ボウイ、プリンス…2016年、なぜ海外スターは次々とこの世を去るのか? 海外メディアが考察
ボウイ、プリンス…2016年、なぜ海外スターは次々とこの世を去るのか? 海外メディアが考察
更新日:2016年4月30日
1月のデイヴィッド・ボウイ氏に始まり、アラン・リックマン氏、そして4月21日のプリンス氏と、日本でも人気の高い有名人の訃報が続いている。プリンス氏死去のニュースを知ったとき「またか」と思った人も多かったのではないだろうか。多くの人がそう感じたようで、プリンス氏の訃報をきっかけに、「著名人は呪われているのか?」とセンセーショナルに書き立てたものも含め、各紙が「2016年、著名人が次々に亡くなっているのはなぜか?」を分析する記事をこぞって掲載している。BBC、テレグラフ、エクスプレス、インデペンデント、タイム各紙誌の記事から見えてきた表題の疑問への答えは、おおかた3点にまとめられるようだ。
◆80人以上の著名人が今年すでに死亡
22日付のイギリスのデイリー・エクスプレス紙(電子版)によると、2016年の4ヶ月間ですでに80人以上の著名人が亡くなった。冒頭に書いた人たちや、ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティン氏、新国立競技場の当初案を設計した建築家のザハ・ハディド氏などは日本でも馴染み深いが、他にもイギリスで国民的人気を誇ったコメディアンなども相次いで亡くなっている。
BBCは22日付の記事で、1月1日から3月31日にBBCで書かれた死亡記事の本数を比較した。2012年5本、2013年8本、2014年11本、2015年12本と毎年増加し、今年は24本だ。BBCの同記事によると、テレグラフ紙は亡くなった著名人の写真を掲載しているが、この時期、2014年は38人、2015年は30人に対して、今年はすでに75人に達している。
◆理由1:ベビーブーム世代とメディア創成期世代が高齢に
今年亡くなった著名人の多くは、1946?1964年のベビーブーム期に生まれている。この時期に生まれた人が多いということは、それだけ同じ時期に寿命を迎える人が多いということだ。タイム誌(22日付)によると、ベビーブーム世代はちょうど大衆向けエンターテインメントを革命的に変化させてきた世代であり、メディアがさまざまな「スター」たちを盛んに取り上げ始めたのもベビーブーム世代が活躍した時代だった。例えば「最もセクシーな男性ランキング」で有名なピープル誌の創刊は1974年だ。有名人第一世代と言ってもよいこの世代の人たちが寿命を迎える年齢に差し掛かり、多くの訃報を目にするのは自然なことだとしている。
エクスプレス紙もまた、1960年代に脚光を浴び始めて伝説的な立場を確立したアーティストの多くは今や70代になっており、健康が悪化する可能性がより高くなると指摘している。
◆理由2:「有名人」の増加
昔は、テレビのチャンネル数やエンターテインメントそのものが少なかった。しかし現代はテレビのチャンネル数増加にとどまらず、ソーシャル・メディアや動画共有サイト、ビデオ・オンデマンドの出現でいわゆる「有名人」になるのは以前より簡単になった。結果として有名人の数自体が増えたために、死亡者数も以前より増えたのだ、と指摘するメディアも多い。
◆理由3:SNSの拡散力
さらに多くのメディアが指摘するのが、ソーシャル・メディアの拡散力だ。テレグラフ紙(22日)によると、有名人の訃報は昔ならラジオや新聞の死亡欄で報じられたものだった。そしてその悲しみは、個々人で消化されたものだった。しかし現代では、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどで#RIP(安らかに眠れ)というハッシュタグとともに報じられ、みんな競うようにお悔やみの言葉を投稿するのだ。こうした拡散力のおかげで、個人的に興味がない業界の有名人の訃報も知るようになり、増えたような感覚がするのだという。
◆生活スタイルに問題も…?
上記3点が主に共通の見解だが、他に独自の理論を展開するメディアもある。エクスプレス紙やテレグラフ紙が指摘しているのは、「有名人ならでは」の生活スタイルだ。エクスプレス紙は、「すべての有名人が当てはまるわけではない」と断った上で、「酒と薬」に溺れる生活スタイルで知られていたロックンローラーもいたとし、例としてデイヴィッド・ボウイ氏が1970年代にコカイン中毒だったと指摘している。
テレグラフ紙は、2014年に発表された興味深い研究を掲載した。ロック・スターやポップスター1万3000人を研究したところ、こうしたスターたちは平均寿命より平均で25歳も早死にしていることが分かったという。
◆著名人の死は今後も増える?
上記に挙げた理由1と2から、今後も亡くなる著名人の数は増えるとみるメディアは多い。BBCニュースでは毎年年末、その年に亡くなった著名人を30分のコーナーで振り返るが、今年は当該コーナーを1時間に拡大する許可がすでに下りているという。
一方でタイム誌は、同誌電子版に掲載された死亡記事数(1月?3月)を比較し、2014年は24件、今年は21件で、今年が特に多いわけではないと主張している。ただ、今年亡くなった有名人たちが飛び抜けて人気のある存在だったため、多いように感じるのだという。
「増えていない」というタイム誌の主張が本当だとしても、理由1の「メディア創成期に生まれた伝説的なスター」が高齢になっている事実を鑑みると、今後も存在感のある大スターが亡くなり、タイム誌が指摘するように「多く感じる」ことになるのだろう。
愛するアーティストたちが亡くなるのは非常に悲しいことだ。しかし彼らが音楽界など各界に遺した偉業を称え、冥福を祈りたい。次の世代のアーティストも、彼らと同じように素晴らしいものを後世に遺すと信じながら。
(松丸さとみ)
更新日:2016年4月30日
1月のデイヴィッド・ボウイ氏に始まり、アラン・リックマン氏、そして4月21日のプリンス氏と、日本でも人気の高い有名人の訃報が続いている。プリンス氏死去のニュースを知ったとき「またか」と思った人も多かったのではないだろうか。多くの人がそう感じたようで、プリンス氏の訃報をきっかけに、「著名人は呪われているのか?」とセンセーショナルに書き立てたものも含め、各紙が「2016年、著名人が次々に亡くなっているのはなぜか?」を分析する記事をこぞって掲載している。BBC、テレグラフ、エクスプレス、インデペンデント、タイム各紙誌の記事から見えてきた表題の疑問への答えは、おおかた3点にまとめられるようだ。
◆80人以上の著名人が今年すでに死亡
22日付のイギリスのデイリー・エクスプレス紙(電子版)によると、2016年の4ヶ月間ですでに80人以上の著名人が亡くなった。冒頭に書いた人たちや、ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティン氏、新国立競技場の当初案を設計した建築家のザハ・ハディド氏などは日本でも馴染み深いが、他にもイギリスで国民的人気を誇ったコメディアンなども相次いで亡くなっている。
BBCは22日付の記事で、1月1日から3月31日にBBCで書かれた死亡記事の本数を比較した。2012年5本、2013年8本、2014年11本、2015年12本と毎年増加し、今年は24本だ。BBCの同記事によると、テレグラフ紙は亡くなった著名人の写真を掲載しているが、この時期、2014年は38人、2015年は30人に対して、今年はすでに75人に達している。
◆理由1:ベビーブーム世代とメディア創成期世代が高齢に
今年亡くなった著名人の多くは、1946?1964年のベビーブーム期に生まれている。この時期に生まれた人が多いということは、それだけ同じ時期に寿命を迎える人が多いということだ。タイム誌(22日付)によると、ベビーブーム世代はちょうど大衆向けエンターテインメントを革命的に変化させてきた世代であり、メディアがさまざまな「スター」たちを盛んに取り上げ始めたのもベビーブーム世代が活躍した時代だった。例えば「最もセクシーな男性ランキング」で有名なピープル誌の創刊は1974年だ。有名人第一世代と言ってもよいこの世代の人たちが寿命を迎える年齢に差し掛かり、多くの訃報を目にするのは自然なことだとしている。
エクスプレス紙もまた、1960年代に脚光を浴び始めて伝説的な立場を確立したアーティストの多くは今や70代になっており、健康が悪化する可能性がより高くなると指摘している。
◆理由2:「有名人」の増加
昔は、テレビのチャンネル数やエンターテインメントそのものが少なかった。しかし現代はテレビのチャンネル数増加にとどまらず、ソーシャル・メディアや動画共有サイト、ビデオ・オンデマンドの出現でいわゆる「有名人」になるのは以前より簡単になった。結果として有名人の数自体が増えたために、死亡者数も以前より増えたのだ、と指摘するメディアも多い。
◆理由3:SNSの拡散力
さらに多くのメディアが指摘するのが、ソーシャル・メディアの拡散力だ。テレグラフ紙(22日)によると、有名人の訃報は昔ならラジオや新聞の死亡欄で報じられたものだった。そしてその悲しみは、個々人で消化されたものだった。しかし現代では、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどで#RIP(安らかに眠れ)というハッシュタグとともに報じられ、みんな競うようにお悔やみの言葉を投稿するのだ。こうした拡散力のおかげで、個人的に興味がない業界の有名人の訃報も知るようになり、増えたような感覚がするのだという。
◆生活スタイルに問題も…?
上記3点が主に共通の見解だが、他に独自の理論を展開するメディアもある。エクスプレス紙やテレグラフ紙が指摘しているのは、「有名人ならでは」の生活スタイルだ。エクスプレス紙は、「すべての有名人が当てはまるわけではない」と断った上で、「酒と薬」に溺れる生活スタイルで知られていたロックンローラーもいたとし、例としてデイヴィッド・ボウイ氏が1970年代にコカイン中毒だったと指摘している。
テレグラフ紙は、2014年に発表された興味深い研究を掲載した。ロック・スターやポップスター1万3000人を研究したところ、こうしたスターたちは平均寿命より平均で25歳も早死にしていることが分かったという。
◆著名人の死は今後も増える?
上記に挙げた理由1と2から、今後も亡くなる著名人の数は増えるとみるメディアは多い。BBCニュースでは毎年年末、その年に亡くなった著名人を30分のコーナーで振り返るが、今年は当該コーナーを1時間に拡大する許可がすでに下りているという。
一方でタイム誌は、同誌電子版に掲載された死亡記事数(1月?3月)を比較し、2014年は24件、今年は21件で、今年が特に多いわけではないと主張している。ただ、今年亡くなった有名人たちが飛び抜けて人気のある存在だったため、多いように感じるのだという。
「増えていない」というタイム誌の主張が本当だとしても、理由1の「メディア創成期に生まれた伝説的なスター」が高齢になっている事実を鑑みると、今後も存在感のある大スターが亡くなり、タイム誌が指摘するように「多く感じる」ことになるのだろう。
愛するアーティストたちが亡くなるのは非常に悲しいことだ。しかし彼らが音楽界など各界に遺した偉業を称え、冥福を祈りたい。次の世代のアーティストも、彼らと同じように素晴らしいものを後世に遺すと信じながら。
(松丸さとみ)
英女王の「中国高官は無礼」発言に見える英中関係の難しさ 中国の「無礼」の理由とは?
チュウゴク人は上から下まで無礼なことをするのは、前からだ。
それを非難されても恥知らずだから何とも思ってないと思いま~す。
英国の女王が、チュウゴクが無礼だと言ったのは、よほどのことをチュウゴクがやったということでしょう。以前も、チュウゴク人の女性のエライサンが日本に来て、誰にも会わずに直ぐ帰ったシネ。チュウゴクのエライサンたちは、創価学会のエライサンには、必ず会うらしい。お互いに利用し合っているからでしょう。
~~~~~~
英女王の「中国高官は無礼」発言に見える英中関係の難しさ 中国の「無礼」の理由とは?
更新日:2016年5月13日
バッキンガム宮殿での茶会に招かれた警官とエリザベス女王の会話が波紋を呼んでいる。会話の中で女王は、中国の習近平主席訪英の際、中国の代表団が「失礼だった」と発言した。本来ならばオフレコであったこの会話はBBCによって世界に報じられ、蜜月時代に入ったとされる中英関係への影響が懸念されている。
◆発言は警官の苦労話から
問題の会話の舞台となったのは、本年度第1回目である恒例の夏のガーデン・パーティーで、公共サービスに力を尽くした約8000人の招待客を招いて開催された。招待客の1人であったロンドン警視庁の幹部、ルーシー・ドーシ氏は、習主席訪英の際、警備の指揮を執った人物で、「その時の話をお聞かせして」とパーティを主催する団体のチェンバレン卿に促され、苦労話を女王に打ち明けた(テレグラフ紙)。
ドーシ氏によれば、イギリスのウッドワード駐中大使との事前会合で、中国の高官たちは会議を退席し、「訪問はやめだ」と同氏に言い放ったという。女王は事前にその事件を知っていたようで、「彼らは大使にとても失礼だった」と述べた。ドーシ氏は、中国側は同氏と大使を袖にしたと述べ、「とても失礼で、とても人の扱い方を知らない」と返答している(ガーディアン紙)。
◆ビニール傘使用で思いもかけない結果に
この会話を捉えていたのは、18年間バッキンガム宮殿で撮影を担当するピーター・ウィルキンソン氏のビデオカメラだ。同氏は報道陣が殺到するのを防ぐ理由で、女王の公式行事撮影のため英報道各社に共同で雇われており、未編集の映像素材を各社に送ったと言う(テレグラフ紙)。
テレグラフ紙によると、実はウィルキンソン氏自身には撮影中、女王たちの会話は全く聞こえておらず、素材を受け取ったBBCが初めて「プライベート」な会話に気づき、報じることを決めたらしい。同紙によれば、通常ならばカメラのマイクが鮮明に拾えないレベルの声であったが、茶会当日は雨が降っており、女王が差していたビニール傘が音を反響し、拡声器の役割を果たしたようだ。布製傘であれば、会話が録音されることはなかったはずだという。
◆何が中国を怒らせたのか
この事件で一番気になるのが、中国側の非礼の原因だ。英ハモンド外相は、習主席訪英は成功だったとしつつも、「どちらも少しだけストレスを感じた」と問題があったことを認めている。ガーディアン紙は定かではないとしながらも、習主席訪英時の抗議活動家を巡る問題や、彼らをどう扱うか、またどの程度まで彼らが共産党高官に近づくことを許可するかといったことへの見解の違いが、中国側の怒りの原因だったのではと推測している。同紙によれば、過去の中国からの公式訪問で異論が多い分野は、抗議活動と治安についてだという。
BBCも同じ点を指摘しているが、ドーシ氏とウッドワード大使の両方が女性だったことが、中国側の非礼に関係している可能性も示唆している。
◆いまだかつてない女王の意見表明。英中関係にも影響か?
ロサンゼルス・タイムズ紙(LAT)は、多くの王室ウォッチャーが、王位に就いて63年間、一貫して政治を語らず、個人としての意見を表に出さない女王の今回の率直な発言に驚いていると述べる。『The Queen’s Speech』の作
者、イングリッド・シュワード氏は、女王の発言はミスではなく、あえてしたものだと推測しており、女王は中国側が大使に取った態度のひどさを、痛切に感じたのだろうと述べている。
キングス・カレッジの中国研究者、ケリー・ブラウン教授は、60年の外交経験を持つ女王でさえ、中国は扱いが難しい相手だと感じていると指摘。英中関係は容易なものではなく、そのことは女王のコメントに含まれる感情に見て取れると説明する。(BBC)
現時点で、中国外交部の報道官は、女王の発言への直接のコメントは控えており、習主席訪英は成功だったとしているが、英中の特別な関係は終わったのかというガーディアン紙の質問に、「今日の私の回答を考え合わせてみて」と意味深な受け答えをしている。
BBCの中国メディア・アナリストのケリー・アレン氏は、「女王のコメントは面目を保つことを重んじる中国のエリートには非常に決まりの悪いものであっただろう」と述べ、政府が公式にどのような見解を示すかを決めるまで、国営メディアはこの件を報道しないだろうと述べている。中国のソーシャルメディアは早速女王の発言に反応しているが、検閲も追いついてきているという。また、中国で放映されているBBCワールドニュースも、習主席訪英についての言及がある時は、すべて一時的にテレビ画面が真っ黒になっているという(BBC)。
これまでも英王族の問題発言はあったものの、今回はトップである女王の発言だけに、英中蜜月に水を差す形となりかねない。両政府の今後の対応に注目が集まりそうだ。
(山川真智子)
http://newsphere.jp/world-report/20160513-1/
>>>NEXT:原発まで? 英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
“中国に原発まで任せていいのか”英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
更新日:2015年10月2日
“中国に原発まで任せていいのか”英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
キャメロン首相がダライ・ラマと会談後、しばらく中国に冷遇され苦汁をなめたイギリス。首相が訪中を許された2013年からは、その対中重視路線は明確となった。中国資本を取り込もうと、9月20日に訪中したイギリスのオズボーン財務相は、猛烈な営業活動を行ったようだ。このような政府の姿勢に対し英国内で賛否が分かれているようだ。
◆中国を満足させたヨイショ外交
訪中1日目に習金平主席と会ったオズボーン氏は、「イギリスは中国から逃げられない」、「その逆で、中国に駆け寄っていくべきだ」と、さっそくリップサービス。その後訪れた上海の証券取引所では、「イギリスを中国の西側における最良のパートナーとするために、結束しよう」と呼びかけた(オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー、以下AFR)。中国政府系のグローバル・タイムズは、「人権問題」を口にしなかった同氏の「外交的エチケット」を称賛し、慎み深いのが、ビジネスチャンスを求める者の正しい態度だと評価している(英ガーディアン紙)。
フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、オズボーン氏を中国の富をがっちりつかみたい経済優先派と評している。アメリカの意向に逆らってアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加を表明したイギリスの決断には、ロンドンを人民元のオフショア取引の中心にしたいという同氏の思惑が影響した、と同紙は報じている。
◆中国資本はイギリスにとって悪?
