今日は東京ビッグサイトの国際溶接展 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

現在は東京。
外は雨みたい。

雨雲レーダーを見ると、けっこう大きな雨雲が

静岡のあたりにあるね。

あのあたりは、雨で新幹線止まりやすいよなあ・・・

最近、災害が多いから心配です。

ていうか、今日帰れるかな・・・

 

今日は東京ビッグサイトの国際溶接展。

その開会記念講演でお話しさせていただけます。

事前登録したら無料みたい。

この雨だし、初日だし、朝一だし、

もしかしたらまだ受け付けてたりして。

https://weldingshow.jp/

 

溶接展。正直言うと、僕が見たい。

金属の加工で、溶接はとても重要な技術。

金属を溶かしてくっつける。

だから、地球の重力下では、比重のちがう金属を溶接するのはけっこうたいへん。

また、溶かすための熱は、極力小さい範囲に与えたいから、

レーザーなどの技術発達も溶接には大きく影響します。

同時に、金属は加熱されると化学反応するから、大気環境下での溶接にはいろんな制限があるし、

溶かしたからには今度は冷やす、も大事です。

僕は、この溶接技術は、今後は、金属以外にも、
プラスチックや複合材料でも重要な接合技術になると思っています。
また、溶かして加工する、という意味では、金属3Dプリンターも、日本では実用が遅れてる感じがします。
金属3Dプリンターが発展すれば、鳥の骨の構造などを応用した、超軽量な構造材料が作れるはず。
油圧ショベルのブームやアームも、劇的な軽量化ができる可能性があります。
 

でも、日本では、こういう重要な要素技術が、

研究室の論文レベルでは発展しても、

実用品としてはあまり普及してる感じがしません。

要するに、それを応用する産業が少ない、ということです。

どんな素晴らしい技術も、それを使って、「安い」とか「楽」に走ってしまうと、発展できません。

素晴らしい技術をつかって、「困難に挑む」をしたときに、

発展できます。

最近は、昔最先端の材料や技術が、安価に簡単に手に入ります。
便利な時代になりました。

だから、日本でも民間でロケットが作れるようになりました。

しかし、僕は、それらの技術を使って「安い」に挑むと、生き残れないと思っています。

僕らは、便利をつかって、困難に挑んでいます。
その結果、宇宙開発そのものでは儲からなくても、そこで得られた、知恵と経験と人脈が、別な仕事を作り出しています。
 

今回の展示会で、溶接技術の発展を見たい!と思いましたが、

講演が終わったらすぐに帰らないと飛行機に間に合わない。
残念無念。


明日は四国の高校生が見学に来てくれるから、

必ず帰り着かないといけない。
大雨の影響が心配だけど、無事に帰れるかな。