前回のブログで、は”ミシュランの星・和食おまかせの最新動向 in マンハッタン”と題して、高級レストランでのおまかせ体験記を紹介させていただきました。

 

せっかくの和食の至宝体験を汚したくなくないので書きませんでしたが、2月に行った方のレストランでの支払いの件で、知り合いとの間に後味悪い出来事がありました。今日はその愚痴を吐露する投稿です。ここでしか披露できるような場所がないので、お付き合いいただければ嬉しいです。

 

最初からその話をします。2月に日本から来ていた方と一緒にミシュランの星獲得の和食おまかせ専門店に行きました。知り合いといっても、共通の知人を通して一度だけ東京で会って食事したことのある程度です。Sさんとしましょう。起業家で、アメリカにも子会社を持っているそうです。そのSさんから仕事出張ついでにマンハッタンに立ち寄るので、一緒に食事をと、お誘いが来たのが始まりです。こちらが何か提案する間もなく、Sさんから「マンハッタンの和食おまかせを体験したい」というリクエストでした。

 

写真はイメージ(行ったお店の写真はなし)

 

 

日本から来るのにわざわざなんで和食なんだろう、と不思議でしたが、その割には具体的なお店の名前とかはリサーチしてなくて私に期待してるみたい。マンハッタンに旅行でやってくる日本人は本当にいろんな人がいます。そして長年住む側の人間によくあることですが、ツアーガイド役を期待されたりします。今回の私がまさにそのパターン。Sさんも、私と食事がしたいというより、ただ単に当地で食事を共にする人がいて欲しいだけなんだろうな、と感じました。

 

それでもとりあえず、ミシュランに載ってるようなお店ならハズレはないだろうと、マンハッタン島内のお店何軒かリストを送りました。その中からSさんが指定したのがおまかせ1人$550ドルのお店。値段をお伝えしたら「せっかくなので、値段は気にしないでください。ゆっくり美味しいお酒とお料理を楽しみましょう」とおしゃりました。まるで私を招待してくれるかのような言葉。自分の会社を持つ起業家であるということで金持ってるだろうし、宿泊ホテルのランク、ニューヨークまでの飛行機はJALのファーストクラスで来たなどの総合情報で、Sさんにとって、$550なんて端金、支払いはしてくれるのだなと解釈していました。Sさんと会う日はもう残り4席だったので、とりあえず予約した私のクレジットカードで支払いしてしまいました。

 

そして当日、料理もサービスも最高だったのですが、おまかせコースが終盤に近づくにつれて、私の頭の中は、Sさんはどうやって私に飲食代を払ってくれるんだろう、ということでいっぱいになってきました。Sさん、結構酒が強くて、ビールに始まり、日本酒からワインまで6−7杯は飲んでいました。一杯30ドルとしてもアルコールだけで$200くらいいってたと思います。私は2杯だけ。それにチップ(先払いしてた料理の分とアルコール代合計$1,500の20%なので、チップは$300!)も加わります。

 

 

ミシュランスターの和食おまかせ(イメージ)

 

支払いの時になって、Sさんがカードを出そうとしてるのを見て、ああ良かった、やっぱり払ってくれるんだ、と思ったのも束の間。Sさん「NWさんは2杯だけなので、私がとりあえず払っておきます。」と驚きの発言。「とりあえず払っておきます」ってことは、2杯分は私に請求するつもり?もちろん、自分が飲んだ分払うのは当然ですが、ちょっと興醒め。何より、この人、料理も割り勘するつもりなんだとほろ酔加減も一気に覚めました。別に奢ってもらうためにタカリ根性で来たわけではないけれど、私に店探しから予約までさせといて、ありがとうの一言もなく、、。

 

恐る恐る「私が先払いしたお食事の分の支払いですが、、」と切り出したら、封筒に入ったピン札の$500ドルを取り出して私に渡してきました。久々に$100札みましたが、やはり自分の分だけ払うつもりのようでした。私が事前に払ったのは$550なので、$50ドル足りない計算ですが、きっと素早く私のアルコール2杯を差し引いたのでしょう。用意周到というか、セコいというか。チップの$300ドル分はSさんが払ったみたいで請求されませんでした。もう何が何だかわからなくなりましたが、とりあえず2人総額$1,800ドルの食事。今日の為替で日本円29万円也。1人当たり14.5万円。東京に住んでたら、1か月の食費払ってもお釣りが来そうな額を一夜にして散財してしまいました。

 

