先週Facebookに知り合いのゲイカップルが連名で離婚報告してました。個人的に会ったりする間柄ではないけれど、共通の友人のホームパーティーなどで何度か顔を合わせたことのある二人です。仲良さそうだったのに外野からは何があったのかはわからないもんですが、このカップルには代理母出産で授かった息子がいます。確か、そろそろ10歳になるかならないか。これからこの子はどうなっちゃうんだろう、うちの旦那と話してます。医者同士のパワーカップルなので、金銭的には困らないんだろうけど、なんだかやるせない気分です。男女のカップルの離婚でも子供へのダメージは大きいはずなのに、、、。二人のゲイ父に育てられてきた子の心境はいかばかりなものかと老婆心ながら思ってしまいます。

 

アメリカでは、ハッピーな出来事だけでなく離婚など非常にプライベートな出来事もFacebookなどソーシャルメディアでアナウンスする人が結構います。すごく皮肉を込めて言わせて貰えば、ポエム調な文章で悲劇のヒロイン的を演じ同情を買う「かまってちゃん」に見えなくもない。こういう個人的なことを世界中に向けてわざわざ発信しなくてもね〜というアメリカ人も多くて、うちの旦那などは「こういうのって自分に酔ってる奴らがやるんだよ。それに離婚報告って、結局、私は今日からシングル。お相手募集中」の宣言だと、言い切ったりしてます。アメリカの特に白人中年離婚者の再婚マーケットの回転は早い早い。離婚後1週間で恋人ができたりする人もいます。もちろんそういう人たちはその前に着々と仕込んでるんでしょうけど。おかまの世界では、格好の噂話を提供しちゃってる感じ。と、私もちょっと斜に構えすぎでしたらすみません。

 

この人たちも離婚した。子供たちは元々リッキーの子たち。

 

さて、この知人カップルは、盛大な結婚式、息子さんの誕生、成長を逐一Facebookに掲載していました。鼻につくのでトップストーリーに出てこないように設定してました。日本でも赤ん坊の写真入りの年賀状を送って来た家族が、子供が成人するまで毎年欠かさず家族写真を入れた年賀状を送ってくるみたいな。このカップル、ついこの間はディズニーに行って子供の誕生日を祝ってた投稿をしていたばかりと思ったのですが。この離婚報告では、「息子はどうなるの?」と言った心配の声とともに、子供はお前らのアクセサリーじゃないんだよ、と結構な誹謗中傷も見かけました。野次馬根性でずっとコメント欄追ってたのですがちょっとした炎上状態。特に何度もベビーシッターさせられてたというこの夫夫のお友達は何も聞かされたいなかったらしく、FBのコメント上で結構な辛辣なやりとりが交わされていました。

 

リッキー・マーティンが離婚した時も、子供が可哀想と非難の声が上がっていましたが、あの子らは元々結婚前からリッキーの子供だったので、知り合いカップルのように結婚してから二人で子供を持つ決心をした場合もっと複雑だし、よって批判も大きいのだと思います。こちらの法律では精子を提供した方の男が実の父親として認められるわけではなく、男女のカップルと同じように親権が争われるのです。Facebookで連名で報告したということは、もうそういった話がついてるんでしょうけど。

 

旦那とこの話をしていて、昨年のトライベッカ映画祭で公開された映画「Our Son」を思い出しました。トライベッカ映画祭は9.11テロからの復興を祈念して創設された比較的新しい映画祭で、新進気鋭の作家の前衛的な作品や、現代的な問題をテーマにした作品などが公開されます。「Our Son」はまさに子持ちのゲイカップルの離婚というとても新しいテーマを取り上げた作品。映画祭の時は見逃してしまったので、これを機に見てみました。AppleTVなどでストリーミングしてます。主演はゲイを公表しているイギリス人俳優Luke Evans。

 

 

 

 

Luke演じるNickyとその夫Gabrielには8歳になる息子Owenがいます。しかし、仕事で忙しいNickyと、息子の世話に専念する専業主夫Gabirelの間の隙間は修復し難いものになり、Gabrielの浮気をきっかけに二人は離婚を決意します。息子のOwenは、Nickyの提供した精子で友人女性Adeleとの間に人工授精でできた子。親権は当然Nickyとなるのかと思いきや、こういう場合でも、男女のカップルの間に生まれた子と同じように扱われることがわかり二人の間で醜い親権争いが始まる、というストーリーです。

