喧噪のカトマンズはひとまず置いておいて…… | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

のんびりするためにポカラに行くことにした。

そう。バンコクの次の街って言うのは、カトマンズでした。
前の記事で、飛行機の中にライフジャケットが本当にあったって書いたけど、そして飛行機の中にライフジャケットが置いてあるのは当たり前の事だって思ったんだけど、でもバンコクからカトマンズまでって海が無いんだよ。

ま、どうでもいいか。

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ポカラ行きの航空券を求めて旅行会社を訪ねてみると、航空会社2社のチケットを扱っているって言う。

仏様航空(Buddha Air)と雪男航空(Yeti Airlines)と2つあって、さてどちらにしますか? と尋ねられた。

値段とか、出発時刻とか、サービスとか、2つの会社にどんな差があるのかあれやこれや聞いていると、どちらも同じだと言う。値段も同じ、サービスも同じ、フライトの時刻だって、どっちも毎日、何便も飛んでる。

いや困ったな。決め手が無いならどっちでもいいか、と適当に決めようとすると……

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そうですねぇ、お客さん。絶対にここだけの話ってことにしておいて下さいよ。違いは操縦士です。

仏様航空の場合は、もちろん仏様が操縦なさっていらっしゃる。もちろんコックピットは客席からは見えませんがね。仏様が操縦なさっていらっしゃるだけに、いざと言う時極楽に行きやすい。ここネパールではそういう風に言われてます。いや、私はヒンドゥー教徒なんで詳しくは存じませんがね。

一方雪男航空の場合は、もうお気づきかと思いますが雪男が操縦しています。イエティですよ。ご存知ありませんか? いわゆるUMA(未確認動物)ってやつですよ。はいはい。全身体毛で覆われた。まぁ、雪男だけにヒマラヤの地理にはめっぽう詳しいというワケですな。不時着する時も適切な場所を選ぶことができるって、もっぱらの評判ですよ。

で、どちらになさいますか?


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口調が変わったから、ボクには彼が真面目だってすぐに気付いた。いや、気付いた気がした。いや、気付いた気がした様な気分になった。

えっ? はい? 何ですって?

----- ですからお客様。仏様と雪男と、どちらをお選びになりますか?

え、えと…… そりゃポカラはヒマラヤの麓の街だから、地理に詳しいイエティの方がいいだろうな。
極楽には遠い将来行きたいと思うけれど、このフライトで連れて行ってもらわなくてもいいし。

----- 地理だの、極楽だの…… いったい何をおっしゃってるやら。では、雪男航空の2時50分の便を1席予約いたしました。ネパールではフライトが数時間遅れることも良くありますので、ご注意下さい。

*****

この国に来たら、ぜったいに「せっかち」は止めようって思っていたんだ。
ボクはせっかちのせいで、ゆっくり噛み締めて味わうことが苦手だったんだ。
だから、数時間遅れたって大丈夫。どんと来い。

せっかちは絶対にだめ。
絶対に早足では歩かない。
次に何をすべきか考えながら今のことをしない。


そう固く誓っていたはずなのに、ポカラに向かう日、フライト予定時刻の1時間半前にはもう空港に着いちゃってた。チェックインは1時間前だけど、どうせ定刻にチェックインは始まらないんだろうなって思いながらボンヤリとチェックインカウンターを眺めていた。

すると、カウンターの男性がボクになにか合図を送っている。
無線機片手の女性係員がボクのことを見ながら、何かしら連絡を取り合っている。
小柄なポーターのおじさんがボクの荷物を取り上げると、昔風呂屋にあった体重計の化け物のような秤に荷物を載せ、針がまだ重さをきちんと示す前に荷物のタグを括り付けている。
カウンターの男性はポンポンと威勢良くスタンプを押して搭乗券をボクに手渡す。
セキュリティチェックの方に促されたと思うと、持ち込み手荷物に形だけエックス線を通し(誰も画面を見てない)、形だけボディチェックされ(さらっと触られただけ)、押し出されるようボクは搭乗待合室から外に出された。

そこにはタラップの下まで搭乗客を運ぶバスが、ボクを待っていた。

思わず1つ前のフライトに乗れてしまったんだ。どうも1時間前のフライトに一席空きがあったらしい。そういえばさっき、ボクが手に持っているチケットを空港の係員が覗き込んでいたっけ。
一席空きがあったところに、せっかちな乗客が一人。航空会社にとっては渡りに船だ。


ボクは、一番最後にバスに乗り込んだから一番最初にバスを降りることになり、
従って一番最初に搭乗することになり、
全て自由席の機内でヒマラヤ山脈が見える方向の右側の座席にちゃっかり座ることができちゃったりした。ラッキー♪

雪男の操縦技術もなかなかだったし、こんな景色も見えた。
山好きな人なら、なんて名前の山だか分かるんだろうな。

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今日は、早め早めに行動するのも悪くないんじゃない? ってそういう話。


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2日間ヒマラヤの麓ののどかな街ポカラでポカラっとした後、ボクはカトマンズに戻ったワケなんだけど、帰りのフライトは案の定2時間遅れた。
片道35分のフライトで2時間遅れって、どんなシステムになってるんだろう。

またまた1時間以上前に空港に着いていたボクは、なーんもすることなく離着陸の全くない1本の滑走路をじーっと眺めていたとさ。

せっかち、憎むべし!