折角の美味しいお料理も台無しの気分。私がこのお店の値段をお伝えした時、確かにSさんは「せっかくなので、値段は気にしないでください。ゆっくり美味しいお酒とお料理を楽しみましょう」と言いました。ご馳走する、とは明言してませんでしたが、値段は気にしないでくださいって、、、。これで奢ってくれるものだと思い込んでいた私が悪いでしょう。もし最初から割り勘にするつもりだったのだったら、値段が値段だけに、私にもチョイスを与えて欲しかったです。最初に値段調べてあまりにも高いお店は最初から選択肢に入れなければ良かったのかもしれません。

 

店を出た後、Sさんは、マンハッタンの夜景が見えるバーに行ってみたいと言い、私に2軒目探して欲しそうな雰囲気でしたが、夜の街を案内する筋合いはなし。勝手にどうぞ。高い店に連れて行って割り勘されるのも癪なので、店を出て「じゃあ私はこっちの方向なんで、」と、マンハッタンの路上にSさんを残し、すぐ逃げるように帰ってきました。もうこの人と会うことはないだろうし。Sさんの方は、せめて私がタクシーでホテルまで送り届けるのを期待してたようで、驚きの表情してましたが、$900ドル(15万円)近い食事に付き合わされた私の方がびっくりです。それと、最後の最後まで「お店探してくれてありがとう」の言葉はなかったです。私も安くみられたもんです。

 

2件目行きたそうでしたが、さっさと帰ってきました

 

グランドセントラル駅まで歩いてる途中、色々考えましたが、久々に日本人と絡む時の人生の教訓になりました。日本語のニュアンスを読み間違え、日本人のおっさんのケチぶり、そして旅の恥はかき捨て的な態度で現地在住の我々をガイド扱いする傾向などなど。そして、クレジットカード決済は慎重に、とファイナンシャルリテラシーの復習までできました。Sさん自体は悪い人ではなかったし、技術系出身の経営者としての色々なお話は面白かったけれど、他人に対する配慮はないのか、逆に金に関するセコさがテック業界の起業家には必要なのか、なんとも興味深い体験でした。私には高くついた授業料ですが、やはり、こういう高級料理は支払いで気を使わなくてすむ、親しい人と行くのが一番です。

 

なお、私のマンハッタンでの寿司&おまかせの行きつけは、断然ミッドタウンの「Sushi Ryusei」さんです。$500ドルも払わなくても十分に美味しい季節のお料理を堪能できます。大将はベテラン日本人の方。ネタはいつも新鮮だし、そして質の割に値段が良心的です。

 

 

最後に余談ですが、マンハッタンではおまかせレストランが増殖中。ゲイ友が住んでるアパートの1階におまかせレストランが入居しててびっくり。どうなんだろう。今度試してみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ最近、私の周囲の男のネタばかり書いていましたが、今日はマンハッタンの最新ジャパニーズレストランのトレンドをご紹介。

 

寿司やラーメンはブームを通り越して、ニューヨーカーの日常ルーティン選択肢になってきていますが、当地での日本食の今のトレンドといったら、「おまかせ」でしょう。特に翻訳英語はなくて普通に「OMAKASE」と書かれます。一時期は「KAISEKI」という呼び名も出回ってたように思いますが、最近は「OMAKASE」に統一された感があります。


レストランのメニュー内のチョイスとして、50ドルくらいで5−6品出てくるところから、おまかせコース専門で500ドル以上するようなハイプロファイルなお店まで、「おまかせ」が一つのジャンルになっています。日本だともっと広義な意味で使われるのとは対照的に、ニューヨークでおまかせというと基本寿司を中心としたメニューです。

 

 

先月に一度、そして今月も一度、ミシュランガイドにも登場するおまかせ専門店に行ってきました。ということで、今日のブログは2026年現在のマンハッタンの和食おまかせシーンがどんな様子なのかというレポート。

 

まず予約から。高級ジャパニーズといえば、「NOBU」に代表されるように、コネがないと予約できないとか、セレブだけが知ってる裏電話番号がある、なんてことがひと昔前までまことしやかに言われてましたが、今は高級店でも大体オンラインで予約が完結できるようになっています。基本的に高級店は事前クレジットカード登録が基本で、先払いを求められることもあります。

 

例えば、ミシュランの星獲得の「Noz」さんの場合、一人550ドル(食事のみ)。ある人と二人で行きましたが、合計1100ドル事前決済でした。(日本円で17万円強!)日本だと人気店を示すのに予約1年待ちとかいうけれど、NYの人気店は大抵60日〜30日位前から予約受付で、同時にクレジットカードで支払いするか、少なくともカード番号を入力しないと予約が進めないようなシステムになっていることがほとんどです。お高くとまってる、、と思いもしますが、実際にこういうお店でおまかせ体験をするとそれは仕方ないことかなとも思います。やはり、基本カウンターのみ数席で、希少な食材をその日のためにベストコンディションで提供するので、ドタキャンやノーショー(No Show)があると、その高級食材が無駄になるからです。予約はたいてい一晩二回制。6時開始と8時半開始とか、7時と9時とか。まるで劇場。仕込みに1日かかるから、ランチ営業はないところが多いです。

 

これが「Noz」予約画面。$1100先払い(Prepaid)!