 

メリル・ストリープ主演でマンハッタンに住む若い夫婦の離婚を描いた名作「Kramer vs Kramer」(1979)を彷彿とさせる内容です。「Kramer vs Kramer」はストレートカップルの離婚劇ですが、離婚に至るさまざまな要因は同性婚でも同じで、男女カップルで起こり得るような子育ての構図がNickyとGabrielの間でも展開されています。マンハッタンの出版業界の第一線で活躍するNickyは3人が何不自由ない生活を送れるように仕事で多忙。一方、GabrielはOwenを面倒見るため仕事を辞めて専業主夫をして10年。Owenはどちらかというと母親的な役割をしているGabrielに懐いている。しかし、離婚となるとNickyの財政的後ろ盾がないと子供の養育はできない、、、。

 

本当に色々考えさせられる内容の映画でした。特に、実生活で知っているゲイカップルが離婚して、その息子さんの行く末はどうなるんだろうと心配していた矢先。子供を持とうとするゲイカップルを非難するわけではないけれど、映画の中のカップルも、現実の知人カップルも、本来自然には生まれえないはずなのに自分たちの意思で子を持つ決断をして、周りを巻き込んで、結婚がうまくいかなくなったから別れます、と。子供が一番可愛そうだと思ってしまいます。映画は、落ち着くところに落ち着いた感があるエンディングでしたが、現実の世界では延々と生活が続いていくわけで、こういう子供の人生にどのような影響を及ぼすのだろうと、心配でなりません。

 

 

映画批評やレビューサイトを見ると、賛否両論。辛口評価が多いように見受けられますが、それは、私と旦那が友人カップルに対して思う複雑な感情と同じで、「おかまが結婚して子供持って、それで離婚かよ」という風に登場人物の背景に共感できない人が多いことが要因の一つと思います。ただ、それは逆にいうと、それだけ生々しくゲイカップルを描写していたということかもしれません。映画自体はよくできていたと思います。

 

主演のLuke Evansもとてもいい味出してたと思います。若い頃から第一線で活躍して今年45歳、コンスタントに作品に出ています。年相応の役柄に脱皮できないイケメン俳優が多い中、彼の場合白髪も顔の皺も隠そうともせずヒーロー的ではない役を演じる姿を見て、やはりいい役者さんだなと思いました。これまであまりマークしていなかったLuke Evansについて、もう少し知りたいと思うようになったので、日を改めて彼をフィーチャーしたいと思います。

 

 

 

 
 
 
 

 

アメリカでは、学校の新学年が8月末ごろから始ります。だいぶ数は減りましたが、日本からアメリカの大学に留学してくる人たちは大体、今頃渡米してきます。私が大学院入学した時は、最初の1年は大学の寮住まいだったので渡米前に住むところを手配した上で来ました。

 

でも、これは、都会から離れたカレッジタウンというある意味、特殊な環境だったからのようで、マンハッタンの学校に留学してくる日本人などは、学校の寮などがないことが多く、自分で賃貸市場で探さなければなりません。マンハッタンには日系の不動産屋さんもあり、入国時の賃貸探しサービスを提供しています。日本にいる時からコンタクトを取り始めて、最初は大体ミッドタウンにある家具付きで月40〜60万円くらいのアパート(サービスアパートメント)に1ヶ月くらい住んで、その間に物件回って決めて入居というのが一般的です。基本的に日系企業の駐在員さんたちをターゲットにしてるようですが、学生さんたちの中にも企業派遣MBAなどで来る人や親が裕福な人などは、こうして住む家を探しています。賃貸紹介してもらうと家賃の半額などの手数料を払います。一方、誰もがそういう金銭的余裕がないことが多いので、日本にいる時に安いところをネットで見て決めてくる人も多いです。最近はインターラクティブなサイトなどもあって、部屋の様子を360度ビューなどで見られるようです。

 

しかし、それでも私はできる限り自分の目で見て決めた方がいいと思います。それは、界隈の雰囲気とか、地下鉄駅からの道がどのくらい安全なのかなど、行ってみないとわからないからです。

 

最近、ある日本人の知り合いに、某大学院に入学予定の娘さんがネットで見つけたアパートを1年契約してしまったが、行ってみたら治安が悪いところで、女性一人で住まわせるわけにはいかない、という相談を受けました。送ってくれた写真を断りの上で載せてますが、確かに夜は危険そうです。