今回の訪中では、英国が同国内の原発や高速鉄道への投資を中国側に呼びかけた。すでにサマセット州とサフォーク州の原発プロジェクトには、中国の資金援助が見込まれており、その見返りとして、西側の国では初めて、エセックス州での新規の原発の建設と運営を、中国に任せる計画だという(AFR)。
主要なインフラ建設に中国を絡ませることについては、慎重な意見もある。国の重要なインフラ整備に関わる事業で、中国企業を排除したオーストラリアのAFRは、イギリスは原発の経済性と国の原子力発電の能力増強の妥当性を重視しており、安全保障を二の次にしていると指摘。また、国連安保理の常任理事国で外交的影響力もあるのに、領土問題などで許容範囲を超えた行為をする中国に強く出られないと述べ、中国に取り入るイギリスに、欧州で一番多く中国マネーが流れ込んでいると皮肉った。
英インデペンデント紙は、必ずしもイギリスの国益に合致しない国に、主要インフラを任せていいのかと問い、人権問題などで批判される中国との関係強化が倫理的に問題だと述べている。同紙はまた、10月の習主席のロンドン訪問を何としてでも成功させたいイギリスの閣僚たちは、ビジネス欲しさに民主主義、表現の自由を語らない「新世代の欧州政治家のビジョン」を中国メディアに見せることになると皮肉る。そして、訪米した習主席を冷やかに扱ったオバマ大統領の態度とは、かなり違ったものになると述べている。
FTは、中国との特別な関係を作ることは、「国の繁栄と安全は、開かれた、ルールに基づく国際システムの維持の上に成り立つ」という1945年以来アメリカによって保証されてきた体制から外れることだと述べる。経済と安全保障のバランスを取るのは難しいが、危険な原子力プログラムへの数十億ポンドの投資だけが、イギリスの国益ではないはずだと指摘している。
◆中国からの投資は絶好のチャンス
一方、中国の投資を歓迎する声もある。シェフィールド大学のキース・バーネット卿は、テレグラフ紙に寄稿し、イギリスには新しい形態のエネルギー、よりよい交通網、都市や住宅の再生が必要だとし、中国からの投資はイギリスにとってのチャンスだと主張する。
同氏は、中国がイギリスに投資する動機が分からないと恐れる人もいるが、ヒースロー空港や水道会社のテムズ・ウォーターにはすでに中国の資本が入っていると説明。ロンドンやイングランド南東部と、北部との経済格差を縮めるため政府が提案する「ノーザンパワーハウス(イングランド北部経済振興策)」にも大量の資本注入が必要になるとして、中国の投資に期待している。
(山川真智子)
http://newsphere.jp/world-report/20151002-1/
>>>NEXT:日米体制に対抗 中国主導のアジア投銀が台頭
“新たな秩序”中国主導のアジア投銀が台頭 「日米体制に対抗」と海外メディア
更新日:2015年3月17日
中国主導で年内の設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、イギリスが先週、G7諸国で初めて参加を表明した。アメリカがイギリスを含む同盟国に不参加を要請していただけに、このニュースは世界に衝撃を与えたと主要海外メディアは報じている。一方、英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)、米フォーブス誌は、アメリカは方向転換し、AIIBに協力的な姿勢を取るべきだと主張する論説を掲載している。
◆日米主導の既存機関に対抗
AIIBは昨年10月、中国主導で20ヶ国が設立に合意し、今年中の運営開始を目指している。中国が資金の大半を負担し、インド、クゥエート、カタールなどが設立メンバーに名を連ねる。今回はイギリスが西側諸国では初めて参加を表明した。アメリカは世界銀行、アジア開発銀行など既存の投資銀行を主導する立場から、同盟国に参加しないよう圧力をかけていた。そのため、世界銀行やアジア開発銀行の主要出資国である日本も、他のヨーロッパ諸国やオーストラリア、韓国などと共に今のところ不参加の方針だ。
フォーブス誌は、中国は現在、既存機関にも資金提供をしているが、その発言権は限られていると指摘する。アジア開発銀行での全加盟国の総投票権数における割合は、日本15.7%、アメリカ15.6%に対し、中国は5.4%だという。他の機関でも同様で、同誌は「中国の経済的重要性とパワーは、世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行などでは反映されていない」と記す。
そのため、中国はこの分野で「自ら新たな秩序を構築しようとしている」と、経済学者のフレッド・バーグステン氏(ピーターソン国際経済研究所所長)は、FTに寄せた論説で説明している。既存の秩序で過小評価されるのなら、自ら秩序を作り上げてしまおうというわけだ。AIIBはそのツールの一つに過ぎず、中国は、インド、ロシア、ブラジル、南アフリカの各新興国との「BRICS銀行」など、他の開発投資銀行の設立も進めている(フォーブス誌)。
◆豪仏などが追随か
これに対し、アメリカは、「AIIBは既存機関をないがしろにし、中国の戦略的権益拡大の道具になる」と懸念している(バーグステン氏)。中国を主要貿易相手国とするオーストラリアと韓国は、一時参加に傾いていたが、オバマ大統領直々の説得などにより議論を棚上げした。
それだけに、イギリスの参加表明はエポックメイキングだったと、各メディアは報じている。バーグステン氏は、「イギリスは、この件では中国に友好的態度を示したということなのか。あるいは、単に(中国の台頭という)現実を認知したに過ぎないと考えることもできる」と述べている。イギリスは最終合意書にサインする前に、AIIBの環境基準や融資のセーフガードについて検討する必要があるとしているが、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)の報道によれば、参加の意志は既にほぼ固まっているという。
イギリスの参加表明により、他の西側諸国も追随する可能性が高まったという見方も強い。NYTは、オーストラリアが当初のAIIB支持の立場に戻るほか、韓国も政府内議論を再開すると見ている。豪識者は同紙の取材に対し、数週間内に出されるオーストラリアの決定に、イギリスの参加表明が大きく影響すると見ている。また、欧州ではフランスとルクセンブルグが続くのは「間違いない」という。
◆米も参加して「内部から正すべき」
バーグステン氏は、こうした現実を前に、アメリカは反AIIBの立場から方向転換すべきだと主張する。「透明性」「腐敗対策」などへの懸念はもっともだが、外部から批判する代わりに、少額の出資で良いので自ら参加して「内部からそうした問題を正すべきだ」というのが同氏の考え方だ。
その根拠として、「既存機関は近年、(発展途上国の)ニーズの表面を撫でているだけだ」と、その形骸化を指摘。そして、この分野でも競争原理はプラスに働くと主張する。また、アメリカはむしろAIIBと既存機関の協力体制強化を進めるべきで、「そうすれば、中国の影響力拡大に便乗することができるだろう」とも述べている。
フォーブス誌も、「AIIBは世界のパワーバランスの変化を反映したものだ。アメリカが反対しようが、(設立への動きは)全力で進むだろう」と記す。また、アジア開発銀行のある幹部は、アメリカの「強硬姿勢」は無益であり、「アメリカはもう、オーストラリアや韓国を叱りつけることはできないだろう」と述べたという(NYT)。
(Newsphere編集部)http://newsphere.jp/world-report/20150317-2/
それを非難されても恥知らずだから何とも思ってないと思いま~す。
英国の女王が、チュウゴクが無礼だと言ったのは、よほどのことをチュウゴクがやったということでしょう。以前も、チュウゴク人の女性のエライサンが日本に来て、誰にも会わずに直ぐ帰ったシネ。チュウゴクのエライサンたちは、創価学会のエライサンには、必ず会うらしい。お互いに利用し合っているからでしょう。
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英女王の「中国高官は無礼」発言に見える英中関係の難しさ 中国の「無礼」の理由とは?
更新日:2016年5月13日
バッキンガム宮殿での茶会に招かれた警官とエリザベス女王の会話が波紋を呼んでいる。会話の中で女王は、中国の習近平主席訪英の際、中国の代表団が「失礼だった」と発言した。本来ならばオフレコであったこの会話はBBCによって世界に報じられ、蜜月時代に入ったとされる中英関係への影響が懸念されている。
◆発言は警官の苦労話から
問題の会話の舞台となったのは、本年度第1回目である恒例の夏のガーデン・パーティーで、公共サービスに力を尽くした約8000人の招待客を招いて開催された。招待客の1人であったロンドン警視庁の幹部、ルーシー・ドーシ氏は、習主席訪英の際、警備の指揮を執った人物で、「その時の話をお聞かせして」とパーティを主催する団体のチェンバレン卿に促され、苦労話を女王に打ち明けた(テレグラフ紙)。
ドーシ氏によれば、イギリスのウッドワード駐中大使との事前会合で、中国の高官たちは会議を退席し、「訪問はやめだ」と同氏に言い放ったという。女王は事前にその事件を知っていたようで、「彼らは大使にとても失礼だった」と述べた。ドーシ氏は、中国側は同氏と大使を袖にしたと述べ、「とても失礼で、とても人の扱い方を知らない」と返答している(ガーディアン紙)。
◆ビニール傘使用で思いもかけない結果に
この会話を捉えていたのは、18年間バッキンガム宮殿で撮影を担当するピーター・ウィルキンソン氏のビデオカメラだ。同氏は報道陣が殺到するのを防ぐ理由で、女王の公式行事撮影のため英報道各社に共同で雇われており、未編集の映像素材を各社に送ったと言う(テレグラフ紙)。
テレグラフ紙によると、実はウィルキンソン氏自身には撮影中、女王たちの会話は全く聞こえておらず、素材を受け取ったBBCが初めて「プライベート」な会話に気づき、報じることを決めたらしい。同紙によれば、通常ならばカメラのマイクが鮮明に拾えないレベルの声であったが、茶会当日は雨が降っており、女王が差していたビニール傘が音を反響し、拡声器の役割を果たしたようだ。布製傘であれば、会話が録音されることはなかったはずだという。
◆何が中国を怒らせたのか
この事件で一番気になるのが、中国側の非礼の原因だ。英ハモンド外相は、習主席訪英は成功だったとしつつも、「どちらも少しだけストレスを感じた」と問題があったことを認めている。ガーディアン紙は定かではないとしながらも、習主席訪英時の抗議活動家を巡る問題や、彼らをどう扱うか、またどの程度まで彼らが共産党高官に近づくことを許可するかといったことへの見解の違いが、中国側の怒りの原因だったのではと推測している。同紙によれば、過去の中国からの公式訪問で異論が多い分野は、抗議活動と治安についてだという。
BBCも同じ点を指摘しているが、ドーシ氏とウッドワード大使の両方が女性だったことが、中国側の非礼に関係している可能性も示唆している。
◆いまだかつてない女王の意見表明。英中関係にも影響か?
ロサンゼルス・タイムズ紙(LAT)は、多くの王室ウォッチャーが、王位に就いて63年間、一貫して政治を語らず、個人としての意見を表に出さない女王の今回の率直な発言に驚いていると述べる。『The Queen’s Speech』の作
者、イングリッド・シュワード氏は、女王の発言はミスではなく、あえてしたものだと推測しており、女王は中国側が大使に取った態度のひどさを、痛切に感じたのだろうと述べている。
キングス・カレッジの中国研究者、ケリー・ブラウン教授は、60年の外交経験を持つ女王でさえ、中国は扱いが難しい相手だと感じていると指摘。英中関係は容易なものではなく、そのことは女王のコメントに含まれる感情に見て取れると説明する。(BBC)
現時点で、中国外交部の報道官は、女王の発言への直接のコメントは控えており、習主席訪英は成功だったとしているが、英中の特別な関係は終わったのかというガーディアン紙の質問に、「今日の私の回答を考え合わせてみて」と意味深な受け答えをしている。
BBCの中国メディア・アナリストのケリー・アレン氏は、「女王のコメントは面目を保つことを重んじる中国のエリートには非常に決まりの悪いものであっただろう」と述べ、政府が公式にどのような見解を示すかを決めるまで、国営メディアはこの件を報道しないだろうと述べている。中国のソーシャルメディアは早速女王の発言に反応しているが、検閲も追いついてきているという。また、中国で放映されているBBCワールドニュースも、習主席訪英についての言及がある時は、すべて一時的にテレビ画面が真っ黒になっているという(BBC)。
これまでも英王族の問題発言はあったものの、今回はトップである女王の発言だけに、英中蜜月に水を差す形となりかねない。両政府の今後の対応に注目が集まりそうだ。
(山川真智子)
http://newsphere.jp/world-report/20160513-1/
>>>NEXT:原発まで? 英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
“中国に原発まで任せていいのか”英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
更新日:2015年10月2日
“中国に原発まで任せていいのか”英国の対中重視外交、国内で懸念の声も
キャメロン首相がダライ・ラマと会談後、しばらく中国に冷遇され苦汁をなめたイギリス。首相が訪中を許された2013年からは、その対中重視路線は明確となった。中国資本を取り込もうと、9月20日に訪中したイギリスのオズボーン財務相は、猛烈な営業活動を行ったようだ。このような政府の姿勢に対し英国内で賛否が分かれているようだ。
◆中国を満足させたヨイショ外交
訪中1日目に習金平主席と会ったオズボーン氏は、「イギリスは中国から逃げられない」、「その逆で、中国に駆け寄っていくべきだ」と、さっそくリップサービス。その後訪れた上海の証券取引所では、「イギリスを中国の西側における最良のパートナーとするために、結束しよう」と呼びかけた(オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー、以下AFR)。中国政府系のグローバル・タイムズは、「人権問題」を口にしなかった同氏の「外交的エチケット」を称賛し、慎み深いのが、ビジネスチャンスを求める者の正しい態度だと評価している(英ガーディアン紙)。
フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、オズボーン氏を中国の富をがっちりつかみたい経済優先派と評している。アメリカの意向に逆らってアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加を表明したイギリスの決断には、ロンドンを人民元のオフショア取引の中心にしたいという同氏の思惑が影響した、と同紙は報じている。
◆中国資本はイギリスにとって悪?
