お金の価値は変わるんですよ。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

僕が大学生の頃は、僕が暮らした北見市では、大学生の日中のバイトで、

時給は400円〜600円でした。

それは、今から約30年前の話です。

今だと、アルバイトは、時給1000円くらいかな。

 

30年前の大卒の初任給は、おおよそ12万円〜13万円くらいだったそうです。

今では、おおよそ20万円だそうです。

 

この30年間で、働いてもらえるお金の水準は、おおよそ1.5倍ほどになったということでしょう。

 

では、暮らしは1.5倍豊かになったのか?

うーむ。昔よりも、生活は厳しくなった気がします。

 

さて、では、このあとはどうなるのか。


おそらく、同じように給与はあがっていくでしょう。

同時に生活支出も増加していくと思われます。

 

だとしたら、いま貯金している1万円は、30年後には、6000円くらいの価値になってる

可能性があるということです。

 

だとしたら、今の1万円は、今の1万円として使った方が得ではないか?

 

僕のばあちゃんは、お金の価値は不変では無い、と教えてくれました。

お金の価値は変わるのです。

ばあちゃん達は、大正時代のインフレなども経験していたから、

なおさらにその感覚は強かったのかもしれません。

 

だから、ばあちゃんは、お金は使え、と教えてくれました。

そして、その使い道として、智恵と経験になるように使え、と教えてくれました。

本を買いなさい。頭に入れなさい。それは誰にも取られない。それは新しい価値を生み出す。

 

僕は、捨てられる本を買わないです。

本は、僕の外部記憶装置です。

だから、僕の部屋の本棚は、拡大し続けています。

僕には、断捨離は不可能です。なぜなら、そもそも、価値を失うものを買いません。

それは、ばあちゃんのおかげです。

 

だから僕は、老後の貯金もしません。ムダです。

僕にとっての老後は、まだ先の話です。

いまから、将来価値が減ることが明確な貯金をするよりも、

健康に気を付け、能力を増やし、仲間を増やしたほうが、きっと老後にいいことがあります。

 

僕は、いつも、ものすごい不景気がドカンとくる可能性を考えています。
そのための備えは、内部留保の拡大や、貯金ではありません。能力向上です。
だから、よく、新しい事業をするから出資をしてくれ、という依頼を受けますが、
そんな金はない。
そして、投資するなら自分です。自分の会社です。
 
ちなみに、貨幣価値が失われるほどの不景気が来たら、
借金がチャラになる気がするので、大歓迎です。
僕は、貯金がないから、へいきのへーです。
 
日本では、動かないタンス預金が多すぎる、という話を聞いたことがあります。
お金とは、マンパワーです。
それは、動かさないと、無駄になります。価値が下がるだけです。
 
でもねえ、なににお金を使えばいいのか、難しいね。
そういうお金を集めて、社会に有効なことに投資する仕組みがあればいいのにね。
って、それ、税金じゃん。国債じゃん。
うーむ。それが有効に使われてる気がしないよねえ。
だったら、やっぱり、タンス預金はうごかないだろうねえ。
それは、政治への不信感を表してるのかもね。