プエルトリコからドミニカへ | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

カリブ海に浮かぶ島プエルトリコは、国じゃぁないんだ。アメリカ合衆国の一部なんだな。正式には、アメリカ合衆国自治連邦州なのだそうで、だからATMから米ドル札が出て来る。

今ではカードを持ってさえいれば大抵の国のATMから現地の通貨を引き出すことができるから、海外の旅に米ドル現金を持ち歩くことなんてほとんどないんだけど、ここのATMではプエルトリコ滞在中に使うよりも少し多めに米ドル札を引き出した。
中南米の旅の最初にプエルトリコを持って来たのは作戦だよ。こうすれば日本で両替するよりもレートがいいからね。

少し多めに引き出したのは、この先ドルの現金で支払わなくちゃならない宿もあったし、余って持って帰っても米ドルならば使う機会もあるだろうし、それに場所によっては現金が、しかも現地の通貨よりは米ドルが「物を言う」ところもあるかも知れない。

治安に問題のある中南米の街でチンピラにカツアゲされそうになった時には、彼らが見たこともない1万円札よりも、20ドル札の方がきっと喜ばれるに違いないってね。

一種の保険だな。

そう思って引き出した米ドルの現金なんだけど、これから旅が2ヶ月程進んでからのこと、意外と役に立つ国があったんだ。

ま、そういう話やATMに関するいろいろあったあれこれは、またその機会に話すとして……

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カリブ海には、島がごまんとある。

5万あるってことじゃないんだよ。大小あわせて(それに岩も加えると)おおよそ7,000あるらしい。で、国も16カ国ほどある。国じゃない島は、イギリス領だったり、フランス領だったり、オランダ領だったりするんだけど、こういった地域を数えると国以外も20くらいはあるんじゃないだろか?

ボクは今回の旅行で、カリブ海のスペイン語圏の島を全部回ろうって思っていたんだけど、これが、プエルトリコと、キューバと、ドミニカしかないんだな。
たったの3つ。中南米って言うとスペイン語のイメージがあるのにね。

だものだから、サン・セバスチャン祭の大騒ぎの夜を過ごしたサンファンの翌日(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーの休日)、死んだように静かな街の一日を過ごした後、ドミニカに行くことにした。ドミニカ国じゃなくて、ドミニカ共和国の方ね。

dominica
ドミニカ国は右下にある。左上のでかい島の右半分がドミニカ共和国。

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サンファンのルイス・ムニョス・マリン国際空港から飛行機で1時間程で、サント・ドミンゴのラス・アメリカス国際空港に着く。ドミニカ共和国のあるイスパニョーラ島は、プエルトリコのお隣なのだ。

入管係員のお姉さんは、顔が黒くて、目と胸が大きくて、爪が赤くて、白い歯がやたらまぶしいチャーミングなお姉さんだったけど、到着した飛行機に2人しか乗ってなかった東洋人に、なんかいぶかしげな表情を見せていたな……

カウンターの前に娘と二人で並ぶと、ボクと娘と二人のパスポートとを見比べながら、彼女は「フン」と鼻を鳴らした。そして一言「ヴィザは?」って聞いて来た。

----- あ、ヴィザですか。えっと、観光客はヴィザは必要じゃなないって聞いてますが……

----- ヴィザが必要じゃないワケないじゃない。どこで乗ったの?

----- サンファンです。

–---- 国は?

----- 一応、アメリカ合衆国です…… ですか?

–---- そうじゃなくて、あなたたちの国よ。どこの国から来たか聞いてんの。

–---- 日本。

それを聞くと、彼女の大きな胸、じゃなかった目からは突然厳しさが消え、オッケーだわ。日本人ならオッケーだわ。そうして、ポンポンと入国のスタンプを押してくれた。

日本のパスポートを持ってると楽だなって思うのは、こういう時だよな。

目一杯笑顔を作って、お礼を言って立ち去ったよ。
鼻を鳴らされた時は、失礼な女だな。東洋人をバカにしてるな。って思ってたけど……


空港から市街地までの道は、ビーチ沿いにまっすぐに続いている。
左手に見えるヤシの林の向こうに、白い砂と青い海が連なっている。
ラジオからはメレンゲやら、バチャータやらが流れている。


●COMO ABEJA AL PANAL / JUAN LUIS GUERRA(ドミニカ共和国の国民的歌手)

タクシーの運転手は、東洋からの客が面白いらしくて、やたらと話しかけてくる。
日本人なの? あまり乗せたことないね。中国人はどこにでも居るけどね。ほらね。

その頃、ちょうどタクシーはサント・ドミンゴの旧市街の北側にある中国人街の中を通り抜けるところだった。
カリブの青い空に、赤字に黄色の漢字が並んでいた。
店頭には提灯がぶら下がっていた。

こんなところにも中華街はあるんだ。
一方、日本人はドミニカに年間2,000人程度しか来ないらしい。そりゃ、なかなか客として車に乗せることもないだろうな……

ところで、いつまでドミニカにはいるんだい? 帰りも空港までタクシーを使うんだろ? ほら、カードを渡すから呼んでくれよ。

うん、そうですね。その時は、連絡しますよ。と曖昧に返事をしている内に、彼はボクの曖昧な返事に納得がいかない様子だったが、タクシーは宿の前に着いた。●ここ

Santo Domingo Lobby


宿は、16世紀の女子修道院を改装したもので、まるで小さな博物館に入ったかのように気持ちがいい。小さな中庭に面する2階の部屋も居心地が良さそうだ。そしてベッドは……

まただ!

Santo Domingo Bed 1
●ベッド(メイン)

Santo Domingo Bed 2
●ベッド(従者用)


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----- 旦那さま。旦那さま。
どうも、今回も小さなベッドで申し訳ございません。いろいろと探したのでありますが、旦那さまは近代的なホテルに泊まるのをお好みじゃございませんし…… それに、サン・ファンも、ここサント・ドミンゴも旧市街は世界遺産に登録されておりまして、古い建物をやたら改装することはできないのでございます。旧市街の宿では、お二人用の部屋でもダブルベッドの場合が多いのでございます。

セバスチャンはこれでも一生懸命、ホテル側に説明したのでございます。中年男性と若い娘の2人旅ではありますが、決してそういったお忍びの旅ではないのだと。DNA鑑定で父子確率0%とかが最近は流行っているようでございますが、鑑定をしても多分おそらくは親子と判定されるであろう「親子旅」なのだと。

無理を言って、従者用のベッドを用意させたのでございます。