今回の訪中では、英国が同国内の原発や高速鉄道への投資を中国側に呼びかけた。すでにサマセット州とサフォーク州の原発プロジェクトには、中国の資金援助が見込まれており、その見返りとして、西側の国では初めて、エセックス州での新規の原発の建設と運営を、中国に任せる計画だという(AFR)。
主要なインフラ建設に中国を絡ませることについては、慎重な意見もある。国の重要なインフラ整備に関わる事業で、中国企業を排除したオーストラリアのAFRは、イギリスは原発の経済性と国の原子力発電の能力増強の妥当性を重視しており、安全保障を二の次にしていると指摘。また、国連安保理の常任理事国で外交的影響力もあるのに、領土問題などで許容範囲を超えた行為をする中国に強く出られないと述べ、中国に取り入るイギリスに、欧州で一番多く中国マネーが流れ込んでいると皮肉った。
英インデペンデント紙は、必ずしもイギリスの国益に合致しない国に、主要インフラを任せていいのかと問い、人権問題などで批判される中国との関係強化が倫理的に問題だと述べている。同紙はまた、10月の習主席のロンドン訪問を何としてでも成功させたいイギリスの閣僚たちは、ビジネス欲しさに民主主義、表現の自由を語らない「新世代の欧州政治家のビジョン」を中国メディアに見せることになると皮肉る。そして、訪米した習主席を冷やかに扱ったオバマ大統領の態度とは、かなり違ったものになると述べている。
FTは、中国との特別な関係を作ることは、「国の繁栄と安全は、開かれた、ルールに基づく国際システムの維持の上に成り立つ」という1945年以来アメリカによって保証されてきた体制から外れることだと述べる。経済と安全保障のバランスを取るのは難しいが、危険な原子力プログラムへの数十億ポンドの投資だけが、イギリスの国益ではないはずだと指摘している。
◆中国からの投資は絶好のチャンス
一方、中国の投資を歓迎する声もある。シェフィールド大学のキース・バーネット卿は、テレグラフ紙に寄稿し、イギリスには新しい形態のエネルギー、よりよい交通網、都市や住宅の再生が必要だとし、中国からの投資はイギリスにとってのチャンスだと主張する。
同氏は、中国がイギリスに投資する動機が分からないと恐れる人もいるが、ヒースロー空港や水道会社のテムズ・ウォーターにはすでに中国の資本が入っていると説明。ロンドンやイングランド南東部と、北部との経済格差を縮めるため政府が提案する「ノーザンパワーハウス(イングランド北部経済振興策)」にも大量の資本注入が必要になるとして、中国の投資に期待している。
(山川真智子)
http://newsphere.jp/world-report/20151002-1/
>>>NEXT:日米体制に対抗 中国主導のアジア投銀が台頭
“新たな秩序”中国主導のアジア投銀が台頭 「日米体制に対抗」と海外メディア
更新日:2015年3月17日
中国主導で年内の設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、イギリスが先週、G7諸国で初めて参加を表明した。アメリカがイギリスを含む同盟国に不参加を要請していただけに、このニュースは世界に衝撃を与えたと主要海外メディアは報じている。一方、英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)、米フォーブス誌は、アメリカは方向転換し、AIIBに協力的な姿勢を取るべきだと主張する論説を掲載している。
◆日米主導の既存機関に対抗
AIIBは昨年10月、中国主導で20ヶ国が設立に合意し、今年中の運営開始を目指している。中国が資金の大半を負担し、インド、クゥエート、カタールなどが設立メンバーに名を連ねる。今回はイギリスが西側諸国では初めて参加を表明した。アメリカは世界銀行、アジア開発銀行など既存の投資銀行を主導する立場から、同盟国に参加しないよう圧力をかけていた。そのため、世界銀行やアジア開発銀行の主要出資国である日本も、他のヨーロッパ諸国やオーストラリア、韓国などと共に今のところ不参加の方針だ。
フォーブス誌は、中国は現在、既存機関にも資金提供をしているが、その発言権は限られていると指摘する。アジア開発銀行での全加盟国の総投票権数における割合は、日本15.7%、アメリカ15.6%に対し、中国は5.4%だという。他の機関でも同様で、同誌は「中国の経済的重要性とパワーは、世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行などでは反映されていない」と記す。
そのため、中国はこの分野で「自ら新たな秩序を構築しようとしている」と、経済学者のフレッド・バーグステン氏(ピーターソン国際経済研究所所長)は、FTに寄せた論説で説明している。既存の秩序で過小評価されるのなら、自ら秩序を作り上げてしまおうというわけだ。AIIBはそのツールの一つに過ぎず、中国は、インド、ロシア、ブラジル、南アフリカの各新興国との「BRICS銀行」など、他の開発投資銀行の設立も進めている(フォーブス誌)。
◆豪仏などが追随か
これに対し、アメリカは、「AIIBは既存機関をないがしろにし、中国の戦略的権益拡大の道具になる」と懸念している(バーグステン氏)。中国を主要貿易相手国とするオーストラリアと韓国は、一時参加に傾いていたが、オバマ大統領直々の説得などにより議論を棚上げした。
それだけに、イギリスの参加表明はエポックメイキングだったと、各メディアは報じている。バーグステン氏は、「イギリスは、この件では中国に友好的態度を示したということなのか。あるいは、単に(中国の台頭という)現実を認知したに過ぎないと考えることもできる」と述べている。イギリスは最終合意書にサインする前に、AIIBの環境基準や融資のセーフガードについて検討する必要があるとしているが、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)の報道によれば、参加の意志は既にほぼ固まっているという。
イギリスの参加表明により、他の西側諸国も追随する可能性が高まったという見方も強い。NYTは、オーストラリアが当初のAIIB支持の立場に戻るほか、韓国も政府内議論を再開すると見ている。豪識者は同紙の取材に対し、数週間内に出されるオーストラリアの決定に、イギリスの参加表明が大きく影響すると見ている。また、欧州ではフランスとルクセンブルグが続くのは「間違いない」という。
◆米も参加して「内部から正すべき」
バーグステン氏は、こうした現実を前に、アメリカは反AIIBの立場から方向転換すべきだと主張する。「透明性」「腐敗対策」などへの懸念はもっともだが、外部から批判する代わりに、少額の出資で良いので自ら参加して「内部からそうした問題を正すべきだ」というのが同氏の考え方だ。
その根拠として、「既存機関は近年、(発展途上国の)ニーズの表面を撫でているだけだ」と、その形骸化を指摘。そして、この分野でも競争原理はプラスに働くと主張する。また、アメリカはむしろAIIBと既存機関の協力体制強化を進めるべきで、「そうすれば、中国の影響力拡大に便乗することができるだろう」とも述べている。
フォーブス誌も、「AIIBは世界のパワーバランスの変化を反映したものだ。アメリカが反対しようが、(設立への動きは)全力で進むだろう」と記す。また、アジア開発銀行のある幹部は、アメリカの「強硬姿勢」は無益であり、「アメリカはもう、オーストラリアや韓国を叱りつけることはできないだろう」と述べたという(NYT)。
(Newsphere編集部)http://newsphere.jp/world-report/20150317-2/
ウチの首相が英国でよけいな事を言ったらしい。英国メディアが逆ギレで総理を痛烈批判
イギリスで安倍バッシング。英国メディアが逆ギレで総理を痛烈批判
2016年5月25日
6月23日に行われる「イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票」。離脱の可能性は低いとされる一方で、一部からは根強い「離脱賛成」の声も上がっています。GWにイギリスを訪問した安倍総理がこの問題について言及し、英メディアからバッシングを受けたことからもわかるように、ピリピリムードのイギリス。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、そんな英国の今後を占っています。
イギリスのEU離脱は1国の問題ではない。離脱でありえる経済危機
EU(欧州連合)離脱をめぐる国民投票が6月23日に行なわれる。まず森本毅郎様より、「よくイギリスのTVドラマを見ているがイギリスは実に奥深い国だ。BBCのドラマは本当に質が高い」という話が出て、私も教養があると同意。
栄光のイギリス
しかしながら今、そのイギリスはEU残留か離脱かという選択を迫られている。私は離脱は無いと思うし、むしろすべきでないと思う。かつてのイギリスは「栄光のイギリス」であり、離脱したら単なる中流国家となり誇りを失うことになるから絶対に離脱すべきでない。
ただ、イギリス国内では残留を支持する金融界、政財界の声もあるが、キャメロン政権を支える30名の閣僚のうち6名が離脱を支持、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長も離脱を支持するなど混迷を極めている。先日新たなロンドン市長となったイスラム教徒のサディク・カーン氏は残留を支持するなど、イギリス国内でも世論が二分している。
オバマ大統領が及ぼした影響
アメリカのオバマ大統領は4月にイギリスを訪問した際、キャメロン首相との共同記者会見で残留を支持したが、アメリカの生みの親のイギリスからするとある種の誇りがあり、アメリカには干渉して欲しくないようで、オバマ大統領の発言後イギリス国内では離脱派が増加した。
参考までにイギリス国内の数字を見てみると、オバマ大統領がイギリスを訪問した際の世論調査では離脱派が前の週より2%アップし拮抗。若干残留派が離脱派を上回っている。オバマ大統領としては、通貨などさまざまな問題から大混乱を引き起こしたくないという気持ちがあったのだろうが、オバマ大統領の発言による影響は少なからずあるようだ。
次ページ>>安倍総理が袋叩きに遭った背景
安倍首相が受けた痛烈な批判
安倍首相もゴールデンウィークにイギリスを訪問したが、世論としては無風。むしろメディアから痛烈な批判を浴びている。「EUからイギリスが離脱することにより、通貨が大暴落するなどの影響が懸念されるため離脱しない方がよい」という一般論の常識的な話をしたのだが、地元メディアの報道には「イギリス国内がこの問題でピリピリしている時に知ったかぶりで発言するな」というメッセージが含まれているように感じられる。
地元紙のデイリー・テレグラフ紙は、「日本経済は困難に直面し、深く停滞している。ゆえに安倍首相のEU離脱論に耳を傾ける必要はあるのだろうか?」(5月6日付け:原題 Japan’s economy is tanking. So
why should the UK listen to Shinzo Abe on Brexit?)と報じ、本文中では「経済政策で3本の矢を放ったが、いずれの矢も的外れだった」という記載もしている(原文:Mr Abe has launched a three-pronged
attack consisting of “three arrows”: one arrow for monetary policy, one
for government spending, and another for reforms of the economy. But his
arrows appear to have landed wide of the mark.)。イギリス国内で誇りを持って議論している時に、余計な口出しをしてほしくないというのが本音であろう。
イギリスがEUを離脱するリスクは?
ここで、客観的に分析してみたいが、イギリスが実際にEUを離脱した場合のリスクはいくつかある。離脱した場合の主な道としては3通りあると想定される。
1.ノルウェー型
EUに加盟せず独立している国。漁業、林業など様々な産業がある。損失規模がEU加盟継続に比べ2030年までにGDP比で3~4%増加
2.カナダ型
カナダはイギリス系の国で同GDP比で4~7%増加。これも決して得ではない。
3.世界貿易機構(WTO)加盟に基づく共通ルール構築型
同GDP比で5~9%増加。規模の拡大に伴い、徐々に経済損失規模が大きくなっている。
ノルウェー、カナダはイギリスと比較しても経済・人口規模とも小さいため、同一に考えてはならない。上記の経済分析においてイギリスがEUを離脱した場合に経済損失は必ず生じるため、離脱しない方がよいといえる。かつここではEUからの距離が離れれば離れるほど経済損失が大きくなり、離脱を考え直すべきだと提案している。
イギリスを取り巻く環境が起因
それにもかかわらずイギリスがEU離脱を考える理由としては主に2つある。
1.移民の急増
2004年にEUに新たに加盟したポーランドなど東欧諸国からイギリスへ流入した移民が急増している。リーマンショック以降雇用低迷が深刻となり、低賃金で働く移民が雇用を奪っているとの不満が国内に蔓延している。さらにEU域内での人、通貨、物流の自由が徐々に無くなるのではというEUへの懐疑論も出ている。
2.ユーロ危機対応
イギリスはユーロに加盟していないにも関わらず、ユーロ危機対応に巻き込まれた。
次ページ>>かつての覇権国家イギリスとしての誇りは守れるのか?
覇権国の誇りを忘れるな
イギリスは独自路線を取るというメリットと離脱のリスクを天秤にかけているが、私は経済の議論だけで離脱を考えていいのかと思う。イギリスはアメリカの台頭までは世界をリードしてきた覇権国である。世界をマネージメントした経験も持っている。南アフリカなどのアフリカの国々、インド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど世界に多くの植民地を持ちイギリス帝国を築いたことで、多くの情報を保有している国でもある。
学問ではオックスフォード、ケンブリッジがあり、多くの学者がここで学んでいるように誇りをもった国でもある。そういう国が単なる経済の問題でEU離脱を考えてよいのかという側面があると思う。
今後の行方に注目
イギリスがヨーロッパを支えている部分もある中で、近年ドイツが中心になってきたことが悔しく、複雑な心情になっていることもあるのだろう。昔はイギリスとフランスが支えていたのが、フランスとドイツに変わった。サッチャー元首相は生前ものすごく怒っていたこともあった。
誇りが、独立か、EUを引き続き支えるのか。今後大きな岐路に立たされると思うが、6月23日に投票が実施される。これはみものだと思う。
※デイリー・テレグラフ紙の記事リンク
● Japan’s economy is tanking. So why should the UK listen to Shinzo Abe on
Brexit?
(TBSラジオ「日本全国8時です」5月17日音源の要約です)
『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
http://www.mag2.com/p/news/194836
2016年5月25日
6月23日に行われる「イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票」。離脱の可能性は低いとされる一方で、一部からは根強い「離脱賛成」の声も上がっています。GWにイギリスを訪問した安倍総理がこの問題について言及し、英メディアからバッシングを受けたことからもわかるように、ピリピリムードのイギリス。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、そんな英国の今後を占っています。
イギリスのEU離脱は1国の問題ではない。離脱でありえる経済危機
EU(欧州連合)離脱をめぐる国民投票が6月23日に行なわれる。まず森本毅郎様より、「よくイギリスのTVドラマを見ているがイギリスは実に奥深い国だ。BBCのドラマは本当に質が高い」という話が出て、私も教養があると同意。
栄光のイギリス
しかしながら今、そのイギリスはEU残留か離脱かという選択を迫られている。私は離脱は無いと思うし、むしろすべきでないと思う。かつてのイギリスは「栄光のイギリス」であり、離脱したら単なる中流国家となり誇りを失うことになるから絶対に離脱すべきでない。
ただ、イギリス国内では残留を支持する金融界、政財界の声もあるが、キャメロン政権を支える30名の閣僚のうち6名が離脱を支持、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長も離脱を支持するなど混迷を極めている。先日新たなロンドン市長となったイスラム教徒のサディク・カーン氏は残留を支持するなど、イギリス国内でも世論が二分している。
オバマ大統領が及ぼした影響
アメリカのオバマ大統領は4月にイギリスを訪問した際、キャメロン首相との共同記者会見で残留を支持したが、アメリカの生みの親のイギリスからするとある種の誇りがあり、アメリカには干渉して欲しくないようで、オバマ大統領の発言後イギリス国内では離脱派が増加した。
参考までにイギリス国内の数字を見てみると、オバマ大統領がイギリスを訪問した際の世論調査では離脱派が前の週より2%アップし拮抗。若干残留派が離脱派を上回っている。オバマ大統領としては、通貨などさまざまな問題から大混乱を引き起こしたくないという気持ちがあったのだろうが、オバマ大統領の発言による影響は少なからずあるようだ。
次ページ>>安倍総理が袋叩きに遭った背景
安倍首相が受けた痛烈な批判
安倍首相もゴールデンウィークにイギリスを訪問したが、世論としては無風。むしろメディアから痛烈な批判を浴びている。「EUからイギリスが離脱することにより、通貨が大暴落するなどの影響が懸念されるため離脱しない方がよい」という一般論の常識的な話をしたのだが、地元メディアの報道には「イギリス国内がこの問題でピリピリしている時に知ったかぶりで発言するな」というメッセージが含まれているように感じられる。
地元紙のデイリー・テレグラフ紙は、「日本経済は困難に直面し、深く停滞している。ゆえに安倍首相のEU離脱論に耳を傾ける必要はあるのだろうか?」(5月6日付け:原題 Japan’s economy is tanking. So
why should the UK listen to Shinzo Abe on Brexit?)と報じ、本文中では「経済政策で3本の矢を放ったが、いずれの矢も的外れだった」という記載もしている(原文:Mr Abe has launched a three-pronged
attack consisting of “three arrows”: one arrow for monetary policy, one
for government spending, and another for reforms of the economy. But his
arrows appear to have landed wide of the mark.)。イギリス国内で誇りを持って議論している時に、余計な口出しをしてほしくないというのが本音であろう。
イギリスがEUを離脱するリスクは?
ここで、客観的に分析してみたいが、イギリスが実際にEUを離脱した場合のリスクはいくつかある。離脱した場合の主な道としては3通りあると想定される。
1.ノルウェー型
EUに加盟せず独立している国。漁業、林業など様々な産業がある。損失規模がEU加盟継続に比べ2030年までにGDP比で3~4%増加
2.カナダ型
カナダはイギリス系の国で同GDP比で4~7%増加。これも決して得ではない。
3.世界貿易機構(WTO)加盟に基づく共通ルール構築型
同GDP比で5~9%増加。規模の拡大に伴い、徐々に経済損失規模が大きくなっている。
ノルウェー、カナダはイギリスと比較しても経済・人口規模とも小さいため、同一に考えてはならない。上記の経済分析においてイギリスがEUを離脱した場合に経済損失は必ず生じるため、離脱しない方がよいといえる。かつここではEUからの距離が離れれば離れるほど経済損失が大きくなり、離脱を考え直すべきだと提案している。
イギリスを取り巻く環境が起因
それにもかかわらずイギリスがEU離脱を考える理由としては主に2つある。
1.移民の急増
2004年にEUに新たに加盟したポーランドなど東欧諸国からイギリスへ流入した移民が急増している。リーマンショック以降雇用低迷が深刻となり、低賃金で働く移民が雇用を奪っているとの不満が国内に蔓延している。さらにEU域内での人、通貨、物流の自由が徐々に無くなるのではというEUへの懐疑論も出ている。
2.ユーロ危機対応
イギリスはユーロに加盟していないにも関わらず、ユーロ危機対応に巻き込まれた。
次ページ>>かつての覇権国家イギリスとしての誇りは守れるのか?
覇権国の誇りを忘れるな
イギリスは独自路線を取るというメリットと離脱のリスクを天秤にかけているが、私は経済の議論だけで離脱を考えていいのかと思う。イギリスはアメリカの台頭までは世界をリードしてきた覇権国である。世界をマネージメントした経験も持っている。南アフリカなどのアフリカの国々、インド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど世界に多くの植民地を持ちイギリス帝国を築いたことで、多くの情報を保有している国でもある。
学問ではオックスフォード、ケンブリッジがあり、多くの学者がここで学んでいるように誇りをもった国でもある。そういう国が単なる経済の問題でEU離脱を考えてよいのかという側面があると思う。
今後の行方に注目
イギリスがヨーロッパを支えている部分もある中で、近年ドイツが中心になってきたことが悔しく、複雑な心情になっていることもあるのだろう。昔はイギリスとフランスが支えていたのが、フランスとドイツに変わった。サッチャー元首相は生前ものすごく怒っていたこともあった。
誇りが、独立か、EUを引き続き支えるのか。今後大きな岐路に立たされると思うが、6月23日に投票が実施される。これはみものだと思う。
※デイリー・テレグラフ紙の記事リンク
● Japan’s economy is tanking. So why should the UK listen to Shinzo Abe on
Brexit?
