今朝の北海道のロケット打ち上げ失敗(こういう表現はいやだけど)には、植松電機は関わっていません。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

今朝、インターステラテクノロジズさんのロケットが打ち上げ直後に落下して炎上したそうです。
幸い、離床直後にエンジンが停止しているようなので、

想定された安全範囲に落ちているし、人的な被害も無いと言うことなので、ほっとしています。

僕らも何度も失敗してきているし、関わってる人達もほとんどが知ってる人達なので、現場の人達の気持ちを思うと、なんともつらいものがあります。

 

で、今朝から、沢山の人達から、植松電機への励ましのメールやら、そうでないメールやらいただいていますが、

今朝のインターステラテクノロジズさんのロケットには、

植松電機は一切関わっていません。

 

また、植松電機は、堀江貴文氏からも、だれからも、出資を受けていません。

ですから、励ましのメールは、インターステラテクノロジズさんに送ってあげてください。そうでないメールは送らなくていいです。

 

 

2010年から2014年まで、インターステラテクノロジズさんの前身にあたる会社が、植松電機のロケットエンジン試験設備を使用してロケットエンジンの開発を行っています。

その間に彼らが打ち上げたロケットは、機体と回収系は植松電機の技術を使用しています。

打上のオペレーションは植松電機が行っています。

 

その後の、大樹町でのインターステラテクノロジズさんのロケット開発には、植松電機は関わっていません。

 

植松電機の宇宙開発は、

(1)人の自信と可能性が奪われない社会を作るため

(2)日本の研究開発をサポートするため

が大きな目的です。

そのため、植松電機は、ロケットを用いた人工衛星打ち上げ請負をビジネスにする予定はありません。

ですから、植松電機は、ロケット開発以外に、微小重力実験環境の提供や、各種研究実験装置の製作なども行っています。

その中には、医療機械の開発や、南極探検用のソリの開発等も含まれています。もちろん本業の建設機械に関する研究開発も進んでいます。

植松電機は、宇宙に限定せず、日本の研究開発や技術力の向上に、技術力で役に立ちたいと思っています。

 

また、植松電機は、どこからも出資を受けていません。自分たちで稼いだお金で研究開発をしています。

なぜなら、出資に依存すると、生殺与奪を他者にゆだねることになるためです。
また、できるかできないかわからないレベルのことで、出資を募ると、出資者に迷惑をかけてしまう可能性があります。僕はそれを許容できません。

そのため、出資者を募るための技術アピールが不要なので、植松電機のロケット打上や研究開発はプレスリリースをしていません。

ですが、ちゃくちゃくと様々な開発が進んでいます。

ちなみに、植松電機の宇宙開発は、基本的に大学や研究機関と連携しているので、その成果は学術論文で全て公開されています。


時々、宇宙開発は観光資源なのだから、もっと積極的にアピールした方がいい、と言われますが、

現在、植松電機には、昨年だけでも1万5千人ほどの学生さんが修学旅行などで来てくれています。また、僕を講演によんでくださる学校も増えて、昨年だけで約8万人の高校生に話を聞いていただいています。もうすでに、キャパシティの限界です。

ですから、あらためての商業的なアピールの必要はないと考えています。


今回の北海道でのロケット打上の失敗には、植松電機は関わっていませんが、全ての失敗は貴重なデーターです。
そして、乗りこえたら笑い話になります。

だから、頑張って乗りこえて欲しいです。