日本のお姉さん -7ページ目

真面目な日本人ほど「子どもを貧困に追い込む」ダメ親になりやすい=山田健彦

真面目な日本人ほど「子どもを貧困に追い込む」ダメ親になりやすい=山田健彦

2016年8月2日 ビジネス・ライフ

 

日本は、相続が3回発生するだけでほぼ全財産を国に持っていかれる高税率の国。子孫にお金を残すのは大変ですが、実は相続税以上に親が知っておくべき大切なことがあります。(『資産1億円への道』山田健彦)

 

「子どもに財産を残してあげたい」パパ・ママがハマる落とし穴とは?

 

お金の「表と裏」

 

紙幣、硬貨には表と裏がありますが、これは我々のお金との向き合い方にも通じるものがあります。お金は貯めて、そして使って、始めてお金として完成品となります。

 

ところが現実は、両親が稼いで子ども・孫が使うパターンがほとんどですよね。ひどい場合は、一生懸命稼いだお金を「振り込め詐欺」で持っていかれるなんてことまであります。

 

余談ですが、振り込め詐欺の犯人たちは、振り込め詐欺で巻き上げたお金を「売上」と呼び、その「売上金」を派手に使って「不景気の日本経済を支えているのは俺たちだ!」と豪語しているそうです。この感覚というのは明らかに異常ですね。

 

【関連】お金が貯まるランチ。京セラ稲盛和夫氏が吉野家の牛丼を好む理由=山田健彦

 

 

子孫には財産を残すべき?

 

かなり前になりますが、政府が「財産を子どもに残しますか?」というアンケートを取ったことがあるそうです。結果は、7割近くの人が「Yes」と回答したとのこと。

 

これはどうもアジア圏の人に共通する考え方らしいのですが、日本の場合は超高税率の「相続税」が問題になります。

 

日本では、相続が3回発生するとほぼ全財産を国に持っていかれると言われています。このような状況の中でお金を貯めているだけというのは、税務署のために金庫番をやっているようなものです。

 

アジア諸国の中には、そもそも相続税というものがない国が香港、シンガポール、マレーシア、オーストラリアのようにあります。

 

日本マクドナルド創業者・藤田 田氏の教え

 

日本にマクドナルドを持ってきた藤田 田(ふじた でん)氏が『勝てば官軍』というエッセイ集を出しています。初版は1996年とかなり古い本なのですが、今でも「なるほど!」と思うような鋭い指摘が随所にあります。

 

その中で「金銭感覚は子どものときから養うべし」という章があり、日本とアメリカの子どもの金銭感覚の違いについて書かれています。

 

藤田氏によると、アメリカの子どもはお金を得るためには働かなければならないことを親から教えられているので、金銭感覚がシャープ。対して日本の子どもは、お年玉に象徴されるように手を出せば一万円札を載せてくれる大人がいる点が違う、と指摘しています。

 

その上で藤田氏は、そのように育った日本の子どもたちが大きくなって、会社に勤めるようになったらどうなるか――と警鐘を鳴らしています。社会に出てから、このように金銭感覚がおっとりした人が外国企業等と交渉すると、良いように言いくるめられてしまうことが多いようです。

 

Next: 日本では無理!? 子どもの金銭感覚を養う「お小遣いゲーム」の真実

日本人の「見えない習慣」

 

我々日本人には、江戸時代の「士農工商」の教えがベースとして存在しているのでしょうか。「お金を持つと人生を踏み外す」と言われたり、いわゆる清貧の思想などが持て囃されるなどしたせいで、先祖代々、お金のことを子どもに語るのはタブー視されてきた面があります。

 

しかし、子どもがお金についてのごく基本的な知識を持ち合わせないまま社会人になると、お金で人生に失敗する可能性が高くなります。

失敗を許さない国、日本

 

かなり以前になりますが、米国の友人と、夏の日本の海岸を歩いていたときのことです。

 

 

波打ち際で、小学校低学年と思われる男の子が砂でお城を作っていました。自分の小さい頃を思い出して、しばらく遠くからその様子を見ていました。

 

波打ち際なのでお城は作っても作っても、寄せる波で崩れていきます。傍にはママが居たのですが、作ったお城が波で崩れていくので、段々アドバイス(?)を始めました。

 

「その部分をもっと厚くして、波にもっていかれないようにしなきゃ駄目じゃない!」

 

「ああ、早くしないと次の波が来るわよ!」

「そこはもう駄目だから、もう少し波打ち際から離れたところで作りなさい!」

 

などなど。

 

男の子は次第に、次の動作に移るときにママの方を向いて「これで良い?」と確認するような顔つきになりました。

 

それを見ていた米国の友人は「お前たち日本人は、子どもに失敗させる自由も与えていないのか?失敗からしか人は学ばないのに……」と言っていました。

 

子どものマネーリテラシーを養う「お小遣いゲーム」

同じようなことは、筆者が小学生低学年向けの「お小遣いゲーム」のお手伝いを務めていたときにも経験しました。

 

「お小遣いゲーム」とは、参加している子どもが何かお手伝いをすると、それに応じたお金(紙に書かれたおもちゃの紙幣)がもらえる遊びです。貯めたお金でお菓子を買ったり、貯金をしたりします。

 

ゲームの目的は、「お小遣い帳」の習慣を身に付けることです。小学校の体育館などを借りて行い、主催者側の何人かが、「肩をたたいて欲しい人」「靴を磨いて欲しい人」などなどの役割で椅子に座っていて、その人の肩たたきを30秒すると例えば100円が子どもに渡されます。

 

子どもはいったん自分の席に戻り、お小遣いとして100円をもらった、と手帳に記入します。そしてその後、その100円をお菓子と交換するか、あるいは別のところで靴磨きをしてさらにお金を貯めるか、といった選択をしながらゲームを進めます。

 

子どもが何か行動を起こして、いったん席に戻り、お小遣い帳を付ける――ですが、そのときのママたちのアドバイスが、いろんな意味ですごいのです!

 

Next: 我が子を「お金で失敗する人生」に追い込む日本の親たち

我が子を「お金で失敗する人生」に追い込む日本の親たち

 

初めて付けるお小遣い帳なので、どちらが収入で、どちらが支出かなど、子どもにとっては当然よく分からないことだらけです。もちろんこの「お小遣いゲーム」は、そのように子どもが試行錯誤することまで狙ったものなのですが、

 

「この100円は、ここに記入して! 早く!」

「XXXちゃんは、もう記入してお菓子を買ってるわよ!」

「ああ!そこじゃなくて、こっちに書くの!」

「ぐずぐずしないの!」

「早くしなさい!」

 

もう、叱咤激励のオンパレードです。

 

ママたちには事前に「見ているだけで、一切、子どもに助言・指導しないこと」を伝え、子どもの席とママたちの席もかなり離しているのですが、実際にゲームが始まるとそんなルールは何のその、凄まじいまでの「教育ママ」が出現するのです。

 

本当に、日本は失敗を許さない、あるいは失敗をさせない国なのだと思います。

 

小さな失敗をさせないことが、かえって将来の大きな失敗を導いている事に気がついて欲しいと思います。

『資産1億円への道』(2016年7月27,29日号)より一部抜粋

※太字はMONEY VOICE編集部による

 

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時http://www.mag2.com/p/money/19145

お金がない状態であっても受けられる可能性のある支援は存在する。

「お金がないから病気を治せない」そんな人が増えている!? マツコは「あとで手遅れになる」と警告

2016.4.29

みゆくらけん

 

4月25日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)が取り上げた記事によると、お金がないことで病気になっても治療をしない人、治療を中断する人が目立っているという。

 

お金に困っている人には、たとえ3割負担であっても医療費が重くのしかかることがある。そこで血液検査を拒否したり、「2000円しか持っていないのでその範囲で治療してください」などと医師に告げたりする人もいるというのだ。(文:みゆくらけん)