(TBSラジオ「日本全国8時です」5月17日音源の要約です)
『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
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パナ、テレビ用液晶パネルから撤退、9月末で生産終了 国内生産はシャープ系のみ
シャープ系のみと言っても、亀山か台湾のチュウゴク大陸系のホンハイと共同運営してできた製品。
どちらかといえば亀山製のんが買いたい。
今どき、TVを見ているのは、ジジババだけなのかな。
わたしみたいに地デジに変わってからTVを見ていない人もいるのかもしれない。
TVが無いと時間が有効に使えてイイヨ!NEWSは、ネットで観ているから大丈夫。あと、B子ちゃんの家と友人宅ではTVっ子状態になっています。家に無いからTVを必死で観ている。
日本のTV産業は、マジで衰退しているように思う。
大会社が軒並み消えていっている。
寂しいやん。大体、若い子がTVに興味なくて、車にも興味無くて、スマホでゲームやSNSをやってヒマを潰しているから、物が売れないんじゃないの?友人のB子ちゃんも、スマホやiPadでゲームばかりやって、終いには換金していろんなゲームのアイテムを購入している。
実体の無いモノに金を使っている。
~~~~~
パナ、テレビ用液晶パネルから撤退、9月末で生産終了 国内生産はシャープ系のみ
産経新聞 5月31日(火)10時18分配信
パナソニックがテレビ用液晶パネルの生産から撤退する方針を固めたことが31日、分かった。価格下落が続く中、採算の確保が難しいと判断した。9月末をめどに姫路工場(兵庫県姫路市)での生産を終了する。同工場で働く約1千人の従業員のうち、100人程度を国内の他工場に配置転換する方向で検討を進めている。
パナソニックはすでに取引先に撤退の意向を伝えた。同社が撤退すれば、国内でテレビ用液晶パネルを生産するのはシャープ系だけとなる。パナソニックはこれまでも海外の他社からパネルを調達しており、液晶テレビの生産と販売は継続する。
姫路工場はパナソニックで唯一のテレビ用液晶パネルの生産拠点で、平成22年に稼働を開始。生産した液晶パネルを他社にも供給しているが、テレビ用を中心に激しい価格競争にさらされ、赤字が続いている。同工場では今後、医療機器や車載モニター向けなどテレビ用以外の液晶パネルの生産を行うものの、10月以降の生産量は約4分の1に縮小する方向だ。
日本の電機大手は世界のテレビ市場で韓国、中国メーカーなどに押され、事業の縮小・撤退を余儀なくされている。パナソニックは25年度にプラズマテレビ事業から撤退。ソニーなど他の電機大手も、液晶パネルの採算悪化で他社との事業統合やテレビ用から撤退する動きが相次いだ。
国内では現在、シャープが亀山工場(三重県亀山市)のほか、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同運営する堺市の工場でテレビ用の液晶パネルの生産を行っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160531-00000523-san-bus_all
どちらかといえば亀山製のんが買いたい。
今どき、TVを見ているのは、ジジババだけなのかな。
わたしみたいに地デジに変わってからTVを見ていない人もいるのかもしれない。
TVが無いと時間が有効に使えてイイヨ!NEWSは、ネットで観ているから大丈夫。あと、B子ちゃんの家と友人宅ではTVっ子状態になっています。家に無いからTVを必死で観ている。
日本のTV産業は、マジで衰退しているように思う。
大会社が軒並み消えていっている。
寂しいやん。大体、若い子がTVに興味なくて、車にも興味無くて、スマホでゲームやSNSをやってヒマを潰しているから、物が売れないんじゃないの?友人のB子ちゃんも、スマホやiPadでゲームばかりやって、終いには換金していろんなゲームのアイテムを購入している。
実体の無いモノに金を使っている。
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パナ、テレビ用液晶パネルから撤退、9月末で生産終了 国内生産はシャープ系のみ
産経新聞 5月31日(火)10時18分配信
パナソニックがテレビ用液晶パネルの生産から撤退する方針を固めたことが31日、分かった。価格下落が続く中、採算の確保が難しいと判断した。9月末をめどに姫路工場(兵庫県姫路市)での生産を終了する。同工場で働く約1千人の従業員のうち、100人程度を国内の他工場に配置転換する方向で検討を進めている。
パナソニックはすでに取引先に撤退の意向を伝えた。同社が撤退すれば、国内でテレビ用液晶パネルを生産するのはシャープ系だけとなる。パナソニックはこれまでも海外の他社からパネルを調達しており、液晶テレビの生産と販売は継続する。
姫路工場はパナソニックで唯一のテレビ用液晶パネルの生産拠点で、平成22年に稼働を開始。生産した液晶パネルを他社にも供給しているが、テレビ用を中心に激しい価格競争にさらされ、赤字が続いている。同工場では今後、医療機器や車載モニター向けなどテレビ用以外の液晶パネルの生産を行うものの、10月以降の生産量は約4分の1に縮小する方向だ。
日本の電機大手は世界のテレビ市場で韓国、中国メーカーなどに押され、事業の縮小・撤退を余儀なくされている。パナソニックは25年度にプラズマテレビ事業から撤退。ソニーなど他の電機大手も、液晶パネルの採算悪化で他社との事業統合やテレビ用から撤退する動きが相次いだ。
国内では現在、シャープが亀山工場(三重県亀山市)のほか、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同運営する堺市の工場でテレビ用の液晶パネルの生産を行っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160531-00000523-san-bus_all
正直、ちょっと嬉しいかも
自分のために「オバマ劇場」を公演しているのだと思うけれども、
それでも、折り紙を折ってきたりして、なかなか細かい演出をしてくれて
長崎のことは無視だが広島のことを気にかけてくれているポーズを見せてくれている。
正直、ちょっと嬉しいかも。
今までのアメリカ大統領の中では
一番、マシなんだと思う。
~~~~~~
オバマ氏「実は折り鶴を持ってきました」 原爆資料館で
岡本玄、宮崎園子、平井良和
2016年5月28日21時00分
オバマ米大統領から贈られた折り鶴=27日午後8時46分、広島市中区、高橋雄大撮影
被爆地・広島を訪れたオバマ米大統領は、「サプライズ」の贈り物を残した。大統領手作りのカラフルな4羽の折り鶴。原爆投下の10年後、白血病で亡くなった少女にまつわる「平和のシンボル」だ。核廃絶の願いを世界へ広げようと、託された広島平和記念資料館(原爆資料館)は公開の準備を始める。週末の28日、館内は修学旅行生らで混み合った。
オバマ氏「核なき世界、追求する勇気を」 決意新たに
特集:オバマ米大統領、広島へ
オバマ大統領は27日夕、広島到着後すぐに原爆資料館を見学した。同行者らによると、オバマ氏は約5分間、数点の展示資料と向き合い、岸田文雄外相の説明に熱心にうなずいた。なかでも関心を示したのが、佐々木禎子さんの折り鶴。アクリルケースを特別に外すと、オバマ氏は顔を近づけてじっと見ていたという。
「実は折り鶴を持ってきました」。オバマ氏が突然そう切り出すと、随行スタッフがトレーに載せて運んできた。梅や桜の花が彩る和紙を丁寧に折り、「少し手伝ってもらったけれど、私が作りました」。白と淡いピンクの2羽を小中学生2人に1羽ずつ手渡した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ5X4TBKJ5XPTIL00Q.html
それでも、折り紙を折ってきたりして、なかなか細かい演出をしてくれて
長崎のことは無視だが広島のことを気にかけてくれているポーズを見せてくれている。
正直、ちょっと嬉しいかも。
今までのアメリカ大統領の中では
一番、マシなんだと思う。
~~~~~~
オバマ氏「実は折り鶴を持ってきました」 原爆資料館で
岡本玄、宮崎園子、平井良和
2016年5月28日21時00分
オバマ米大統領から贈られた折り鶴=27日午後8時46分、広島市中区、高橋雄大撮影
被爆地・広島を訪れたオバマ米大統領は、「サプライズ」の贈り物を残した。大統領手作りのカラフルな4羽の折り鶴。原爆投下の10年後、白血病で亡くなった少女にまつわる「平和のシンボル」だ。核廃絶の願いを世界へ広げようと、託された広島平和記念資料館(原爆資料館)は公開の準備を始める。週末の28日、館内は修学旅行生らで混み合った。
オバマ氏「核なき世界、追求する勇気を」 決意新たに
特集:オバマ米大統領、広島へ
オバマ大統領は27日夕、広島到着後すぐに原爆資料館を見学した。同行者らによると、オバマ氏は約5分間、数点の展示資料と向き合い、岸田文雄外相の説明に熱心にうなずいた。なかでも関心を示したのが、佐々木禎子さんの折り鶴。アクリルケースを特別に外すと、オバマ氏は顔を近づけてじっと見ていたという。
「実は折り鶴を持ってきました」。オバマ氏が突然そう切り出すと、随行スタッフがトレーに載せて運んできた。梅や桜の花が彩る和紙を丁寧に折り、「少し手伝ってもらったけれど、私が作りました」。白と淡いピンクの2羽を小中学生2人に1羽ずつ手渡した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ5X4TBKJ5XPTIL00Q.html
オバマ大統領「広島演説」は一大叙事詩だった
オバマ大統領「広島演説」は一大叙事詩だった
魂をゆさぶる、神がかり的なコミュ力
岡本 純子 :コミュニケーションストラテジスト
2016年05月30日
見事なスピーチだった(写真:AP/アフロ)
米国の現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領。被爆者を抱きしめる姿や力強く情緒的なスピーチに心を震わせた人も多かったのではないか。
日本だけでなく、世界中が注目したまさに歴史的な出来事だったわけだが、その意義や重みを人々の心に強く印象付ける一因となったのが、オバマ大統領の圧倒的なコミュ力である。
もともと、スピーチの巧さでは高い評判を持つ天才的雄弁家であるが、そのカリスマぶりは今回の訪問でも遺憾なく発揮された。ケネディ、レーガン、クリントンなど歴代の米大統領の中には優れたスピーカーも多くいたが、オバマ大統領はもはや「神の領域」と言っていい。魂をゆさぶる「神がかり」的なコミュ力の秘密は何か。そして、今回の広島訪問の真の意図は何だったのか。彼の「言葉」と「ふるまい」から読み解いていこう。
スピーチを書いたのは「文学青年」
この連載の一覧はこちら
「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」
まさに、舞台のオープニングシーンのような鮮やかな情景描写から始まるオバマ大統領のスピーチは、技術的・経済的発展を成し遂げながらも、戦争という愚行を止められない人類の「絶望的運命」を文学的な言葉と巧みなレトリックでつづった一大叙事詩だった。
人類はその歴史が始まった時から暴力的な衝突を始め、その後も絶え間なく戦争を繰り返してきたことに触れながら、「この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こした」と、自ら破滅を招く人間の不合理を憂うのである。
平家物語のようなもの悲しさと不条理観。しかし、ストーリーはここでは終わらない。
「私たちは、この街の中心に立ち、勇気を奮い起こして爆弾が投下された瞬間を想像する。私たちは、目の当たりにしたものに混乱した子どもたちの恐怖に思いを馳せる。私たちは、声なき叫び声に耳を傾ける」。この悲しい記憶こそが人類の道徳的な想像力をかき立て、希望をもたらす選択を将来にわたって続けようという意志につながるのだ、と説いたのだ。
だからこそ「核兵器廃絶」という理想を追い求め、広島を「核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地としなければならない」とスピーチを結んだ。
まさに、壮大な「絶望と希望」のストーリー。このスピーチを書いたのは、38歳のベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)と言われている。オバマ大統領の側近中の側近だ。もともとはニューヨーク大学の修士課程に在籍し、作家を目指す「文学青年」だった。その彼を政治の世界に駆り立てたのは2001年のあの出来事だった。
スピーチの最中に大統領の脳裏によぎったもの
「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」は、5月初旬にこのベン・ローズの大特集記事を組んだ。そこにはあの9月11日、マンハッタンの対岸から旅客機が超高層ビルに体当たりするのを自らの目で見た経験が語られている。「その日、すべてが変わった」。ショックと恐怖の経験は彼の価値観を根底から覆した。
オバマ大統領の広島スピーチに出てくる言葉の端々ににじみ出る人間の蛮行、愚行に対する憤り、絶望感は、眼前で何千人もの命が失われるシーンを目撃したローズ氏の原体験に紐づくものでもあるのだろう。この演説の中に、「どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束するにもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられない」といきなり宗教批判のような文言が出てきたことに違和感を覚えたが、これは、まさに9.11とその後のテロを指していると考えると合点がいく。
そして、あのスピーチを読み上げるオバマ大統領の悲痛さの裏には、アメリカが体験した9.11というある種の「敗戦」の悲劇を重ね合わせる心情が少なからずあったのではないか。そんな想像も働く。
同マガジンによれば、「優れた物語の語り手」であるローズ氏は「大統領のために考えるのではなく、大統領が何を考えているのか」がわかるのだという。「どこから僕が始まり、どこでオバマが終わるのか、わからない」とまで言う一心同体の存在にまでなったスピーチライターはまさにオバマ大統領の懐刀。ホワイトハウス随一のインフルエンサーとしてツィッターなどで情報を発信し、記者たちのオピニオンにも大きな影響を与える存在だ。
→次ページローズ氏が綴った広島訪問の意図とは?
そんな彼が、ウェブジャーナリズムのプラットフォームとして知られる「Medium」に自ら、広島訪問の意図をこうつづっている。「(アメリカが)核兵器を使った決断について触れるのではなく、我々共通の未来に対し、前向きなビジョンを示し、戦争という、とんでもなく、また破壊的な行為が人類にもたらす犠牲にスポットライトをあてる」。さらに、「核兵器を使用した唯一の国として、核兵器の根絶による平和と安全な世界の実現を推し進める特別な責任がある」ことを示し、「終戦時には想像もしえなかった深く強固な同盟関係を象徴する訪問である」と明言している。
ガーディアン紙によれば、このスピーチはローズ氏が起草し、関係省庁などがチェックをした上で、さらにローズ氏が推敲し、オバマ氏が最終的に手を入れたものだという。その証拠に、読み上げた原稿の上には彼の手書きのメモがたくさん書き込まれていたそうだ。自らの原体験も踏まえ、強い思いがあふれ出るスピーチを紡ぎ出すスピーチライターと、その原稿を自分のものにし、情感をこめて語ることができる話し手。この最強のコンビネーションが生み出した歴史的演説だったのである。
さらなる超絶コミュニケーション技
筆者はアメリカに在住していた時期がある。そのときにオバマ氏のお茶目でチャーミングな側面をたっぷり見てきたため、まごうことなきオバマファンなのだが、今回、さらに新たな超絶コミュニケーションテクニックに気づかされ、感服することがあった。
まずこのビデオを見ていただきたい。これは広島スピーチのほんの数時間前、岩国基地で行ったオバマ氏のスピーチだ。
[動画を固定]
原爆ドーム前のスピーチの厳粛さと打って変わった明るさ、陽気さ、面白さだ。ジョークを交え、とにかく楽しく、聴衆からも笑いが絶えない。
以前、東京オリンピック招致のプレゼンコーチ役だったマーティン・ニューマン氏にインタビューした際に、プレゼンの要諦は「どのようなムードを作るか」であると教えられた。つまり、スピーチやプレゼン、あらゆるコミュニケーションにおいて、最初に考えなければいけないのは、「What mood do you want to create?」(どのようなムードを作っていきたいか)ということで、会場をどのような空気で包みたいか? 聴衆にどのような印象を持ってもらいたいか?をコントロールできる人こそが超一流のプレゼンターである、というわけだ。そういう意味で、このオバマ氏の「場」の作り方はまさに天才的だ。
これはまさに、三枚目を演じたかと思えば、次の場面では悲劇のヒーローに転じる「役者」のようなものだ。そう、オバマは天才的役者なのである。といっても、わざとらしく、自分でない他人の役を演じる、のではない。一流の役者はその役に「なり切る」ことができる。
ストイックなまでの役作りで知られるアメリカの俳優ブラッドリー・クーパーのブロードウェイの舞台を見に行ったことがある。「まさに乗り移ったような演技」にすっかり、魅了されたのだが、あるラジオ番組で「けいこをひたすら重ねていると、何かが空から降りてきて、自分にとり付く」と話していた。被爆者と自然に抱き合い、握手をするあの姿も、計算されたものではない心の底から湧き出る思いだったからこそ、心動かされたのだ。まさに、イタコ、いや、ありとあらゆる自分の分身(アバター)に化身できる。これがオバマ氏の真骨頂である。
翻って、日本人のプレゼンが面白くないのは「話している」か「読んでいる」からである。オバマ氏を目指すのはハードルが高すぎるとしても、グローバル競争に勝ち抜くため、日本の掲げる平和や環境保護のメッセージを世界に伝えていくためにも、国を挙げて、抜本的にコミュ力アップに取り組むべきだ。人の心、国そして世界を動かすのは結局のところコミュ力なのだから。
http://toyokeizai.net/articles/-/120308
確かに広島の被爆者を抱きしめているオバマ大統領の姿は、
映画の中の俳優のように男前だった。顔が変わった。
おととい、友人宅で観た「バック トゥ ザ フユーチャー」の中の天才科学者ドクが女性に一目ぼれする瞬間も、別の人のように男前だった。
役者とは、そういうモノである。
オバマ氏は役者だ。でも、いい役を演じたのだった。
友人のB子ちゃんは、オバマ氏が好きになったそうである。
確かにオバマ氏はディンゼル・ワシントンほどではなかったが、一瞬男前に見えた。
世界がヒロシマに意識を集中するのはいいけど、原爆を落とした人たちの目的は長崎のカトリックの総本山である浦賀天主堂と信者たちを潰すことでした。
戦後の日本を支配しやすくするために、自分たちの存在をたびたび指摘して、世界に警告を発していたカトリックは邪魔者でしかなかったから。
トランプ氏は、「大統領が広島に行っても謝らないなら行くのは彼の自由だ。誰が気にするか。」などと言っている姿がTVのニュースに出ていた。
B子ちゃんのママは、「アメリカは謝る必要が無い。戦争を始めたのは日本だから」と言った。
「でも、戦争が始まるように仕掛けたのはアメリカだよ。石油を売らないと言ったから、どうせ日本は数か月しか持たなかったんだから。日本が戦争を仕掛ける前に、アメリカが仕掛けてきてたんだから。」とわたしは反論したんだけど、無視された。
石油を売らないことは戦争ではないらしい。チュウゴクに戦争の費用を渡したり、フライングタイガーという飛行機部隊を派遣していたことは戦争ではないらしい。
戦争というのは、武器を使う前から始まっているんだよ。
オバマ大統領はたとえ謝ってくれても、アメリカが無差別に一般市民を大量に殺したことは変わらない。死んだ人間が生きかえるワケでもない。
謝らなくてもいいから、今後、原爆などの武器で一般市民を大量に殺すのはやめてほしい。
でも、人工地震と津波で、大量に一般市民を殺しているのなら、反省も無く同じことをしているということですが、、、。
魂をゆさぶる、神がかり的なコミュ力
岡本 純子 :コミュニケーションストラテジスト
2016年05月30日
見事なスピーチだった(写真:AP/アフロ)
米国の現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領。被爆者を抱きしめる姿や力強く情緒的なスピーチに心を震わせた人も多かったのではないか。
日本だけでなく、世界中が注目したまさに歴史的な出来事だったわけだが、その意義や重みを人々の心に強く印象付ける一因となったのが、オバマ大統領の圧倒的なコミュ力である。
もともと、スピーチの巧さでは高い評判を持つ天才的雄弁家であるが、そのカリスマぶりは今回の訪問でも遺憾なく発揮された。ケネディ、レーガン、クリントンなど歴代の米大統領の中には優れたスピーカーも多くいたが、オバマ大統領はもはや「神の領域」と言っていい。魂をゆさぶる「神がかり」的なコミュ力の秘密は何か。そして、今回の広島訪問の真の意図は何だったのか。彼の「言葉」と「ふるまい」から読み解いていこう。
スピーチを書いたのは「文学青年」
この連載の一覧はこちら
「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」
まさに、舞台のオープニングシーンのような鮮やかな情景描写から始まるオバマ大統領のスピーチは、技術的・経済的発展を成し遂げながらも、戦争という愚行を止められない人類の「絶望的運命」を文学的な言葉と巧みなレトリックでつづった一大叙事詩だった。
人類はその歴史が始まった時から暴力的な衝突を始め、その後も絶え間なく戦争を繰り返してきたことに触れながら、「この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こした」と、自ら破滅を招く人間の不合理を憂うのである。
平家物語のようなもの悲しさと不条理観。しかし、ストーリーはここでは終わらない。
「私たちは、この街の中心に立ち、勇気を奮い起こして爆弾が投下された瞬間を想像する。私たちは、目の当たりにしたものに混乱した子どもたちの恐怖に思いを馳せる。私たちは、声なき叫び声に耳を傾ける」。この悲しい記憶こそが人類の道徳的な想像力をかき立て、希望をもたらす選択を将来にわたって続けようという意志につながるのだ、と説いたのだ。
だからこそ「核兵器廃絶」という理想を追い求め、広島を「核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地としなければならない」とスピーチを結んだ。
まさに、壮大な「絶望と希望」のストーリー。このスピーチを書いたのは、38歳のベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)と言われている。オバマ大統領の側近中の側近だ。もともとはニューヨーク大学の修士課程に在籍し、作家を目指す「文学青年」だった。その彼を政治の世界に駆り立てたのは2001年のあの出来事だった。
スピーチの最中に大統領の脳裏によぎったもの
「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」は、5月初旬にこのベン・ローズの大特集記事を組んだ。そこにはあの9月11日、マンハッタンの対岸から旅客機が超高層ビルに体当たりするのを自らの目で見た経験が語られている。「その日、すべてが変わった」。ショックと恐怖の経験は彼の価値観を根底から覆した。
オバマ大統領の広島スピーチに出てくる言葉の端々ににじみ出る人間の蛮行、愚行に対する憤り、絶望感は、眼前で何千人もの命が失われるシーンを目撃したローズ氏の原体験に紐づくものでもあるのだろう。この演説の中に、「どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束するにもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられない」といきなり宗教批判のような文言が出てきたことに違和感を覚えたが、これは、まさに9.11とその後のテロを指していると考えると合点がいく。
そして、あのスピーチを読み上げるオバマ大統領の悲痛さの裏には、アメリカが体験した9.11というある種の「敗戦」の悲劇を重ね合わせる心情が少なからずあったのではないか。そんな想像も働く。
同マガジンによれば、「優れた物語の語り手」であるローズ氏は「大統領のために考えるのではなく、大統領が何を考えているのか」がわかるのだという。「どこから僕が始まり、どこでオバマが終わるのか、わからない」とまで言う一心同体の存在にまでなったスピーチライターはまさにオバマ大統領の懐刀。ホワイトハウス随一のインフルエンサーとしてツィッターなどで情報を発信し、記者たちのオピニオンにも大きな影響を与える存在だ。
→次ページローズ氏が綴った広島訪問の意図とは?