 

昔の倉庫街の跡地に建った新しいマンション

 

これが地下鉄駅への近道。倉庫跡地で電灯が1個しかない

 

元々倉庫街の再開発のエリアで、まだまだインフラなどが整っていないので、夜は一人歩きできない場所だと思いました。マンハッタンのミートパッキングエリアも最初はこんな感じだったんでしょうが、ここがミートパッキングエリアみたいにトレンディースポットになるには、5-6年はかかるでしょう。こういうところに立つアパートは、家賃が安めに設定されていることが多く、入居月は家賃免除とか、一定条件でクレジット(信用保証)審査なしなどの集客キャンペーンをやっていることがあります。さらに新築となれば、建物自体は綺麗なのでネットで見た入居希望者は飛びつきたくなる気持ちはわかります。車を持っている人であれば車でガレージに乗り入れて、周辺を歩く必要がありませんが、日本から来て車を持ってない人が最初に住む場所としては、ハードルが高いように思います。

 

この方は1年契約をしてしまったので、来年の夏までこのアパートに住まなければなりません。アメリカは途中ではリース契約を途中で解約するのはとても難しいです。代わりの住人を自分で見つけてくれば契約から解放される場合もありますが、それは面倒だし同じ値段で借りてくれるとは限りません。大体足元見られます。結局、入居前からサブリースしてくれる人をを探しつつ暗くなったらできる限りウーバーやタクシーを使って帰宅する、という対応をするようです。これから日が短くなるので不便だなと思います。それにウーバーやタクシー利用だって若い女性にとってはストレスになるでしょう。

 

ネットにも各地域の界隈の治安状況は犯罪件数を紹介するサイトがありますが、それでもやはり私はできる限り自分の目で見て決めることをお勧めしています。アメリカの治安は、通りを隔てただけて大きく変わる場合もあるのです。例えば、日本から留学などで単身ニューヨークに来る人は、マンハッタンの端の方とか、クィーンズやブルックリンなどに住むことが多いですが、例えばアッパー・イースト・サイドはパークアベニューの地下を走ってるメトロノース鉄道が地上に出るあたりを境に、急に街の様子が変わります。住所が「パークアベニュー」でもその辺りは全く華やかな雰囲気はありません。庶民的で若者にも人気のクィーンズでも、場所によっては地下鉄駅から自宅までの間に強盗に襲われた、なんて事件が日常茶飯事です。あまりに日常すぎて、ニュースにもならないくらいだと思います。たまに日系フリーペーパーや領事館からのメールなどで日本人が被害に遭った事件などが知らされます。

 

ということで、このブログには、将来ニューヨークやアメリカの都市に住みたいと思っている方も読んでくださっていると思うので、注意喚起の意味も含めて書いてみました。予算にもよると思うのですが、アメリカでは安全は金で買うものだと割り切って、住む場所には少し余裕を持った予算計画が必要でしょう。そんな余裕はないけれどどうしてもニューヨークに安全に住みたいと思うのであれば、アパートのシェアが一般的です。クチコミや紹介で、相性のいいルームメートを探すことができます。それで3ベッド、4ベッドアパートを月1,500ドルくらいの家賃で他の日本人学生や若い社会人2-3人とシェアしてる人も結構います。私も、初めてマンハッタンに住んだ時はシェアも考えましたが、テキサスで一人暮らしに慣れてしまったので、赤の他人と同じキッチンや水回りを日常的にシェアするという生活をどうしても受け付けず、結局自分の足と、口コミ、そしてネット情報を使い、執念で予算に合う極狭一人暮らしアパートを探しました。紹介手数料で稼ぐ不動産屋さんは、安い家賃の物件を探す客は本気で相手にはしてくれません。

 

最後に、ブルックリン橋の近くにあるダンボ地区を訪問した時の写真。観光客も多く訪れるダンボのあたりも夜は安全とは言い切れませんが、拳銃狙撃事件に遭遇するとは思いませんでした。幸い怪我人などは出なかったようですが、犯人はまだ捕まってないとの事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月の真っ盛り、それほど社交的ではない私たちにもBBQパーティーやら、プールパーティーやらのお誘いが来ます。つい最近までは、誘いが来ないと寂しく感じ、誘いが来たら他の用事がない限り参加するようなスタンスでした。でも、今年の夏は、旦那も私も二人揃って「もうパーティーは卒業かな」みたいなモードになりました。もちろん、親しい友人の誕生会とか、結婚披露宴とかは別ですが、ここでいうのは不特定多数の人が来るようなパーティーです。ストレートカップルだと、妻同士の交友関係や子供を介した人間関係があって他の大人との社交の場があると思うので、知らない人がたくさんいるパーティーが結構頻繁にあるという状況はゲイ特有かもしれません。

