競争心と反骨心に依存した教育の限界 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

世の中には、あんまり関わりたくない人っています。
そういう人とは、距離を置くのが一番なのですが、
距離をとれない場合もあります。
たとえば、同じ職場の先輩だったり、クラスの担任だったり、親だったり・・・

そういう人に共通する特徴は、

自分より強い相手にはぺこぺこ。

自分より弱い相手や、反抗できない相手には上から目線。

です。

相手によって、態度を意図的に使い分ける。
これは、実は、DVなどをしてしまう人にも見られる行動です。

こういう人は、自信が無い人です。
だから、自分で勝手に「階級制度」を作り、
そこに収まることで安心しています。

 

こういう人は、自分以下の階級を求めます。
だから、とにかく「マウント」したがります。
行動がいちいち「あなたのために」「してあげているんだ」になります。

こういう人の元にいると、思考力が奪われます。
考える事を許してくれないからです。
なぜなら、自分の考えが100点だと思うことで自分を守っているから、
その人と同じ考え以外はすべて否定されるからです。

こういう人とは、いくら話し合いをしても、説明しても、握手しても、
なんにもならないです。なんにも生まれてきません。
なぜなら、こういう人達は、「自分を守るので精一杯」だから、

自分を変えることができないからです。
ですから、こういう人は、成長できません。
新しい情報と出会っても、
「ああ、そんなのもう知ってるよ。」
「ああ、それね。くだらないね。」

などと、スルーしてしまいます。

そういう人が上司にいると、そのチームは進化も成長もしません。
でも世界は成長しているから、相対的に見ると、毎年どんどん衰退していきます。

この状況を変えるのは、かなり難しいです。
でもいま、年功序列制度が崩れてきています。
遠からず、アウトプットによって評価されるようになります。(おそらく数年のうちに)

そのとき、こういう人達は、部下の手柄を自分の物にしようと必死になるでしょう。
そういう時の必殺技があります。
「なんでもしてあげる作戦」です。
嫌な上司のために、どんどんやってあげましょう。
自分で作成した資料が、上司の名前に書き換えられてもかまいません。
全力でいい仕事をしましょう。
まもなく、あなたの輝きは、まともな人に認められます。

嫌な上司だからって、手を抜いて、適当な仕事をしていたら、
あなたの人生は、そのまんまの人生になります。
でも、全力を尽くしたら、その通りに輝きます。

残念な事に、前回の記事でも書きましたが、
日本は日本人の自信を奪う教育をしてしまいました。
競争心や、反骨心が、人を強くすると思い込んできたのです。
もちろんそれは、短期的には人の能力向上につながりますし、
比べる自信も増えていきます。
しかし、本当の自信は失われていくのです。
それをカバーしていたのが、人口増加と、年功序列でした。
年をとって体力が低下して、実務での能力が低下しても、給料は増えるし、階級が上がります。
比べる自信は増えたのです。

しかし、人口減少期になった日本では、年功序列も成り立たなくなります。
これからは、競争心や反骨心に依存しない人の成長が重要になります。
くらべる必要の無い、本当の自信が重要になります。

それをやらないと、日本の企業の力は、これからもどんどん低下します。

でも、企業と、学校が、これをしっかり考えれば大丈夫。
頑張って行きましょう。