そんな彼が、ウェブジャーナリズムのプラットフォームとして知られる「Medium」に自ら、広島訪問の意図をこうつづっている。「(アメリカが)核兵器を使った決断について触れるのではなく、我々共通の未来に対し、前向きなビジョンを示し、戦争という、とんでもなく、また破壊的な行為が人類にもたらす犠牲にスポットライトをあてる」。さらに、「核兵器を使用した唯一の国として、核兵器の根絶による平和と安全な世界の実現を推し進める特別な責任がある」ことを示し、「終戦時には想像もしえなかった深く強固な同盟関係を象徴する訪問である」と明言している。
ガーディアン紙によれば、このスピーチはローズ氏が起草し、関係省庁などがチェックをした上で、さらにローズ氏が推敲し、オバマ氏が最終的に手を入れたものだという。その証拠に、読み上げた原稿の上には彼の手書きのメモがたくさん書き込まれていたそうだ。自らの原体験も踏まえ、強い思いがあふれ出るスピーチを紡ぎ出すスピーチライターと、その原稿を自分のものにし、情感をこめて語ることができる話し手。この最強のコンビネーションが生み出した歴史的演説だったのである。
さらなる超絶コミュニケーション技
筆者はアメリカに在住していた時期がある。そのときにオバマ氏のお茶目でチャーミングな側面をたっぷり見てきたため、まごうことなきオバマファンなのだが、今回、さらに新たな超絶コミュニケーションテクニックに気づかされ、感服することがあった。
まずこのビデオを見ていただきたい。これは広島スピーチのほんの数時間前、岩国基地で行ったオバマ氏のスピーチだ。
[動画を固定]
原爆ドーム前のスピーチの厳粛さと打って変わった明るさ、陽気さ、面白さだ。ジョークを交え、とにかく楽しく、聴衆からも笑いが絶えない。
以前、東京オリンピック招致のプレゼンコーチ役だったマーティン・ニューマン氏にインタビューした際に、プレゼンの要諦は「どのようなムードを作るか」であると教えられた。つまり、スピーチやプレゼン、あらゆるコミュニケーションにおいて、最初に考えなければいけないのは、「What mood do you want to create?」(どのようなムードを作っていきたいか)ということで、会場をどのような空気で包みたいか? 聴衆にどのような印象を持ってもらいたいか?をコントロールできる人こそが超一流のプレゼンターである、というわけだ。そういう意味で、このオバマ氏の「場」の作り方はまさに天才的だ。
これはまさに、三枚目を演じたかと思えば、次の場面では悲劇のヒーローに転じる「役者」のようなものだ。そう、オバマは天才的役者なのである。といっても、わざとらしく、自分でない他人の役を演じる、のではない。一流の役者はその役に「なり切る」ことができる。
ストイックなまでの役作りで知られるアメリカの俳優ブラッドリー・クーパーのブロードウェイの舞台を見に行ったことがある。「まさに乗り移ったような演技」にすっかり、魅了されたのだが、あるラジオ番組で「けいこをひたすら重ねていると、何かが空から降りてきて、自分にとり付く」と話していた。被爆者と自然に抱き合い、握手をするあの姿も、計算されたものではない心の底から湧き出る思いだったからこそ、心動かされたのだ。まさに、イタコ、いや、ありとあらゆる自分の分身(アバター)に化身できる。これがオバマ氏の真骨頂である。
翻って、日本人のプレゼンが面白くないのは「話している」か「読んでいる」からである。オバマ氏を目指すのはハードルが高すぎるとしても、グローバル競争に勝ち抜くため、日本の掲げる平和や環境保護のメッセージを世界に伝えていくためにも、国を挙げて、抜本的にコミュ力アップに取り組むべきだ。人の心、国そして世界を動かすのは結局のところコミュ力なのだから。
http://toyokeizai.net/articles/-/120308
確かに広島の被爆者を抱きしめているオバマ大統領の姿は、
映画の中の俳優のように男前だった。顔が変わった。
おととい、友人宅で観た「バック トゥ ザ フユーチャー」の中の天才科学者ドクが女性に一目ぼれする瞬間も、別の人のように男前だった。
役者とは、そういうモノである。
オバマ氏は役者だ。でも、いい役を演じたのだった。
友人のB子ちゃんは、オバマ氏が好きになったそうである。
確かにオバマ氏はディンゼル・ワシントンほどではなかったが、一瞬男前に見えた。
世界がヒロシマに意識を集中するのはいいけど、原爆を落とした人たちの目的は長崎のカトリックの総本山である浦賀天主堂と信者たちを潰すことでした。
戦後の日本を支配しやすくするために、自分たちの存在をたびたび指摘して、世界に警告を発していたカトリックは邪魔者でしかなかったから。
トランプ氏は、「大統領が広島に行っても謝らないなら行くのは彼の自由だ。誰が気にするか。」などと言っている姿がTVのニュースに出ていた。
B子ちゃんのママは、「アメリカは謝る必要が無い。戦争を始めたのは日本だから」と言った。
「でも、戦争が始まるように仕掛けたのはアメリカだよ。石油を売らないと言ったから、どうせ日本は数か月しか持たなかったんだから。日本が戦争を仕掛ける前に、アメリカが仕掛けてきてたんだから。」とわたしは反論したんだけど、無視された。
石油を売らないことは戦争ではないらしい。チュウゴクに戦争の費用を渡したり、フライングタイガーという飛行機部隊を派遣していたことは戦争ではないらしい。
戦争というのは、武器を使う前から始まっているんだよ。
オバマ大統領はたとえ謝ってくれても、アメリカが無差別に一般市民を大量に殺したことは変わらない。死んだ人間が生きかえるワケでもない。
謝らなくてもいいから、今後、原爆などの武器で一般市民を大量に殺すのはやめてほしい。
でも、人工地震と津波で、大量に一般市民を殺しているのなら、反省も無く同じことをしているということですが、、、。
岩国基地でのオバマ演説を報道しないマスコミの罪
岩国基地でのオバマ演説を報道しないマスコミの罪
2016年05月30日 06:00
八幡 和郎
オバマ広島訪問と演説に、さすがの左翼系マスコミも揶揄するのをためらったようだ。しかし、これが昨年の訪米や、安保法制の成立など日米同盟の強化に努めてきた安倍外交の結果であることは注意深く言及を避けた。
また、オバマ大統領の演説中には、すぐ横にいる安倍首相の表情はおろか、顔が一緒に入らないようにNHKは細心の注意を払ったので、左肩だけ映っている人物が誰だろうと思った人もいるかもしれない。
もう一つ、奇妙なのは、広島に先立ち、オバマ大統領は岩国海兵隊基地の格納庫で米軍最高司令官として、「アメリカ軍将兵および日本自衛隊員に向けての演説(Remarks by President Obama to U.S. and Japanese ForcesとホワイトハウスHPにある)は、ほとんど報道されていないことだ。
とくに、自衛隊員も同席したことは非常なる意味があると思うが、生放送していたNHKの放送でも紹介しなかったのではないか?
全文は参考資料として下記に掲げるが、
「私は、米国が再びアジア・太平洋地域で主導的な役割を果たせるよう、取り組んできました」
「優秀な、日本の自衛隊員と協力して、米軍兵士が域内で実施する、誇りある奉仕活動が必要となります」
「米国海兵隊は、自衛隊と力を合わせ、平和を守り、域内のパートナーと連携し、人道支援および災害救援を行っています」
「皆さんは、フィリピンとタイを襲った洪水やバングラデシュに壊滅的な被害をもたらしたサイクロンの対応にあたりました。2011年の東日本大震災では、救助・救援活動で、極めて重要な役割を果たしました。日米は共に、域内で、数え切れない数の人命を救ったのです。このことは、我々の大きな誇りです」
「皆さんの奉仕は、自由、民主主義、人権、法の支配といった、今日、日米両国が共有する価値観に根ざしています。その結果、日米同盟は両国だけの安全保障にとって不可欠となっただけでなく、域内および世界において、欠くことのできない安定の源であり、繁栄の土台となっています。皆さんは、我々の生活の質を支える礎なのです」
といったあたりは、日米同盟がいかなる「価値観を体現した」、また、「すべきもの」であるかを雄弁に物語っていた。
そんな意味で、このスピーチの全文をぜひとも、日米両国民に読んで欲しいと思う。それは、日米同盟の価値を再確認するためでもあるが、日米同盟が世界において誇らしいものである道義的責任の重要性を再認識するにも役立つと思う。
日本人の知らない日米関係の正体 本当は七勝三敗の日米交渉史 (SB新書) [新書]
八幡 和郎
SBクリエイティブ
2016-05-07
みなさん、こんにちは!ここに来ることができ、とてもうれしく思います。今回の日本訪問で、我々は、日米両国の素晴らしい同盟関係を再確認しています。ですので、皆さんに感謝を伝えたく、ここに立ち寄りたいと思っていました。兵士の皆さん、家族の皆さん、ありがとうございます。皆さんは、日米同盟の中核を担っています。感謝いたします。
「ウォーターボーイ」ことブシェー大佐、ガルザ最上級曹長、ありがとうございます。大勢の人たちがいますね。下士官、上級下士官、将校、一般兵士、国防省の文民職員。家族の皆さん、声を聞かせてください!
黄川田外務大臣政務官、福田市長、国会議員の方々、園田海将補、自衛隊員の皆さん、この場にお越しいただいた日本の友人の方々に、感謝申し上げます。素晴らしい、岩国市民の方々にも、お礼申し上げます。母国を遠く離れて使命を果たしている米国兵士への皆さんからの温かい歓迎は、わが国にとって、非常に大きな意味を持ちます。皆を代表してお礼を申し上げます。ありがとう。
なるべく手短に話をしたいと思います。というのも、できる限り多くの皆さんと握手をしたいからです。先に注意しておきますが、自撮りはご遠慮ください。そうすると、一日中ここにいなければならなくなるからです。
しかし、まずなによりも、米国大統領として、米軍兵士の皆さんの最高司令官であることは、この上ない名誉であることを、申し上げたいと思います。皆さんは米国民を守り、世界中で平和と安全を促進しています。「戦没者追悼の日」の週末を皆さんと迎える機会をうれしく思います。なぜなら、この日は、危険と犠牲が皆さんの仕事の一部であることを思い出させ、自由のために命を捧げた人々を決して忘れず、敬意を払わなければならないことを、再認識させてくれるからです。
大統領として私は、米国が再びアジア・太平洋地域で主導的な役割を果たせるよう、取り組んできました。なぜなら、この地域は、我々が共有する安全保障と繁栄にとって不可欠だからです。そのためには、安全保障での協力が必要です。貿易協定、人々の間で築かれる関係が必要です。そして、優秀な、日本の自衛隊員と協力して、米軍兵士が域内で実施する、誇りある奉仕活動が必要となります。
ご存知のように、今日の午後、私は広島を訪れます。これは、第二次世界大戦で命を落とした、全ての人々を追悼する機会であり、核兵器をもはや必要としない世界の平和と安全を求める決意を確認する機会でもあります。広島訪問は、最も痛ましい亀裂でさえも埋め、かつて敵同士にあった日米がパートナーとなるだけでなく、最も緊密な友人となり、最も強固な同盟国となることが可能だということを示す証左となります。
日米同盟の強さは、ここ岩国で端的に示されています。岩国基地は、両国の信頼、協力および友好関係を示す好例です。米国海兵隊は、自衛隊と力を合わせ、平和を守り、域内のパートナーと連携し、人道支援および災害救援を行っています。皆さんは、フィリピンとタイを襲った洪水やバングラデシュに壊滅的な被害をもたらしたサイクロンの対応にあたりました。2011年の東日本大震災では、救助・救援活動で、極めて重要な役割を果たしました。日米は共に、域内で、数え切れない数の人命を救ったのです。このことは、我々の大きな誇りです。
ここでの皆さんの奉仕は、自由、民主主義、人権、法の支配といった、今日、日米両国が共有する価値観に根ざしています。その結果、日米同盟は両国だけの安全保障にとって不可欠となっただけでなく、域内および世界において、欠くことのできない安定の源であり、繁栄の土台となっています。皆さんは、我々の生活の質を支える礎なのです。
最後に、日米同盟の本質を如実に語る、素晴らしいエピソードをひとつご紹介します。テッサ・スノー大尉=写真右、米国防省サイトより=はどこにいますか? この場にいるはずですが、あっ! いましたね。スノー大尉は、オスプレイのパイロットで、先月の熊本地震の際、自身の飛行隊を率い、被災者へ人道支援を行い、物資を届ける任務を遂行しました。ある日本人一家は自宅の倒壊を恐れ、何日も屋外で過ごすことを余儀なくされました。皆さんの取り組みにより、その一家をはじめとする多くの被災者が、食料や水など必要な物資を受け取ることができたのです。
さて、その一家ですが、6月に女の子が生まれる予定です。テッサの任務のおかげで助かったことを知り、生まれてくる子どもに、テッサにちなんだ名前をつけると決めたそうです。家族は、誠実さ、勇気、責任感、進んで他人を助けようとする気持ち、といったテッサと同じような素養を備えた大人に育ってほしいと願っているそうです。
これらは、海兵隊の基本的価値観ではないでしょうか? 幾世代にもわたって、米軍兵士を特徴づけてきた素養であり、日米両国が持つ最も優れたものの象徴でもあります。皆さんの奉仕によって、人間の尊厳と自由に対する日米が共有する決意は、この地域および全世界で、存続していき、この地域は繁栄していくでしょう。そして、我々はどこに行っても、希望を広め続けていくでしょう。私は皆さんを誇りに思います。日本側に感謝いたします。米軍をこの上なく誇りに思います。
皆さんと皆さんの家族に神のご加護がありますように。そして米国に神のご加護がありますように。皆さん、ありがとうございました。
編集部より;動画は、YouTubeのホワイトハウス公式チャンネル、写真は国防省サイトより。
http://agora-web.jp/archives/2019455.html
2016年05月30日 06:00
八幡 和郎
オバマ広島訪問と演説に、さすがの左翼系マスコミも揶揄するのをためらったようだ。しかし、これが昨年の訪米や、安保法制の成立など日米同盟の強化に努めてきた安倍外交の結果であることは注意深く言及を避けた。
また、オバマ大統領の演説中には、すぐ横にいる安倍首相の表情はおろか、顔が一緒に入らないようにNHKは細心の注意を払ったので、左肩だけ映っている人物が誰だろうと思った人もいるかもしれない。
もう一つ、奇妙なのは、広島に先立ち、オバマ大統領は岩国海兵隊基地の格納庫で米軍最高司令官として、「アメリカ軍将兵および日本自衛隊員に向けての演説(Remarks by President Obama to U.S. and Japanese ForcesとホワイトハウスHPにある)は、ほとんど報道されていないことだ。
とくに、自衛隊員も同席したことは非常なる意味があると思うが、生放送していたNHKの放送でも紹介しなかったのではないか?
全文は参考資料として下記に掲げるが、
「私は、米国が再びアジア・太平洋地域で主導的な役割を果たせるよう、取り組んできました」
「優秀な、日本の自衛隊員と協力して、米軍兵士が域内で実施する、誇りある奉仕活動が必要となります」
「米国海兵隊は、自衛隊と力を合わせ、平和を守り、域内のパートナーと連携し、人道支援および災害救援を行っています」
「皆さんは、フィリピンとタイを襲った洪水やバングラデシュに壊滅的な被害をもたらしたサイクロンの対応にあたりました。2011年の東日本大震災では、救助・救援活動で、極めて重要な役割を果たしました。日米は共に、域内で、数え切れない数の人命を救ったのです。このことは、我々の大きな誇りです」
「皆さんの奉仕は、自由、民主主義、人権、法の支配といった、今日、日米両国が共有する価値観に根ざしています。その結果、日米同盟は両国だけの安全保障にとって不可欠となっただけでなく、域内および世界において、欠くことのできない安定の源であり、繁栄の土台となっています。皆さんは、我々の生活の質を支える礎なのです」
といったあたりは、日米同盟がいかなる「価値観を体現した」、また、「すべきもの」であるかを雄弁に物語っていた。
そんな意味で、このスピーチの全文をぜひとも、日米両国民に読んで欲しいと思う。それは、日米同盟の価値を再確認するためでもあるが、日米同盟が世界において誇らしいものである道義的責任の重要性を再認識するにも役立つと思う。
日本人の知らない日米関係の正体 本当は七勝三敗の日米交渉史 (SB新書) [新書]
八幡 和郎
SBクリエイティブ
2016-05-07
みなさん、こんにちは!ここに来ることができ、とてもうれしく思います。今回の日本訪問で、我々は、日米両国の素晴らしい同盟関係を再確認しています。ですので、皆さんに感謝を伝えたく、ここに立ち寄りたいと思っていました。兵士の皆さん、家族の皆さん、ありがとうございます。皆さんは、日米同盟の中核を担っています。感謝いたします。
「ウォーターボーイ」ことブシェー大佐、ガルザ最上級曹長、ありがとうございます。大勢の人たちがいますね。下士官、上級下士官、将校、一般兵士、国防省の文民職員。家族の皆さん、声を聞かせてください!
