自分のやる気が、空回りしてる感じがするとき。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

確実に生き延びるためにとても重要なのは、

依存性を低くすることです。

 

何かが無ければ生きていけない、とか、

何かが無ければ力を発揮できない、という「何か」を持つほど、

それによって、自分の首が絞まります。

 

だから僕は、講演の時には、極力自力で移動します。

代替手段を考慮しながら移動します。

可能な限り徒歩で移動します。

講演の機材も、基本的に全て持参します。

 

仕事においても、もっとも気を付けているのは、

特定の会社の売り上げが全体の30%を超えないように、です。

たとえば、植松電機よりも遥かに資本力のある会社が、

ものすごく沢山の注文を、約半年間くれたとします。

それに依存して、それにあわせて仕入れて、在庫してしまうと、

「明日からいらないわ」と言われた段階で、「ちょっとまって」になります。

体質が「その会社ありき」になってしまうと、その会社によって制御されてしまいます。

それは、ものすごく危険な事です。

しかし、どこかの一社の注文だけをコンスタントに受けるのは、

ものすごく楽ちんです。

でも、楽をすべきではないのだろう、と思っています。

 

現在の自分や、自分がしている仕事は、何かに依存していないかな?

ということは、常に気にしていた方がいいです。

会社の設備や、会社の仲間がいなければ無力になる、と思ったら、

会社と仲間を大切にし、支えるように努力すべきです。

 

ところが、時々、本来大切にすべき、必要な仲間にたいして、

「俺に協力しろ」

「俺を助けろ」

と、助力を強要してしまう人がいます。

なぜ強要しなければいけないのか?

それは、その人が、普段から、誰も助けていないからです。

 

でも、「俺を助けなければ、会社が困るんだぞ。」

「俺を助けなければ、プロジェクトが失敗するんだぞ。」

なんて言われたら、優しい人や、責任感のある人は、そういう人を助けてしまいます。

でもこれでは、ぜんぜんたのしくないです。
 
だから、自動的に、助けるパワーも半減します。
作業速度も低下します。
かつて、ドイツはヨーロッパの大部分を占領し、
多くの工場を接収し、ドイツのための製品を強制的に作らせます。
しかし、それらの工場でのサボタージュや妨害行為はすごかったそうです。
当然、助力を強要した方は面白くないから、怒ります。
怒ると、なおさらやる気が出なくなります。
しょうがないから、今度は、お金で外部委託をはじめます。
しかし、そのお金も、仲間が稼いでいるものだったりします。
 
自分はやる気と情熱にあふれて、会社のことを思っているのに、
まわりのみんなのやる気は足りない!情熱が足りない!
なんて憤ってる人は、「自分は最近、仲間を助けたり、手伝ったりしていたっけ?」を
考えてみたらいいです。
おそらく、していません。
だったら、すればいいだけです。
そうしないと、遠からず、その組織から見限られるでしょう。
(仮に、まわりのみんなが、本気でやる気がない場合は、その組織は長くありませんから、その組織から脱出することを考えるのも大事です。)
 
大事なことですから、復唱です。
「自分は最近、仲間を助けたり、手伝ったりしていたっけ?」
 
考えて見たら良いと思います。