競争しなくてもけっこう生きていけるよ | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

僕は子どもの頃から「競争」が苦手でした。
なぜ苦手かというと、
僕が「勝つ」と、「負ける」人がいるからです。

負けた人の気持ちを考えたら、別に勝たなくてもいいや、って思ってしまいます。

なにか景品がかかった勝負事も、
「僕はそんなに景品欲しくないから、あげるよ」って思ってしまいます。

以前、出張先で「一日限定数食しか食べられないラーメン」を食べよう!と言われて、
早朝からラーメン屋さんに行きました。
さすが!開店前から人が並んでいます。幸い僕は先の方に並ぶことができていました。
でも、僕の後ろを見ると、沢山の人が並んでいます。
「僕が食べることで、誰かが食べられなくなるんだなあ・・・」と思ったら、
僕はその限定ラーメンを食べることが出来ませんでした。
案内してくれた人はとても残念そうにしていましたが・・・。
(でも、普通のラーメンでも十分においしかったです。)

ところが、子どもの頃から、周りの大人は「勝て」と要求してきました。

「負けるな」とも言われました。

いやいや、負けないためには勝負しないのが一番じゃないの?って思いました。
でもそれは「考えが甘い!」と怒られました。

「やられたらやりかえせ!」も良く言われました。
でも、やり返したくないです。
それは「弱い!」と怒られました。

今僕は会社を経営しています。
僕が気を付けているのは、相手と同じ土俵に乗らないことです。
わざわざ相手の縄張りに土足で踏み込んで戦う必要なんてないです。
ていうか、戦うと双方が疲弊するだけで、いいことないです。
おまけに、競合すると、すぐに価格競争になってしまって、儲からないです。
そんな仕事はしない方がいいです。

だから、違うものを作ります。

他の人がやりたがらないことをやります。
他の人が出来ないことをします。そのためには能力の向上が一番効果的です。
そうすると、競合にならないです。
そういう市場は大きくないです。
でも、それで十分に自分が幸せになれるなら、それでいいです。

僕はランボルギーニとかフェラーリとか大好きだけど、
実際には、遠くが見通せないとイライラしちゃうので、そんな平ぺったい車に乗ったら、
まちがいなくストレスで運転できなくなるということを知っています。
だから、見るだけでいいやと思っています。
だいたい、運転したければ、グランツーリスモで運転し放題です。
(スピード違反で捕まらないし、ぶつけても修理代かからないし。)

おいしいものもいいけれど、例えば、毎日ケンタッキー食べたりピザ食べたりしたら、
1年後にはスーパーサイズになっているでしょう。
所詮は人間ですから、一日に必要なカロリーはたかがしれています。

僕は今、十分に幸せです。
競争をしないようにしても、会社が成り立っています。
そういう生き方もあります。

最近の子達は優しいです。
そういう子達は、昭和の大人が教える競争社会はなじまないと思います。
あんまり煽らないであげて欲しいです。