園田賢pの凄さ | ツケマイせんせいの哲学する麻雀

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団体内での評価は高かったものの、一般的な知名度はMリーガーの中ではイマイチだった園田p。

 

かくいう私も同じ最高位戦所属なのだが、不勉強なことにその打ち筋はあまり見たことがなかった。

 

しかしこうしてMリーグが開幕し簡単に観られるようになって、その評価をMリーガー中最も上げている選手だと思う。

 

その打ち筋の一端を見ていこう。

 

10/19第2戦

牌譜

 

園田p、手なりで打つなら南か中だがここは打9m

 

自分の手は発がトイツで仕掛けていけそうだが、面子がなく時間がかかりそう。ブロックを絞って先に7m9mを落とし字牌をためて後半のリスクを抑える作戦だ。

 

その他に2つの意味がある。

 

 

2pをチーして打7m

 

25pは3枚目、2度受けを解消するチーを仕掛ける。

 

捨て牌を見ると両面を鳴いて79mのターツ落とし、周りからはかなり早そうに見える。

 

これが一つの意味だ。こうして相手に手をスリムに構えさせ時間的猶予を作り出す

 

そしてこの切り順でもう一つの期待していた効果が発揮した。

 

 

近藤p、南を掴んで打9m

 

もしも園田pが79mより先に南や中を落としていったらこの役牌は合わせて切られる可能性があった。

 

場に役牌を見せないことで自分の欲しい役牌を絞らせないのが狙いだ。

 

役牌がわからない以上、こうしてそれほどでもない手の相手に欲しいものと違う役牌を抑えさせる効果がある。

 

 

この判断は早かった。ツモ6s打4p

 

ここでもまだ役牌は切らない。

 

25pが4枚見えかつ欲しいのは雀頭、最も重ならない牌を切る。

 

 

発バックなら4sはいらない牌だが残して南切り。

 

場に索子が高く、将来この周辺を持ってきたときに4sを切っていると完全に使えない形になる。

 

3sや5sを持ってきたら発切りでタンヤオへ、もう少しあとの巡目で状況次第では3p切りの形テンを目指す。

 

よく終盤で使えない危険牌を持ってきて渋々オリることもあると思うが、このように使える構えをしておくことも終盤のリスクを抑えるテクニックの一つだ。

 

4sを先に切ってリスクを抑える考えじゃだめなの?という疑問が起こりそうだが、例えば発トイツの部分が67pであればテンパイ時にほぼ形が固定されるため4sを先に切るだろう。発バックの段階ではタンヤオ移行や、流局時の形式テンパイなど手牌が変化した場合のリスクを優先した方がいい。

 

そしてさらに

 

 

6mチー打4s。

 

テンパイ時の最終手出しにすることで索子周りを相手に切られにくくする効果も期待できる。

 

 

対面の近藤pが8mポン打7mとしてテンパイを入れている。

 

その後3m6pと切るが6sを近藤pが手出しした直後に掴んだ2sを止めて打3p。この判断もめちゃ早かった。

 

3mを自分で通して4pは4枚見えていることから近藤pの当たり牌はもう索子しかない(6s切りでテンパイしたとしたらその前に切っている3mもあり得るが)。

 

自分から6sが4枚見えているため6sのマタギがない。

 

あるとしたら446sや556sからの打6sで雀頭固定、46sのツモ3s、46sのツモ2s、68sのツモ8sといったテンパイからの待ち変えか。近藤pは腰の重い打ち手なのでテンパイtoテンパイと読んだのだろう。

 

ドラ赤が見えていないためラス目の近藤pへの放銃が痛手になる可能性があること、発が初牌で自分の和がりは薄いこと、2sにくっつけてのテンパイ復活はまだ狙えること、以上のことよりノーチャンスの3pで回った。

 

 

最後は発をポンしてテンパイ取り。ノーチャンスの8sが捕まってしまったが、これは仕方ないだろう。

 

この局、もしも園田pが普通に手を進めていたら近藤pに面前のテンパイが入っていたかもしれない(もちろんツモ順などかわるので断言できないが)。何気ない1局だが園田pのファインプレイが光る局となった。