 

虫歯治療後の放置で口腔ガンのリスク高まる

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具合悪い、でもお金ないし

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全国保険医団体連合会の調査によると、40.9%の医療機関が経済的理由による治療中断を経験しているという。2010年の調査(38.7%)から2ポイント増えた。治療中断が多いのは、医科では糖尿病や高血圧症、歯科では歯冠修復・欠損補綴と虫歯だ。

 

若い頃はお金もなく、保険証を持っていない時期もあったというマツコ・デラックスは、病気の放置や治療の中断は「あとで手遅れになることもある」と警告する。緊急性がない疾患は、お金がない時にはつい後回しにしてしまうが、マツコは「今になって昔の自分は愚かだったと思う」と自らの経験をふまえて注意を促した。

 

「どうにか成功してお金を手に入れれば、いろいろ治療すればいいと思って(放置していた)。その時はとにかくそんなもの後回しで、とりあえず目先のって考えちゃうんだよね、貧しい時って。でもね、そんときにやらなかったことで、後ですごい後悔することって出てくる」

 

確かにマツコのいうように、その時は軽い疾患だからと放置していたことが、後々取り返しのつかないことになる場合がある。奥歯が欠けたのを放置しただけでも、頬の内側を常に傷つけることで口腔ガンになるリスクが高まるといわれる。

 

この後、「お金が今これしかないっていう状況の中で、なんか我慢できることがあるんだったら、治療を優先すべきってことしか・・・今は言ってあげられません」と続けたマツコ。ん?なんか心配してしまう。昔放置していた疾患で今、困っているのだろうか?

 

低所得者を対象にした支援も知っておきたい

 

緊急時の国のサポート体制についても、マツコはこう言及した。

 

「全額国保が負担するのは無理でも、状況に応じて緊急の時はどうにかなるサポートなどが、もうちょっと簡単にできるようになれば。保険があってもお金払えない人もいるわけじゃん?(今も制度は)あるのはあるのよ。各自治体は見殺しにしようとはしていない。ただ、(申請が)めちゃめちゃ面倒くさい」

 

この「面倒くさい申請」が問題だが、自分や家族がイザという時に経済的理由で適切な医療を受けることができないと予想される場合は、できるだけ早い段階で医療費支援制度を調べて知っておく必要がある。たとえば低所得者などを対象にした「無料低額診療事業」など、お金がない状態であっても受けられる可能性のある支援は存在する。

 

ともあれ、今や医者にかかるにも格差を感じる時代だ。しかし「カネがないから病気を治せない」というのはあまりに切ない理由。大げさなようだが、それは「静かに死を待つ」ことと同じといえるのではないだろうか。

https://news.careerconnection.jp/?p=23496

1億人が通話不可に!? 中国「電話番号実名登録制度」導入で人民の通話内容を監視か

1億人が通話不可に!? 中国「電話番号実名登録制度」導入で人民の通話内容を監視か

 

日刊サイゾー   2016/8/28 15:00

中国の言論統制も「ここに極まれり」といった感じである。このほど中国政府は「電話番号実名登録制度」の導入を正式に発表したのだ。

 

昨年3月には、中国版Twitter「微博」などのSNSやニュースサイトのコメント欄などに書き込みを行う場合、実名登録が義務化されている。そんな中、中国が進める情報発信の実名制が、旧来の通信手段である電話にまで及ぶ格好だ。

 

ニュースサイト「捜狐網」(8月17日付)などによると、中国工信部は固定電話や携帯電話、さらにインターネット利用者に対し、来年6月30日までに身分証の提出を義務付けるという。

上海在住6年の日本人男性も、この新政策に煩わしさを感じている。

 

「中国では携帯電話は書面での契約を交わす必要のないプリペイドが主流で、固定電話やインターネットはコンビニ支払いを選べば偽名や他人名義でも契約ができたのですが、手間が増えることになりそうです」

 

当局の建前としてはあくまで「国内で電話を使用した詐欺などの犯罪が増加していること」を理由としたものだ。ところが、中国のネット上では、 「実名で電話番号を登録するなんて、なんだか盗聴されているようで気分が悪いな。電話で、冗談でも政治家の悪口も言えなくなるのかな」「犯罪防止というより、反政府組織の取り締まりを強化したいんだろうな」

 

などと、早くも不安の声が上がっている。一方では、

 

「そもそも偽の身分証が簡単に作れちゃうから、あまり意味ないと思う」「国民にネットや電話の実名制を強いるなら、公務員は銀行口座や所有資産を公開しろ。犯罪組織とつながっている公務員を退治したほうが、よっぽど犯罪防止になるだろ」

 

との指摘のほか、

 

「イタズラ電話やしつこいセールスの電話がなくなるなら大賛成だ! ぜひ厳しくやってほしい!」「誘拐ビジネスとか薬物売買も、すべて電話を通して行われている。これで少しでも犯罪がなくなるのなら歓迎」

 

と、支持する声もある。

 

ニュースサイト「浙江在線」などによると、浙江省寧波市では今月15日から実名登録制度が一足早く試験導入されており、事情を知らなかった一般市民たちが「急に電話がつながらなくなった」と騒いで、大混乱に陥っている。寧波市内にある中国電信・中国移動・中国聯通などの携帯キャリアショップはここ数日、身分証を片手に氏名登録をする市民であふれ返っているという。

 

当局の真の狙いがなんであれ、人民にとって、さらにまた生きづらい社会になることは間違いなさそうだ。(文=青山大樹)

http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4976413

インドネシアで男が神父襲撃、自爆テロ試みた可能性も

インドネシアで男が神父襲撃、自爆テロ試みた可能性も

TBS News-i   2016/8/29 06:24

 

インドネシア・スマトラ島の教会で28日、ミサの最中に18歳の男が神父を刃物で切りつけ、神父は軽いけがをしました。警察は、男が自爆テロを試みた可能性もあるとみて調べを進めています。

 

AP通信によりますと、スマトラ島北部の街・メダンにあるカトリック教会で28日、ミサに参列していた18歳の男が突然、刃物で神父を切りつけました。男はその場で取り押さえられましたが、神父は腕に軽傷を負いました。

 

ミサの参加者は「男が神父に襲いかかる際、背負っていたバッグが燃え上がった」と話していて、警察は、男が自爆テロを試みた可能性もあるとみて調べを進めています。

 

犯行の動機についてはまだ分かっていませんが、現地の新聞は男の所持品から過激派組織「イスラム国」のシンボルが描かれた紙が見つかったと伝えています。(29日04:12)

http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4978189

不意打ちでも安心!? 「預金封鎖」に対抗して資産を守り抜く方法=東条雅彦

不意打ちでも安心!? 「預金封鎖」に対抗して資産を守り抜く方法=東条雅彦

2016年8月28日 ニュース

 

我が国には敗戦直後に預金封鎖を実施した「前科」があります。1990年代の日本で「資産課税」が検討されていたという噂もあるくらいで、歴史的にはさほど珍しいことではありません。

 

現在の日本で預金封鎖が行われる可能性は極めて低いと思いますが、ゼロとは言い切れません。預金封鎖は「不意打ち」でなければ効果がないため、政府側は突如、預金封鎖を宣言します。直近では2013年3月16日土曜日、キプロス政府が預金封鎖を発表しました。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)

 

キプロスの預金封鎖に学ぶ、日本人が自分の預金を守り抜く方法

 

日本で「預金封鎖」はあり得るのか

 

日本で「預金封鎖」はあり得るのでしょうか。

 

かつて我が国では1946年に預金封鎖が実施され、世界でも稀に見る「預金封鎖の成功例」になっています。

 