 

 

予約すると、メールやテキストで、いろいろ注意事項が届きます。時間厳守、遅刻15分以降は入店禁止、返金なし、香水禁止、などルールが書いてあります。それで、一週間前、三日前、前日にもフォローアップのメールやテキストがきます。料金が高いので、客ががっかりしないように、お目当ての有名シェフが不在などの情報も事前に明記されています。

 

そしていざ入店。2月に行った「Sushi Noz」さんには、人と一緒だったので、写真撮るような雰囲気ではありませんでした。よって、以下先週一人で行った姉妹店の「Noz 17」での体験の模様をレポート。

 

私の予約は夜7時でした。お店には大きな看板はかかっていなく、住所のみを頼りにお店を探します。これは東京にある高級おまかせ和食と同じような感じ。自宅から行ったので、遅刻しないようにしたら30分も早めに着いてしまいました。しかし、お店の玄関は鍵がかかっていて入れません。まだ、5時開始のコースのお客がいるようでしたので、とりあえず近隣で時間を潰してました。予約時間の5分前にまた戻り、お店に入って着席。インターフォンでお店の人を呼んで開けてもらう方式です。

 

 

そんな敷居が高い第一印象とは裏腹に、お店に入った途端「いらっしゃいませ〜」と日本の寿司屋の雰囲気です。カウンターは総檜で、お店の中全体が優しい色調です。7人がけのカウンターで、私は真ん中、シェフの目の前の席に通されました。ラッキー!すでにシェフは下準備をしています。まるでオーケストラが開演前にピッチを合わせててるような雰囲気。そうしているうちの残りの席もそれぞれ予約客が到着。2組がアメリカ人と思われる男女のカップル。もう1組はインド系の父娘風。アメリカ人カップルのうち若い方のペアの女性が、腕輪ジャラジャラつけてて、店員さんに外すように言われてました。総檜のカウンター傷つけちゃいますからね。携帯専用の和柄の敷物もあり、基本的に皆さんお行儀よくその独特な空間を楽しんでいました。

 

 

7時5分くらいに、シェフの挨拶が始まり、前菜からスタートしていきます。劇場の幕が開くときのような感覚です。なるほど、だから遅刻は15分までと決まっているのですね。飲み物は、ペアリングのチョイスもあり、酒ソムリエさんがお料理にあったお酒を勧めてくれます。私はとりあえずビールでスタート。そして3種の酒のペアリング($100ドル程度)をオーダーしました。そうすることで、いちいちメニュー見て頼まなくてもいいから安心です。5種類のペアリング($150ドル程度)もありましたが、そんなに飲んだら酔っ払いそうです。お酒は江戸切子の可愛らしいグラスで出てきます。

 

 

 

 

ペアリング=食材に合ったお酒を提供

 

出てきた料理をすべて解説するのは省かせていただきますが、全体的には寿司が合計10貫くらい、その他小鉢、汁物、デザートなど合計20ほどの料理が出てきたと思います。ここはお寿司屋さんなので、おまかせも寿司や刺身が中心ですが、小鉢類も美味しかったです。Noz本店に行った時と同じで、料理があまりに美味しくて、自分の体と一体化してしまったのか、それぞれの味は逆に記憶に残っていません。器も麗しくて、やっぱり日本料理ってのは五感で楽しめるなと実感。そして、目の前のシェフの包丁さばき、美しい所作。まるでsamurai、サムライ、侍。シェフにとっては、そこが舞台。そしてカウンターに座る私たちは、観客。一つの高級エンタメですね。

 

「Noz 17」のシェフの松崎氏は、余計なこと語らないけれど、ちゃんと要所要所で提供する一品の解説をしてくれました。寿司職人というよりエンターテイナー、そして和食案内人のような感じ。また日本語を話すアメリカ人の酒ソムリエが、合間合間にペアリングの酒を出してくれます。なお、ペアリングとは、提供される料理にあったお酒を選んで出してくれること。まさにおまかせ極上体験。

 

「Sushi Noz」本店はおまかせコースだけで$550ドル、酒は単品で頼んで、結局一人当たりチップなど含め$1,000ドル近かったです。カジュアルブランドと言われる「Noz17」はおまかせ$195ドル、そして3種の酒ペアリングが$100程度。税金、チップ入れて総額$400程度でした。どちらも、価格に見合うだけの価値はあると思いました。

 

「さより」っこんなに美味だったのねぇ

 