黄川田外務大臣政務官、福田市長、国会議員の方々、園田海将補、自衛隊員の皆さん、この場にお越しいただいた日本の友人の方々に、感謝申し上げます。素晴らしい、岩国市民の方々にも、お礼申し上げます。母国を遠く離れて使命を果たしている米国兵士への皆さんからの温かい歓迎は、わが国にとって、非常に大きな意味を持ちます。皆を代表してお礼を申し上げます。ありがとう。
なるべく手短に話をしたいと思います。というのも、できる限り多くの皆さんと握手をしたいからです。先に注意しておきますが、自撮りはご遠慮ください。そうすると、一日中ここにいなければならなくなるからです。
しかし、まずなによりも、米国大統領として、米軍兵士の皆さんの最高司令官であることは、この上ない名誉であることを、申し上げたいと思います。皆さんは米国民を守り、世界中で平和と安全を促進しています。「戦没者追悼の日」の週末を皆さんと迎える機会をうれしく思います。なぜなら、この日は、危険と犠牲が皆さんの仕事の一部であることを思い出させ、自由のために命を捧げた人々を決して忘れず、敬意を払わなければならないことを、再認識させてくれるからです。
大統領として私は、米国が再びアジア・太平洋地域で主導的な役割を果たせるよう、取り組んできました。なぜなら、この地域は、我々が共有する安全保障と繁栄にとって不可欠だからです。そのためには、安全保障での協力が必要です。貿易協定、人々の間で築かれる関係が必要です。そして、優秀な、日本の自衛隊員と協力して、米軍兵士が域内で実施する、誇りある奉仕活動が必要となります。
ご存知のように、今日の午後、私は広島を訪れます。これは、第二次世界大戦で命を落とした、全ての人々を追悼する機会であり、核兵器をもはや必要としない世界の平和と安全を求める決意を確認する機会でもあります。広島訪問は、最も痛ましい亀裂でさえも埋め、かつて敵同士にあった日米がパートナーとなるだけでなく、最も緊密な友人となり、最も強固な同盟国となることが可能だということを示す証左となります。
日米同盟の強さは、ここ岩国で端的に示されています。岩国基地は、両国の信頼、協力および友好関係を示す好例です。米国海兵隊は、自衛隊と力を合わせ、平和を守り、域内のパートナーと連携し、人道支援および災害救援を行っています。皆さんは、フィリピンとタイを襲った洪水やバングラデシュに壊滅的な被害をもたらしたサイクロンの対応にあたりました。2011年の東日本大震災では、救助・救援活動で、極めて重要な役割を果たしました。日米は共に、域内で、数え切れない数の人命を救ったのです。このことは、我々の大きな誇りです。
ここでの皆さんの奉仕は、自由、民主主義、人権、法の支配といった、今日、日米両国が共有する価値観に根ざしています。その結果、日米同盟は両国だけの安全保障にとって不可欠となっただけでなく、域内および世界において、欠くことのできない安定の源であり、繁栄の土台となっています。皆さんは、我々の生活の質を支える礎なのです。
最後に、日米同盟の本質を如実に語る、素晴らしいエピソードをひとつご紹介します。テッサ・スノー大尉=写真右、米国防省サイトより=はどこにいますか? この場にいるはずですが、あっ! いましたね。スノー大尉は、オスプレイのパイロットで、先月の熊本地震の際、自身の飛行隊を率い、被災者へ人道支援を行い、物資を届ける任務を遂行しました。ある日本人一家は自宅の倒壊を恐れ、何日も屋外で過ごすことを余儀なくされました。皆さんの取り組みにより、その一家をはじめとする多くの被災者が、食料や水など必要な物資を受け取ることができたのです。
さて、その一家ですが、6月に女の子が生まれる予定です。テッサの任務のおかげで助かったことを知り、生まれてくる子どもに、テッサにちなんだ名前をつけると決めたそうです。家族は、誠実さ、勇気、責任感、進んで他人を助けようとする気持ち、といったテッサと同じような素養を備えた大人に育ってほしいと願っているそうです。
これらは、海兵隊の基本的価値観ではないでしょうか? 幾世代にもわたって、米軍兵士を特徴づけてきた素養であり、日米両国が持つ最も優れたものの象徴でもあります。皆さんの奉仕によって、人間の尊厳と自由に対する日米が共有する決意は、この地域および全世界で、存続していき、この地域は繁栄していくでしょう。そして、我々はどこに行っても、希望を広め続けていくでしょう。私は皆さんを誇りに思います。日本側に感謝いたします。米軍をこの上なく誇りに思います。
皆さんと皆さんの家族に神のご加護がありますように。そして米国に神のご加護がありますように。皆さん、ありがとうございました。
編集部より;動画は、YouTubeのホワイトハウス公式チャンネル、写真は国防省サイトより。
http://agora-web.jp/archives/2019455.html
元アイドル傷害事件に震撼。日本も導入すべき米の驚愕ストーカー対策
元アイドル傷害事件に震撼。日本も導入すべき米の驚愕ストーカー対策
2016年5月24日
元アイドルでシンガーソングライターの女性が、ファンの男によってライブ会場の外で刺された事件。この女性は以前からこの男による執拗なストーカー行為に悩まされていました。報道では「ファンとアイドルの距離」が近すぎることが原因とも言われていますが、NY在住でメルマガ「ニューヨークの遊び方」の著者・りばてぃさんは「問題はそこではない」と断言。米国の判例を紹介し、日本でも同様の制度を導入すべきと持論を展開しています。
そもそも何が問題なのか?
5月21日、日本で衝撃的なニュースが報じられた。
大学に通いながらアイドル活動を続けていた、まだ20歳の冨田真由さんが、東京都小金井市のライブ会場でファンに刃物で刺され重体となった事件だ。
この事件を受け、日本では、元アイドルや現役アイドルからも
「ファンとアイドルの距離が近すぎる」
とか、
「ファンはアイドルを恋愛対象としてみてはいけないと思う」
といった声が上がっていると報じられているようだ。
でも、こういう発想は、何か問題が起こると、まず、自分の方に落ち度がないかとか、改善できることはないかなどと自省する、真面目で勤勉な、いかにも日本的な考え方のような気がする。
そういう考え方は、日本人の良いところなのだけれど、でも、今回の事件、本当に、そういう問題なのだろうか?
〔ご参考〕
●ファンとの「近すぎる距離感」売りにする芸能界 元アイドルが「トラブル誘発」経験を告白した
ファンとアイドルの距離が近すぎたり、アイドルを恋愛対象としてみることが問題だと言ってる人たちは、じゃぁ、もっと距離が近くて、恋愛対象としてみられることもある普通の女性だったら、ストーカーの被害にあったり、刃物で刺されてたって仕方ないって思ってるのだろうか?
そんなバカな話ないでしょ?
だったら、アイドルだからとか、関係ないじゃん。
今回の事件で、みんなで考えなきゃいけないのは、まず、
「今、この瞬間も、ストーカーの被害にあっている女性がいるとしたら、どうやって彼女たちを守るのか?」
ということじゃないの?
『警視庁によると、冨田さんは9日、武蔵野署を訪れ、「ブログやツイッターに岩埼容疑者から執拗に書き込みを受けている」などと相談していた。』
〔ご参考〕
●「ブログやツイッターに(容疑者から)執拗に書き込み受けている」 被害者の冨田真由さん、警察に今月相談
とか、さらりと報じられてるけど、これが本当だとしたら、警察側が、業務上過失傷害で訴えられたっていいくらいかもしれない。
次ページ>>警察の対応からも感じる。「常識の通じない相手」に弱い日本人
だって、警察は民事不介入だから・・・っていう言い訳は、そのストーカーしている人が、元彼とか、元旦那とか、百歩譲って友人や職場の同僚とか、被害にあった女性ともともと直接何かしらの関係があった場合にだけ成立する話でしょう。
あと、元彼とか、元旦那とか、友人や職場の同僚とかがストーカーしてるのなら、周りに誰かしら相談に乗ってくれたり、助けてくれる人もいるかもしれないけど、今回のケースみたいに、相手がどういう人かまったく分からない場合、警察のほかに助けてくれる人、なかなか見つからないと思う。
だって、相手がどういう人かまったく分からないと、助けてあげたくても、間に入るのめっちゃ怖いじゃん。
このへんの発想力のなさが、この件に限らず、同質社会の日本の残念な弱点な気がする。
人口の大多数、それこそ97%くらいが同じ日本人という日本では、無意識のうちに、みんなだいたいこのくらい理解してるだろうとか、そこまでおかしな奴はいないだろうって、みんななんとなく思ってる節があって、何かしら極端に例外的なケースが起こると、なかなか適切な対応をとれない。
空気読めとか、世間体を考えろっていうのは、大多数のまともな人には通用するけど、今回のように頭のおかしい人だって、何百万、何千万人の中に一人くらいはいるわけで、常識が通用しないとき、どうするか?って考える力は、今後、グローバル化が進んで、日本の常識が通用しない場面が増えていけば、ますます重要になっていくだろう。
とにかく、そのあたりは、最初から多種多様の文化や価値観やライフスタイルを持つ、様々な人種や民族が集まってできてるアメリカのような国とは違う。
そう、アメリカでは、こうした犯罪への対応が、日本とはかなり違っている。
いろいろな違いがあるのだけれど、例えば、ストーカーに限らず、セクハラとか、いじめとか、盗撮など、極めて悪質なのに刑事罰はさほど厳しくない事件が起こったら、類似の事件の予防のため、そんなことしたらどんなに大変なことになるのか見せしめ的な意味合いも含めて、誰もが驚くとてつもないペナルティが加害者に課せられたりもする。
ストーカー犯罪自体への刑事罰は、懲役数年程度だったとしても、損害賠償金とかなんやかんやで、あら、それって実質的には死刑のようなものじゃないの?って感じの判決になることもあったりするのだ。
実は、つい最近、アメリカで、ストーカー&盗撮事件に絡んだ超巨額な賠償裁判が結審して、大きなニュースになっていたので、その内容をご紹介しておこう。
次ページ>>米国でストーカーと盗撮事件に下された「驚愕のペナルティ」とは?
誰もが驚くとてつもないペナルティ
まず、被害にあわれたのは、FOX、ABC、ESPNなどの大手テレビ局でスポーツ解説者やキャスターなどを務め、2014年には人気番組『ダンシング・ウィズ・スターズ』(Dancing with the Stars)の司会などもされたエリン・アンドリューズ(Erin Andrews)さん。
今から8年ほど前の2008年、スポーツ専門チャンネルESPNのキャスターだったアンドリューズさん(当時30歳)は、取材のため滞在したホテル(The Nashville Marriott)の自室内で裸になっているところを、密かに隣の部屋に滞在していたストーカーのマイケル・バレット(Michael Barrett、当時46歳)に盗撮され、その動画をインターネット上に流出された。
そう、この例からも明らかなとおり、ストーカー被害ってのは、別に「ファンとアイドルの距離が近すぎる」から起こるわけじゃない。
どんなに距離が離れていても起こる可能性はあるのだ。
犯人のマイケル・バレットは、保険のセールスマンとして出世したこともある普通の物静かな男性で、離婚したが結婚経験もあり、
子どももいるが、しかし、当時はうつ状態にあり、親と一緒に実家に住んでいた。
バレットが逮捕されてから、彼を知る人々からは
「まさかそんなことをする人だとは思わなかった」
という驚きの声や、父親から、
「息子は真面目で勤勉」
と擁護する発言が出たという。
このあたり、この手の犯罪をする人に何か共通点があるのかもしれない。
そんなマイケル・バレットに対するストーカーと盗撮の刑事罰は、懲役2年半(すでに釈放済み)となっていたのだが、被害にあった
アンドリューズさんは、それだけで済まさせなかった。
犯人に彼女の隣の部屋を与えたホテルに対し、7,500万ドル(約85億円)!!!もの巨額の損害賠償訴訟を起こしたのだ。
そう、日本円で85億円。
85万円とか850万円じゃない。
ストーカーによる盗撮を放置したという訴えたわけだが、実に、巨額だ。
ストーカーによる盗撮を放置して85億円も賠償請求できるなら、もし、今回の小金井市の事件がアメリカで起こっていたら、その賠償金は、数百億円とか、数千億円になってるかもしれない?
で、もちろん裁判になった。
次ページ>>ストーカーは如何にして、被害者の部屋を知ったのか?
その裁判で、ホテル側は、アンドリューズさんの滞在してる部屋を、犯人のバレットに教えていないと猛烈に反論。
ホテルのフロント係りは、フロントに来た犯人に他のお客の許可なしで、部屋番号を教えることは絶対にないし、予約時にもそんなことはできない仕組みとルールになっていると主張。
マリオット・グループの副社長も、31年間働いてきたけど、こんなケースは初めてで、絶対に、アンドリューズさんの部屋を教えることなんてありえない、と各所でふれまわった。
しかし、数日に渡って公判が続く中、2時間半にもわたる犯人の音声テープによる証言が行われることになり、どうやって隣の部屋を確保したのか、その手口が明らかにされた。
それによると、まず、フロント係に聞いても教えてもらえなかったが、レストランに行くふりをしてフロントからはずれ、ホテル内に設置してあった内線電話でフロントに電話し、
「アンドリューズさんにつないで」
と伝えたら、特に、何も言われずにつないでもらえて、内線電話のデジタル表示画面には、相手(つまりアンドリューズさん)の部屋番号が表示されるので、それで分かった、という。
犯人が、すぐにその部屋がある階に行ってみると、メイドがその部屋の隣の部屋を掃除していたので、そこで、隣の部屋に空室があることを知ったとのこと。
また、室内から漏れてくる声で、アンドリューズさんが滞在していることも確認したそうだ。
後は、フロントに戻って、先ほど確認してきたアンドリューズさんの隣の空室になっている部屋を、部屋番号で指定して確保するだけ。
まったく問題なく、隣の部屋を確保できたという。
・・・とまぁ、このように犯人本人の証言で隣の部屋を確保した手口が明らかにされたわけだが、これがすべて事実なら、80億円を超える巨額の賠償金を支払わなきゃいけなくなるほどの過失は、ホテル側にはなかったんじゃない?って印象を受ける方も、たぶん、いらっしゃるだろう。
まず、アンドリューズさんの部屋番号を教えたわけじゃないし。
そもそも、何十億円もの巨額の賠償金を請求できるような事案なのか?っていう、根本的な疑問もないわけではない。
次ページ>>裁判所が下した驚きの判決とは?
ところがである。
なんと、最終的な判決は、アンドリューズさんの勝訴!!!となった。
ホテル側の主張や状況を勘案して、賠償金は5,500万ドル(約62億円)に減額されたが、その支払いを命じたのである。
す、すごい。
「ストーカーとホテルに62億円もの巨額賠償命令が出た!!!」
なんてインパクトの大きなニュース、そうそうあるものじゃない。
あまりにインパクトが大きかったからか、一応、このニュースは日本のメディアでも報じられている。
〔ご参考〕
●米キャスターのヌード盗撮、ストーカーとホテルに62億円賠償命令
日本のメディアでは報じられていないさらに細かい情報をお伝えすると、この5,500万ドルのうち49%の2,695万ドルをホテル側、残りの51%の2,805万ドルは、犯人のバレットが支払うという判決だった。
でも、2,805万ドル(31億6200万円)もの賠償金は、家や車などのほか先祖代々の資産のすべてを売却したって、個人で払える人なんて、滅多にいないだろう。
即刻、バレットは自己破産が決定。
詳細は明らかにされていないが、バレットが払えない分もマリオットが代わりにいくらか追加して支払うということで和解が成立した。
〔ご参考〕
●Erin Andrews Reaches A SettlementWith Marriott Hotels
まるで、法廷ドラマのような結末である。
この実話をもとに、堺雅人さん、新垣結衣さん共演のドラマ『リーガル・ハイ』でストーカー裁判のストーリーを作ってもらいたいくらいだ。
いや、ドラマでも、ストーカー被害の賠償金として62億円も支払えなんて劇的な結末は、なかなかないだろう。
そんなわけで、テレビでお馴染みの人気キャスターのアンドリューズさんの一件ということを抜きにしても、
「ストーカーとホテルに62億円もの巨額賠償命令が出た!!!」
というニュースは、アメリカでは非常に大きな注目を集めることになった。
ここまで話題になると、今後のストーカー犯罪を抑制する効果も期待できそうだ。
あるいは、この判決が先例となり、今後、アメリカでは、ストーカー被害にあった女性たちが、数億円、数十億円単位の賠償訴訟を起こし、続々と勝訴する事例が続くかも・・・。。
そういう意味では、アメリカのストーカー裁判に対する考え方を根底から変えた歴史的な判例なのかもしれない。
いずれにせよ、当然、ストーカー犯のバレットへの世間の目というか、社会的制裁は、実質的には死刑の方がマシじゃない?ってくらい、とてつもなく辛らつなものになった。
かよわい女性を狙うストーカーには、日本でも、このくらいのペナルティを課すようにしても良いのではないだろうか?
すぐにできないにしても、日本のマスコミ関係者の方々は、
「ファンとアイドルの距離が近すぎる」
とか的外れな内容を報じてるんじゃなくて、もっと本気で女性をストーカー被害から守るために役立ったり、参考になりそうな情報を取り上げてくれたらいいのにね。
『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』より一部抜粋
著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。
http://www.mag2.com/p/news/199020
2016年5月24日
元アイドルでシンガーソングライターの女性が、ファンの男によってライブ会場の外で刺された事件。この女性は以前からこの男による執拗なストーカー行為に悩まされていました。報道では「ファンとアイドルの距離」が近すぎることが原因とも言われていますが、NY在住でメルマガ「ニューヨークの遊び方」の著者・りばてぃさんは「問題はそこではない」と断言。米国の判例を紹介し、日本でも同様の制度を導入すべきと持論を展開しています。
そもそも何が問題なのか?