預金封鎖は、資産課税を行うために実施されます。政府が借金を返せなくなって、いよいよピンチになると、国民の財産を政府に移管することで難を逃れようとします。財政再建の方法としてはとても強引ですが、効果は絶大です。

 

本稿では、前時代的でナンセンスに思える、この「預金封鎖」に関する情報をお届けします。意外にも預金封鎖は21世紀に入っても実施された例がたくさんあり、歴史的にはそれほど珍しいことではありません。

 

直近では3年前の2013年3月にキプロスで預金封鎖が実施されました。

 

<預金封鎖実施例>

 

1933年3月4日 アメリカ

1946年2月16日 日本

1990年3月15日 ブラジル

2001年12月1日 アルゼンチン

2002年7月30日 ウルグアイ

2013年3月16日 キプロス

 

当時、日本のマスコミは大々的に報道せず、私たちはキプロスの預金封鎖に関して、何か漠然と怖いものであるというイメージしか持てずにいました。

 

具体的なイメージを持てば、変な恐怖感は和らぎ、万が一の場合も冷静に対処できるようになるはずです。

 

あれから3年以上が経過した今、歴史の教訓を学ぶ意味で、キプロスの当時の状況とその後の状況をお伝えして、預金封鎖の真実に迫りたいと思います。

 

なぜキプロスは預金封鎖に至ったのか?

 

キプロスは、地中海に浮かぶ人口約87万人の島国です。この国はオフショア金融センターとして、多大な預金を保有していました。特にロシア富裕層からの預金を多く預かっており、GDPの800%(17兆円超)ものお金が集まっていました。

 

キプロスのGDPは219億ドル(1ドル=100円換算で2兆1900億円)ほどで、日本の経済規模の0.4%です(日本の都道府県で言えば、高知県の経済規模とほぼ同等です)。

 

キプロスは、歴史的にギリシャと深い繋がりを持っています。そのため、キプロスの銀行はギリシャの国債を多く購入していました。

 

そのギリシャは、2010年頃から財政危機が表面化し始めます。2011年には格付会社ムーディーズは、すでに投機的等級にあったギリシャの格付けを、さらに3段階も引き下げました(「Caa1」⇒「Ca」)。

 

格付け「Ca」と言えば、最も低い「C」より一段階だけ上に位置するものの、ほぼデフォルトに陥っている状態を示します。

 

2012年3月にはギリシャ国債の値下がりで買い手がつかず、利回りが36.5%まで上昇しました。ギリシャ国債がほぼ紙屑になったことで、キプロスの銀行は大損害を受けてしまったのです。

 

運命の土曜日

 

2013年3月16日土曜日、キプロス政府は「預金封鎖」を発表します。国内の銀行業務およびオンライン取引を停止しました。この現代において、そんな前時代的なことができるのか?と世界中で衝撃が走りました。

 

タイムスケジュールは次の通りです。

 

<2012年6月25日>

 

欧州連合に緊急融資を要請。

 

<2013年3月15日>

 

ユーロ圏財務相会合で銀行預金への課税を条件とする100億ユーロのキプロス支援策を決定。

 

<2013年3月16日>

 

預金封鎖を発表。

 

<2013年3月19日>

 

キプロス議会は銀行預金への課税に関する法案を否決(賛成ゼロ、反対36、棄権19)。

 

 

<2013年3月25日>

 

アナスタシアディス大統領と欧州連合が交渉、支援条件で合意。

 

<2013年3月28日>

 

銀行が約2週間ぶりに営業を再開し、ユーロ圏で初の資本規制(預金引出制限など)。

 

 

重要な事実

 

このようにキプロス政府は、EUからの100億ユーロの支援が決まった3月15日の翌日に、預金封鎖を発表しました。

 

10万ユーロ以下の預金者には6.75%、10万ユーロ超の預金者には9.9%の預金税を課すのが当初案でした。少額利用者も含めて、国民全員に負担を求めようとしたのです。

 

しかし、3月19日の議会では賛成する議員は1人もおらず、36人が反対して、19人が棄権しています。国民を目の前にして、自分の首をかけて賛成できる議員は一人もいなかったのです。

 

Next: ブルドーザーで銀行突撃!キプロス国民の預金は結局どうなった?

キプロス国民の怒り爆発!ブルドーザーで銀行に突撃する強者も

 

キプロス国民は預金封鎖が発表された後、早朝からATMに並ぶも、もう預金の引き出しはできなくなっていました。これが、その際に表示された画面です。

 

 

 

ATMには「技術的な問題により、現在お取引できません」というエラーメッセージが表示されています。

 

これを知った国民は議会前でデモを行ったりして、大変な騒ぎになりました。怒りを我慢できず、ブルドーザーで銀行に突撃する強者も出てきました。

 

 

 

当初、キプロス政府は短期決戦で預金封鎖を解除する予定でしたが、法案がなかなかまとまらず、そのため国民は2週間も耐えなければいけませんでした。

 

最終的にキプロス国民の銀行預金はどうなったのか?

 

キプロスには大きな銀行が2つありました。国内第1位のキプロス銀行と、国内第2のライキ銀行(キプロス・ポピュラー銀行)です。

 

政府は経営が悪化していたライキ銀行を潰すことにしました。ライキ銀行の健全な資産を、キプロス銀行に移管することにしたのです。そして、ライキ銀行には大量の不良債権を残して倒産させました。

 

<最終的に決まった預金税の内容>

 

1)キプロス銀行の預金者

・10万ユーロ以下は全額保護する

・10万ユーロを超える分の47.5%をキプロス銀行の株券へ転換する。株式転換分以外のユーロ資産は没収とする(預金税を課税する)

 

2)ライキ銀行の預金者

・10万ユーロ以下は全額保護する→キプロス銀行へ移管した

・10万ユーロより多い預金は全額、没収する(100%の預金税を課税する)

 

この預金税は個人・法人問わず実施されました。

 

結局、キプロス銀行、ライキ銀行のどちらに預けていても、10万ユーロより多い通貨「ユーロ」は没収されました。

 

当初案は、10万ユーロ以下の預金者には6.75%、10万ユーロ超の預金者には9.9%の預金税を課すというもので、国民全体が広く浅くダメージを受ける内容でした。しかし、このような少額預金者も含めて課税する行為は、政治的には不可能でした。

 

そのため、広く浅くダメージを広げるのではなく、銀行を1つ閉鎖させて、富裕層に大きな負担を強いる方針に転換したのです。

 

そのため、キプロスの銀行に多くの資金を預けていたロシアの富裕層たちが、大ダメージを受けることになりました。

 

キプロス政府は預金税で合計42億ユーロを得て、EUとIMFから100億ユーロの支援を受けました。

 

この後、国内第2の銀行を失ったキプロスの経済はガタガタになっています。2007年より以前の失業率は概ね3%台(完全雇用)で推移していましたが、キプロス・ショック以降は失業率が一気に跳ね上がりました。

 

<キプロス 失業率の推移>

 

2007年 3.91%

2008年 3.67% ←リーマン・ショック

2009年 5.41%

2010年 6.27%

2011年 7.91%

2012年 11.88%

2013年 15.89% ←キプロス・ショック(預金封鎖&資産課税)

2014年 16.13%

2015年 15.32%

2016年 14.23%

 

<キプロス 名目GDPの推移(単位:10億ユーロ)>

 

2012年 19.47

2013年 18.07 ←キプロス・ショック(預金封鎖&資産課税)

2014年 17.39

2015年 17.42

2016年 17.82

 

キプロス経済は今もまだ完全には立ち直れていません。しかし、失業率は毎年1%ずつ改善されてきており、名目GDPも今年は前年比で2%上昇する見込みです。厳しい状況が続いているものの、最悪期からは脱出しつつあります。

 

Next: 明日は我が身、1990年代の日本でも「資産課税」が検討されていた

1990年代の日本でも「資産課税」が検討されていた

 