白子とキャビア。なんと贅沢な組み合わせ。

 

酒ソムリエが絶妙なタイミングで料理にあった酒を出してくれる

 

だし巻き玉子。まるでケーキ。口の中でとろけた

 

玉子で終わりかと思ったら、アンコールのように自家製アイスが

 

ということで、マンハッタンにおける、ミシュランの星の和食おまかせレストランの最新動向をお伝えしました。

 

ここで紹介した「Noz 17」、ビール一杯と酒三杯合わせて400ドルでしたが、料理の質とサービスを考えたら、安いとすら思えてしまいました。飲食ビジネスのことはよくわからないけれど、マンハッタンの賃料、人件費、食材費考えたら、これでどのくらい利益が出てるんだろうと思ってしまいます。大体どこのおまかせ専門店もカウンターだけの営業か、テーブル席があってもわずか。2回転しても対応できるお客はせいぜい1日20人程度。持ち帰りやケータリングで稼ぐようなビジネスモデルではないので、いかに日々席を埋められるかが勝負でしょう。それなので、前に述べたように、クレジットカード事前決済、料金前払いは妥当だと思うのです。もちろん、それは、提供される料理の味と質、そしてサービスが一流であることが前提。そうなると、まさに本場の和食をマンハッタンで広めたいという、文化の伝道師、サムライ精神にすら通ずるものがあります。ただ、そういう心意気で日本の老舗寿司屋や料亭がマンハッタンに鳴り物入りで進出してきても、2年と持たずに撤退してしまったところもあります。「Noz」さんは、いかに厳しい環境の中で頑張っているかがわかります。

 

今このブログ書いてたら、別の人気店「Amane」さんからメールで冬の終わりのおすすめの案内が来ました。2人以上だとなかなか予約できないのですが、1人だと意外にも空いてたりします。ここ数年、旦那が留守中には、1人で寿司を楽しむのが通例。またどこかおまかせ専門店に伺おうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月も半ばに近づき、三寒四温という言葉がぴったりな変わりやすい天候で、それがまた春らしさを感じるマンハッタン。

 

急に寒くなった今週のある日、仕事の合間に同僚と馴染みのカフェ「Lucid Cafe」に行きました。職場と通勤で使うグランドセントラル駅の間にあって便利なはずが、最近はいつも多忙でゆっくりと立ち寄ることがありませんでした。「Lucid Cafe」はレキシントン街と38丁目の角に佇む、ワンルームマンションほどの広さのこじんまりとしたカフェで、20年以上前から営業しているそうです。入れ替わりの激しいマンハッタンのカフェ業では老舗です。

 

ちょっと前にレキシントン街を通った時、Lucid Cafeが入居してるビルの周りに建築機材や足場が設置されているのを発見し、この周辺もついに再開発が始まりビルの建て替えと同時にお店も消えてしまうのでは、と嫌な胸騒ぎを覚えて気になっていたのです。

 

 

 

マンハッタンに引っ越してきてからずっと通っていますが、ここの売りは、ザ・マンハッタンのコーヒーショップ!と言う感じで、いけてるローカルの男女が店を育ててきた、みたいな雰囲気と、店の扉を開けた途端に挽きたてのコーヒー豆のいい香りがアロマのように充満しているところです。普通のドリップコーヒーでも風味がよくドリンク類全般の味もさることながら、マフィンやスコーンなど焼き菓子類も充実しています。そして、店員さんたちのサービスもこの辺りではピカイチです。だいたい韓国系の若い子たちがお店を切り盛りしています。私はせいぜい月1か2回くらいしか行きませんが、なんとなく顔を覚えていてくれてるのかな、みたいな微妙な心地いい距離感で接してくれます。

 

一緒に行った同僚は、昨年この辺に引っ越してきてすでに常連さんになっていたようで、店員さんとも顔馴染みになっていました。私はだいたいドリップコーヒーで済ませてしまいますが、同僚はエスプレッソ類に詳しくこのお店のバリスタ技術を高く評価しているようです。

 

こじんまりとしているが、品揃えは充実

 

毎回微妙に違う菓子パン系セレクション

 

この規模にしては珍しくちゃんと椅子とテーブルもある

 

普段は通勤途上にテイクアウトで寄るだけで、こうして店に座ってコーヒー飲むことはなかったのですが、ウッディーな温もりが居心地の良さを醸し出します。出入りする客層を眺めていると、やはり常連風の客が圧倒的に多いです。寒いのに薄着だったりサンダルだったりで、旅行者ではないことはすぐにわかります。これからも地元に愛されるカフェであり続けて欲しいです。恐る恐る、このビル建て替えにならないよね?と聞いたら、そんなことはないですよ!との答えで一安心。

