麹町中学校で充電してきました。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

現在は羽田空港。

昨日は、東京の「麹町中学校」に行ってきました。

宿題や定期テストなどの、「学校のあたりまえをやめた」で有名になった学校です。

以前から、とても興味を感じていた学校です。

 

ただ、僕は余計なことを考えていました。

もしかしたら、校長先生がすごくがんばっているだけで、

校長先生が替わったら、元に戻ってしまうんじゃないかな・・・なんて。

 

でも、実際には、全くちがいました。

学校に入って、すぐにわかりました。

先生も、生徒も、とても朗らかです。しっかり目を見てにこやかに挨拶してくれます。

それは、無理矢理しつけられた儀式のような挨拶ではなく、

とてもフレンドリーで、気持ちが明るくなるような挨拶です。

それを、みんながしています。

すばらしいことです。

 

講演をさせていただき、校庭でロケットの打ちあげをさせていただきました。

この段取りをしてくれたのは、またしても「くさつ未来プロジェクト」。おそるべし。

そして、ロケット打上の準備もオペレートも指導もしてくれたのは、

くさつの人達ももちろんですが、東京のDRPの皆さん。
全部綺麗に飛びました。

 

工藤校長先生とも、沢山お話しをさせていただきましたが、

それで確信したことは、

テストや宿題をなくする、というのは、論理的な思考の結果に過ぎない、ということです。

学校の本当の目的を考えたら、自動的に出てくる結果です。

 

工藤校長先生がなんども言っていたのが、

「対話によって上位目標を創り出す」でした。

考えの違う人達が、沢山話し合って、新しい考えを生み出すのです。

その新しい考えに、「上位」とついているのは、

「突き詰めたら、どうしたいんだっけ?」だと思います。

手段を目的化せず。そのずーっと向こうにある「どうしたいんだっけ?」を

真剣に考え続けることは、本当に大事なことです。

それができたら、余計なことをしなくてすむので、

人生を有効に活用できます。

 

日本は、労働生産性が低い、と言われていますが、

僕の目から見ても、本当にばかばかしい旧態依然のシステムや、習慣が、

ものすごく非効率です。

それらを改善せずに、労働時間だけ短くしろ、アウトプットはふやせ、というのは、

まったく非論理的です。

でも、そういう人達が日本の仕組みを作っているから、自動的に、非効率です。

そういう非効率や、理不尽を、あきらめて受け入れるための教育を受けた人達は、

なおさらに。非効率で理不尽になっていきます。

このばかげた連鎖を断ち切れるのは、教育なんです、と、工藤校長先生は力強く言っていました。

まったく同感です。

 

麹町中学校のような学校は、これからもっと増えるべきだと、心から思います。

そのためには、麹町中学校の一部を真似するだけではだめです。

宿題をなくすればいい、というものではありません。

論理的な思考と、合意形成を、先生自身ができる必要があります。

 

教育は、結果が出るのに、15年くらいかかってしまいます。

だから、15年以上は、間違いなく継続する必要があります。

麹町中学校では、その継続がスタートしていました。

日本の希望だと思います。

 

今年最初の講演は、麹町中学校からのスタートでした。

生徒さん達から、ものすごい元気をもらいました。

本当に嬉しいです。

明るい気持ちで帰途につきます。

昨日の素晴らしい出会いを準備してくださった方々には、

本当に感謝です。

遅くまでおつきあいくださった先生方にも、本当に感謝です。

この恩に、かならず報います。

子ども達を支えます。