大前研一氏によると、1990年代の住専危機の際に、当時の大蔵省が「新円切り替え」による「資産課税」を実施する計画があったそうです。

 

幸い、旧紙幣100万円が新紙幣80万円にされる「新円切り替え」は実施されませんでした。ATMメーカーから事前に情報が漏れてしまったため、計画は未遂で終わったとのことです。

 

日本政府の債務残高対GDP比が100%に達したのが1996年です。その翌年の1997年に橋本内閣が財政構造改革法を成立させ、2003年までに赤字国債発行を削減しようとしていました。結局、その後も財政赤字は拡大し、2016年には債務残高対GDP比は249%を突破する予定です。

 

我が国では、債務の膨張スピードが経済の成長スピードよりも速くなっています。

 

経済が成長しているときは、税収もそのぶん伸びていきます。債務の膨張スピードよりも経済の成長スピードの方が速ければ財政は破綻しないのですが、日本では、

 

経済の成長スピード K (約0%)

債務の膨張スピード S (約4%)

 

「K<S」

 

この状態が20年以上、続いています。

 

債務の膨張にも「複利レバレッジ」がかかります。72の法則で「72÷4=18」となり、18年で債務は2倍になります。

 

K<S(0%<4%)の状態がこのまま続くと、債務残高対GDP比はどうなるか?

 

1980年 50%

↓18年後↓

1998年 121%

↓18年後↓

2016年 249%

↓18年後↓

2034年 498%

 

上記のように「K<S」が続けば、数列の発散により債務の膨張が止まらなくなり、18年毎に2倍のペースで増えていきます。

 

大蔵省の「新円切り替え未遂事件」が事実であるのなら、残念ながら我が国での「資産課税」の可能性を完全には否定できません(限りなく0%に近かったとしても、0%とは言い切れません)。

 

私たちがキプロスの預金封鎖から学べることは、「悲観的な予想を元に万全の準備をして、楽観的に対応する」ということです。この「危機管理の鉄則」に従った対策で、迎え撃つしかありません。

 

Next: 今日から始める預金封鎖対策。自分の預金を守り抜く方法とは?

「危機管理の鉄則」を知り、自分の預金を守り抜こう

 

キプロス国民は、銀行預金を引き出せずに困り果てました。このリスクをなくすには、手元に一定額の現金を持っておくのが有効です。

 

2週間から1カ月ぐらいを凌げる現金を持っていれば、キプロス国民のように困り果てるという事態にはなりません。

 

そして、多くの資産を持っている人は、そもそも余分なお金を「預金」という形で持たないことが有効な預金封鎖対策になります。

 

日銀のバランスシートを見ると、大半のお金が、借方(資産の部)に「国債」、貸方(負債)に「預金」として記載されています。

 

<日銀のバランスシート>

 

借方 貸方

国債 預金(日銀券)

 

複式簿記の基本は「等価交換」です。日銀は、日本国債と通貨「円」を等価交換することで、民間銀行に通貨「円」を供給しています。

 

銀行に多くのお金を預金することは、日本国債を保有することと何ら変わりません。

 

2018年に向かって、需給環境悪化により、国債は暴落するリスクが高くなっています。国債価格の下落は、等価交換している通貨「円」の価値下落を意味します。

 

そこで、次の2つの対策を実施しておけば、預金封鎖のリスクを大幅にヘッジできます。

 

<対策1>

通貨「円」のポジションを下げて、他の資産(株式・不動産・ゴールド等)のポジションを上げておく。

 

<対策2>

2週間~1カ月程度を凌ぐための現金を保有しておく。

これらの対策は危機管理の一環となります。

忘れてはならない「危機管理の鉄則」

「悲観的な予想を元に万全の準備をして、楽観的に対応する」

多くの場合、「楽観的な予想を元にたいした準備もせず、悲観的な対応に追われる」という逆パターンの行動になってしまいがちなので、気をつけましょう。

 

以上が、キプロスの預金封鎖から学べることです。

 

預金封鎖は「不意打ち」でなければ効果がないため、政府側は突如、預金封鎖を宣言します。この不意打ちを防ぐには、「危機管理の鉄則」で臨むのが賢明なのです。

『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2016年8月21日号)より抜粋、再構成

※太字はMONEY VOICE編集部による

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http://www.mag2.com/p/money/21214

ジョジョの奇妙な黒田バズーカ~イカサマは2018年にバレるんだぜ…=東条雅彦

表を見たい方は、こちらで読んでください。↓

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ジョジョの奇妙な黒田バズーカ~イカサマは2018年にバレるんだぜ…=東条雅彦

2016年6月2日   ニュース

 

「2%の物価上昇」を達成するために異次元緩和を続けるという建前は、『ジョジョの奇妙な冒険』の空条承太郎のセリフ「バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ…」の論理にそっくりです。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)

 

承太郎=日銀、ジョセフ=政府。バレる異次元緩和の「イカサマ」

 

「バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ…」

 

『ジョジョの奇妙な冒険』の空条承太郎のセリフ。

 

「バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ…」

 

このセリフ、すごく好きです。

 

承太郎がテレンス(という敵キャラ)と野球ゲームで対決することになりました。

 

ゲームコントローラーをお互い持ち、画面上のバッターとピッチャーで投げ打ち合いを行う単純なゲームです。

 

テレンスは読心術が使えるので、承太郎の心を読みます。承太郎がカーブを投げるのか?ストレートを投げるのか?が手に取るようにわかります。

 

ところが、読心術で読み取ったのと異なる動作をされるため、テレンスは焦ります。

 

そして、読心術で「イカサマをしているのか?」と尋ねると、承太郎の心は「YES」と答えます。

 

テレンスは怒って承太郎を非難します。「イカサマをするとは何事だ!」と。

 

しかし、承太郎は平然と「バレなきゃイカサマじゃない」と言い張ります。

 

これはある意味、真実を突いています。

 

イカサマはバレて(=顕在化して)、初めてイカサマになるのです。

 

日銀の異次元緩和も「バレない間はイカサマではない」

 

日銀の「2年で2%の物価上昇」を達成するために異次元緩和を続けるというのは、私の中では「バレない間はイカサマではない」という論理に見えます。

 

「2年で2%の物価上昇」というインフレターゲットが本当の目的だと思われている間は問題ありません。

 

これが「財政ファイナンス」であるという真実がバレないまでは、承太郎の論理(=バレない間はイカサマではない)が通用します。

 

毎年、日銀が80兆円の国債を買い続けると、どうなるのか?

 

2014年に、日銀は「異次元緩和」と称して、年間80兆円もの国債を買い切るという政策に転じました。

 

<日銀 国債保有量の推移>

 

 

年月

 

兆円

 

増減(前年との比較)

 

201004 58 8

201104 67 9

201204 90 23

201304 143 53

201404 207 64

201504 288 81

 

2016年以降も、毎年80兆円ずつ積み上がっていく予定です。2016年から20年後の2036年まで次のように推移すると予想されます。

 

<日銀 国債保有量の推移【予想】>

 

 

年月

 

兆円

 

201604 368

201704 448

201804 528

201904 608

202004 688

202104 768

202204 848

202304 928

202404 1008

202504 1088

202604 1168

202704 1248

202804 1328

202904 1408

203004 1488

203104 1568 ★

203204 1648

203304 1728

203404 1808

203504 1888

203604 1968

 

いやいや、まさか今後20年も日銀の国債買い切りが続くわけないでしょ。と思っている人もいるかと思います。

 

もちろん、未来は常に不確実です。

 

しかし、アベノミクスが開始されてからの実績を数字を使って定量的に積み上げていけば、大雑把な予想はできます。

 

未来は過去の連続で形成されています。

 

今日の気温が20度だったのに、明日になったら突然、0度になって、明後日にはまた反転してプラス30度になる…というようなことは通常、考えられません。

 

Next: 2031年4月、日銀の国債保有量が市場全体の国債量を超えるんだぜ…

市場全体に出回る国債量はどのように増えていくのか?