 

さてさて、この日、一緒に行った同僚Kは、私と同時期に転職してきたいわば「同期社員」。経験もバックグラウンドも違うので日本的な新卒同期みたいな感じはないですが、オンボーディングトレーニング(新入社員研修)にも一緒に参加した間柄です。普段仕事で絡むことはないけれど、その後エレベーターやトイレで会った時などにちょくちょく会話をしていていました。私のゲイダー(ゲイを察知する本能)の観測では、なんとなくお仲間かな〜とは思っていましたが、あまり個人的な話をする機会はこれまでありませんでした。しかし、彼の方からランチでも行こうよと誘われていたのでした。なんとなくときめく展開。

 

ランチの時間がなかなか取れなかったので、近くでお茶しよう、となり「Lucid Cafe」に来ました。彼は、ここの隣にあるビルの上階にあるアパートに住んでいるそうで、それでこのカフェも常連になっているようでした。

 

アメリカ人の男は、ゲイでもストレートでも、基本的に用事がない限り人を誘ってランチやお茶はしません。日本だと職場の昼休みに用事がなくても同僚みんな一緒にランチしたりしてましたが、こちらではあまりそういうことはありません。

 

Kは私にどんな用事があるのだろう、と誘われた時からやや気になっていました。私がゲイだと会社の誰かに聞いて、親しくなりたいと思ってくれたのかもしれません。会議とか視線が合うことが多いので、お互いなんとなく無意識に気にしているのは確かです。オフィスでそう言うことは考えない派ですが、もしかすると同僚以上の関係になる可能性もあり?などと変な妄想もしてしまいます。というのも、実はKさん、雄っぽいイケオジで私の好みのタイプなのです。年齢はうちの旦那と同じくらいで50代前半。ちょっと禿げかかっているけれど、たまにポロシャツ襟元から胸毛がのぞいてたりして、全体的になんとなくエロい感じがします。(と、結局また今日も男の話題になってしまった!)

 

先週ブログで紹介した映画の主人公のようにオートバイ愛好家で、彼のオフィスにツーリング仲間と一緒に撮った写真が飾ってありました。普段はオフィスカジュアルですが、週末はバイクに乗る時の革ジャンなどを着てるのかななどとまた妄想してしまいます。

 

Kさんのイメージ。今もイケおじだけど、若い時はきっとモテたんだろう

 

でも、いざテーブルについて話を始めたら、なぜかあまり話が盛り上がらず、彼はどうして私をコーヒーに誘ったのだろう、と思うことしばし。シャイなのかな、などとも思いました。私の方は、職場で

ゲイ友を作るきっかけになると思い、会話の中できっかけを見つけて「My husband and I go to ......」とさりげなくカミングアウトしました。これは、相手がゲイだとほぼ確信したけれど白黒つけたい時の私のアプローチです。そうすると、だいたい相手も、「My Boyfried and I also like that.....」と暗号のようにカミングアウトし返してきます。しかし、この時のKさんはというと、、、まさかの無反応!なんかちょっぴり裏切られたような気分。もしかしたらKさんはゲイに見えるストレートで、私がいきなりカミングアウトしたことに驚いているのかもしれない。

 

Kさんは、私に旦那のことを聞いてくるわけでもなく、彼の自分のプライベートの話をするわけでもなく、仕事の調子や今の仕事に至るまでの経歴などお互い話し合ってお開きになりました。それにしても、Kさんが私を誘った意図はいまだに謎。別に具体的に何かの相談があったわけでも、仕事の悩みを共有したかったわけでもなさそうでした。出会い系やネットで知り合って、実際に会ったら、お互いあまり好みのタイプじゃなかった時の時のような変な後味。でも、会社の同僚なので、普段から顔を合わせてるんですが、、、。本当は何か話したかったのに、私がゲイだと知って話す気をなくしたのか。

 

色々とモヤモヤ感の残る喫茶タイムでしたが、店を去るときに、Kさんがおやつ用にとマフィンを買って、ついでに私の分まで買ってくれました。「Hey my friend」と言って渡してくれて、なんとなく嬉しかったです。少なくとも私に好意を持ってくれたことは確かです。これが彼なりの友情の証なのか、単に律儀で自分の分だけ買うのが嫌だったのか、本人のみぞ知る。私はそのまま直帰。地元の駅で電車降りる時、Kさんから「今日は色々と話せて楽しかった」とお礼のテキスト。普通のアメリカ男の習性を知るものとして、Kさんはかなり律儀なタイプです。家に着いて、甘党の旦那Dがすかさずマフィンを見つけて「どこで買ったの?」と聞かれたので、「内緒」とだけ行って旦那にあげました。

 

帰り際、マフィンを買ってる姿がお茶目なKさん

 

