ニューヨークに移住して一年程経ちましたが、ニューヨークの前はオレゴン州のポートランド市に2年ほど住んでいました。日本から出て、アメリカで最初に住んだ街です。思い出しながら、ここではポートランドに移住した時のことを書きたいと思います。

 

↓日本を出ることになった経緯に関してはこちら

 

大量のテントが出迎え

ポートランド空港に到着し、ミドルサイズの空港が使いやすそうだなーくらいに思いながらUberに乗って宿泊先のダウンタウンのホテルに移動している時に、もう地獄は始まっていました。
 
大量のテント!!まさにEndless Tents が道沿いにズラーっと並んでいて、文字通りにテントの列が終わりません。延々とテントと路上に散乱されたゴミが広がっていて、もうこれは衝撃でした。東京に住んでいると、ホームレスのテントは代々木公園とかシェルターにいたり、ホームレスだけどテントなくてネットカフェで寝泊まりしている人たちもいるし、あまり路上で見ることって多くないように思います。
 
参照:Oregon mayor to ban homeless camps on Portland streets - Seattle Times 歩道にズラーっとテントが並んでいる様子。

 

初めて降り立ったアメリカの地で最初の街に大量のテントがあって、不安を感じましたね。これが資本主義のアメリカの姿なんだろうか、いやこれはポートランドであってアメリカ全体で言えることじゃないよな、落ち着け自分、などと混乱した考えが錯綜しました。

阿鼻叫喚のホテル周囲

ダウンタウンのホテルに到着し、ホテル自体は昔ながらでスタイルのある良い感じのホテルで、ひとまず安心しました。しかしホテルをちょっと出ると「ウォオオーーー!!」とか叫んでる人や、ゴミ箱に攻撃している人、ジグザグに不思議に歩いている人など、ドラッグ依存か精神病か(または両方)よくわからないですが、日本では見ないレベルの狂人が結構います。
 
ゴミが散乱し、レストランなどお店は基本的に閉まっていて、マンションなどの一階部分の商業施設には「テナント募集中」と大きく書かれた広告がよくあります。すごく治安の悪いところなのかなと思いましたが、ダウンタウン全体的にコロナで経済的に大打撃を受けたようです。
 
聞いたところでは、オレゴン州はドラッグに関して優しい法律で(2022年11月あたりに全ドラッグが合法化)、他の州からドラッグをしにきてホームレスになる人が激増していたというのも要因にあるようです。
 
なかなか挑戦的な始まりで開幕しましたが、カオスすぎて新鮮なので、自分なりに状況を楽しんで生きていたように思います。東京ではゴミが路上にないのが普通だと思ってた自分、甘かったんだなー、みたいな。あの人、空に対して怒ったり叫んだりしてるなー東京にはああいう人は(あまり)いなかった気がするなー、とか。
 
一回本当に危ないところに間違えて踏み入れてしまって、テントもなければだれもおらず、市街戦が終わった後のように風の音しかしない静寂な場所で、「ここはヤバすぎる!!」とすぐに直感し、脱出しました。ギャングのたまり場みたいな、危険すぎてホームレスの人たちも避ける場所なんじゃないかなと思います。

夫がついに遅れてポートランドに到着

国際的な引っ越しは諸々と結構大変で、国際便の手配から家具の売却・処理まですべて一人でやってくれた夫に感謝しています。僕の方はというと、ホテル滞在中に家具付きで仮住まいできるところをCraigslist というアメリカ版ジモティーで見つけて、内覧・交渉・契約と支払いまで行って、ひとまずアパートに仮住まいしていました。

 

さて労働契約を完遂し、東京のアパートの後始末もすべて終えて夫がついにアメリカへ帰国してきました。アパートに到着して会ったときは、ようやく二人で落ち着くことができ安心しました。アパートはダウンタウンにある立派な建物で、近所の人もとてもフレンドリーで良い人ばかりでした。廊下がいつもマリファナの臭いで充満しているのですが、まぁそれはいいです。

毒ガスを吸い込むか、眠れない暑い夜を過ごすかの二択

ポートランドの冬は、まぁまぁな寒さですが、セントラルヒーティングシステム(家内暖房?)が建物全体を温めているのが普通なので、どこにいってもあまり寒いとは感じないです。ある日、暖房が入って「あ、暖房入るようになったんだねー」と二人で話していました。その夜から始まる地獄を知らずに。

 

ヒーティングシステムは、建物全体で設定されているので僕たちではコントロールできません。暑すぎたら、窓を開けて調節します。冬場なので寒い空気が入ってきて、ちょうどよい室温になりますね。

 

僕たちは気づきました。ホームレスの人たちが外でゴミを燃やして暖をとっている!しかも窓を開けると、ゴミを燃やしてあがってきた一酸化炭素ガスがアパートに入ってきますそれもちょっとのガスではなく、おもいっきり黒煙で、少し吸い込んだだけでむせる、毒ガスです。しかし窓を閉めるとヒーティングシステムが強すぎて、暑すぎて眠れない。

 

この夜から、冬が終わるまで僕たちは、よく眠れない夜が頻繁にありました。睡眠不足だけども(暑くて)眠れない、辛すぎて少しくらいなら、、と窓をあけたら黒煙が入ってきて「やっぱ無理だ」と窓を閉める、の繰り返しです。冬が終わった時は二人して本当にほっとしました。ホームレスの人たちに寒さで死んでほしくないから仕方ない、と自分たちに言い聞かせてサバイブしました。

サウスイーストでアパートを確保

ポートランドはSouthwest, Northwest, Northeast, Southeast の4つの地域があるのですが、特に自然が美しいサウスイーストでアパートを探し始めました。ダウンタウンに比べたら治安やホームレスの数、自然の美しさなどもう天地の差です。緑と花が咲き乱れて鳥の鳴き声が聞こえる静かな住宅地が広がり、車なしでも何とか自転車を駆使すれば生活できそうでした。

 

こんな感じで、僕のアメリカ移住は始まりました。挑戦の多い1年でしたが、それでも日々、幸せを感じていました。ポートランドはゲイにすごくフレンドリーな街で、たくさんいますし、何よりみんな優しくてとてもリラックスしています。ただ夜遊びとかはあまりないので、少し退屈していたというのも事実です。そのへんに関してはまた別記事で書こうと思います。

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