採用条件から、大卒を外してみない? | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

いま、日本では、地方の過疎化が進んでいます。

僕の暮らす赤平市は、ついに一万人を割りました。

というか、毎年400人ほども人がいなくなります。

時間の問題です。

 

人間の都市集中が進む原因として

(1)直接関われる人間の数で勝負するビジネスは、人口密度が高い所の方が有利。

(2)だから、都会には仕事が多い。

(3)子どもによい教育を受けさせたい。都会にはいい学校が多い。

(4)そのためには、すごくお金がかかるから、沢山給料が欲しい。

(5)都会の方が、給料が高い。

ということが考えられると思います。

 

ということは、

(1)人間と直接関わらない仕事は、都会にある必要は無い。

ということです。

植松電機は、店頭販売をしていませんから、都会に出店する必要はありません。

 

また、「よい教育」の定義がいま、大きく変わってきています。

そして、「学歴」の価値も大きく変わってきています。

 

もしも、田舎で伸びやかに育てた方が、これからの社会で必要とされる、

となったらどうでしょう。

 

都会での、よい教育として、暗記の量と正確さを競わされた、素直でまじめで勤勉な人達が、

ロボットに確実に負けるとしたらどうでしょう。

 

いま、ネットや輸送の改善により、日本のどこででも仕事ができるようになりました。

だのに、人口の都市集中が収まらないのには、「学歴信奉」もあるかもしれません。

だとしたら、地方の過疎化を防ぐためには、まずは、

公的な仕事から「大卒」という条件を無くしたらよいのでは?

「大卒」ではなく、「大卒に相当する」でもいいと思います。

大卒だって、必要な知識が何にもない人もいます。

大学に行っていなくても、必要な知識を沢山持ってる人もいます。

それを「大卒」で線引きするのはナンセンスです。

重要なのは、「必要な能力を満たしているかどうか」でしょう。

 

もちろん、民間企業でも、採用条件の「大卒」を外したらいいです。

そうしたら、大学に行く必要性が減ります。

そうしたら、一気に社会の流れが変わります。

 

まあ、教育ビジネスと、日本の政治はものすごく癒着していますから、

容易には変わらないでしょうが、

民間なら変えられます。

どうでしょう。

民間企業で協力して、採用条件から「大卒」を外しませんか。

 

そうしたら、地方の過疎化がおさえられる可能性が高いです。

そして、子どもを無理に進学させなくてよくなったことで、

その分のお金が、地方から流出しなくなります。

そのお金は、地方での消費に使われます。

そうすれば、地方の経済が活性化します。

同じように、子どもを都会にやらなくてよくなれば、

地方を支える人材が増えます。

地方の企業は、よい人的資源を得られるようになります。

先生も、無駄な学力向上をしなくてよくなれば、

もっと違うことに時間を使うことができるでしょう。

 

こんだけ、高校の数が減ってる中、大学が減らないってのは不思議です。

不景気だからこそ、子どもを大学に行かせてやりたい、と思う親の愛を

食い物にしてるように見えます。

企業向けの融資が減った金融機関は、進学ローンをどんどん展開しています。

金融庁から待ったがかかるまで、これは加速していくでしょう。

 

この異常な状況を変えるためには、

企業が、採用条件から「大卒」を外すことが、とても効果的なはずです。

 

そもそも、最近では、新卒が使えないから、中途採用が増えていますが、

大学卒業して何年も経過したら、どこの大学を卒業したのか、よりも、

どんな職歴があるのか、どんな業務をしてきたのか、のほうが遥かに重要でしょう。

 

植松電機は、最初から採用条件には学歴はありません。
ていうか、僕は履歴書を信じないです。なぜなら、嘘が書けるからです。

進路指導の先生が、平然と、履歴書に嘘を書くことを指導しています。

(志望動機とか、先生に丸ごと書き直されるなんてのは、ざらです。)
僕が重視しているのは、雑談力です。

雑談が弾む人は、頭がいいです。好奇心が旺盛です。人を思いやる気持ちがあります。
この方法で、植松電機のメンバーが得られています。

 
採用条件からの、「大卒」外し。
仲間が増えるといいなあ。