要件がないと一緒にお茶したりしないアメリカの職場文化に慣れきってしまった私が勝手に消化不良に感じるだけで、もしかしたらKさんはただ単に誰かとコーヒーを飲みに行きたかったのかもしれません。それに、Kさんが好みのタイプだから私の方が過剰反応してしまった可能性もあります。オンラインデートじゃないんだから、、と自嘲してます。所詮職場。他人の心のうちをあれこれ分析しても仕方ないので、友達になれそうな同僚と少しだけ距離を縮めるきっかけができて良かったとだけ考えることにしました。

 

ということで、たいしてオチもない投稿でしたが、「Lucid Cafe」はマンハッタンの中心地、グランドセントラル駅やクライスラービルなどのすぐそばにあるので、都会のオアシスを求めるならぜひ行ってみて下さい。

 

寒さも和らいできました。ロックフェラービルのいい眺め

 

鑑賞後に、身動きが取れなくなるほど衝撃を受けた映画を観たのはいつだろうかと思います。いや、多分ここまで衝撃を受けた映画は人生初かもしれません。悲しさ、怒り、無力感、絶望、不安、おどろおどろしさ、、そんなすべての感情。

 

2025年のヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞し、今年のアカデミー賞にもノミネートされている「The Voice of Hind Rajab」をユニオンスクエアにあるQUAD CINEMAで観てきました。

 

 

QUAD CINEMA。ロビーは感じのいいカフェバーになっている

 

この映画は、2024年1月に、イスラエル軍の攻撃の続くガザから避難しようとしていた二人の子供、ヒンド・ラジャブを含む7人家族と、救助に向かったパレスチナ赤新月社の二人の救急隊員がイスラエル軍の戦車に殺害された実際の事件を映像化した作品です。

 

2024年1月、イスラエル軍による民間人無差別攻撃の激化するガザから避難するため車で移動していた家族が、イスラエル軍の戦車の襲撃を受けました。大人を含む5人は最初の銃撃で即死したとされ、破壊された車の中に残された従姉妹同士の二人、ハマデとヒンドが、ドイツに避難した叔父を通してパレスチナ赤新月社に電話で救助を要求した3時間に及ぶ音声が公開されたことで発覚し、イスラエル軍による民間人無差別殺害が明るみに出たのでした。この映画はその時の実際の音声を使いつつ、当時の緊迫した3時間の様子を再現しています。

 

パレスチナ赤新月社に電話で救助を要求した音声によると6歳の女の子ヒンドが「(イスラエル軍が)撃ってきているの。私たちは車の中です。戦車はすぐそばにいます」と救急隊に救助を求めてきます。ドイツに避難している叔父から国際電話を通して緊急電話がかかってきているという状態。しかし、ガザはあまりにも危険なため、現場まで救急車派遣の許可がおりません。ガザでは赤十字に交渉を依頼しイスラエル軍の許可が出ないと緊急医療の救助活動すらできないのです。

 

https://www.imdb.com/title/tt36943034/

 

結局、たった10分ほどでつけるはずの現場まで救急車を派遣するのに3時間以上を要し、二人の子供のうちハマデは緊急センターの職員との電話の途中で、マシンガンの音と叫び声と共に死亡します。そして唯一生存していたヒンドは、パレスチナ赤新月社と電話がつながった状態で車内に身を隠します。その間、職員はあの手この手でヒンドを慰め勇気を与えようとします。ついに、パレスチナ赤新月社は、長時間にわたる交渉の末、救急車を指定ルートで派遣する許可を獲ますが、救助に向かった救急隊もイスラエル軍による砲撃で殺害されます。映画の中で使われた当時の映像によれば救急隊員の遺体は原型をとどめないほど分解損傷しており、またヒンドも行方不明となっていますが死亡したものと思われています。

 

ハマデとヒンド・ラジャブが救援を求めた時の音声記録が赤新月社により2024年2月3日に公開されたことでこの事件が発覚します。確かにこのニュースはイスラエルによるガザ虐殺の事例としてアメリカでも報道されていました。しかし、その後も学校爆破、助産婦施設、人道支援施設破壊などあまりに惨劇が続き、記憶の彼方へと消えようとしていました。アメリカのラジオニュースで聞いたとこはわずか数分の解説だったと思います。そんなニュースの裏側にこんな衝撃的な事実が隠されていたとは驚きです。

 

映画は実際の音声を使用しており、また当時の緊急センター内の様子を忠実に再現しています。90分ほどの映画ですが、上映後は、あまりに衝撃、そして悲しさ、無力感、怒り、いろいろな感情で身動きが取れませんでした。他のお客さんたちも同様、ほとんど皆黙り込んでいました。エンドロールが終わってもその場に居続けるお客さんたちもいました。

