2020年の巣ごもり・テレワーク需要で先食いしてしまった感のあるPC市場が2021年に続いて2022年も低迷していました。パソコン業界については大河原 克行氏がPC Watchに寄稿している記事に詳しく書かれているので是非読んでもらいたいです。
電子部品不足での価格高騰は解消してきていますがパソコン自体が輸入品の塊であり、電子部品などの主要パーツは円安の影響を受けていますので同クラスの製品で比較するとここ数年PC自体は値上がりしています。GPUは巣ごもりゲーム需要と仮想通貨マイニングブームによって高止まりしていたものが少し落ち着いてきています。2022年は新作ゲームのビッグタイトルが少なかったのでPC買い替えは進まなかったように思います。
TPMやCPU世代の制約があったことで2021年10月に発売されたWindows11については移行が進んでおらず、Windows11目当てにPC買い替えをする人はかなり少ないようで不人気OSとなりそうな感じがします。AppleはMacで新しいアーキテクチャを採用しましたが、Microsoft Windows向けは今までの延長線上の規格を採用する製品ばかりで嵐の前の静けさです。
このような情勢下で私もメインのPC環境はパーツ増強によって買い替えを先延ばししています。劣化しやすいファンや電源周りの手当てをしっかりすれば長い年数稼働することができます。今後出てくる製品を主力として取り入れるべきかどうか自分で判断できるように手持ちの機器でWindows 11とWindows 11 Insiderを動かしているので引き続き最新環境のキャッチアップはしていきます。
今年の秋にはWindows12が発表されるのではないかとの噂も出てきていますが、Windows7の時のようにWindows10を旧世代の古いOSというイメージにするマーケティング戦略ではないかと思います。Officeがサブスクリプション型へのライセンスへ移行を進めたようにWindowsのOS自体もライセンス体系を変更する可能性があります。OneDriveの利用権にとどまらずWindows 365 クラウド PCの利用権が付く形で検討しているに違いありません。OSの売り切り型のライセンスを止めるとマイクロソフト自身もSurfaceシリーズを販売するPCメーカーとしての一面ももありPC販売が難しくなるのでAdobeのような完全にサブスク型にはしないと思います。
サブスク型でお金を払うことに納得性を持たせるためにOpenAIのChatGPTをWindows 365に統合するような形で付加価値を付けようと狙っているのかもしれません。そしてOffice365との統合ではビジネス文書を人工知能が自動的に作成するような将来が見えてきます。どちらかというと法人向けの機能になりそうですが個人のクリエイターを助けることにも寄与しそうです。
■大河原 克行氏がPC Watchに寄稿している記事のリンク
大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
・起爆剤なし、価格上昇で、低迷が続いた2022年の個人向けPC市場を振り返る (2023年1月12日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/1469519.html
・国内PC出荷、12月は過去最低の実績に。Windows 11は需要拡大の起爆剤として機能せず (2022年1月24日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1382754.html
■NX-Station記事
・パソコン販売の歴史的な落ち込みと新GPUの販売
https://ameblo.jp/nx-station/entry-12774206445.html