 

政府はバブル崩壊以降、ずっと市場に国債を供給し続けています。過去、5年の実績では次の通りです。

 

<市場全体 国債量の推移>

 

 

年月

 

兆円

 

増減(前年との比較)

 

201004 727 49

201104 755 28

201204 783 28

201304 828 +45 ★アベノミクス開始

201404 882 54

201504 911 29

過去6年間の平均値では約40兆円です。

 

今後、政府の方も国債残高を毎年40兆円のペースで積み上げていく可能性が高いという前提で、未来を予想します。

 

<市場全体 国債量の推移【予想】>

 

 

年月

 

兆円

 

201504 911

201604 951

201704 991

201804 1031

201904 1071

202004 1111

202104 1151

202204 1191

202304 1231

202404 1271

202504 1311

202604 1351

202704 1391

202804 1431

202904 1471

203004 1511

203104 1551 ★

203204 1591

203304 1631

203404 1671

203504 1711

203604 1751

 

20年後の2036年に市場全体の国債量は1751兆円になってしまいます。

 

先程も確認したように、日銀の方は異次元緩和が今のペースで継続すれば、2031年4月(★印の箇所)には1568兆円に達してしまいます。

 

なんと、日銀の国債保有量が市場全体の国債量を超えてしまいます。

 

<日銀の国債保有量/市場全体の国債量>

 

2031年4月:1568/1551 = 101%

 

ということは、2030年4月から2031年4月の間で、日銀が市場に出回る国債を全て買い取ることになります。

 

今から15年後の話です。

 

この状態まで行き着けば、「国債の貨幣化」が完全に実現します。

 

財政ファイナンスはやり過ぎると、国債が「貨幣」(お金)と同じ意味を持つようになるということです。

 

とは言うものの、実際には日銀が国債の100%を握ることはないでしょう。

1.政府……売り手

2.金融機関……買い手

3.日銀……買い手

 

買い手は金融機関と日銀の2者です。

 

民間の金融機関(銀行・生保等)が国債をまったく持たなくなるのは想像しにくい事態です。財政ファイナンスはどこかで「イカサマ」がバレる可能性が高いのです。

 

Next: 市場関係者も懸念。注目が高まる「日銀の国債保有比率」

俄然、注目が高まる「日銀の国債保有比率」

 

この日銀の国債保有比率は、今後、世間から注目が高まってくるはずです。

 

最近、高まる日銀の国債保有比率を懸念する報道が行われています(まだ大々的には扱われていませんが…)。

※日銀の保有国債300兆円突破 比率3割に、強まる依存 – 日本経済新聞

※日銀の国債保有331兆円 全体の32.0%に 15年12月末時点 – J-CASTニュース

 

今のペースで政府が借金を増やし続けて、日銀が異次元緩和を継続すると、日銀の保有比率が限りなく100%に近づいてしまいます。

 

<日銀の国債保有比率【予想値】>

 

 

年月

 

日銀

 

政府(単位:兆円)

 

保有比率

 

201504 288 911 32%

201604 368 951 39%

201704 448 991 45%

201804 528 1031 51% ★

201904 608 1071 57%

202004 688 1111 62%

202104 768 1151 67%

202204 848 1191 71%

202304 928 1231 75%

202404 1008 1271 79%

202504 1088 1311 83%

202604 1168 1351 86%

202704 1248 1391 90%

202804 1328 1431 93%

202904 1408 1471 96%

203004 1488 1511 98%

203104 1568 1551 101%

 

日本経済新聞に載っていた識者のコメントを下記に引用します。

 

モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一氏

「日銀が今のペースで国債を買い続ければ、17~18年には流動性低下の弊害が出てくる」

 

 

SMBC日興証券の末沢豪謙氏

「18年末には日銀の保有比率が5割を超え、保有額もGDPを上回る可能性がある。経済成長と両立した財政再建の重要性が増している」

 

杉崎氏、末沢氏ともに、日銀の国債保有比率が2018年に50%を超えると主張しています。

 

 

私の作成した予想値と完全に一致しています。

 

保有比率が50%を超えると、流動性が低くなり、日本国債が暴落してしまう可能性が高いです。今の「異次元緩和」は確実に限界に近づきつつあります。

 

承太郎はどのようなイカサマをしていたのか?

 

ここで、『ジョジョの奇妙な冒険』で承太郎がやっていたイカサマの種明かしをしましょう。

 

敵のテレンスは読心術を使って、承太郎の心を読んでいました。

 

ところが、野球ゲームのコントローラーを操作していたのは承太郎ではなかったのです。

 

 

承太郎の隣で野球ゲームを観察していた祖父のジョセフがスタンドを使って、コントローラーを操作していたのです(承太郎はコントローラーを操作しているふりだけで、実際にはジョセフのスタンドが操作していました)。

 

テレンスはジョセフをゲームの傍観者だと思っていました。

 

だから、承太郎の心をいくら読んでも、予想が当たらなかったのです。

 

ものすごく単純なイカサマです。

 

金融政策に関してはどうしても日銀が目立っているので、市場参加者は「日銀」に注目しがちです。

 

次の金融政策決定会合は来月の6月15・16日に開催されますが、「サプライズはあるのか?」と市場は期待することになるでしょう。

 

しかし、注目する相手が間違っています。真実は下記の通り。

◾承太郎 = 日銀

◾ジョセフ = 政府

 

ゲームのコントローラーを握っているのは、日銀ではなく政府です。

 

政府が国債を増やし続けるから、日銀が買い支えに走っているという事実から目を背けるべきではありません。

 

Next: 「毎年80兆円の国債を市場から買い切る」というイカサマ

毎年80兆円の国債を市場から買い切る」というイカサマ

 

2年後の2018年には、日銀が市場全体の半数の国債を握ってしまいます。

 

アベノミクスの一本目の矢である「異次元緩和」は毎年80兆円の国債を市場から買い切るという政策です。

 

国債を市場に供給しているのは、政府です。(売り手)

 

買い手は金融機関(銀行・生保等)と日銀です。

1.政府……売り手

2.金融機関……買い手

3.日銀……買い手

 

日銀は市場全体の半数を握ったまま、さらに80兆円分の国債を買っていなければいけません。

 

政府は毎年40兆円の新規国債を市場で売っています。次のような状況です。

1.政府……毎年40兆円の新規国債を日銀に売る

2.金融機関……???

3.日銀……毎年80兆円の国債を市場から買う

 

日銀は政府から市場を通じて、40兆円の国債をまるまる買い取って、さらに40兆円を調達していく必要があります。

 

日銀は残りの40兆円をどこから調達すればよいのでしょうか?

