僕は日本人男性で、夫がいます。日本では結婚しておらず独身扱いなのですが、アメリカでは同性婚が認められているので、法的にも既婚者として扱われますし、周囲も普通に男性と結婚している人とみなします。異性婚と全く同じノリで、保守的な地域でもゲイカップルの既婚者として周囲に、自然に扱われます。

 

夫とは東京のゲイバーで出会い、2年ほど付き合った後に結婚を決意しました。もちろん彼と一緒に暮らしていきたいという思いがありましたが、グリーンカードを取得してアメリカに移住するためでもありました。日本で結婚できないので、夫は日本の永住権を取得することができません。夫は毎年品川の移民管理局に出向いてビザを取得する必要がありました。

移民局行列待ちの人が暑さで死亡したのを受け、移住を決意

二人で永住できないという点が、アメリカに移住を決意した最大の理由でした。夫は品川区の移民局がオープンする前に到着するため、朝早く品川駅まで行き、さらにバスに乗って移民局に到着して、2時間程度は行列で待ちます。オープン後に並ぶと、最低4時間待ちです。行列は外まで続いているので、真夏は非常に暑く、真冬はとても寒いです。最悪の場合、やっと係員のところまでたどりついても、書類にミスがあるとやり直しで、また来なくてはいけません。しかも係員は、動物以下の存在と接しているかのように、とても雑で冷たい対応をするそうです。

 

夫はいつも、これが本当に辛そうでした。英語の先生として働いており、1年や2年単位の程度しかビザが取得できませんでした。エンジニアなどであれば3年など取得できたりしますが、夫の場合はほぼ毎年行かなくてはいけない状況でした。しかも転職するとスポンサーの更新が必要なので、転職する度に行かなくてはいけません。

 

しばらくは辛そうだなくらいにしか思っていなかったのですが、真夏のある時に移民局にいく必要があり、ものすごく暑い中行列待ちすることがありました。彼はなんとか持ちこたえましたが、後日、行列に並んでいた人が熱中症で亡くなったというニュースを聞きました。

 

僕にとって大切な人を、文字通り死ぬほど辛いところに送りだすことはできないと思いました移民局の対応も問題ですが、永住権が取れない点についても限界が来ていました。異性カップルの国際夫婦の友人と会ったりすると、あっさり永住権を取って、幸せそうに「(永住権取得は)大変だった」と話すんです。それを聞いた時の僕たちの気持ちは、言葉にできません。もちろんその友人たちには幸せになって欲しいと思いますが、同時に不公平さを心から感じました。

 

そのあたりで、アメリカ最高裁が同性婚を認める判決を出しアメリカで同性婚ができるようになりました。カリフォルニア州など州によって前から同性婚はできる制度はありましたが、国として認めたのはそのあたりだったと思います。永住権は国が認めないと取得できないので、僕たちにとってアメリカに移住することが可能になった瞬間でもあります。

アメリカで同性婚後、グリーンカードを申請

結婚することを二人で決めた年の12月、クリスマスに彼の家族に会いにいき結婚するつもりであることを伝えました。アメリカにそう何度も来ることはできないので、クリスマス中に役所に行って結婚したいということを伝えました。彼の両親は保守的な家族ですが、僕たちの結婚を心から祝福してくれました。コロラド州の役所に一緒に来てくれて、結婚後には高級レストランでステーキをごちそうしてくれました。

 

帰国後、しばらく仕事などでバタバタしていて放置していましたが、夫の家族にグリーンカードのスポンサー(保証人)になって欲しいことを相談しました。グリーンカードは保証人が必要で、アメリカで収入がちゃんとあって納税している人でないとなれません。夫は日本で稼いでいたので、アメリカに大して納税しておらずなれませんでした。

 

夫の妹にも相談しましたが、経済的な事情で難しいと言われてしまい、夫の継母(両親と言いましたが、夫の母親はだいぶ前に亡くなっており、父親と再婚した義理の母がいます)は仕事で最高機密を扱う関係で(防衛関係の重役です)保証人になれないそうでした。残るは夫の父親です。優しくてとても良い人ですが、保守的な政治観を持っており、同性愛者や移民に対して好意的ではありません。すぐには首を縦に振ってくれませんでしたが、夫と継母が粘り強くプッシュしてくれたのもあり、最後は了承してくれました。保証人が決まれば、後は書類を準備して申請するだけです。

グリーンカード取得

これをいうとグリーンカードを取った人や取ろうとしている人から驚かれますが、申請は弁護士を雇わずすべて自分たちでやりました。やたら英語が難しいですが、一語一語調べて夫と確認し、夫の父親とも確認しながら書類を集め、申請を完了しました。

 

その後はだいたい待ち期間です。返答が来たら指示された通りに必要なものを揃えて送ったり、オンラインのアカウントを作成したり(アメリカの移民局のシステムはオンラインで管理されていて、通知や連絡もすべてオンラインで完結、素晴らしいです)、最後は大使館に面接に行ったりなどしてすべての処理を完了させました。

 

面接は意外とあっけなく終わりましたが、厳しい質問をされる人もいると聞きました。僕たちはさっさと結婚したおかげで、結婚してからしばらく経過していたので、偽造結婚に見えなかったのかもしれません。ゆくゆくはグリーンカードを考えていて結婚予定の人は、さらっと結婚だけ済ませておくのが吉です。

 

グリーンカードの処理が完了したので、アメリカに来てくださいという通知が来た時は、申請してから1年が経過していました。トランプ政権がグリーンカードの処理を止めるとニュースで言っていたので、どうなるか心配していましたが、ぎりぎり大丈夫だったようです。

一人でアメリカへ

しかし、ここで問題がありました。通知には、3カ月以内にアメリカに入国しないとプロセスが一からやり直しになります、と書いてあったのです。通知が発行されてから自宅に届くまでに既に半月経過してしまっていて、2か月程度しか残っていませんでした。夫は労働契約で、日本の会社とあと3カ月程度働く必要があるため、すぐに出ることはできず、仕方なく僕だけ一人で単身、しばらくアメリカに行くことになりました。最初の2週間だけ夫の妹さんの家に泊まらせてもらい、その後はオレゴン州のポーラランドに移住する予定で、夫を残して単身渡米しました。

 

夫の妹さんはとてもよくしてくれて、アメリカの基礎的な生活の知恵を叩き込んでもらった気がします。レストランに行ったときにはチップで20%割り増しに払うのが普通、みたいな、アメリカに住んでいれば知ってて当たり前のことは彼女から教えてもらいました。博学な人で、いろんなことを一から説明してくれるので、何も知らない僕としてはとても助かりました。

 

その後、ポートランドに移住します。そこからが、一人ぼっちのアメリカ生活本編ですね。お楽しみに☆彡

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