前回までのあらすじ。
療育について市役所で相談。
まずは、診断書が必要とのこと。
診断書が欲しい旨を、前回発達検査に行った病院に電話で伝えると、診察が必要であり、その診察が予約できたのは2週間後だった。
この病院は、障害のある子どもを診ている、東大阪市内で一番名の知られている病院。
施設内で診療施設、療育施設、職業訓練など、一元的に扱っているようだ。
憶測だが、そのため予約も取りにくいのかもしれない。
来る日、長男が保育所に行っている間に診察を受ける。
診断書をもらうだけなのに、なにか話すことがあるのか…と思っていたが、診察室に入ると先生が、
「あれからいかがですか」
と聞いてくださった。
先生もお忙しいだろうに、無駄な話をしてしまうのは躊躇われたが、折角の機会なので、少し質問をしてみた。
高校生の時から発達障害については本を読んだりしていたため、発達障害のパターンはおおよそ頭に入れているつもりだったが、最近、「自閉スペクトラム」をよく耳にして疑問を抱いていた。
少し古い書籍には、「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」など分類が分かれていたが、「スペクトラム」はざっくりと示したもので、年齢と共に傾向がはっきりするにつれて、診断が変わるのか、ということである。
そのことを先生に聞いてみると、「スペクトラム」とは虹の色のような連続体、ということで、はっきり分けることはできない。
最近は、知的の発達などから「自閉症」「アスペルガー症候群」などと診断名が変わることは無いそうだ。
すごく勉強になった。確かに、発達障害といえど十人十色。
大切なのは診断名ではなく、それぞれの人に合ったケアをしていくことなのだろう。
そういえば、パラリンピックでは、障害が違っても同じ競技を同じ舞台でしているなぁと、ふと思い出す。
テレビ東京「YOUは何しに日本へ」で出ていた、前橋市でキャンプ中の南スーダン代表の、マイケルさん。
彼は生まれつき腕に障害がある陸上選手なのだが、(残念ながら、東京パラリンピックに出場することは叶わなかったが)テレビのなかで、「この腕は神様がくれた、この足も神様がくれた」と言っていた。
長男の発達障害も「神様がくれたものだ」と、いつか言いたい。
診察後、診断書は無事に手に入れることができた。
その診断書は、「自閉スペクトラム症」と診断名だけ書かれた、とてもシンプルなものだった。
ちなみに、費用は1500円。療育を受けるための手続きに必要な診断書は簡易なもので良いらしく、当日すぐに受け取ることができた。