 

先週の土曜は、白人とアジア人のゲイカップルが集まるパーティーに参加して来ました。本当は以前このブログでも取り上げた、我々同様白人とアジア人カップルであるSさんMさんカップルとディナーの約束だったのですが、お二人の友人がこのパーティーを企画したから、合流しようということになったのでした。仲間に入れてもらったみたいで嬉しいような気もしましたが、一方、SさんMさん、やっぱり我々とこじんまりとディナーするより大勢でいたほうが楽しいんだろうな、と少し寂しいような気もしました。

 

 

場所はチェルシーのレストラン。揃いも揃ってアジア人と白人のゲイカップルがおよそ15組、総勢30人くらい集結していました。ルックスも平均的な人たちの集まりでした。自分もアジア人として、こういう会の方が、Dのゲイ友が開く白人ばっかりの集まりとか、筋肉の量や顔面偏差値でマウントとってくるイカホモばっかり集まる会よりは、断然居心地はいいのですが、今回はなぜかあまりしっくりきませんでした。みんないい人で、気さくに話しかけてくれるし、マウンティングするようなオカマもいなくて、平和なディナーでした。ただ、なんとなく上っ面だけの人間関係のような気がして、なんで自分はこの場にいるんだろう、と思ってしまったのです。やはりSさんとMさんと旦那と私のカップルデートの方が色々話せたろうに、と思ってしまいました。SさんとMさんは社交的なので、楽しそうでしたが。

 

 

別にパーティー参加者が意地悪だったとか、退屈だったとかではないのに、このなんとなくのガッカリ感を色々分析してみた結果、根本の原因は私の心境と人間関係の嗜好が変わったのだという結論に達しました。以前は「同年代のゲイが皆人生楽しんでいるのに、自分らだけ蚊帳の外にいる」的状況が嫌だったのです。同胞ゲイたちの集まりには呼ばれたいし、旦那と二人だけの暇な週末は嫌、そして、友人関係をもっと広げていきたいと思っていました。それと、大袈裟だけれど性的興奮を味わう気持ちもあったと思います。パーティーで知り合った男と隠れてやっちゃうとか、それをきっかけに浮気するとか、そういう実際の行動にはなりませんし、するつもりもありません。ただ、ウィンドーショッピング的に、パーティーに来てる好みの男と話したり、彼らを目の保養にするという密かな楽しみなんですが。しかし、今回の食事会に参加したことで、広く浅く人間関係を築いたところで何になるんだろう、と最近心の奥底で思っていた潜在意識が言語化、具現化してきたように思います。

 

白人とアジア人のカップルのこのグループのインスタから

 

打って変わって、日曜はうちでこじんまりとささやかなランチをホストしました。「Cook Out」と言って、カジュアルな集いです。ハンバーガーを捏ねてグリルして、サイドディッシュを準備するだけです。大体招待した友人たちがワインやデザートを持ち寄ってくれるので、それほど金もかからないし、気軽な集まりです。逆にいうと、気心の知れた友人がいないと成立しない集いでもあります。前夜のパーティーにいた人たちとは全く別のゲイカップル1組と、このブログにもよく登場するゲイ友Zhaoを招待しました。特に刺激的な話はありませんでしたが、お互いの日々の近況報告、秋に控える大統領選挙への感想、そして、絶賛彼氏募集中のZhaoの男探しの武勇伝と、話題は尽きずあっという間に4時間くらい過ぎてしまいました。前日のグループディナーは、食べ終わるや否や、早く終わらないかな〜と思ったのとは大違いです。

 

ということで、緩やかな心境変化を経て、「余計な人間関係を広げていくのは慎重になろう」と悟りの境地に達することができました。人付き合いの嗜好の変化という意味で、この夏は記念すべき年になったと思います。残りはうちで開いたCook Outの模様です。

 

 

本当に飾らないディナーでしたが、楽しかった

 