 

そうです!買い手は金融機関と日銀の二者しかいないので、残りの40兆円は金融機関から買い取っていくことになるのです。

1.政府……毎年40兆円の新規国債を市場で売る

2.金融機関……毎年40兆円の国債を日銀に売る

3.日銀……毎年80兆円の国債を政府から買う

 

金融機関の国債保有量は毎年40兆円ずつ減っていく

 

2018年で日銀が市場全体の半数を掌握している状態で、さらに金融機関(銀行・生保等)は日銀に国債を売り渡せるのでしょうか?今までの経緯を数字で追っていきましょう。

※参考:物価、資金循環統計、短観データの一括ダウンロード – 日本銀行

 

<日銀の国債保有比率【2016年以降は予想値】(単位:兆円)>

 

 

年月

 

日銀

 

金融機関

 

市場全体

 

保有比率

 

199704 32 259 291 11%

199804 37 282 319 12%

199904 43 315 358 12%

200004 46 345 391 12%

200104 67 384 451 15%

200204 81 439 520 16%

200304 81 474 555 15%

200404 90 528 618 15%

200504 93 578 671 14%

200604 75 599 674 11%

200704 65 617 682 10%

200804 58 638 696 8%

200904 50 628 678 7%

201004 58 669 727 8%

201104 67 688 755 9%

201204 90 693 783 11%

201304 143 685 828 17% ★1

201404 207 675 882 23%

201504 288 623 911 32%

201604 368 583 951 39%

201704 448 543 991 45%

201804 528 503 1031 51% ★2

201904 608 463 1071 57%

202004 688 423 1111 62%

202104 768 383 1151 67%

202204 848 343 1191 71%

202304 928 303 1231 75%

202404 1008 263 1271 79%

202504 1088 223 1311 83%

202604 1168 183 1351 86%

202704 1248 143 1391 90%

202804 1328 103 1431 93%

202904 1408 63 1471 96%

203004 1488 23 1511 98%

203104 1568 -17 1551 101% ★3

 

(注)金融機関の値は「市場全体-日銀」で求めています。

★1…アベノミクス開始

★2…日銀の国債保有比率50%超え

★3…日銀の国債保有比率100%超え

 

2015年までは実績値を用いています。

 

2016年からは市場全体で毎年40兆円ずつ増えていき、黒田バズーカ2(毎年80兆円買い切り)が継続するという前提での予想値となります。

 

注目すべきは金融機関の国債保有量です。

 

日銀が国債を大量に買い切っているため、必然的に金融機関は国債の保有量を減らしています。

1.政府……毎年40兆円の新規国債を日銀に売る

2.金融機関……毎年40兆円の国債を日銀に売る

3.日銀……毎年80兆円の国債を政府・金融機関から買う

 

(2)の金融機関は毎年40兆円の国債を売る、つまり、減らしていかなければいけないのです。金融機関だけに限定すると、次のように保有量を減らしていかなければいけません。

 

<金融機関の国債保有量【2016年以降は予想値】(単位:兆円)>

 

 

年月

 

金融機関

 

200904 678

201004 727

201104 755

201204 783

201304 685 ★アベノミクス開始

201404 675

201504 623 ★ここから40兆円ずつ保有量を減らしていく

201604 583

201704 543

201804 503

 

Next: 本当に金融機関は毎年40兆円分の国債を売り越せるのか?

本当に金融機関は毎年40兆円分の国債を売り越せるのか?

 

政府は毎年40兆円分の国債を市場に供給するので、まず日銀はその分を全て買い取ります。

 

黒田バズーカ2(毎年80兆円買い切り)を継続するためには、さらに残り40兆円を金融機関に売ってもらう必要があります。

 

金融機関の保有量は2012年4月には783兆円もあったのに、4年後の2016年4月には583兆円まで減らしています。

 

この4年間で保有量を約25%も減らしたのです。

 

市場の流動性が毎年悪くなっていくのは明白です。金融機関は国債を永久に売り越し続けることはできないでしょう。

 

コップの中に入っている水の量は有限なのです。ずっと水を流し続けることはできません。いずれ空っぽになります(2031年4月には空になる)。

 

今は、日銀が勢い良く国債を買いまくっているので、国債が人気になって、価格が上がっています。

 

しかし、騙されてはいけません。永久に国債の価格が上がり続けることはありません。また、金利が下がり続けることもありません。

 

金融機関が国債を市場であまり売らなくなったら、どうなるのでしょうか?おそらく次のようなステップを踏むはずです。

 

<予想される国債の売買をめぐる価格遷移>

 

(Step1)日銀は市場で高い値段を提示して、国債を買い取ろうとする。

(Step2)金融機関は儲かるため、日銀に国債を売る。

(Step3)金融機関は手持ちの国債が減っているので、売りにくくなる。

(Step4)日銀はさらに市場で高い値段を提示して、国債を買い取ろうとする。

(Step5)金融機関は儲かるため、日銀に国債を売る。

(Step6)金融機関は手持ちの国債が少なくなっているため、売る量を減らす。★

(Step7)日銀は国債の買い取り量を減らす。

(Step8)だんだん国債が市場で売れなくなり、価格が下がる。

今まで国債の価格はずっと上がりっぱなしです。

 

長期国債先物(SBI証券提供)

長期国債先物(SBI証券提供)

 

現時点ではStep5の段階です。Step6に突入するのは2018年頃だと推測します。今の黒田バズーカを継続すれば、2018年頃には日銀の国債保有率が市場全体の50%に達します。

 

日銀以外のプレーヤー(金融機関)の手持ちの国債が減ってきて、売りにくくなることは明白です。

Next: 今回のまとめ:2018~2031年に日本国債の暴落と金利の暴騰が発生する

今回のまとめ1

今のペースで政府が国債を増やし続けていると、2年後の2018年には、日銀が全体の半数の国債を握ってしまいます。さらに15年後の2031年には、完全に国債が貨幣になってしまいます。

 

異次元緩和を継続させればさせるほど、「イカサマ」であることがバレてしまいます。

ただし承太郎(=日銀)に注目が集まっている間は、「バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ…」の論理が通用します。

 

今回のまとめ2

政府……毎年40兆円の新規国債を日銀に売る

金融機関……毎年40兆円の国債を日銀に売る

日銀……毎年80兆円の国債を政府・金融機関から買う

 

この状態を長期的に維持することは不可能!日銀の国債保有率が50%を超える2018年から2031年の間で、流動性低下に伴う国債の暴落及び金利の暴騰が発生することは明らかです。

『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2016年5月22,5月30日号)より抜粋、再構成

※太字はMONEY VOICE編集部による

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http://www.mag2.com/p/money/13914

中国がこのまま引き下がることはあり得ないー中国人民解放軍「尖閣上陸作戦」へのカウントダウン=北野

中国人民解放軍「尖閣上陸作戦」へのカウントダウン=北野幸伯

2016年8月27日

 

閣諸島周辺に大量に押し寄せていた中国船団ですが、数隻の公船を除きようやく退去したようです。なぜ彼らは立ち去ったのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんが、日米中3カ国の動きと関係性を解説しながらその理由を推理しています。

 

まやかしの中国船退去、敵は必ずもういちど尖閣を取りにくる

 

なぜ中国は、尖閣での挑発をやめたのか?

 

皆さん、オリンピックやスマップ解散で忘れているかもしれませんが…。中国船が大挙して、尖閣周辺の接続水域や領海に入った事件、どうなったのでしょうか?一段落ついたようです。

 

●中国公船9隻、接続水域からすべて退去 8日ぶり – 朝日新聞

 

沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に中国公船が侵入を繰り返していた問題で、領海の外側の接続水域にとどまっていた中国公船9隻が、11日朝までに退去した。海上保安庁が発表した。

 

接続水域から中国公船がすべていなくなるのは8日ぶり。

 

出典:朝日新聞デジタル 8月11日(木)14時22分配信

 

8日ぶり…。長く緊張した時間でした挑発の規模は、過去最大。

 

海保によると、中国公船は3日に3隻が接続水域に入って以降、8日には最多の15隻が入り、領海への侵入も28回あった。

 

周辺の海域には一時、中国漁船が約400隻集まっていたが、漁船の数は減ってきているという。

 

出典:(同上)

 

「漁船」400隻といっても、「武装民兵」が乗っています。「ホッ」としましたが、彼らはなぜ去ったのでしょうか?はっきりした理由は、彼らの上層部以外わかりません。「挑発スケジュール」があって、その期間が過ぎたから帰ったのかもしれない。しかし、中国が引き上げる直前、いろいろあったのも事実です。

 

【関連】躊躇なくスパイを送り込む中国の諜報活動~だから日本は勝てない!=北野幸伯

 