5月21日、日本で衝撃的なニュースが報じられた。
大学に通いながらアイドル活動を続けていた、まだ20歳の冨田真由さんが、東京都小金井市のライブ会場でファンに刃物で刺され重体となった事件だ。
この事件を受け、日本では、元アイドルや現役アイドルからも
「ファンとアイドルの距離が近すぎる」
とか、
「ファンはアイドルを恋愛対象としてみてはいけないと思う」
といった声が上がっていると報じられているようだ。
でも、こういう発想は、何か問題が起こると、まず、自分の方に落ち度がないかとか、改善できることはないかなどと自省する、真面目で勤勉な、いかにも日本的な考え方のような気がする。
そういう考え方は、日本人の良いところなのだけれど、でも、今回の事件、本当に、そういう問題なのだろうか?
〔ご参考〕
●ファンとの「近すぎる距離感」売りにする芸能界 元アイドルが「トラブル誘発」経験を告白した
ファンとアイドルの距離が近すぎたり、アイドルを恋愛対象としてみることが問題だと言ってる人たちは、じゃぁ、もっと距離が近くて、恋愛対象としてみられることもある普通の女性だったら、ストーカーの被害にあったり、刃物で刺されてたって仕方ないって思ってるのだろうか?
そんなバカな話ないでしょ?
だったら、アイドルだからとか、関係ないじゃん。
今回の事件で、みんなで考えなきゃいけないのは、まず、
「今、この瞬間も、ストーカーの被害にあっている女性がいるとしたら、どうやって彼女たちを守るのか?」
ということじゃないの?
『警視庁によると、冨田さんは9日、武蔵野署を訪れ、「ブログやツイッターに岩埼容疑者から執拗に書き込みを受けている」などと相談していた。』
〔ご参考〕
●「ブログやツイッターに(容疑者から)執拗に書き込み受けている」 被害者の冨田真由さん、警察に今月相談
とか、さらりと報じられてるけど、これが本当だとしたら、警察側が、業務上過失傷害で訴えられたっていいくらいかもしれない。
次ページ>>警察の対応からも感じる。「常識の通じない相手」に弱い日本人
だって、警察は民事不介入だから・・・っていう言い訳は、そのストーカーしている人が、元彼とか、元旦那とか、百歩譲って友人や職場の同僚とか、被害にあった女性ともともと直接何かしらの関係があった場合にだけ成立する話でしょう。
あと、元彼とか、元旦那とか、友人や職場の同僚とかがストーカーしてるのなら、周りに誰かしら相談に乗ってくれたり、助けてくれる人もいるかもしれないけど、今回のケースみたいに、相手がどういう人かまったく分からない場合、警察のほかに助けてくれる人、なかなか見つからないと思う。
だって、相手がどういう人かまったく分からないと、助けてあげたくても、間に入るのめっちゃ怖いじゃん。
このへんの発想力のなさが、この件に限らず、同質社会の日本の残念な弱点な気がする。
人口の大多数、それこそ97%くらいが同じ日本人という日本では、無意識のうちに、みんなだいたいこのくらい理解してるだろうとか、そこまでおかしな奴はいないだろうって、みんななんとなく思ってる節があって、何かしら極端に例外的なケースが起こると、なかなか適切な対応をとれない。
空気読めとか、世間体を考えろっていうのは、大多数のまともな人には通用するけど、今回のように頭のおかしい人だって、何百万、何千万人の中に一人くらいはいるわけで、常識が通用しないとき、どうするか?って考える力は、今後、グローバル化が進んで、日本の常識が通用しない場面が増えていけば、ますます重要になっていくだろう。
とにかく、そのあたりは、最初から多種多様の文化や価値観やライフスタイルを持つ、様々な人種や民族が集まってできてるアメリカのような国とは違う。
そう、アメリカでは、こうした犯罪への対応が、日本とはかなり違っている。
いろいろな違いがあるのだけれど、例えば、ストーカーに限らず、セクハラとか、いじめとか、盗撮など、極めて悪質なのに刑事罰はさほど厳しくない事件が起こったら、類似の事件の予防のため、そんなことしたらどんなに大変なことになるのか見せしめ的な意味合いも含めて、誰もが驚くとてつもないペナルティが加害者に課せられたりもする。
ストーカー犯罪自体への刑事罰は、懲役数年程度だったとしても、損害賠償金とかなんやかんやで、あら、それって実質的には死刑のようなものじゃないの?って感じの判決になることもあったりするのだ。
実は、つい最近、アメリカで、ストーカー&盗撮事件に絡んだ超巨額な賠償裁判が結審して、大きなニュースになっていたので、その内容をご紹介しておこう。
次ページ>>米国でストーカーと盗撮事件に下された「驚愕のペナルティ」とは?
誰もが驚くとてつもないペナルティ
まず、被害にあわれたのは、FOX、ABC、ESPNなどの大手テレビ局でスポーツ解説者やキャスターなどを務め、2014年には人気番組『ダンシング・ウィズ・スターズ』(Dancing with the Stars)の司会などもされたエリン・アンドリューズ(Erin Andrews)さん。
今から8年ほど前の2008年、スポーツ専門チャンネルESPNのキャスターだったアンドリューズさん(当時30歳)は、取材のため滞在したホテル(The Nashville Marriott)の自室内で裸になっているところを、密かに隣の部屋に滞在していたストーカーのマイケル・バレット(Michael Barrett、当時46歳)に盗撮され、その動画をインターネット上に流出された。
そう、この例からも明らかなとおり、ストーカー被害ってのは、別に「ファンとアイドルの距離が近すぎる」から起こるわけじゃない。
どんなに距離が離れていても起こる可能性はあるのだ。
犯人のマイケル・バレットは、保険のセールスマンとして出世したこともある普通の物静かな男性で、離婚したが結婚経験もあり、
子どももいるが、しかし、当時はうつ状態にあり、親と一緒に実家に住んでいた。
バレットが逮捕されてから、彼を知る人々からは
「まさかそんなことをする人だとは思わなかった」
という驚きの声や、父親から、
「息子は真面目で勤勉」
と擁護する発言が出たという。
このあたり、この手の犯罪をする人に何か共通点があるのかもしれない。
そんなマイケル・バレットに対するストーカーと盗撮の刑事罰は、懲役2年半(すでに釈放済み)となっていたのだが、被害にあった
アンドリューズさんは、それだけで済まさせなかった。
犯人に彼女の隣の部屋を与えたホテルに対し、7,500万ドル(約85億円)!!!もの巨額の損害賠償訴訟を起こしたのだ。
そう、日本円で85億円。
85万円とか850万円じゃない。
ストーカーによる盗撮を放置したという訴えたわけだが、実に、巨額だ。
ストーカーによる盗撮を放置して85億円も賠償請求できるなら、もし、今回の小金井市の事件がアメリカで起こっていたら、その賠償金は、数百億円とか、数千億円になってるかもしれない?
で、もちろん裁判になった。
次ページ>>ストーカーは如何にして、被害者の部屋を知ったのか?
その裁判で、ホテル側は、アンドリューズさんの滞在してる部屋を、犯人のバレットに教えていないと猛烈に反論。
ホテルのフロント係りは、フロントに来た犯人に他のお客の許可なしで、部屋番号を教えることは絶対にないし、予約時にもそんなことはできない仕組みとルールになっていると主張。
マリオット・グループの副社長も、31年間働いてきたけど、こんなケースは初めてで、絶対に、アンドリューズさんの部屋を教えることなんてありえない、と各所でふれまわった。
しかし、数日に渡って公判が続く中、2時間半にもわたる犯人の音声テープによる証言が行われることになり、どうやって隣の部屋を確保したのか、その手口が明らかにされた。
それによると、まず、フロント係に聞いても教えてもらえなかったが、レストランに行くふりをしてフロントからはずれ、ホテル内に設置してあった内線電話でフロントに電話し、
「アンドリューズさんにつないで」
と伝えたら、特に、何も言われずにつないでもらえて、内線電話のデジタル表示画面には、相手(つまりアンドリューズさん)の部屋番号が表示されるので、それで分かった、という。
犯人が、すぐにその部屋がある階に行ってみると、メイドがその部屋の隣の部屋を掃除していたので、そこで、隣の部屋に空室があることを知ったとのこと。
また、室内から漏れてくる声で、アンドリューズさんが滞在していることも確認したそうだ。
後は、フロントに戻って、先ほど確認してきたアンドリューズさんの隣の空室になっている部屋を、部屋番号で指定して確保するだけ。
まったく問題なく、隣の部屋を確保できたという。
・・・とまぁ、このように犯人本人の証言で隣の部屋を確保した手口が明らかにされたわけだが、これがすべて事実なら、80億円を超える巨額の賠償金を支払わなきゃいけなくなるほどの過失は、ホテル側にはなかったんじゃない?って印象を受ける方も、たぶん、いらっしゃるだろう。
まず、アンドリューズさんの部屋番号を教えたわけじゃないし。
そもそも、何十億円もの巨額の賠償金を請求できるような事案なのか?っていう、根本的な疑問もないわけではない。
次ページ>>裁判所が下した驚きの判決とは?
ところがである。
なんと、最終的な判決は、アンドリューズさんの勝訴!!!となった。
ホテル側の主張や状況を勘案して、賠償金は5,500万ドル(約62億円)に減額されたが、その支払いを命じたのである。
す、すごい。
「ストーカーとホテルに62億円もの巨額賠償命令が出た!!!」
なんてインパクトの大きなニュース、そうそうあるものじゃない。
あまりにインパクトが大きかったからか、一応、このニュースは日本のメディアでも報じられている。
〔ご参考〕
●米キャスターのヌード盗撮、ストーカーとホテルに62億円賠償命令
日本のメディアでは報じられていないさらに細かい情報をお伝えすると、この5,500万ドルのうち49%の2,695万ドルをホテル側、残りの51%の2,805万ドルは、犯人のバレットが支払うという判決だった。
でも、2,805万ドル(31億6200万円)もの賠償金は、家や車などのほか先祖代々の資産のすべてを売却したって、個人で払える人なんて、滅多にいないだろう。
即刻、バレットは自己破産が決定。
詳細は明らかにされていないが、バレットが払えない分もマリオットが代わりにいくらか追加して支払うということで和解が成立した。
〔ご参考〕
●Erin Andrews Reaches A SettlementWith Marriott Hotels
まるで、法廷ドラマのような結末である。
この実話をもとに、堺雅人さん、新垣結衣さん共演のドラマ『リーガル・ハイ』でストーカー裁判のストーリーを作ってもらいたいくらいだ。
いや、ドラマでも、ストーカー被害の賠償金として62億円も支払えなんて劇的な結末は、なかなかないだろう。
そんなわけで、テレビでお馴染みの人気キャスターのアンドリューズさんの一件ということを抜きにしても、
「ストーカーとホテルに62億円もの巨額賠償命令が出た!!!」
というニュースは、アメリカでは非常に大きな注目を集めることになった。
ここまで話題になると、今後のストーカー犯罪を抑制する効果も期待できそうだ。
あるいは、この判決が先例となり、今後、アメリカでは、ストーカー被害にあった女性たちが、数億円、数十億円単位の賠償訴訟を起こし、続々と勝訴する事例が続くかも・・・。。
そういう意味では、アメリカのストーカー裁判に対する考え方を根底から変えた歴史的な判例なのかもしれない。
いずれにせよ、当然、ストーカー犯のバレットへの世間の目というか、社会的制裁は、実質的には死刑の方がマシじゃない?ってくらい、とてつもなく辛らつなものになった。
かよわい女性を狙うストーカーには、日本でも、このくらいのペナルティを課すようにしても良いのではないだろうか?
すぐにできないにしても、日本のマスコミ関係者の方々は、
「ファンとアイドルの距離が近すぎる」
とか的外れな内容を報じてるんじゃなくて、もっと本気で女性をストーカー被害から守るために役立ったり、参考になりそうな情報を取り上げてくれたらいいのにね。
『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』より一部抜粋
著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。
http://www.mag2.com/p/news/199020
"アイドル"刺傷事件は警察のずさんな対応に責任あり! 目くらまし「ファンとの距離の近さ」議論に騙
"アイドル"刺傷事件は警察のずさんな対応に責任あり! 目くらまし「ファンとの距離の近さ」議論に騙されるな
リテラ 2016/5/24 12:00
今月5月21日、タレント活動をしている冨田真由さんが、イベントの行われる予定だった東京都小金井市のライブハウスに会場入りするところを待ち伏せされ、ファンであった岩埼友宏容疑者から20カ所以上もナイフで刺され重体となった事件。
この事件の報道を通じ、SNSにより芸能人とファンの心の距離があまりにも近くなり過ぎ、疑似恋愛をこじらせてしまいやすい環境ができあがっていることや、2014年5月に岩手県の握手会会場でAKB48のメンバーが切りつけられた事件などを引き合いに出し、アイドルとファンによる「握手会」の撤廃を求める声などがメディアを通じて多数出てきている。確かに今回起こってしまったのはあまりにも痛ましい事件で、これから芸能プロダクションイベント関係会社は、より一層の危機管理体制を敷くことが求められるものではある。
だがよく考えれば、SNSによりファンとの距離感が近くなったのは、なにも「アイドル」に特化した問題でもない。役者、作家、映画監督、漫画家、スポーツ選手......現在人前で表現活動をしている人でSNSを利用していない人の方が少なく、このような事件はどのジャンルの人が相手でも起こり得るものである。たとえば、作家の出版記念サイン会、映画の舞台挨拶、スポーツの試合会場、事前に興行の告知があるイベントであればどこで起きてもおかしくない事件であった。
今回、問題視すべきは、そんなアイドルとファン云々という話より、警察の対応の方ではないだろうか?
盛んに報道されている通り、冨田さんは今月9日、武蔵野署を訪れて、岩埼容疑者からツイッターを通して脅迫文が送られてきていることを相談している。
実際、岩埼容疑者のものと言われているツイッターアカウントを見ると(現在は凍結されている)、プレゼントを送り返されたことに逆上し、延々と脅迫めいた罵倒のリプライを送信し続けている。たとえば、先月28日には「渋谷青山通り郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ?ほんと、嫌な女。それから蜷川実花の言葉集はどうしました?全部返すならそれも忘れずに」とコメント。また、同日には「ごめんね。そのうち死ぬから安心してね(●^ー^●)ごめんね」といった、自殺予告なのか殺害予告なのかどちらともつかぬ物騒なコメントも残し、その後、冨田さんは警察に相談に行っている。
この時、冨田さんは岩埼容疑者の名前と住所も警察に知らせているのだが、「書き込んだのが本人か調査が必要」として警察側は犯人とコンタクトを取っていない。
また、それ以前の今月4日にも、冨田さんの母親が、岩埼容疑者の住む京都市内の警察署に相談の電話をかけているのだが、それも「嫌がらせの証拠をもって警視庁に行ったほうがいい」というたらい回しの対応であったという。
通常、警察がストーカーに関する相談を受けた場合、被害者から警告申出書を提出してもらい、そのうえでストーカー規制法に基づき、相手に対して警告を実施することになっている。原則的にこの警告は、ストーカー本人に警告書を直接手渡しするという方法で行われる。そしてその警告を受けてもストーカー行為がおさまらなかった場合、公安委員会からの禁止命令が行き、それでも問題解決にいたらなかった時、相手に対して罰則がくだることになる。
同法施行直後のデータによると、01年の警告件数は460件で、そのうち禁止命令にまでいたったものはわずか18件と、出し方にさえ留意すれば、警告は一定の抑止効果をあげることが証明されている。
しかし、今回の事件の場合、9日に相談を受け21日に事件が起きるまで、警察は犯人と一度も接触しておらず警告も注意も与えていない。警察は半月近く放置するのではなく、何らかの方法で容疑者に接触を試みるべきだったはずだ。
桶川ストーカー殺人事件を契機にできたストーカー規制法により、ストーカー事案に関し、被害者に命の危険が降りかかる前に警察が対応することが可能になったはずなのだが、法的枠組みは整えても、警察が事態を軽く見て捜査に乗り出さないことで重大事件に発展するケースはなくならない。たとえば、ストーカーをしていた男が元交際相手の母と祖母を殺害した、11年発生の長崎ストーカー殺人事件では、相談を受けていたのにも関わらず被害届の受理を先延ばしにするなど、警察が不誠実な対応を進めた結果、最悪の事態にまで発展してしまっている。
繰り返しになるが、今回の冨田さんの事件では警告はおろか、電話などによる犯人との接触すら一切なされていない。今回のケースで警察が行ったのは、9日に相談を受けた後日、20日に冨田さんに電話で安否確認を行い9日以降の様子を聞き、その際に21日にイベントがあるとの話を聞いて、ライブ会場のある地域を管轄する小金井署に状況を伝えたり、110番緊急通報登録システムに登録しただけだ。ツイッターのリプライという証拠があるのにも関わらず、岩埼容疑者の所在確認や連絡などは一切行わなかった。
もしも岩埼容疑者の状況を警察が確認し注意喚起などを行っていれば、このような痛ましい事態には発展しなかった可能性が高く、今回の事件はどこからどう見ても、事態を軽く考えていた警察側の怠慢により起きてしまったものと言える。
しかし、そのような警察対応への批判の声がメディアにはあまり出てこず、むしろ、「『アイドルファン』と『アイドル』の近すぎる関係性の是非」といった別の議論に収斂されている。フジテレビ『直撃LIVE!グッディ』にいたっては、被害者となんの関係もないアイドルグループの過剰なCD特典商法をあげつらっていた。そこには、意図的な情報誘導があると夕刊紙記者が語る。
「報道では冨田さんが『アイドル』ということになっていますが、実際は『シンガーソングライター』で、『アイドル』じゃない。本人もそう自称してますし、ファンもそういう認識でした。過去に、元アイドリング!!!の朝日奈央や伊藤祐奈らとともにシークレットガールズという企画ものアイドルユニットを組んでいた時期があることから、『アイドル』という経歴が押し出されている。これはもちろん、我々マスコミが視聴者、読者受けを狙っているというのもありますが、もう一つは、警察自ら冨田さんがアイドルをやっていた時の情報を中心にメディアに流しているからです。警察側としては、ストーカー対策の不手際からメディアの目をそらさせたい。だから、『アイドル』時代の情報をどんどんメディアに流して、AKBの刺傷事件の時にも盛んに交わされた『アイドルとファンの近すぎる距離感』という方向に議論をもっていこうとしているのではないでしょうか」
2000年にストーカー規制法が施行されてから、警察によるストーカーの認知件数は年々増え続け、いまや年間2万件にもおよぶ。
だが、小早川明子『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮社)によれば、警察が警告を出した事例は、そのうちのわずか1割にとどまっているという。
冨田さんのように相談に行ったのにも関わらず放置され、事態が悪化していくケースは山とあり、今回の事件が氷山の一角なのは間違いない。
ストーカー規制法と、警察がその法律をどう捜査に役立てていくのかを議論しなければ、そう遠くない未来、同じような事件が起こる。
「アイドル」と「ファン」の関係なんていうテーマで議論している場合ではない。
(新田 樹)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4542853
リテラ 2016/5/24 12:00
今月5月21日、タレント活動をしている冨田真由さんが、イベントの行われる予定だった東京都小金井市のライブハウスに会場入りするところを待ち伏せされ、ファンであった岩埼友宏容疑者から20カ所以上もナイフで刺され重体となった事件。
この事件の報道を通じ、SNSにより芸能人とファンの心の距離があまりにも近くなり過ぎ、疑似恋愛をこじらせてしまいやすい環境ができあがっていることや、2014年5月に岩手県の握手会会場でAKB48のメンバーが切りつけられた事件などを引き合いに出し、アイドルとファンによる「握手会」の撤廃を求める声などがメディアを通じて多数出てきている。確かに今回起こってしまったのはあまりにも痛ましい事件で、これから芸能プロダクションイベント関係会社は、より一層の危機管理体制を敷くことが求められるものではある。
だがよく考えれば、SNSによりファンとの距離感が近くなったのは、なにも「アイドル」に特化した問題でもない。役者、作家、映画監督、漫画家、スポーツ選手......現在人前で表現活動をしている人でSNSを利用していない人の方が少なく、このような事件はどのジャンルの人が相手でも起こり得るものである。たとえば、作家の出版記念サイン会、映画の舞台挨拶、スポーツの試合会場、事前に興行の告知があるイベントであればどこで起きてもおかしくない事件であった。
今回、問題視すべきは、そんなアイドルとファン云々という話より、警察の対応の方ではないだろうか?