旦那はYouTubeで見つけたレシピ、スイカステーキに挑戦

 

珍味スイカステーキ。こんな野心的なデザートも気心の知れた友人とならでは

 

 

 

 

 

 

最近ニュージャージー州に出張してきました。一人の出張の時のお楽しみは出張先の地元の日本料理を探索すること。今回もあらかじめ何件か目星をつけていきました。最近アメリカでは「え、こんなところにも、」というような町にも意外に美味しい日本食レストランを見かけるようになりました。

 

日本人シェフがやってるので味も鮮度もしっかりしてた

 

日本人がやっているところは基本的にハズレはありません。最初の夜は、この街の中心街にある日本食レストランに行くつもりでした。ただ火曜の夜はデリバリーか持ち帰りのみということで、アプリで持ち帰り用オーダーしました。マンハッタンで活躍してた日本人職人さんがオープンしたお店ということでネタもシャリもクオリティが高く、税金チップ込みで約25ドル(3700円)。これは良心的な値段です。アメリカの巻物というと「裏巻き」と言って海苔が内側に巻かれていることが多いのですが、ここは海苔巻きの海苔が日本で食べる寿司のように外側に巻いてあったので、プリッとした食感を味わえました。

 

しかし、その翌日以降の経験から、寿司や刺身といった日本の魚の生食文化をアメリカのあちこちで継承していくのはまだまだ難しいのかな〜という思いを持ちました。2泊目の夜はこの地方では初めてという本格的日本食を扱うスーパーに日本から直輸入の鮮魚を扱うという店があると聞いたので行ってみました。ここの売りである鮮魚コーナーでは、その場で寿司や刺身を好きなようにパックしてくれる方式の持ち帰りカウンターがありました。期待を胸に膨らませて行ったのですが、ショーケースを見て一気に買う気分は失せました。豊洲直送という本マグロが入荷したばかりとアピールしていたので、それで「鉄火丼」を作ってもらおうと思ったのですが、マグロの塊がまな板に無人のまま放置してありました。そしてそのまな板の上にスマホが2台、充電中で小汚い光景。暇な時はスマホいじりながら魚捌いてるんでしょうか。

 

このスーパーの売りは、さばきたての魚で刺身や寿司を提供

 

マグロの横にスマホ2台。スマホいじった手でマグロ触る。

 

私が待っている間に、この持ち帰りカウンター内にいるはずの職人は現れませんでした。出来合いの持ち帰り用の寿司詰め合わせやチラシ寿司がカウンターの横に並んでいましたが、もうここで買う気はなくなりました。去り際にやっと職人が持ち場に戻ってきましたが、早速手袋はめたままスマホ一通りいじって、さらにその後その手袋のまま魚切ってました。アメリカの多くの都市では、食べ物を扱う者は手袋をつけなければならない、という法律ができて、寿司職人でさえ透明のビニール手袋はめて握っています。でも、結局、手をこまめに洗うという根本的な衛生感覚が醸成されていないところでは、この店のように手袋はめた手でスマホ触ったり、支払い対応したりしてます。こんな光景を目撃すると素手より手袋の方が色々雑菌がついていて汚いと思ってしまいます。この「手袋法案」がマンハッタンで施行された時に、当地の日本人の寿司職人さん達は「逆に不衛生になる」と反対したそうですが、こういう光景を見るとまさにその不安通りになっていると思ってしまいました。手袋をしても、スマホいじった手で刺身扱われたのでは意味なし。やはり、寿司や刺身を消費する食文化がアメリカの地方にも広がって行っても、衛生観念までは追いついて行っていないようです。

 

結局この夜は、泊まってたマリオット系のホテルにあるアメリカン・フュージョン・レストランで「Spicy Tuna Avocado Bowl」をオーダーしました。メニューに「Sashimi grade」のマグロとあったので期待して出てきたのが下の写真。玄米の上にマグロとアボガドの細切れ、そして枝豆がのって、スパイシーマヨネーズと胡麻がふりかけてあるサラダ風でした。マグロは、つなぎ合わせたら刺身せいぜい2切れくらいの量。味は、まあまあでしたが、税金とチップ含めて45ドル(約6700円)。ホテル内だから結構なお値段。出張の日当が出るのでお財布には痛くありませんが、プライベートではこれに45ドルは高いかな。それとマグロを食べてたら今度は刺身と醤油、ワサビの風味を舌が求める感覚が出てきて、スパイシーマヨの味ではあまり満足することはできませんでした。

