コミック 『白眼子(はくがんし)』のレビュー | 『にゃんころがり新聞』
- 白眼子 (潮漫画文庫)/潮出版社

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『白眼子(はくがんし)』(山岸涼子)のレビューです。
コミックの帯には、<運命観相を生業とする白眼子。彼にはいったい何が見えているのか? 異能の持ち主と少女の不思議な縁(えにし)を描く! ・・・極上の幻視・怪異譚>とあります。
あらすじです。
終戦直後の北海道。5歳程度の女の子が、知人とはぐれ、極寒の空の下、凍傷になる一歩手前のところで震えています。そこへ白眼子という占い師のような男がやって来て、女の子を家に連れ帰り、養女として育てます。
白眼子には不思議な力が備わっていて、白眼子の両の眼は見えませんが、死者と会話ができたり、人の運勢が分かったりします。女の子は光子と名付けられ、白眼子とひとつ屋根の下で暮らします。
光子は黒子(ほくろ)の多い自分の容姿にコンプレックスを持っていますが、ある時、白眼子に、「人の幸福と不幸の量は決まっている。何かを得れば、何かを失う。(黒子を隠そうとしなくてもいい)」というふうなことを言われます。後日、知人を通じて光子の写真を見た家族によって、光子は子供の頃にはぐれた家族と再会します。光子の黒子の特徴があったからこそ、大人になった光子だと分かり再会できたのです。
光子と白眼子は離れ離れになりますが、何十年か経ち、光子に子供ができてから、光子はまた白眼子に会いたいと強く願うようになります。
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すごく面白いです。
点数をつけるなら、100点といってもいいくらいです。
普通、漫画でも小説でも、虚構ですから、どこか作り話っぽいところがあるはずなんですが、この作品には、それがありません。ありえない話を描いているにもかかわらず、まったく現実の、ほんとうにあった話のように読めてしまうところが凄いところです。
この作者の作品ははじめて読むので、他の作品も読んでみたいと思いました。