盛んに報道されている通り、冨田さんは今月9日、武蔵野署を訪れて、岩埼容疑者からツイッターを通して脅迫文が送られてきていることを相談している。
実際、岩埼容疑者のものと言われているツイッターアカウントを見ると(現在は凍結されている)、プレゼントを送り返されたことに逆上し、延々と脅迫めいた罵倒のリプライを送信し続けている。たとえば、先月28日には「渋谷青山通り郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ?ほんと、嫌な女。それから蜷川実花の言葉集はどうしました?全部返すならそれも忘れずに」とコメント。また、同日には「ごめんね。そのうち死ぬから安心してね(●^ー^●)ごめんね」といった、自殺予告なのか殺害予告なのかどちらともつかぬ物騒なコメントも残し、その後、冨田さんは警察に相談に行っている。
この時、冨田さんは岩埼容疑者の名前と住所も警察に知らせているのだが、「書き込んだのが本人か調査が必要」として警察側は犯人とコンタクトを取っていない。
また、それ以前の今月4日にも、冨田さんの母親が、岩埼容疑者の住む京都市内の警察署に相談の電話をかけているのだが、それも「嫌がらせの証拠をもって警視庁に行ったほうがいい」というたらい回しの対応であったという。
通常、警察がストーカーに関する相談を受けた場合、被害者から警告申出書を提出してもらい、そのうえでストーカー規制法に基づき、相手に対して警告を実施することになっている。原則的にこの警告は、ストーカー本人に警告書を直接手渡しするという方法で行われる。そしてその警告を受けてもストーカー行為がおさまらなかった場合、公安委員会からの禁止命令が行き、それでも問題解決にいたらなかった時、相手に対して罰則がくだることになる。
同法施行直後のデータによると、01年の警告件数は460件で、そのうち禁止命令にまでいたったものはわずか18件と、出し方にさえ留意すれば、警告は一定の抑止効果をあげることが証明されている。
しかし、今回の事件の場合、9日に相談を受け21日に事件が起きるまで、警察は犯人と一度も接触しておらず警告も注意も与えていない。警察は半月近く放置するのではなく、何らかの方法で容疑者に接触を試みるべきだったはずだ。
桶川ストーカー殺人事件を契機にできたストーカー規制法により、ストーカー事案に関し、被害者に命の危険が降りかかる前に警察が対応することが可能になったはずなのだが、法的枠組みは整えても、警察が事態を軽く見て捜査に乗り出さないことで重大事件に発展するケースはなくならない。たとえば、ストーカーをしていた男が元交際相手の母と祖母を殺害した、11年発生の長崎ストーカー殺人事件では、相談を受けていたのにも関わらず被害届の受理を先延ばしにするなど、警察が不誠実な対応を進めた結果、最悪の事態にまで発展してしまっている。
繰り返しになるが、今回の冨田さんの事件では警告はおろか、電話などによる犯人との接触すら一切なされていない。今回のケースで警察が行ったのは、9日に相談を受けた後日、20日に冨田さんに電話で安否確認を行い9日以降の様子を聞き、その際に21日にイベントがあるとの話を聞いて、ライブ会場のある地域を管轄する小金井署に状況を伝えたり、110番緊急通報登録システムに登録しただけだ。ツイッターのリプライという証拠があるのにも関わらず、岩埼容疑者の所在確認や連絡などは一切行わなかった。
もしも岩埼容疑者の状況を警察が確認し注意喚起などを行っていれば、このような痛ましい事態には発展しなかった可能性が高く、今回の事件はどこからどう見ても、事態を軽く考えていた警察側の怠慢により起きてしまったものと言える。
しかし、そのような警察対応への批判の声がメディアにはあまり出てこず、むしろ、「『アイドルファン』と『アイドル』の近すぎる関係性の是非」といった別の議論に収斂されている。フジテレビ『直撃LIVE!グッディ』にいたっては、被害者となんの関係もないアイドルグループの過剰なCD特典商法をあげつらっていた。そこには、意図的な情報誘導があると夕刊紙記者が語る。
「報道では冨田さんが『アイドル』ということになっていますが、実際は『シンガーソングライター』で、『アイドル』じゃない。本人もそう自称してますし、ファンもそういう認識でした。過去に、元アイドリング!!!の朝日奈央や伊藤祐奈らとともにシークレットガールズという企画ものアイドルユニットを組んでいた時期があることから、『アイドル』という経歴が押し出されている。これはもちろん、我々マスコミが視聴者、読者受けを狙っているというのもありますが、もう一つは、警察自ら冨田さんがアイドルをやっていた時の情報を中心にメディアに流しているからです。警察側としては、ストーカー対策の不手際からメディアの目をそらさせたい。だから、『アイドル』時代の情報をどんどんメディアに流して、AKBの刺傷事件の時にも盛んに交わされた『アイドルとファンの近すぎる距離感』という方向に議論をもっていこうとしているのではないでしょうか」
2000年にストーカー規制法が施行されてから、警察によるストーカーの認知件数は年々増え続け、いまや年間2万件にもおよぶ。
だが、小早川明子『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮社)によれば、警察が警告を出した事例は、そのうちのわずか1割にとどまっているという。
冨田さんのように相談に行ったのにも関わらず放置され、事態が悪化していくケースは山とあり、今回の事件が氷山の一角なのは間違いない。
ストーカー規制法と、警察がその法律をどう捜査に役立てていくのかを議論しなければ、そう遠くない未来、同じような事件が起こる。
「アイドル」と「ファン」の関係なんていうテーマで議論している場合ではない。
(新田 樹)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/4542853
◆佐藤優『組織の掟』を読み解く
・雑用仕事にも意味がある。
・組織は個人にスキルを与える。
・小さなチームを運営する際のコツも、突き詰めればたったひとつだけだ。
能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間をチームに絶対に加えないことだ。
・組織は上司に味方する。
・組織がいつ個人を切り捨てるかも分からない。
そのとき自分を助けてくれるのは、元いた業界や組織ではなく、複合的に身につけた特殊なスキルやもうひとつの肩書、つまり「カバー」なのかもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※日本のお姉さんのまとめ=小さい事ができない人は大きい事もできない。
仕事をしながら自分のスキルも磨いて、会社を放り出されてもどこででも雇ってもらえるような技術や知識などを身につけておくことが大事。
(でも、自分の仕事だけでいっぱいいっぱいになっていたら、そんな余裕が生れるのかは疑問)
たとえば、パワーポイントなどのスキルがアップしても、再就職の役にも立たないが、フォトショップやイラストレーターが使えて、印刷会社並みのスキルがあるとか、ホームページなども作れるなると、役に立つこともあるのかもしれない。
ただ、知人のイラストレーターに聞いた話だが、普通の会社にイラストレーターとして雇われても、お姉さま方にどんどん普通の事務の仕事を入れられてしまうとのこと。
事務の仕事だけで忙しいのに、イラストレーターとしての仕事もあるので、仕事量が倍になり、日々残業の連続だったとか。
イラストレーターとして雇ったくせに、事務員としてコキ使われたら消耗するだけだ。
才能ある人物を雇ったらきちんと管理して守っていないと、先輩たちにいいように使われて、終いには、ストレスで精神や体に異常をきたして辞めていくことになるかも。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆佐藤優『組織の掟』を読み解く
※要旨
・わたしは外交官時代、
仕事の経費で年3000万円くらいを使っていた。
そのくらいのカネがなければ、
首相官邸や外務省首脳部が要請するディープな情報を
入手することができなかった。
・雑用仕事にも意味がある。
・組織は個人にスキルを与える。
・組織に10年いれば一人前になれる。
・組織は上司に味方する。
・出世はめぐり合わせと運に左右される。
・筆者が部下を選ぶときに最も重視していたのが、
外国語能力だった。
外国語能力は、外交官になってからの
基礎的仕事に大いに直結する。
語学ができなければ基礎的な仕事もままならないし、
書く力がなければ公電を起案できない。
・試験が基礎能力を維持させる。
・英語の試験で能力が向上するのか、
ひとつの科目で全体の能力が向上するのか、
と疑問を持つ読者もいると思うが、
答えは「向上する」だ。
外務省で言えば、
英語の試験を義務化するだけで、
ロシア語、アラビア語、韓国語の能力も向上する。
・大人になってから外国語を習得するためには、
語彙と文法を正確に記憶し、
テキストを多く読み、
作文の練習をすることだ。
・ロジができないとサブもできない。
・筆者が部下の能力を測るにあたり、
第一は語学だが、その次は、
「ロジ能力」で判断した。
・外交の世界の仕事は、
「ロジスティクス(ロジ)」と
「サブスタンス(サブ)」に分かれる。
・ロジは、もともとは兵站という軍事用語だが、
会議を行うための下支えを指す。
サブは交渉の準備をしたり、
現場で相手と直接討論したりする。
・外務省では、キャリア、ノンキャリアを問わず、
最初の2~3年はロジ担当として徹底的に鍛えられる。
実際のところ、サブに従事できる外交官は、
ほんの一握りで、大多数はロジに従事している。
ロジがきちんと機能してこそ、
組織は成果を出すことができるのだ。
・大きなロジの仕事を何度が経験し、
上司、部下、同僚の対応を観察しているうちに、
「ロジができない人に、絶対にサブは任せられない」
という確信を持つようになった。
・ロジは臨機応変な対応と、
絶対にミスをしないという注意力が必要とされる。
・小さなチームを運営する際のコツも、
突き詰めればたったひとつだけだ。
能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間を
チームに絶対に加えないことだ。
・組織の情報通とつながる。
・社内の付き合いを疎かにしない。
・理屈よりも組織の掟に従え。
・人脈のハブから世界を広げる。
・本業以外が組織を出てから役に立つ。
・組織がいつ個人を切り捨てるかも分からない。
そのとき自分を助けてくれるのは、
元いた業界や組織ではなく、
複合的に身につけた特殊なスキルや
もうひとつの肩書、つまり「カバー」なのかもしれない。
※コメント
組織でいかに生きるか。
これほど大事なことはない。
しかしなかなか知ることができないこのメソッドを
佐藤氏は教えてくれる。
★佐藤優『組織の掟』
の詳細,amazon購入はこちら↓
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◆坪田充史『スペイン語最速インプット・ノウハウ』ご紹介。
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PDF版小冊子 『ハイパワー戦史研究』
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戦いに敗れたときの戦史ほど
大切なものはないのではないでしょうか。
戦史の研究は、
日本の将来のために我々がやり遂げなければないものではないでしょうか。
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◆門田隆将『この命、義に捧ぐ:台湾を救った陸軍中将・根本博の奇跡』
◆小室直樹『硫黄島・栗林忠道大将の教訓』
◆NHK取材班『日本海軍400時間の証言:軍令部・参謀たちが語った敗戦』
◆小松茂朗『戦略将軍・根本博』
◆戸部良一『失敗の本質、日本軍の組織論的研究』
◆半藤一利『聖断:昭和天皇と鈴木貫太郎』
◆斉藤健『転落の歴史に何を見るか』
◆猪瀬直樹『空気と戦争』
◆『昭和16年、夏の敗戦』
◆阿羅健一『秘録・日本国防軍クーデター計画』
◆徳本栄一郎『1945日本占領:フリーメイスン機密文書が明かす対日戦略』
◆『英国機密ファイルの昭和天皇』
◆有馬哲夫『1949年の大東亜共栄圏:自主防衛への終わらざる戦い』
◆岡部伸『「諜報の神様」と呼ばれた男、小野寺信の流儀』
◆『消えたヤルタ密約緊急電、情報士官・小野寺信の孤独な戦い』
◆伊藤正徳『連合艦隊の最後』
◆渡辺望『蒋介石の密使、辻政信』
◆湯浅博『辰巳栄一:吉田茂の軍事顧問、歴史に消えた参謀』
◆関浩三『日本軍の金塊。馬賊王・小日向白朗の戦後秘録』
◆人間提督・山本五十六
◆山本五十六と山口多聞、名将の生き方・戦い方
◆名言録『男の修行』と山本五十六
◆山本五十六、人材育成の格言
◆海軍伝統の問いかけ『五省』
◆海上自衛隊に受け継がれている海軍精神
◆海軍的思考法に学ぶ
◆『海軍次室士官心得』を読み解く
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※価格
5,000円(PDF版のみ)
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・組織は個人にスキルを与える。
・小さなチームを運営する際のコツも、突き詰めればたったひとつだけだ。
能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間をチームに絶対に加えないことだ。
・組織は上司に味方する。
・組織がいつ個人を切り捨てるかも分からない。
そのとき自分を助けてくれるのは、元いた業界や組織ではなく、複合的に身につけた特殊なスキルやもうひとつの肩書、つまり「カバー」なのかもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※日本のお姉さんのまとめ=小さい事ができない人は大きい事もできない。
仕事をしながら自分のスキルも磨いて、会社を放り出されてもどこででも雇ってもらえるような技術や知識などを身につけておくことが大事。
(でも、自分の仕事だけでいっぱいいっぱいになっていたら、そんな余裕が生れるのかは疑問)
たとえば、パワーポイントなどのスキルがアップしても、再就職の役にも立たないが、フォトショップやイラストレーターが使えて、印刷会社並みのスキルがあるとか、ホームページなども作れるなると、役に立つこともあるのかもしれない。
ただ、知人のイラストレーターに聞いた話だが、普通の会社にイラストレーターとして雇われても、お姉さま方にどんどん普通の事務の仕事を入れられてしまうとのこと。
事務の仕事だけで忙しいのに、イラストレーターとしての仕事もあるので、仕事量が倍になり、日々残業の連続だったとか。
イラストレーターとして雇ったくせに、事務員としてコキ使われたら消耗するだけだ。
才能ある人物を雇ったらきちんと管理して守っていないと、先輩たちにいいように使われて、終いには、ストレスで精神や体に異常をきたして辞めていくことになるかも。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆佐藤優『組織の掟』を読み解く
※要旨
・わたしは外交官時代、
仕事の経費で年3000万円くらいを使っていた。
そのくらいのカネがなければ、
首相官邸や外務省首脳部が要請するディープな情報を
入手することができなかった。
・雑用仕事にも意味がある。
・組織は個人にスキルを与える。
・組織に10年いれば一人前になれる。
・組織は上司に味方する。
・出世はめぐり合わせと運に左右される。
・筆者が部下を選ぶときに最も重視していたのが、
外国語能力だった。
外国語能力は、外交官になってからの
基礎的仕事に大いに直結する。
語学ができなければ基礎的な仕事もままならないし、
書く力がなければ公電を起案できない。
・試験が基礎能力を維持させる。
・英語の試験で能力が向上するのか、
ひとつの科目で全体の能力が向上するのか、
と疑問を持つ読者もいると思うが、
答えは「向上する」だ。
外務省で言えば、
英語の試験を義務化するだけで、
ロシア語、アラビア語、韓国語の能力も向上する。
・大人になってから外国語を習得するためには、
語彙と文法を正確に記憶し、
テキストを多く読み、
作文の練習をすることだ。
・ロジができないとサブもできない。
・筆者が部下の能力を測るにあたり、
第一は語学だが、その次は、
「ロジ能力」で判断した。
・外交の世界の仕事は、
「ロジスティクス(ロジ)」と
「サブスタンス(サブ)」に分かれる。
・ロジは、もともとは兵站という軍事用語だが、
会議を行うための下支えを指す。
サブは交渉の準備をしたり、
現場で相手と直接討論したりする。
・外務省では、キャリア、ノンキャリアを問わず、
最初の2~3年はロジ担当として徹底的に鍛えられる。
実際のところ、サブに従事できる外交官は、
ほんの一握りで、大多数はロジに従事している。
ロジがきちんと機能してこそ、
組織は成果を出すことができるのだ。
・大きなロジの仕事を何度が経験し、
上司、部下、同僚の対応を観察しているうちに、
「ロジができない人に、絶対にサブは任せられない」
という確信を持つようになった。
・ロジは臨機応変な対応と、
絶対にミスをしないという注意力が必要とされる。
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突き詰めればたったひとつだけだ。
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そのとき自分を助けてくれるのは、
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もうひとつの肩書、つまり「カバー」なのかもしれない。
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