いろいろあった1月が終わり2月がスタートしました。
米グーグルの持ち株会社アルファベットが1月30日に発表した第4・四半期の広告事業売上高は655億ドルと前年同期の590億ドルから増加しています。ただし、アナリスト予想平均の661億ドルには届かなかったため株価は急落しています。
サイト運営における広告収入、アフィリエイト収入に関しても同様の傾向で、日常が戻ってきた中でもっと稼げると思われていたものがそれほどでもなかったという感じです。IT化が遅れていた業種によるWeb開設・集客のための広告活用の動きも広がってきました。しかしながら大型キャンペーン広告が少なくどの広告も小粒化しています。そのため広告単価の低下傾向が続いていてその隙をつくようにコンプレックス広告やテクニカルサポート詐欺へ誘導する不審な広告が多数出稿されていました。
生成AIと自動化ツールによって曖昧でよいコンテンツは安価に大量生産することが可能になっており詐欺のための広告バナー、ランディングページ(LP)として悪用が進んでいます。1度しか表示しないタイプのLPも増加しており、著名人の肖像を使ったり、事実と反する内容を堂々と掲載しているため問題化してブロックされるのを避ける意図があるとみられています。
言語、ロケーション、時間帯などのパラメーターとCDNの仕組みを巧妙に操ることで広告審査をすり抜けて悪質なコンテンツを閲覧者が目にしてしまうことにつながっています。
CDN(Contents Delivery Network):Webサイト上のコンテンツを迅速にエンドユーザーに届けるための仕組み。ネットワーク的にユーザに近いキャッシュサーバーからコンテンツを送出することで迅速かつ効率的な配送を実現している。
ところで近年は時間をかけて作られる良質なコンテンツが淘汰されてしまい、一見それっぽいが低質なコンテンツが溢れることになりつつあります。情報の流通にかかる時間が短縮されて、個人チャンネルでほぼリアルタイムでライブ動画やラジオ生放送が可能になりました。X(旧Twitter)やTiktokのようなSNSではぱっと見で分かりやすいコンテンツが好まれていて、細部の作りこみや深みというものとは対照的です。
Youtubeは大手メディアもテレビ局も番組制作会社や著名人の事務所も、個人も同じプラットフォームでグローバルに戦うようになっています。再生数での勝負となるとベースが英語のコンテンツにかないません。一応Youtubeにアップロードされた動画は自動翻訳字幕や文字起こし機能など駆使すると全く知らない言語の動画も意味を理解して視聴できますが母国語にしている人のボリュームの大きさが重要です。例えば発売になったApple Vision Proのレビュー動画や新作ゲームのトレーラー映像など英語で発信されている動画の視聴数で比べればその優位さが分かると思います。
既にYoutube配信者(Youtuber)も行きつくところまで着た感があるので中途半端に資金を投入しても稼げなくなってきています。商業活動として効率性、経済性を追求している人たちは撤退するようになるのではないかと思います。既存ファンを大切にして再生時間数を伸ばすことに注力して、ローコスト運営へ方針転換して長く細く収益化を続ける作戦も有効でしょう。
個人のコンテンツとのかかわりに関しても、いままでの傾向からこれからのコンテンツ消費は推しを応援するよりも、自分がコンテンツを生産する側に回り主人公として楽しみながら配信を続けていく個人がしぶとく生き残るように思います。(個人ホームページ開設ブーム→ブログブーム→動画配信ブーム)