地獄楽に関するネタバレがありますので苦手な方はご注意ください。
地獄楽がアニメ化すると聞いて、私は狂喜乱舞したうちの1人です。
漫画→実写化
とは違って
漫画→アニメ化
のハードルはわりかし低いと思うのです。
まず作画も大事ですが、声優を外さないこと。
これ大事です。
作画に関してはさすがのMAPPAさんで文句はないのですが………
正直、私は地獄楽のアニメ化に落胆しています。
作画もキャストも良い。
しかし、キャラクターを端折り過ぎている。
地獄楽が1クールで終わらないのは明らかですし、もう少し丁寧に脚本を書いて欲しかったと思わずにいられません。
原作勢は脳内補完が出来るから良いですが、今のままの脚本ではアニメ勢が地獄楽と言う作品の魅力にハマる確率はダダ下がりと言わざるを得ません。
人が何らかの物語にハマる時、ストーリーの面白さももちろんですが、各キャラクターに感情移入出来るかどうかも重要な要素になってくると思うのです。
例えば主人公の画眉丸。
こちらはさすがに主人公なので割と丁寧に描かれています。
それでも私に言わせれば物足りない。
それは画眉丸自身の描写不足と、バディである佐切の描写の拙さに起因します。
地獄楽の面白さは主人公サイドのストーリーの面白さだけに限りません。
他のキャラクターの異質さ、異様さに本来、読者や視聴者が惹き込まれる仕掛けがふんだんにあるはずなのです。
例えば亜左弔兵衛。
このキャラクターは明らかに異質です。
キャラデザがイケメンなので一瞬で人を惹き込みますが、亜左弔兵衛の魅力はそこではなく、その生命力のしぶとさ、適応力と、弟を想う気持ちにあります。
その生命力から、本来なら死亡しているであろう穴に放り込まれても花化せず、異常とも言える生命力で穴から這い上がるシーンがあります。
※地獄楽4巻より
このシーンをほんの一瞬で穴から生還したシーンに変換してしまった。
これは痛い。
それでは亜左弔兵衛が如何に生命力が強く、弟の桐馬を想い、適応力があるか視聴者に伝わらない。
それがひいては亜左弔兵衛と言うキャラクターの魅力半減に繋がっているのです。
なぜ、こうまで進行を急ぐのか理解に苦しみます。
これまで進撃の巨人、呪術廻戦、チェーンソーマンと素晴らしい制作を重ねて来られたMAPPAさんなのに、なぜ地獄楽だけは丁寧に描いてくださらないのか。
どうせ1クールでは描き切れないのはもう確定なのだから、出来たらゆっくり進行してキャラクターを描き切って欲しいのですが…。
地獄楽はもう完結している作品です。
全13巻と短く、しかし面白い。
今からでも遅くはありません。
各キャラクターの掘り下げをもう少し追加していただきたい。
浅江門の誰1人、死罪人の誰1人説明を欠いてはいけない。
1キャラクターだけではなく全キャラクターの掘り下げをと原作ファンとしては思うのです。