【関連】中国「沖縄独立作戦」の脅威 北京会議で何が話し合われたのか?=石平

 

親中派・二階幹事長、中国大使に会う

 

先日のメルマガで、「親中派の二階さんを密使として送ればいい」と書きました。そして、実際二階さんは、中国大使と会われたのですね。

 

●自民・二階俊博幹事長 中国公船領海侵入で程永華大使に懸念伝達「ルール則ってもらわないと困る」「良好な関係保ちたい」とも − 産経ニュース

 

自民党の二階俊博幹事長は10日、中国の程永華駐日大使と党本部で会談し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国公船が相次いで領海に侵入していることへの懸念を伝えた。程氏側は「真摯に対応する」と応じ、両国が「円満な話し合い」に向け努力していくことで一致した。

 

二階氏は会談の冒頭「家庭内でもぎくしゃくすることがあるわけだから、国と国(の関係)なので当然ある。政治の側がそれを乗り越えていくだけの度量と見識がなくてはならない」と強調した。「今後よく話し合いをしながら良好な関係を保っていきたい」とも述べた。

 

出典:産経ニュース 8月10日(水)17時34分配信

 

この会談が8月10日。翌日には、中国船団がいなくなった。「この会談が影響したのかな?」とも考えられます。中国としても、「親中派の大物」に手柄をたてさせ、影響力が増すのは歓迎でしょう。小沢さん失脚後、二階さんは中国希望の星なのですから。

 

Next: 中国公船が“一時撤退”した最大の理由は?

き出すアメリカ

 

中国が引き上げる直前、ボンヤリ・アメリカもようやく動き出しました。

 

●米「注意深く状況を監視」…中国の尖閣領海侵入 – 読売新聞

 

【ワシントン=大木聖馬】米国務省のトルドー報道部長は9日の記者会見で、中国の公船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の領海に繰り返し侵入していることについて、「我々は注意深く状況を監視しており、日本政府とも緊密に意思疎通を図っている」と述べ、米政府として事態を注視していることを明らかにした。

 

トルドー氏は「米国の尖閣諸島についての立場は、オバマ大統領が以前言及したように、明確で長年のものだ」と述べた。尖閣諸島が対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることを改めて強調し、中国をけん制した。

 

出典:読売新聞 8月10日(水)17時00分配信

 

この最後の部分、大事ですね。2010年9月「尖閣中国漁船衝突事件」の時も、アメリカが「尖閣は日米安保の適用範囲である!」と宣言した途端、中国はおとなしくなりました。「日米安保なんてクソの役にも立たない!」と言う人もいます。しかし、私はそんな人に「事実として役立っているではないですか?」と言いたいです。正直言うと、アメリカが動き出したのが、「中国撤退」最大の理由だろうと思います。

 

海上保安庁、中国漁民6人を救う

 

アメリカが中国に警告した後、中国に「撤退の口実」を与える事件が起こりました。中国漁船とギリシャの船が衝突。中国漁船は沈み、6人の中国人を日本の海上保安庁が救ったのです。

 

●沖縄・尖閣諸島>中国漁船と貨物船が衝突 魚釣島沖の公海 – 毎日新聞

 

11日午前5時半ごろ、沖縄県・尖閣諸島沖で領海警備中の巡視船が、ギリシャ船籍の貨物船「ANANGEL COURAGE」(10万6,726トン、23人乗り)からの遭難信号を受信した。海上

保安庁の巡視船と航空機が、魚釣島沖約67キロの公海上で同船を発見した。

 

同船から事情を聴いたところ、同船がオーストラリアへ向けて航行中、14人乗りの中国漁船「ミンシンリョウ05891」と衝突したことが判明。漂流していた漁船の乗組員6人を救助したが、漁船は沈没した可能性が高いとみられる。海保によると、救助された6人のうち2人が切り傷を負っているが命に別条はないという。

 

漁船は網を揚げる作業をしている時に、貨物船と衝突したという。6人は海保のヘリコプターで石垣島へ移送された。

出典:毎日新聞 8月11日(木)11時22分配信

 

これに対し、中国側も感謝。時事8月12日。

 

●海保の中国人救助「称賛」=当初の談話では触れず-中国外務省 − 時事ドットコム

【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は11日夜、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の公海上で、ギリシャ船籍の貨物船と衝突した中国漁船が沈没した事故について談話を発表。

 

海上保安庁の巡視船が、漁船の中国人乗組員6人を救助したことに関し、「日本側が表した協力と人道主義精神を称賛する」とコメントした。

出典:時事ドットコム 8月12日(金)01時18分配信

 

この事件が起こったのが11日早朝。直後に中国船は、領海、接続水域から出ていきました。「中国人6人の命を救ってもらって、さらに挑発する」というのは、さすがにできないですね(アメリカも動き出したし…)。

 

Next: 中国がこのまま引き下がることはあり得ない

彼らはまた戻ってくる

 

というわけで、日本を震撼させて大きな危機は、いったん去りました。しかし、彼らは必ず戻ってきます。

当メルマガでは、08年9月出版の『隷属国家日本の岐路(ダイヤモンド社)』で「尖閣から日中対立が起こる」と書いて以来、一貫して警告を続けてきました。特に12年11月、中国がモスクワで「反日統一共同戦線」戦略を発表して以降、私は「戦争中」という意識で暮らしています。なんといっても中国は、「日本には、尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!」と宣言しているのですから。

※反日統一共同戦線を呼びかける中国 – ロシアの声

 

ですから日本は、「彼らはまた必ず戻ってくる!」と自覚し、準備を怠らないようにしなければなりません。その一歩は、「反日統一共同戦線」の記事を丸暗記すること。次のステップは、『中国4.0 ~暴発する中華帝国』

(エドワード・ルトワック)を熟読することでしょう。

「終戦記念日」が終わったばかりですが、残念ながら「新たな戦い」は、もう始まっています。

 

『ロシア政治経済ジャーナル』(2016年8月18日号)より一部抜粋

※太字はMONEY VOICE編集部による

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尖閣周辺領海侵入、岸田外相「事態の完全な沈静化」求める

尖閣周辺領海侵入、岸田外相「事態の完全な沈静化」求める

TBS News-i   2016/8/25 04:24

 

日本と中国の外相会談が行われ、岸田外務大臣は、懸案である度重なる中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入について、「事態の完全な沈静化」を強く求めました。

 

「事態の完全なる沈静化、そして再発防止、東シナ海全体の状況の改善等を強く求めました」(岸田文雄外相)

 

今月上旬から断続的に続いている中国公船による尖閣諸島周辺の日本領海への侵入について、岸田外務大臣は日本側の考えを改めて明確に伝え、事態の完全な沈静化を求めました。

 

その上で、状況が改善されれば、来月、中国で行われるG20サミットの際に安倍総理と習近平国家主席との会談の実施も含めて関係改善を進める考えがあることを伝えました。

 

「双方の努力を通じて、私たちの海上での意見の食い違いをコントロールすることです」(王毅 中国外相)

 

これに対し中国の王毅外相からは、日中両政府の“ハイレベルの協議を通じて意思疎通を積み重ね、関係改善を進めたい”という趣旨の発言があったということです。

 

また、日本と韓国の外相会談では、岸田外務大臣から、元従軍慰安婦を支援する財団への日本からの10億円の拠出を閣議決定したことを伝達しました。10億円は今月中にも支出することで調整しています。(24日23:34)

http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4960489

事態の完全な沈静化を求めた岸田外務大臣と、答えになっていない答えをよせてきた中国の王毅外相。

周辺国は教化されてない蒙童(もうどう)蘇った中華思想の亡霊 「覇主国家意識」が本音だ

~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~

石平(せきへい)のチャイナウォッチ http://www.seki-hei.com

 

