、
H2ブロッカーという
胃酸を抑える薬がありましたが、
これは
”胃潰瘍の薬”というイメージがありました。


”胃潰瘍じゃないから、強い薬は飲まない”
というスタンスで私は
新三◯胃腸薬を飲んでいました。

しかし、
これよりもっと強く胃酸を抑える薬が
PPIなのです。

H2ブロッカーは強い薬なので飲まないのに、
私はPPIは飲んでいました。

PPIが登場した頃は、
『H2ブロッカーよりも強力に胃潰瘍を治す薬が出たんです。今までより良く効く印象があります。』
と、消化器内科の後輩から聞いて
なんとなくは知っていました。

当時は胃潰瘍のない自分にも、
しかも、
整形外科医には関係の薄い薬だと思っていました。

いつかは覚えていませんが、
骨粗鬆症が
世の中で取り沙汰されるようになった頃、
今まで内科の薬だったPPIが
整形外科医にも関係が深いものとなりました。

骨粗鬆症で骨が弱ると腰が曲がり、
前屈みになると胃が圧迫されて
胃酸が逆流して胸やけを起こす。

逆流性食道炎という病名を
その時初めて耳にしました。

逆流性食道炎の症状をPPIが抑える、
つまり胸やけに効く、
じゃあ私もPPIを飲んでみよう。

私がPPIを飲んだ理由はそこでした。

今から考えたら、どうかしています。

なぜなら、
H2ブロッカーは胃潰瘍の薬だから飲まなかったのに、それより胃潰瘍の薬としては強めのPPIは飲んでいた訳ですから。

しかし、胸やけは起こりました。
だからたまに新三◯胃腸薬も飲んでいました。

という事は、

私の胸やけは胃酸の逆流ではなく、
胃酸の出過ぎでもないのかもしれない

何か別の理由があるはずです。

それが何か?

栄養療法に出会うまで、
栄養療法を実践している消化器内科の先生に
出会うまでは、
全く分かりませんでした。

私が今一番これだと思っている、
私の胸やけの原因はこうです。

私は子供の頃から炭水化物と野菜が大好物。
子供の頃から胃袋を使っていなかったから、
胃の機能低下があり栄養の吸収ができず
医師になるまでスリム体型。

当然胃の機能は落ちていて、
タンパク質摂取不足のため胃が働かず、
胃の筋肉はやせ細り、胃酸が出ない。

そのため私の身体は胃酸を出すために、
胃に近い食道の方まで胃酸が出るように
粘膜を変えてしまい、
その結果胸やけを起こすようになった。

元々胃酸が出ないのに、
胃酸を抑えても胸やけは取れません。

胸やけは胃酸が出ない事で、
胃の中の物が消化出来ないために起こっていた。

だから、
新三◯胃腸薬が効いた。

新三◯胃腸薬などの市販の胃腸薬は、
胃の中身を早く腸に送り込む作用があります。

だから、
胸やけは良くなるけど、
逆に消化不良になり、
良くお腹を壊しました。

そのため今私は、
胃酸が出る胃袋を65歳までに作って、
100歳まで元気で肉を食える、
そんなお肌ツルツルおじいちゃんを目指して、
胃の回復リハビリ中です。

消化酵素を使うのは、
破綻した消化機能をアシストするためです。

冒頭で
”消化酵素を上手に使って”
と書いたのは、

食前に摂取したり、
食べるタンパク質摂取量によって、
摂取するカプセル数を調整して、
確実に食べたものを自分の栄養にする、
という事をしているからです。

お陰で私の胃酸分泌量は、
3年かけてジワジワと上がって来ています。

PPIが本当に必要な高齢者は、
一体どれだけいるのでしょうか?

いま私のクリニックの患者さん、
つまり整形外科に来る患者さんは
だいたい内科でPPIが出されています。

そんな方の栄養状態は、
かつての私と同じでタンパク質摂取不足です。

絶対に必要な方以外はどうにかPPIではなく、
消化酵素に変えてもらいたいと思っています。

タンパク質を栄養として吸収するには、
絶対に胃酸が必要です。

私は寝たきりになるくらいなら、
胸やけのほうがましだと思っています。

だから
胃酸をしっかり出せる胃を
65歳までに持ちたいのです。

そして今、私の目標は変わりました。

100歳でお肌ツルツル、
しかも、
力こぶモリモリおじいちゃんです。

みなさんの胃はいかがですか?

では、また。