私がダウンタウンを好きになれない理由
私は、いわゆる「ダウンタウンど真ん中世代」なのに、
なぜかダウンタウンが好きじゃない。
みんなが『4時ですよ〜だ』を見て盛り上がっていた頃、
私は『ケイシュウ5』を見ていたタイプの人間だ。
なんでみんなが好きなものが好きじゃないんやろう?
「ただのひねくれ者なのかな?」
「みんなが好きなものを嫌いなだけかな?」と思っていた。
でもあるとき気づいた!
ダウンタウンの笑いって、
基本的に“がんばってる人をバカにする”構造が多いということに。
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アイツ痛いな~
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冷笑主義
だからきっと、
彼らの笑いは「ど真ん中で成功している人」じゃなくて、
「そこからあぶれている人」に刺さるんだと思う。
努力して熱くなる!ってことに
乗れなかった人を救う場でもあったのかもしれない。
あの作品は、
とにかく全力でがんばっている人を描いている。
それを見ていると、
「長らく続くダウンタウン政権のもとで、
“がんばる=カッコ悪い”とされる空気に
浸っている場合じゃないんじゃない?」と
思えてくる。
やっぱり、熱くなるって素晴らしいじゃないか!
自分にも歌舞伎のように人生をかけれるものが欲しい!
別に私がダウンタウンを好きじゃないのは好みの問題だ。
でも、その“冷笑主義”がメインカルチャーになってしまったことで、
心のどこかで本気を出しにくくなっている人は多い気がする。
『国宝』ブームは、
そんな空気へのカウンターカルチャーなのかもしれない。
「もっと熱くなれるものがほしい」という願いの現れ。
ダウンタウンという“冷笑文化”がメインになった時代に、
あえて熱く生きる方へ振れる——それもまた、
ひとつのカウンターなんじゃないかな。