■周辺国は「教化されてない蒙童」

…蘇った中華思想の亡霊 「覇主国家意識」が本音だ

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先月13日、韓国政府が米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を

韓国国内に配備すると発表して以来、

それが自国の安全に対する「脅威」だと言い張る中国政府は

「制裁」の部分的発動などの圧力を韓国側にかけてきたと同時に、

各宣伝機関や御用学者を総動員して、

韓国の措置に対するすさまじい批判キャンペーンを展開している。

 

こうした中で、中国の環球時報ネット版「環球網」は今月16日、

ある軍関係者の韓国批判発言を紹介したが、

それは実に興味深いものだった。

 

発言者は中国国防大学戦略研究所元所長の楊毅教授で、

少将の軍階級をもつ現役の軍人である。

韓国の「THAAD配置」に関する座談会で楊教授は、

中国の意向に反して配置を決めた韓国に対し

「徹底的な懲罰」を加えるべきだと主張した上で、こう語るのである。

 

「今度は徹底的に韓国を懲らしめることによって、

今後のための1つのルールを確立することができる。

(韓国だけでなく)周辺国に分からせよう。

中国と付き合うのにはルールがある。

(それに従わず)わがままな行動を取った場合、

お尻をたたかれなければならないのだ」と。

 

楊教授発言にできるだけ忠実な日本語訳だが、

ポイントは2つあると思う。

 

1つは、韓国を懲らしめることによって中国と韓国、

中国と周辺国が付き合う場合の「ルール」を確立すべきだ

と彼が主張している。

 

もちろんその場合、「ルール」を確立するのは

中国の方であって韓国やその他の周辺国ではない。

しかも中国は、韓国や周辺国との

話し合いによって「ルール」を作るのでもなく、

「懲らしめる」という中国側の一方的な強制力をもって、

それを確立すべきだというのである。

 

つまり楊教授はここで、韓国や周辺国との関係において、

中国は一方的にルールを作って周辺国に強制すべきだ

と堂々と主張している。

 

ここにはもはや、国家間平等の観念や

「皆で共通のルールを作ろう」という国際社会の常識はかけらもない。

あるのはただ、中国こそがアジアと世界の

絶対的な「立法者」であり、独尊無二の「覇主」であるという、

あまりにもゆがんだ自国意識である。

 

それでは、周辺国が「中国のルール」に従わない場合はどうなるのか。

それについて楊教授発言は次のような答えを用意している。

つまり、「お尻をたたかれる」というのである。

 

中国語の世界では、「お尻をたたくぞ」というのはたいてい、

親や学校の先生がいたずらの悪童に対してよく使う言葉だ。

韓国や周辺国などの主権国家に対し、

このような言葉が自然に口から出てきたことは驚くべきである。

 

往時の華夷(かい)秩序において、

中華帝国は自らのことを「親」としての「宗主国」を自任し、

周辺国や民族を単なる「教化されてない蒙童(もうどう)」

として取り扱っていたが、

こうした覇道主義的中華思想の亡霊が

目の前に蘇(よみがえ)ってきているのである。

 

それは中国の一軍人の妄言として片付けられるようなものではない。

 

楊教授の発言はまさに公の発言として堂々と発表され、

中国全国のネットで広く流布されている。

「お尻をたたく」という言葉は

多くの新聞紙やネットニュースのタイトルにもなっている。

それに対する異論や批判は国内では一切ない。

 

国際社会では信じられないほどゆがんだこの発言は、

中国ではむしろごく自然に当然な言葉として受け止められている。

 

これを見てわれわれは一つ、

大事なことを銘記しておかなければならない。

昔の中華帝国のように力ずくで周辺国をねじ伏せ、

中国の一方的なルールに従わせて自らが覇主となる

というこの恐ろしい意識こそ、

今の中国政府と多くの中国人エリートの本音と野望なのである。

 

( 石 平 )

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【【【 Youtube無料動画公開中 】】】

▼▼TSJ / 奥山真司の「アメ通LIVE!」 - YouTube▼▼

・THAAD配備。中国、属国韓国を無慈悲に懲罰。

|https://www.youtube.com/watch?v=uROwDDO-WUU

・習近平の汚職撲滅政策で愛人契約も激減?

|https://www.youtube.com/watch?v=eqMXy0J0QcM

・米国ランド研究所が米中戦争をシュミレーション

|https://www.youtube.com/watch?v=2CLc0V1H08w

・南シナ海、東シナ海で中国乱獲。海産物が根絶。

|https://www.youtube.com/watch?v=slh2BOgBq44

・マナーの悪い中国人をブラックリスト化して渡航禁止にする法案。

|https://www.youtube.com/watch?v=SjjqfEuW8uE

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マック、スイートコーン注文したら厨房から「死ね」の声…追加注文すると店側が拒否

どっちもどっちやね。でも、お客様に聞こえるような大声で失礼なことを怒鳴る店員がまず最悪。店が店員を甘やかし過ぎ。

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2016.08.16

マック、スイートコーン注文したら厨房から「死ね」の声…追加注文すると店側が拒否

文=編集部.

 

 マクドナルドの店舗で、店員が客の注文を意味もなく断るという暴挙をしたと話題になっている。体験者がTwitterでその時の様子を語っているので紹介していこう。

 

 Aさんは、マクドナルドのサイドメニュー「スイートコーン」(220円)を注文した。この商品はコーンの素朴な甘みと、噛むたびにはじける食感を温かい温度で楽しめる風味豊かなメニュー。いたって普通のメニューを普通に注文しただけだが、Aさんによると厨房裏から「誰だよコーン頼んだ害児、あれ熱いんだよ、死ね」と聞こえてきたという。

 

 これでAさんの闘志にメラメラと火が付き、さらに3つスイートコーンを注文した。その後、さらにAさんは追加でスイートコーンを5個注文しようとしたところ、「申し訳ございません、お客様にはこれ以上スイートコーンをお出しできません」と断られたそうだ。また、厨房ではスイートコーンをつくっている店員が謎のカウントダウンをしていたらしい。

 

 他店のマクドナルド店員からの情報では、スイートコーンはレンジで加熱して提供するものらしく、バーガー類を焼く作業に比べるとまったく熱くないようだ。また、単品220円とマクドナルドにしては割と高い商品で、調理の手間がほとんどないため企業としては絶好の商品でもある。

 

 ただ、スイートコーンは朝にその1日分の出数を予測して準備しておくため、在庫が切れると焼き直すという手間があるそうだ。あまり売れない商品のため在庫管理が難しく、Aさんのようなイレギュラーな客がくると、結構な手間がかかってしまう可能性は確かにある。

 

戦場と化す厨房

 

  しかし、客が聞こえる声量で店員が暴言を吐き、注文を断るというマクドナルドの行為は許されるものではないが、社員への教育が徹底していると思われる大手チェーンで、なぜこのような事態が起こるのだろうか。外食チェーン関係者は語る。

 

「特に駅前など立地の良い店舗の場合、お昼時などの混雑時にはひっきりなしに客が殺到して、レジと厨房は膨大な注文をさばかなければならないため、戦場と化します。しかも暑い夏場となれば、酷暑のなかで熱々の料理をつくっては出しの繰り返しで正常な思考状態を保てなくなるほどです。そんな状態が長時間続いて、さらにそれほど時給が高くないとなれば、大声で暴言を吐く店員が出てもおかしくはありません」

マクドナルドにもツイート主にも批判相次ぐ

ちなみにこのツイートに対して「売上が下がっているなかで来てくれた客に販売拒否か、さすがマクドやね」と店側を批判する声もあれば、「店が嫌がってるのにあえて注文とか、人としてどうなんだろう」と、逆にAさんを批判する声も上がっている。この暴言を吐いた店員は、今も店舗でスイートコーンを調理しているのだろうか。

(文=編集部)

http://biz-journal.jp/2016/08/post_16322.html