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ども!なつむぎです。旅が順調に進んでいると、ブログに書く事が無くて困るね。
ここらで、なんかトラブルでも起きないかな。でも深刻なトラブルやイヤだな。どうにかこうにか切り抜けられた、あぁだから旅は楽しいなってな、その位のトラブルは無いものだろうか。
そんな気分の時にようやく列車が遅れてくれました。
ボクの乗る列車は、イタリア、スロベニア国境近くのオーストリアの町フィラッハを朝の5時26分に出発して、ドイツの港町ハンブルクに夜の9時48分に到着するという、長距離を走る列車なんだ。ボクはウィーンからプラハまでのほんの5時間弱乗るだけなんだけどね。
こういう長い距離を走る列車が一度遅れ始めると、遅れが遅れを呼び、気がつくと雪だるま的に遅れてしまうのが普通なんだな。以前、アルジェリアのコンスタンティーヌからチュニジアのチュニスまで列車で移動した時は、最初の30分の遅れが最後には12時間の遅れにまで成長した程だもの。
列車が遅れる。乗り換えが間に合わない。次の街に行けない。予約してあるホテルに連絡をして、今晩泊まる宿を確保しなくちゃならない。
そんな具合になるのかなって思っていたら、定時より3分遅れでプラハに着いた。本当に遅れを取り戻しちゃったんだ。
書く事がないんで、順調だって記事を書いちゃいました。
それにそもそも、ボクには乗り換えがなかったんだけど。
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土曜日の今日、プラハの郊外で行われている蚤の市に行って、そこで小さなかわいらしい本を1冊買ったんだ。
日用雑貨や、錆びた工具や、すり減ったタイヤや、古着や、エロDVDや、フルーツと野菜や、共産主義時代の身分証明書や、そんなものに交じって時々古本や絵葉書を売っている人がいるんだけど、ボクが買ったそのかわいらしい本の店のご婦人は、なんとも迫力あるご婦人だった。
アバズレ続けてもう半世紀(年齢1桁の少女時代は除く)、あたしゃ世の中の悪いところを全部見てきたのさ。
そんな感じのご婦人でね。人生の辛苦が顔のシワにしっかりと刻み込まれている。服装がまた目立っていて、ヒョウ柄のスパッツに、色違いのヒョウ柄のミニスカート。アッパーは陽光にキラキラと光る生地のタンクトップ。しっかりと描かれた濃いアイシャドウと口紅。全体が醸し出すムードは、威厳をすら感じさせる老娼婦って感じなんだな。
ところが彼女が売っている本は、ほとんどが可愛い絵本なんだ。だから声をかけることが出来たのかなぁ。そうじゃなかったら「坊やは大人になってからおいで」って言われそうなムードだったよ。
電卓のボタンを交互に押しながら、ちょっとだけ値引きをしてもらって、それでも彼女にしては上手い具合に高く売りつけてやったって思える程度の値段で折り合いを付けて買ったその本には、押し花が残ったままだった。
1923年の本なんだけど、いったい何時の押し花なんだろう。
![$/// H A I H A I S M ///-押し花](https://stat.ameba.jp/user_images/20120623/21/nutsmoog/01/6b/j/t02200166_0640048212043364928.jpg?caw=800)
去年このマーケットに来た時には、共産主義時代のマッチのラベルのコレクションを売っている夫婦が居て、そのデザインがとても面白かったのだけど、残念ながらそういうのを今回見つけることはできなかった。
誰かが自分の楽しみのためにコレクションして、でもいつかそれに飽きて、あるいはそのコレクションを受け継いだ人には興味が無くて、蚤の市に出て来たようなものは面白い。雑多だけれど、そのなかにとても面白いデザインのものがある。
そう言えば小学生の時、ボクは牛乳のフタを集めるのが好きだったっけな。まるで合挽肉のような「牛ブタ」集めは当時クラスで流行っていて、夏休みに親の出身地で飲んだ珍しい牛乳のフタなんかを、2学期の初めには友人と自慢し合ったり、交換したりした。
ところが高学年のある時に、急に興味を失ってしまったんだ。百種類くらい集めた牛乳のフタを、あっさりと捨ててしまった。
こんなガラクタだらけの蚤の市なんだから…… あれをここに持って来て売っていれば…… きっと今晩ビアホールで楽しめるくらいの金にはなったんだろうな、って思うとなんだか懐かしい気分がしてね。
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