ニューヨークでの転職活動経験談の続きです。昔の同僚から声がかかり、AI面接を経て、あちらの会社のオフィスにも出向き、採用された暁には同僚となる予定の人たちとの面接をしました。

 

 

そして会社訪問時に時間切れで仕切り直しということになっていた、エグゼクティブレベルとの面接を待っている状態が数日続きました。もしかしたら落とされたのかなとと思いつつも、同業他社のオフィスにも潜入できたし、社内で超絶イケメンを見かけて目の保養にもなったので、それ以上は特に期待もせずに待っていました。そしたら先々週の終わりに採用担当者から「シニア・バイス・プレジデントのベネディクト・サンタバーバラ(それっぽい仮名)」との面談を組みたいので予定をお聞かせください、とメールが来ました。

 

早速、そのバイス・プレジデントの名前をLinkedInで検索してみると、なんとエレベーターで会ったあの超絶イケメンではないですか!使ってる写真もまるでフィットネスモデル。大学を卒業した年から逆算すると、年齢は私より5−6歳若いようです。LinkedInのプロフィールで英語、スペイン語の他にタガログ語を話すと書いてあったので、おそらくフィリピン系か白人とフィリピンのハーフと思われます。スペインやオランダなど欧州の血が入っていると自称するフィリピン人の中にはとびきりイケメン・美人がいますが、彼もその部類でしょう。Facebookでも調べようとしたら、彼と同姓同名はNYだけでもたくさんいて見つかりませんでした。少なくとも、彼みたいにルックスのいい「ベネディクト・サンタバーバラ」はいなかった。今の彼の社会的地位であの容姿だと、別にリア充アピールしなくてもいいのか、きっとプライベートのSNS全般はやってないんでしょう。

 

こんなイケメンがいる会社もそうはない

 

数日後、ホイホイとまた面接に出向き、超絶イケメンのベネディクト・サンタバーバラ(仮名)氏に会ってきました。仕事が欲しいというよりも、もう彼に会うことが目的みたいな。笑 ところで、彼がゲイではと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、エレベーターで遭遇した時の観察では、私のゲイダーは作動しませんでした。彼はストレート男性だと思います。中年になっても身だしなみや体型に気を遣っているノンケ男性はニューヨークでも希少です。

 

面接に話を戻しますが、今回も夕方に設定されました。ミッドタウンを見おろす彼のコーナー・オフィスに通され、チームメート達との面接で聞かれた内容と同じような質問をされました。特に難しい質問ではないのだけれど、専門の深さをさりげなくチェックされたり、継続的に勉強してるかを試すような質問もありました。あとは、彼のチームの中では私は経験的にシニアの部類に入るが、管理職に興味はあるか、という質問もされました。これは新鮮な質問でした。今の会社ではそういうことは期待されてないのか、一度も考える機会はありませんでした。

 

若い頃の転職とは違って私の方も転職先を評価しなければならないのでこちらからも色々質問しましたが、サンタバーバラ氏は全ての質問に誠実に答えてくれました。知らないことは知らないと言えるところに好感が持てました。イケメンなだけでなく、大物感が漂うオーラ。予想通りアジア系の血が入っているようで、何となく懐かしい感じで、まるで中井貴一と話してるみたいな気がしました。と言っても、中井貴一と会ったことはないけれど、笑。彼がよく演じる包容力のあるリーダー(会社の上司役、戦国武将の役など)という連想です。

 

サンタバーバラ氏のイメージ。この日もこんな着こなししてました。

 

なお、うちの会社で同じレベルのVPポストについているのは60過ぎの人なので、40代前半でシニアVPになっているということは、きっとサンタバーバラ氏はエリート中のエリートなのでしょう。LinkedInによれば、学部は西海岸の雄スタンフォード大学のエンジニアリングで、MBAはハーバード・ビジネススクール修了。

 

彼のオフィスもサッと観察しましたが、美人なアジア系の奥さんと見た目麗しい子供との写真が飾ってありました。セレブ感漂うマンハッタンのごく一握りの超勝ち組、という素性の一方で、全く嫌味がないのがまた素晴らしい。下の写真はこのブログでもいつぞや紹介した映画「クレージー・リッチ」のシンガポール大富豪を演じたヘンリー・ゴールドウィンとその家族です。写真の中のサンタバーバラ氏とその家族もまさにこんな感じ。

 

セレブ感と清楚感を同時に醸し出せるのは育ちがいい証拠

 

面接しながらこの転職が自分のキャリアにどう影響を及ぼすのかなどを考えなければならなかったのですが、目の前のサンタバーバラ氏が魅力的すぎて、業務の内容などは上の空になってしまい、面接の間じゅうずっと煩悩に取り憑かれてしまいました。

 

それでもマンハッタンのプロフェッショナルとしての矜持を貫き、何とか数々の質問を乗り切ったら、面接の最後のほうでサンタバーバラ氏が唐突に「So, Mr. NW, what do you think about working with me and my team? I believe you will be a great additional to our team 」(さて、NWさん、私と私のチームと一緒の働くのはどう?きっとあなたはとてもいい戦力になると信じている)と言ってくれて実質オファー。臨場感出すために英語も添えてます。

 

面談の前半で私の経験やスキルで彼のチームに貢献できることを確信したようなことを言っていたし、その後はまるでチームメートに語りかけるような口調で私の意見を聞くフレンドリーな会話が続いたので、このオファーにそれほど驚きはしませんでしたが、私は「Thank you, I am glad to hear that. Let me think, but I really enjoyed talking with you, and knowing your company」(それは光栄です。少し考えさせてください。でも、あなたとお話しできて、会社のこともうかがえて良かったです)と口頭オファーへの即答は控えました。

 

サンタバーバラ氏は「As next steps, I will talk to my boss and HR about you. Then our recruiter will get in touch with you very soon」(それでは次のステップとして、上司と人事にあなたのことを話します。そして採用担当者から連絡させます。)と言って全て終了。

 

転職したら通勤することになる界隈。結構古いビルが多い

 

サンタバーバラ氏との面接を終えて心地よい疲れを感じながらマディソンアベニューを歩いてグランドセントラル駅に向かいました。いざ転職オファーが現実的になったら、逆に色々不安になってきてしまいました。自分で能動的に始めた転職活動ではないので今の会社を去ることを想像すると寂しく感じる一方、これから50近くになり自分の労働市場での価値はどうなるのだろう、転職するならこれが最後のチャンスかも、など、考えが堂々巡りになりました。そして、サンタバーバラ氏みたいな魅力的な人物が周りにいたら、仕事に集中できるのだろうか、等と訳のわからない不安まで。面接のたったの1時間半でも彼の声に聞き惚れ、澄んだ瞳に吸い込まれそうになり煩悩まみれになってしまいましたが、これが毎日だったらどうなるのだろう?相手はストレート男性だし、恋に落ちるなんてことはないと思いますが、私は仕事場では仕事だけに集中したいタイプなのです。

 

今このブログを書いている時点ではまだ採用担当者からの連絡待ちです。さて、どうなることやら。まだ正式なオファーはまだだというのに、昨日はランチの時にわざわざその会社の近くまで偵察に行ってしまいました。一方、転職が現実味を帯びてくると不思議と、今の会社のいいところも見えてきてなかなか複雑な気分です。

 

なお、転職活動体験記第一部は人気記事ランキングで1位を獲得しました。みなさんありがとうございます。今回も、面接内容だけではなく、まるでイケメン上司が話の中心みたいになってしまいましたが、それはそれでニューヨークでのキャリアシーンの選択の現実でもあるので、思うがままに書いています。いずれにしても、また進展は報告させていただきます!