あおり運転とか、いじめとか。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

これだけドライブレコーダーが普及しても、

あおり運転のニュースをよく見かけます。

あおり運転には、おおよそ3種類あると思います。
(1)だらしない運転や、危険な運転をしてる人への私的制裁。治安維持活動。
(2)同乗者への自己評価のアピール(示威行為)
(3)暇つぶしや、眠気覚ましのため。

(1)に関して言えば、自由と権利の意味がわかっていないです。
(2)に関して言えば、自信がない状態です。

(3)に関して言えば、ある種の爽快感です。

 

で、これは、学校や職場でのいじめも、ほぼ同じ分類になるような気がします。

だとしたら、これらの原因を解消していけば、

あおり運転も、いじめも減っていく可能性がある、ということかも。

対策としては、

(1)自由と権利、裁きや罰についての教育をしっかり行う。

(2)比べる自信を教えない。本当の自信を支える。

(3)興奮による快楽以外の快楽を知るチャンスを増やす。

かな、と思います。

(3)は、どういうことかというと、

大勢で盛り上がるとか、アドレナリンで興奮するとか、絶叫するとか、という、
熱い興奮による快楽以外にも、

青空をゆく白鳥の美しさや、自然の緑の美しさなどの、静的な快楽を経験するチャンスを

増やすということです。
おそらく、古来の武士に求められた、「文武両道」とは、この状態を示す意味があるように

感じます。

残念ながら、今の日本の教育では、(1)〜(3)いずれも微妙な感じだなあ、と思います。

でも、「不足」であるならば、対策は容易です。
補えばいいのです。

僕は、会社の朝礼で、かなりの頻度で天気や、空や、自然の美しさの話をします。
今日見た夕焼けは、明日にはもう見られない。

地球ができて以来、同じ朝焼けは一度もない。

ということを、知って欲しいと思っています。

そうすれば、興奮とは違う快楽を感じられる気がするからです。

 

(1)自由と権利、裁きや罰についての教育をしっかり行う。

(2)比べる自信を教えない。本当の自信を支える。

(3)興奮による快楽以外の快楽を知るチャンスを増やす。
が不足していると、その子は、いじめや、あおり運転ができてしまう人に

なってしまうかもしれません。

ていうか、大人自体が、不足してる可能性が大です。
ですから、がんばって、自分に対しても補っていきたいと思います。

(1)に関しては、民主主義が成り立つ経過を学ぶと面白いですよ。
もう、最初の頃は、根拠に乏しい裁きまくりの、罰しまくりですから。
それが、どうやって落ち着いていったのか・・・は、
フランスの歴史を調べると面白いです。

(2)に関しては、自分の過去の栄光を捨てたらいいです。
飲んでしゃべる内容が、過去のことばっかりだと、かなりまずいです。

それは、いま頑張っていないことの証拠です。
いま夢に向かって頑張ってる人は、今と未来の話をします。
そうすれば、過去の栄光なんてどうでもよくなります。

そのためには、今、夢に向かって頑張ればいいです。

ていうことは、「夢を持つ」「夢に向かって前進する」が効果的です。

(3)に関しては、団体競技ではないことをやってみるのは効果的です。
自分との戦いは、敵がいないので、過剰な興奮がありません。

仲間もいないので、みんなでの盛り上がりもありません。
でも、しみじみとした快楽を感じられます。
また、絵を描いたり、陶芸をしたり、なんてのも、「比べない」環境でならいいです。
以前、友人に勧められて、カヌーにのりました。
まったく流れのない池でしたから、とても静かで、涼しくて、穏やかで・・・。
しみじみとした快感がありました。
あ、あとはね。環境光が少ないところで、地面に布団をひいて夜空を眺める。
美しい夜空が視界いっぱいになると、それはもう、穏やかな快楽を感じます。
歌ってみてもいいかもね。
「あれはデネブ、アルタイル、ベガ。」君は指さす夏の大三角。
「君の知らない物語」という曲は、アニメ「化物語」を見た後だと、とってもいいよ。

もうすこし、穏やかに生きられる社会になったらいいな、と思います。