- 鬼 (潮漫画文庫)/潮出版社
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コミックレビュー『鬼』山岸凉子作
STORY
天保八年、奥州枯野村は飢饉にみまわれ、家々の親たちは、口減らしのために、大穴のなかに子供たちを捨てます。
穴のなかで、飢餓におそわれた子供たちは、体力がつきて死んでいきますが、生き残ったものは、先に死んでいった者の肉を喰らい、自分たちを捨てた親のことを恨みながら、それでも生き延びようとしました・・・。
その大穴がある東北の田舎の寺に、現代に生きる美術大学の学生たちのサークルの一団が訪れます。
寺の住職の妻は妊娠していますが、その寺では、昔から後継ができないというジンクスがあり、サークル学生たちが寺を訪れたあと、そのジンクスどおり、住職の妻は体調をくずし、入院します。寺に取り残された学生たちは、その昔、悲惨な出来事があった大穴のある場所を発見し、そこで不思議な体験をします。
REVIEW
超常体験を描くのが得意の山岸凉子ならではの作品。
大穴のなかで、ウジ虫の湧いた、仲間の肉を食らう少年たちの様子が、怒気せまる筆致で描かれています。
読み終わったあと、飽食の現代日本で生活していることの幸せを、しみじみ感じることのできる作品です。
他に、「肥長比売(ひながひめ)」、「着道楽」を収録。
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