 

「The Voice of Hind Rajab」はアカデミー賞国際映画作品部門でノミネートされています。平和ボケした日本ではこういう作品は興行成績が振るわないので上映されない傾向にあるそうですが、もし機会があったらできる限り多くの方々に見てもらいたい作品です。これほど魂を揺さぶる映画に出会ったのは久々です。

 

 

奇しくもあれから2年経った2026年現在、トランプとネタニヤフによるイラン攻撃で中東情勢はさらに混沌としています。そんな中ガザの復興は気の遠くなるような状態でしょうし、各地でヒンドのような被害者が出ていると思われます。1日も早い平和の実現を希求します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日ゲイ友Zhaoと、支配と服従の関係で結ばれたゲイカップルを描く映画「Pillion」を観た話をブログに書きました。観終わった後に色々話してたら、Zhaoが離婚した元夫Mの話を始めました。Mくんはこの映画の主人公のように支配的な性格だったそうで、Zhaoに対してDVやモラハラをし続けていました。

 

モラハラ気質のMくんとの生活でZhaoの方が精神的にやられてしまったことは知っていたので、これまで私の方からは一切Mの話はしませんでしたが、奇遇にも映画がZhaoとMくんとの婚姻関係とその破綻を想定させたのでZhaoの方からその話をし始めたのでした。

 

なんと、そのMくんと12月頃に再会したのだそうです。しかも、出会い系アプリで。オンラインでマッチングして実際会ってみたら別れた夫だった、というドラマ的な展開ではなく、アプリでZhaoを見つけたMくんの方から「久しぶり〜」とコンタクトしてきて、Zhaoもホイホイ出て行ったというのが正確なところ。

 

あんな別れ方をした二人の7年の時を経た再会がどんな感じだったのか興味津々でしたが、映画見た日は遅くなってしまったので、話を聞く機会はお預けになってました。その数日後、Zhaoがコロンバス・サークル付近にある中華点心屋さんに連れて行ってくれる約束をしていたので、まだ雪が少し残るセントラルパークを散策しつつ話を聞くことができました。

 

アジア系の中年男を専門に探すアプリもあります

 

Zhaoは、いくつかのゲイ出会い系アプリに登録していることは聞いていましたが、最近はアジア人と白人の出会いのための専門サイトを重用しているそうです。そこで、昨年12月登録後いきなり元旦那のMくんからメッセージが来たそうです。マンハッタン広しとはいえ、年上アジア人男を好きな白人ゲイ(Rice Queenと呼ぶ)はフェチの部類に入るので、Mくんがアジア人男漁りをしている中でZhaoを見つけてもそんなに奇跡的なことではないのです。それで会うことになって、Mくんの住んでるクィーンズで飲んで、そのまま彼のアパートへという流れになったそうです。どんな気分だった?と聞いたら、全く懐かしさとかはなかったとのこと。

 

7年前に別れた日からの続きのように会って、たいして近況報告もせずに、やることやって、終わって、帰ってきたそうです。その7年ぶりの再会の日から二週間後にもアプリにメッセージが来て、それでまた会って、やったそうです。2回目の時は一応、7年の間何してたのかとMくんに聞いたら、Zhaoと別れた後は3人のボーイフレンドがいて、最後に同棲してた台湾人は台北に帰省したのを最後に戻ってこなかったとか。Mくんのモラハラ気質の本性が現れてきたので、その台湾人は帰省を口実に逃げたんだろうというのがZhaoの見立てです。この再会時でも、水すらオファーしてくれないとか、行為後は自分だけの分だけティッシュとるとか、さらにはコンドームとローションは自分で用意せずZhaoに持参させようとするところとか、やっぱりMくんは他人に気遣いのない俺様ぶりは7年経った後も全く変わっていなかったそうです。

 

この話聞いてZhaoあっぱれと思いましたね。確かにMくんは、カッコ可愛い系のワンコみたな雰囲気で、分厚いエロい体していて、セックスアピールがある男です。それなので、モラハラに遭ってもDVされてもなかなか別れなかったみたいですが、やっと別れてそれで7年経った今、逆にその彼を感情なしに、性欲溜まった時に会う都合の相手として利用している。これは「コイツのカラダは好きだけど、精神的には絶対に元に戻らない、」と吹っ切れて、エロだけを楽しめてる境地に達したということです。

 

Zhaoが離れられなかったのもわかる気がする

 

日本人ゲイにはモテモテでしょうね

 

