夢とお金 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

僕には沢山の夢があります。
それを実現するために必要なのは、能力と時間と仲間です。
残念ながら、僕の夢は、売っていないものばかりなので、
お金がいくらあっても、買えないのです。
 
能力は、自分の努力によって増えます。
時間は、自分の工夫によって生み出せます。
仲間は、自分の思いを伝えることで増えていく気がします。
 
でも、世の中には、お金で買える夢もあります。
たとえば、
Coco壱番屋のカレーが食べたい。というのは、お金で買える夢です。
これは、自分で作るよりも、お店に行ってお金を払って食べた方が、
時間もお金も節約できます。
いろんな本が欲しい、というのも、お金で買える夢です。
これも、自分で作れる本には限度があります。自分が知らない情報を得るためには、
お金で買う必要があります。
 
僕は、自分の欲しいものについて、いつも、その費用対効果を考えています。
たとえば、僕は、スーパーカーが好きです。
でも、一台も持っていません。
なぜなら、
(1)スーパーカーを買っても、乗る場所が限られる。
(2)北海道は冬があるので、約半年使えない。
(3)スーパーカーではロケット教室の荷物が積めない。
(4)車高が低いので、遠くが見通せないので、渋滞時のストレスがきつい。
などなどの理由からです。
スーパーカーは、サーキットで走らせてなんぼだと思います。
もしも乗るとしたら、自分で保有ではなく、レンタルしたほうがいいと考えます。
 
僕は、毎年ものすごい回数飛行機に乗ります。
そして僕は、飛行機が大好きです。
よく、自家用ジェット買ったら?と言われます。
いやです。
なぜなら、
(1)自家用ジェットを自分で運転すると、飛行中に仕事ができない。
(2)フライトプランを作ったり、届け出を出したりする時間がもったいない。
(3)自家用ジェットの整備の時間もかかる。
(4)自家用ジェットは、小さいから、気象条件で飛べない可能性が高まる。
(5)スペアの機体がないと、万が一の不具合時に運行休止になる。
などなどです。
解決策として、パイロットと整備ごとお抱えにする、という方法がありますが、
それだったら、エアラインの旅客機を利用した方が、遥かに安いし確実です。
 
僕は、自分の人生の時間とお金を、いかにして、
知恵と経験と人脈につなげられるかを考えています。
また、時間とお金の節約のために、買った方がいい夢もあります。
それを実現するには、お金が必要です。
お金を得るためには、自分の有益性を高めるのが一番です。
自分が得られるお金は、自分の有益性に比例しているからです。
そして、自分の有益性は、自分の能力と時間と仲間に比例していると思います。

お金とは、人間のパワーを具体化したものだと思います。
それは、自分の中に詰まっています。
それを、現金に変換する行為が「働く」です。
そして、その変換にはレートがあります。
そのレートは、自分の有益性の向上で高められます。
少なくとも、「言われたことを、言われたとおりにやるだけ」では、
レートは下がる一方です。
もちろん、そういう職場も沢山あります。個人の思考や意志を必要としない職場です。
そういう所で働くと、遠からずロボットに負けます。
だから、自分の思考や意志が必要とされる職場を探すべきです。
そして、自分の意志と思考を磨くべきです。
そうすると、レートの高い変換ができるようになります。
 
ただ、残念ながら、日本の教育(特に中学校)は、意志と思考をつぶしています。
素直とまじめと勤勉をたたき込みます。
もちろん、そうじゃない先生も居ますが、影響力は小さいです。
最近、そうではない学校も有名になっていますが、
とても悲しいことに、意志と思考をつぶして、素直とまじめと勤勉に特化した方が、
生徒を管理しやすいので、管理型教育をしている限り、大きな変革にはならないでしょう。
でも、これでは、レートの高い仕事はできないです。
 
もう、素直とまじめと勤勉では、ロボットに負けるのです。
暗記の量と正確さでも、ロボットに負けるのです。
これからは、意志と思考が大事です。
そして、人生の時間とお金の有効な運用が大事です。
自分の有益性を高めることが大事です。
 
昭和の価値感と常識の教育から、子ども達を救わないと、
日本の国力は低下の一方だと思います。