トリプル X の街 | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

アムステルダムの街に来て驚いたことがあるんだ。ボクにとっては初めての街だったから。

それは、アマゾネスの様なお姉さん達が昼間から水着でアピールする飾り窓でもなくて、コーヒーやタルトを楽しむのと同じようにマリファナでリラックスできるコーヒーショップでもないんだな。まぁそのくらいの事前知識はボクにもあったからね。

1つは、なんとも不思議な街の建物だった。

アムステルダムの建物は傾いている。あまりにもみんなが、てんで勝手に傾いているから、ボクが歯科医だったら絶対に歯列矯正を勧めるところだって思ったよ。
もちろん、傾いているのには理由がある。道路に面した外壁がお辞儀をするように手前に傾いているのは、間口が狭く階段が急なこの街の建物の上階に荷物を運び上げるとき、建物の上部に突き出したフックに荷物を懸けて吊り上げるんだけど、その時に荷物が壁に当たって傷ついたりしない工夫らしい。これはつまり、計画的に壁を斜めにしてあるってワケだね。

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↑ こんな感じ

それでも角地に建つ建物が両方の道路に対して傾いていたりすると、上に行く程でかく見えるんだ。「ここはトゥーンタウンですか?」って感じ。

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↑ まぁ、誇張して言ってみれば……

もう1つの理由は、アムステルダムの地盤の悪さにあるらしい。昔の建物でも基礎の下には杭が打ち込んであるそうだけど、それでも建物は時間とともに傾く。この傾きは計画的なものじゃなくて、道路に面していない本来は垂直に作ったはずの壁も、床も、天井も、窓も、みんな傾いちゃうワケだ。

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↑ こんな感じ

中にはこの傾きをデザインにワザと取り入れた「確信犯的」な建物もあったりして、この街を歩いていると、なにが垂直でどれが水平だかわからなくなって、ウキーってなる。

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↑ 左の白い建物が斜めってるのは、デザインだよ

ま、数時間で慣れちゃったけどね。


驚いた事はもう1つは、街のあちらこちらがトリプルXにレーティングされてるってことなんだ。

そりゃ飾り窓で有名な街だけど……
トリプルXのカフェのウェイトレスはどんな格好をしてるんだ?
トリプルXの図書館の蔵書ってエロ本ばかりなのか?
トリプルXのごみ箱にはいったい何が捨ててあるんだろう?
トリプルXのお土産屋では家族に土産は買えないな。

当然だけどすぐにレーティングのことじゃないんだろうって気付いて、ホテルでググってみたワケだけど、Xが3つの「XXX」はハードコアを意味するんじゃなくてアムステルダムの市章だったのね。このXは聖アンデレ十字って言うらしく、それぞれが「洪水」「火事」「ペスト」からアムステルダムを守っているんだって。

いやぁ、話題の尽きない街だったよ。

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↑ 博物館もトリプルX これも斜めってるでしょ?

*****

でも、ボクにとって「XXX」には別の意味があったみたい。

アムステルダムでは特に理由が見あたらないのに、ただただ気力がダウンしていた。これが1つめの「X」。
そして旅の記録を詳細につけている大切なノートを落とした。これが2つめの「X」。

この街はきっとボクとソリが悪いんだ。アムステルダムが悪いってことじゃないんだよ。でも人と人とに相性があるように、人と街とにも相性がある。

ここはボクが長居する場所じゃないんだ。

そう思ってこの街を去ろうとした朝、それまで天気予報にはいつも傘マークが付いていたのに降る事のなかった雨が、ホテルを出たとたんに降り始めた。中央駅に駆け込んでしまえば大丈夫。そう思って歩き始めたけれど、どんどんと雨は強さを増し、ボクは途中のカフェでスーツケースから傘を取り出し、それでも濡れながら駅に着いた。これが3つめの「X」。

つまりボクにとっては、×(ばつ)3つの街だったってこと。

ボクの気分や、不注意や、天候を、アムステルダムのせいにするつもりは決してないけどね。でもボクは、アムステルダムを脱出して、今はブリュッセル。

ちょっとホッとしてたりして。


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