writer/まつもとことみ
今回は、水森暦(みなもり こよみ)/作のマンガ『ぼくらはバラの子』のレビューをお届けします。
コミック雑誌『花とゆめ』で連載されていた作品です。(2013年~2014年にかけて連載)。
コミック作品「はじまりのにいな」が、宝島社の「このマンガがすごい!2012」オンナ部門39位にランクインした水森暦。
まずは、『ぼくらはバラの子』の、ユニークなストーリーからご紹介します。
STORY
倖成、清、ありか、小次郎、祈の小学生5人組。
無責任な飼い主のせいで、死んでしまった猫を見て悲しむ5人。悲しい顔で帰ると親に心配をかけるからと、しばらく遊んでいました。すると、空から流れ星が落ちてきます。
5人が、流れ星が落ちてきたところに行ってみると、バラの花に囲まれた、一人の赤ちゃんがいます。
赤ちゃんの身体にはトゲがあります。流れ星に駆けつけた高校生が、赤ちゃんを見て、お金にするために、どこかに売りつけようと企みます。倖成は赤ちゃんを守り、トゲが刺さりながらも抱いて逃げます。
そのまま倖成が家に連れて帰り、「ばら子」と名づけ、自分で育てることを決心します。『自分は、猫を捨てたおじさんとも、自分の実の母とも違う』
ばら子の成長はとても早く、大きくなるのも、言葉を覚えるのも早いです。物知り博士の小次郎に預けられると、みるみる言葉を覚えていきます。
倖成の家に戻ると、再び高校生に連れ去られます。ばら子がトゲで高校生を刺すと、高校生は死んでしまいます。
その現場を見た祈は、ばら子が人を殺せることを知ります。倖成はまだ、ばら子が人を殺せることを知りません。
祈に預けられたばら子は、祈から『悪者退治』を教えられます。祈はまず、猫を捨てたおじさんを、ためしにばら子に殺させます。そして、一度刺されただけでは死なないことを確認します。
祈が殺害したい本番は、倖成のことを殺そうとしたことがある、倖成の実の母です。目的の倖成母親を殺した後、祈は倖成に真実を告げます。
ばら子にもうトゲを使わないように言う4人。ばら子も、4人を悲しませたくないからトゲは出さないと誓います。
しかしある日、流星群を見に出た先で、流れ星を見たばら子がパニックになり、トゲを出して暴れます。その時に、清、ありか、小次郎がばら子に刺されてしまいます。一度刺されただけでは死なないことが分かっていても怯える3人。ばら子の棘はおさまらないままです。
これ以上、犠牲者を出さないために、大事な人を傷つけさせないために、5人はばら子を殺すこ事を計画します。
計画当日、倖成はばら子を外に連れ出し、かくれんぼをしようと言い出します。隠れる気の無い祈。そして、倖成は次にばら子の元へ。
・・・・・・
REVIEW
一巻と二巻が怖すぎて、三巻の購入を躊躇ったくらいです。でも、三巻で完結だからと買ってみたら、それまでが暗かった分、とても感動的な話でした。
ばら子は、殺される計画があることも、心の中では分かっているのに、倖成と外に出ます。
ばら子の成長は本当に素晴らしく、この5人に育てられたからなんだろうな。と感じます。
私の中ではとてもオススメなのですが、怖い、暗いのが苦手な方や、小学生以下のお子様にはあまりオススメ出来ないかもしれません。
まつもとことみのこのマンガの評価4、5
- (本ブログでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4,5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆(星3) 69点~82点)
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