情報が判断の精度を上げる。そして、情報を得るためには・・・ | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

人間は、思考します。そして、判断します。

そのときに、もっとも重要なのは「情報」です。

 

情報は、様々な方法で手に入ります。

ネット上にも、本にも、マスコミにも、沢山の情報があります。

それらは、他人の経験に基づく情報です。

 

他人のもたらす情報もとても大事なのですが、

最も確実なのは、自分で経験して得る情報です。

 

たとえば、「北海道の大樹町で冬にロケットを打ち上げるためには、

かなりの寒さ対策が必要です。」という情報があったとします。

でも、その寒さ対策は、人それぞれです。

僕は皮下脂肪がけっこうあるので、細身の人よりも寒さに対して強いです。

たったそれだけでも、「寒さ」の受け取り方も、対策もちがってきます。

 

たとえば「この仕事は厳しいです」という情報があったとしても、

それを「厳しい」と思うのか、思わないのか、は、本人次第です。

 

ですから、やはり、最も重要なのは、自分自身の経験で得る情報です。

 

しかし、自分の人生の時間には限りがあります。

ですから、それをいかに有効に使うかが、情報量に効いてきます。

そして、情報量は、判断に効いてきます。

 

僕は、会社の仲間に、常々「自分の人生の時間を有効に使うことを考えて」と話します。

それは、ルーチンワークからの脱出です。そして、生み出した時間で、やったことがないことをやるのです。

それが、人の情報を増やし、より素早く適格な判断につながります。

会社というのは、フラクタルな存在です。

会社で働くここの人達の人生が、そのまま会社をあらわすと思っています。

ですから、会社が、働く人達に対して、「余計なことを考えないで、言われたことを言われたとおりにやればいいんだ!」と指導してしまうと、

自分の会社もそうなります。与えられた仕事をこなすだけです。

それは、仕事を与えられなくなった瞬間に終わる仕事です。

 

少し前まで、日本は、人口が増えていました。

そのときは、マーケットが拡大しますから、仕事が増え続けます。

そこでは、他人のやってることを安価に正確にぱくる、のがとても有効です。

それが、「余計なことを考えないで、言われたことを言われたとおりにやればいいんだ!」にあらわされています。

 

しかし、人口が減りました。マーケットが縮小しています。

そこでは、他人と同じことをやったら勝てません。

いかにして、この世にないことを生み出していくか、が重要になります。

そのときには、情報が、経験が、ものすごく価値を持ちます。

 

しかし、現在、情報を得ようとしない人がとても多いです。
また、情報を得るための、時間とお金が不足してる人も沢山います。
 
逆に、よい情報がどんどん「有料」で手に入るようになっています。
たとえば、CS放送やBS放送にも、大学顔負けの素晴らしい情報がたくさんあります。
月々2千円〜3千円程度で、あふれるほどの情報に接することができます。
 
これは、今まで以上に強烈な情報の格差につながります。
情報を増やした人は、適切な判断ができ、そのため仕事の効率が上がります。
そうすると、所得が増え、情報を得るための時間も増えます。
しかし、判断が不適格だと、効率の悪い仕事をせざるをえなくなります。
すると、働いても働いてもカツカツになり、時間もお金も不足します。
 
このようなカツカツな状態を脱するためには、情報がもっとも効果的です。
やったことがないことをやるのです。
そうすると、いままで知らなかったことを知ります。
いままでに、関わりがなかった人達と関われます。
より困難で難しいことに挑むと、同じく、困難に挑む人達や、
困難を乗りこえた人達と関われます。
安価で安易なことでは、安価で安易な挑戦しかしていない人としか関われません。
 
躊躇の向こうに、奇跡があります。
自分の状況を押し上げたかったら、やったことが無いことに挑むのが効果的です。
そのためには、時間とお金を生み出す努力もとても大事です。
知恵と経験と人脈につながらないことに、時間とお金をなるべく使わない。
僕は、けっこうこれに気を付けています。