本日の仕事術は、 知的好奇心を満たすリスキリング をお届けします。
※リスキリングとは、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶことです。
理工系人材、デジタル人材の育成が不足していて、進んでしまった技術立国日本の凋落の進行を防ごうとする取り組みが官民で進められています。多くの組織では2000年前後のITブームの後、ICT投資が減り続けており政治家、官僚、経営陣の技術への無理解など複合的な要因から停滞を続けています。
日本からGAFAのようなグローバルなデジタル企業が登場しなかったことに関しては諸説がありますが、日本市場のあと世界市場へ展開するやり方では最初から世界市場へ向けて製品・サービスを開発していたGAFAとはターゲットにしていた市場も、スピードも違いすぎています。
今からGAFAを目指すのではすでに周回遅れのような感じはありますが、デジタル技術の重要性が低下することはないでしょう。政府はコロナ後の新しい日常に向けてリスキリングを政策として推し進めようとしています。今までの組織が内外に向けて行う研修とはどのように違うのかはっきりしないところもありますが、自発的に自らの知的好奇心を満たすリスキリングができるかどうかが成否にかかわる重要な要因だと私は考えています。
技術者は土日に自主的にスキルアップを図れるかどうかが成長に差が出ると言われていますが、政府の取り組みには文系のビジネスパーソンもデジタルスキルを学んでDXを推進しようということを含んでいるようです。情報処理技術者試験のITパスポートや基本情報処理に関して試験方式を変えようとしています。これらの試験区分は受験者の文理の片寄りの少ない傾向があり、進学や就職活動のアピールポイントとして高校から大学在学中に受験・合格を目指す人が多いものです。検討会の資料などからこれら資格を中堅のビジネスパーソンのデジタルスキルの証明にも広げていこうという意図が読み取れます。
個人それぞれの学習スタイルや興味を示す分野が違いますが、自らの知的好奇心を満たせそうな分野の勉強を始めて、その達成度の証明として資格取得を目指してはいかがでしょうか?
何気なく使っているPCやスマホの仕組みを学んだり、情報処理のアルゴリズム、コンピュータプログラムを学ぶことで仕事の幅を広げることができると思います。デジタル技術(ICT)を体系立てて学ぶことで新たな気付きを得て、本業のDXの加速に役立てられるでしょう。
■リスキリングコミュニティ
・日本リスキリングコンソーシアム
https://japan-reskilling-consortium.jp/
学び続けよう、未来のために。日本リスキリングコンソーシアムは、国や地方自治体、民間企業などが一体となって、日本全国あらゆる人のスキルをアップデートする「リスキリング」に取り組む新たな試みです。
■リスキリング関連資料
経済産業省 リスキリング
・デジタル時代の人材政策に関する検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/
情報処理技術者試験など試験会場で受験する資格試験をインターネットを介して自宅や民間の試験センターで受験できるようにする取り組みが進められています。試験区分としては、ITパスポート試験(iパス)、情報セキュリティマネジメント試験(SG)、基本情報技術者試験(FE)についてIBT(Internet Based Testing)化をしようとしています。CBT(Computer Based Testing)化はすでにiパスが実施済で、FEに関しても実施が決定しています。
・リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf
2021年2月26日 リクルートワークス研究所 石原直子氏
以上、仕事術 知的好奇心を満たすリスキリングでした。