 

ツナアボカド玄米丼。チップ込みで45ドル(およそ6700円)

 

 

そして、その翌日の昼はスーパー・チェーンであるWegmansに行って、また寿司を求めました。握りセットもありましたが、なんとなく新鮮じゃない気がして、ツナ・ボルケーノ巻とスパイシー・キングサーモン巻。結局これに烏龍茶を足して合計25.5ドル。日本だったらスーパーのお惣菜コーナーやコンビニで千円以内で買えそうな感じですが、Wegmansは魚コーナー、充実しているのでまあまあ味は良かったです。もちろん、日本の本格的な寿司とは違いますが、少なくともマグロやサーモンの食感を醤油とワサビで味わうことができました。日本のスーパーマーケットでお惣菜を買うと上底でまるでボリュームがあるかのように見せることがありますが、この寿司は、3分の1くらいがシールで覆われていて、その部分は寿司が入っていなくて損した気分です。

 

 

 

ツナボルケーノロール($11.99)。噴火という身ですが、名前の由来は不明

 

スパイシー・サーモン巻き($8.99)。シールの下には寿司は入っていない

 

 

 

 

出張なのに、遊びに行ったのかと見まごうばかりの寿司レポですが、出張先の寿司を色々試して見たものの、寿司を求める味覚は収まるどころか、ますますきちんとした寿司が食べたくなってしまいました。結局マンハッタンに戻ったら行きつけの「Sushi Ryusei」に直行してしまいました。まさに寿司を求めて100マイル。夕食で混むちょっと前の時間にカウンターでつまむ程度ですが、やはり新鮮なお魚で知識のある職人さんが握る寿司は別格でした。

 

対してオチも何もないブログでしたが、寿司がメジャー化しているというアメリカでも、マンハッタンを離れるときちんとした寿司や刺身にありつくことは難しいというお話でした。


最後に、私のお気に入り「Sushi Ryusei」の記事をリブログし、今回の写真をアップします。日本食通な感じのシングルイケメンがカウンターに二人。一人は日本語でオーダーしてた。こういうのもマンハッタンならではの光景だと思いながら、計4日間の出張を終えました。

 

 

刺身5種盛り。ここで必ずオーダーするお気に入り

 

日本酒とペアリング。美味しゅうございました

 

 

 

ここ2−3週間、コミュニティーガーデンで採れ過ぎてしまったトマトを無駄にしないようにと、トマト三昧の食生活をしているからでしょうか、お腹が緩くなりがちで、先週のある朝は通勤中にトイレに行きたくなりました。(ここから先、お食事中の方などは読まれない方がいいかと思います)

 

郊外の駅にはトイレがないことが多いです

 

家を出る時、お腹ちょっと気になるかな、と思ったのですが、その直感を無視して家を出たのが災難の始まりでした。地元の駅のトイレ使おうとしたら夏休み中は無人駅になっていて、それに伴いトイレもロックされていました。それでもメトロノース鉄道の車内には2両おきくらいにトイレがあるので電車に乗ってからでいいかと思いました。乗ったはいいものの一番近いトイレはずっと塞がっていて、別の車両のトイレに行こうとしたら、この日に限ってなぜか車端のドアに鍵がかかっていて隣の車両に移動できないようになっていました。なんという不運の連鎖でしょう。

 

これは駅まで待ったほうが得策と思い我慢しました。グランドセントラル駅の地下のフードコートには規模の大きいトイレがあるのです。しかし、さらに運が悪いことに2箇所あるうち1箇所が閉鎖されていて、残る1箇所に人が集中してすごい列ができていました。あ、これはやばいパターン、、、。冷や汗ダラダラ出てきて、お尻をキュッと締めた体勢でしか歩けない。会社について、さらにトイレがあるフロアまでは正味20分くらいかかるので、絶対に間に合わないと思いました。

 

グランドセントラル駅の地下ホーム。トイレ直行する人は結構います

 