現在のMくんの様子は、Zhaoを通してしか伺い知れませんが、私がMくんにはじめて会ったのはもう10年以上前。当時彼はまだ20代でした。その彼ももう40代突入。一応SNSで繋がってはいるけれど、この10年でそれほど外見の変化はなく童顔でいいカラダしてるから若く見えます。性格を知っているからひいちゃうけど、それを知らずにこんな男に言い寄られたら、かぶり付きたくなりますね。

 

Zhao曰く、MくんはNYでの日本ブームに乗っかって、日本にはこの3年で2回も行ってたとか。その度にアプリで現地の日本人や在日アジア人見つけてはやりまくってたようです。一晩に10人くらいからアプローチがあったとかで、よりどりみどりですね。もう、セックス・ツーリズムじゃないのかとツッコミを入れたいくらいです。前回行った時にホテルに呼んで会った日本人が、Mくんのカラダに溺れたらしくNYに来たいとか言ってしつこく連絡が来るんだそうです。笑

 

と、最近ネタ切れ気味なので、ゲイの生態について生々しく解説してしまいましたが、せっかくこの記事読んでくださったみなさんのために、Zhaoが案内してくれたコロンバスサークル近くの地下街にある中華点心(Dumplings)のお店を紹介します。

 

NYは地下鉄が発達してる割には、東京みたいに地下鉄駅に併設するような地下街はあまり見られません。Zhaoが案内してくれた点心の店がある「Underground Market」は、東京だと新橋にあるような地下駅から直結した商業施設で、なんとなく懐かしさを感じます。点心店だけでなく、屋台のような雰囲気の中華料理屋が何軒か並んでいました。

 

 

 

我々は「Lisa's Dumplings」というお店に行きました。派手さはないけれど、その場で皮に餡を包んで蒸してくれる方式で、本格的でした。味もさすがZhaoが推すだけある味でした。席が空いていなくて、しばらく立って待ってたら、子連れのイケオジが「You guys can join us, if you want. We are about to go(僕たちそろそろ食べ終わるから、もし良かったらここ座っていいよ)」と相席をオファーしてくれました。すぐに終わるから、と言ってた割には娘さんと思われる女の子がなかなか食べ終わらなくて、結局私たちの方が先に食べ終わってしまいました。食べてる間中ずっとそのイケおじなパパとZhaoが会話してました。この点心は自分の故郷が発祥なんだとか、Zhao氏、話の引き出しが多い多い、、。本当か嘘か知らないけど。なんか口説きモードにも聞こえちゃいます。

 

でもそのイケおじパパも意外に強者で、娘連れてあちこちのアジアンレストランを紹介するYouTuberでした。娘に味を解説させたり、相席の客も登場させるという番組構成。アジア人男二人組の我々を見て相席に誘い、どんな点心選ぶんだろうと取材モードなのがアリアリでした。自分がわりとイケメンなのを知った上で、娘を出しにしてアクセス稼ぐあざといタイプと見ました。NYには色々なタイプの人間がいるものです。一方のZhaoも父娘とセルフィー撮って、イケおじパパのSNSアカウント聞いてアクセス。さりげなく連絡先交換。お見事です。

 

 

お目当ての「Lisa`s Dumplings」。Zhao好みのイケオジが

 

あとでZhaoに「あのパパ、タイプでしょ?」と言ったら「だから相席で座ったんだよ。中国から養子迎えてる白人男にはゲイが多いんだよ」と分析までしてて、Zhaoってやっぱりたくましいなと思って眺めていました。Zhaoは基本男に飢えた狩猟モードがデフォルトなんですが、元彼Mとの再会話といい、こうして街角のいい男を狙おうとするところとか、常に戦闘態勢。私と二人の時とは別人モードです。個人的にはあのイケおじパパさんは自己顕示欲が強いだけで、ゲイだとは思いませんでしたが、こうして、獲物と見たいろんな男に声かける姿には彼の逞しさを見ました。

 

ランチ終わってセントラルパークを二人で散歩しました。上着がいらないくらいの気候で、早速上半身裸の男たちがちらほら見受けられました。花の蕾が膨らむように、気温が上がってくるとガタイ自慢のイケメンたちが脱ぎ出すのがセントラルパーク。Zhaoも私もそんな風景を期待した暗黙の期待があったのは確かですね。

 

とZhaoを登場させると男談義満載の内容になってしまいますが、一応グルメに話を戻すとZhaoが案内してくれた店が点心のお店がある「Underground Market」は地下鉄1−3番線の59番街・コロンバスサークル駅改札出たすぐそばです。地下鉄コンコースで食事をちゃちゃっと済ませるのはあまりアメリカ人の行動様式にあっていないのか、あまり混んでいない様子なので、もし近くにいらした時には覗いてみてください。

 

「え、ここは日本?」と思うような光景でした。

 

暖かくなったNY。セントラルパーク名物の上半身裸男が出没し始めた