NEC、ネット接続事業会社「Biglobe」も売却へ | 特選街情報 NX-Station Blog

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政府や自治体、公共団体の下請け(官業)への傾斜を進めている日本電気株式会社はインターネット接続事業会社(ISP)「Biglobe」を売却する意向であることが判明しました。業界関係者によると売却のためのフィナンシャル・アドバイザーに、SMBC日興証券を起用、売却先を選ぶ1次入札を11月中に実施するとのことです。NECは現在、ビッグローブ社の筆頭株主で発行済み株式の78%を保有しており、売却価格は数百億円を見込んでいます。

 


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NECビッグローブは2013年3月期の売上高841億円、会員数302万人で、光回線やLTE、WiMAXを利用したインターネット接続サービスをはじめとして、クラウドサービス、Webホスティングなども行っています。

パソコン通信「PC-VAN」事業を起源に持ち、1995年2月にインターネットサービスプロバイダ mesh事業を開始、家庭へのパソコン(Windows95)の普及をしていた1996年7月にNECビッグローブとして分社しました。当時はダイアルアップ接続主体で、パソコンにモデムをつないで夜はテレホーダイのような使い方でした。ISDNやADSLを経て、現在は光回線主体になってきていますが、今後はモバイル主体になるとみられています。

2000年におけるビッグローブ会員数は約300万人(シェアは17.7%)で、富士通系のニフティと二強でしたが、2013年は会員数302万人と横ばいのままで、800万人台のOCNや500万人台のYahoo! BBと比べて低成長でした。

 


コンテンツ配信や情報提供サービスに関しても宿泊予約サイト、検索サービス、eコマース、動画配信サービスなど、いずれの事業も他社が事業開始して流行るとみると遅れて参入してきましたが、競争に勝つことはできませんでした。

NECはすでに国内のパソコン事業を中国レノボと統合し、将来的には出資比率を下げるか売却するとみられており、さらに今年、スマートフォン事業からも撤退しました。NECの事業と個人向けインターネット事業の相乗効果が認められなくなったと判断したとみられます。

しかしながら、世界の潮流がリアルからネットへ加速する中で、顧客の手にする端末であるPCやスマホを手掛けず、黒字のビッグローブ事業も手放すとなるとNECの今期決算も相当悪く、通年の損益確保や運転資金確保のための経営判断ではないかと私は考えます。端末を手始めに世界を席巻しているApple(iPhone/iPad/iMac)やGoogle(Android/Nexus/Chrome PC)という企業に対して、競争を完全に諦めてしまったと考えざるを得ません。とても規模は小さいながらもNECビッグローブの子会社にはBIGLOBEキャピタル株式会社が手掛ける「BIGLOBEファンド」というものがあり、インターネット及びモバイル分野のベンチャー企業への投資をしたりしています。

世界的なIT企業が日本から生まれないということの原因に、スタートアップ(起業)や芽を出したベンチャーを育てる土壌がないことがあるでしょう。日本の政治や経済の問題です。主政策が大企業保護であり、副政策が研究開発・創業支援であるため、大企業から派生した企業が新規事業を行うため、チャンス・タイミングでの勢いを欠いてしまいます。大企業になるとM&Aをするにしても、種や苗を買うのではなく、畑ごと大きくなった作物を高値で買ってしまうような愚策を平気でとってしまうのです。


NECビッグローブ株式会社
インターネットサーピースの提供事業を行っており、フレッツ光のほか、WiMAX、3Gなどのモバイル回線も提供しています。本社は東京都品川区大崎、2006年7月に日本電気の一部門から独立し、同時にロゴも変更されました。BIGLOBEの由来は「大きな地球」と言う意味で、BIG(大きい)とGLOBE(球,地球)を合わせた造語です。シンボルマークは「水の惑星」で、通称「びっぷる」といいます。従業員数は約600名です。主要株主はNEC、住友商事、大和証券グループ本社、三井住友銀行、電通、博報堂です。



NECビッグローブ株式会社 会社概要
旧URL http://www.biglobe.co.jp/outline

 

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