一番近いトイレがどこか、できるだけの記憶力をたどりながら頭をフル回転。こういう時に結構助かったのは駅の隣のハイアットホテルのロビーですが、最近はセキュリティーが立っていて、ホテルのキーを見せなければ建物に入れないようになっています。行って門前払い食らう時間は残されていないと却下。この辺のカフェはトイレがないことが多いので、確実にトイレを使える最後の手段を考えました。そう、昔の会社。本能的に、私のいた部署のアドミンアシスタントのモニカ(仮名)にテキストしました。会社にいてくれと願いつつテキスト出したらすぐに返信をくれました。連絡先消さなくて良かった!下がその緊急のやりとり。

 

 

日本語訳はこちら。

  • 私:(久しぶり?などの挨拶から始まらず、いきなり)「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけど」
  • モニカ:「ええ」(訝しかったのか、短い返答)
  • 私:「今、通勤中どうしてもトイレに行きたくなって、でも会社までは間に合わないんと思うの。」
  • モニカ:「わかった、待ってる」(さすが、頭の回転の早い彼女!)
  • 私:「10分くらいかな。着いたらテキストする。」(焦ってテキストも誤字だらけ)
  • モニカ:「了解。待ってるわ。」
  • 私:「1−2分」
  • モニカ:「今、外に出たところ。準備できてるわ。」
  • (モニカは来客証を準備してくれていて、私を一番近いトイレに案内してくれた。そして、職場に戻って行った、、、。)
  • 私:「ありがとう!トイレ済ませた」
  • モニカ:「間に合って良かった。何か冷たいもの飲んでく?ダイエット・コークとか」(なんて親切なの、、、、)
  • 私:「もう建物出て会社に向かってる。でもありがとう。」
 
急いで入った個室は鍵が壊れてたので、足で押さえながら用をたしたが、本当にホットした瞬間
 

この日ほど、マンハッタンで友情が大切だと思った日はありませんでした。もし彼女が不在だったり、私のテキストをスルーしたらと思うとゾッとします。でも、この緊急の時にすかさず彼女に助けを求めたのは、生存本能としか言いようがありません。私が困っていることを一瞬で察知して、会社のあるビルへの入館証を用意してくれていて、さらには、入り口から一番近い用務員さんたちが使うトイレに導いてくれました。「あまり綺麗じゃないけど、ここが一番近いの。じゃあね。終わったら、あの裏口からも出られるわ」と手短に言って私が男性トイレに入るのを見届けて職場へと去っていきました。

 

モニカはこれまでにも仕事で何回か危機を救ってくれていました。日本の職場がどうだったかあまり覚えていませんが、アメリカの職場には部署ごとにアドミン・アシスタントがいて、この人たちが優秀かどうかで、その職場の生産性が大きく変わるといっても過言ではありません。モニカは私が知る限り、非常に頭のいい、IQの高いアドミン・アシスタントです。上司やチーム内の同僚たちが何を求めているか先回りして準備していてくれました。私にも親切で色々よくしてくれました。職場の関係なので、外で飲んだりとか家を行き来するとかではないのですが、私が以前骨折した時にはすぐに診てもらえる病院を紹介してくれるとか、プライベートな領域でも助けてくれました。私も日本に帰った時には、他の同僚や上司には買わなくても、必ず彼女にはお土産を持って帰ってきました。そして彼女にはカミングアウトもしています。(でも彼女から漏れた=アウティングされたことは一切ないです。)私がこの会社を辞めた時も上司と一緒に私のサプライズフェアウェルを開いてくれたのも彼女です。

 

たかがトイレ、されどトイレ。時には殺伐としたマンハッタン。こういうふうに、本当に困っている時に助けてくれる友人がいることは財産です。アメリカの職場はドライと言われますが、こうしてオフィスでの友情を築いてきて良かったと本当に思える日でした。この日は会社に着いて落ち着いたところで、またお礼のテキストして、迷惑かけちゃったらごめんねと一通りやりとりしました。

 

帰宅後、旦那にこの話をしたら、感謝のカードを送ったら、というので、カードと一緒に小さな花束も送りました。トイレ使わせてくれて、ありがとう、というのも野暮なのでこんなメッセージにしてみました。

 

Dear Monica,

I really appreciate you helping me in the other day. You're an absolute lifesaver! 

Thank you, and cherish our friendship!

Best Regards, 

NW

 

(意訳:先日は助けてくれて感謝しております。あなたは本当に恩人です。ありがとう、そして我々の友情に乾杯)

 

思いがけず前の会社を訪問してしまった(写真は私の送別会の時)

 

時には殺伐としたマンハッタン。助けてくれる友人がいることは財産