ミヤマシオガマ | Albireo Orangeのブログ

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生を得た証ってなんだろう?

撮影日:2024年6月19日

場所:横岳稜線








ミヤマシオガマ

ハマウツボ科シオガマギク属の多年草で、高山植物です。


草丈:5〜15cm程度

葉:根生葉は多数叢生します。長さが4〜7cm、幅1〜3cmの長楕円形ということにはなるのですが、羽状10〜20対に全裂し、さらに裂片は羽状に深裂し、葉がどうなってんだか?の全容がわかりにくい💦鋭い鋸歯もあります。例えるならば、ニンジンのような葉です。葉柄は数cm。茎葉は小さくて0〜2個互生するのですが、写真の通り、どれが茎葉なのか分かりかねます。多分、分解してみないと分からない😆

花:茎上部に総状花序に紅紫色の花を10〜20個密集して付けます。花冠は2唇状で、大きさは数cm程度。上唇は1cm程度の兜状で、先端は嘴状には尖りません。これは他の高山性のシオガマ類のヨツバシオガマやシオガマギクとの分かりやすい判別点になります。先端の下部に2個の刺状突起があります。下唇は上唇よりやや短く、3深裂し、中央の裂片が小さい。萼は、長さ1cm、幅5mm程度の筒形で、白い軟毛があり、5中裂。裂片は狭披針形で短くて鋭い鋸歯があり、2〜3裂するものがあります。

花期:6〜7月

分布:中部地方以北の本州と北海道に分布する日本固有種です。高山帯の礫地や砂地に自生します。半寄生植物であり、根が他の植物に寄生する一方で、自らも光合成を行っています。

写真の個体達は紅紫色といった色味ですが、色味の個体差は比較的大きい植物になります。


なお、タカネシオガマも高山性の仲間ですが、タカネシオガマも上唇が嘴状に尖らない点は同じですが、下唇が上唇よりも長いことや、葉がミヤマシオガマのように細かくは裂けないことで判別は可能です。


これも非常に目を惹く花でした。勝手なイメージで、高山植物は割と素朴な物が多い気がするのですが、こんなに色味も構造体も凝った作りになっていることに、なんとも不思議な魅力を感じます。