このタンゴの名曲は1925年の曲だから、もちろんボクより年上だよ。
つい出来心から、ピグで「ボクは85歳」って言ってたこともあって、
そうなると同じ年ってことになるけどね。
ごめんなさい。ちょっと若い女性の同情をかいたかっただけで...
学生の頃は、「タンゴとシャンソンは年配になってから」って思って、
自分のフィールドの外だって思っていたのに、
いつの間にか、フィールドの内になってたにびっくりの「なつむぎ」です。
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この曲の詩には、いろいろと分からないところがある。
そして、ちょっと意味深なの。
歌詞はいろいろなバージョンがあるけれど、代表的なもので。
♪ Corrientes, 3-4-8,
segundo piso ascensor.
No hay porteros, ni vecinos,
adentro, cocktail y amor...
Pisito que puso Maple,
piano, estera y velador;
un telefón que contesta,
una fonola que llora
viejos tangos de mi flor,
y un gato de porcelana
pa' que no maúlle al amor.
♪ コリエンテス通り 348番地
3階まで エレベーターで
門番も 隣人もいない
部屋の中には カクテルと愛
マプレの家具で飾ったマンション
ピアノと 敷物と 蜀台と
客と連絡をとる電話
華やかだった時代のタンゴを
泣くがごとく奏でる蓄音器
陶器で作った猫は
愛の鳴き声をたてないために
♪ Y todo a media luz,
a media luz los dos
A media luz los besos
a media luz los dos.
Y todo a media luz,
que brujo es el amor
A media luz los besos
a media luz los dos.
♪ すべては 淡き光の中
淡き光の中に二人
淡き光の中でのキス
淡き光の中に二人
すべては 淡い光の中
それは 恋の魔法使い
淡き光の中でのキス
淡き光の中に二人
Maple というのは、アルゼンチンの高級家具店の名前のようです。
それは、どうにか探り当てた。
でも、un telefón que contesta とか、una fonola とか、今ひとつピンと来ない。
誰か、詳しい人教えてね。
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さて、冒頭のコリエンテス街348番地って、何だろうって思うでしょ。
そこには、高級売春クラブがあったのだそうです。
そう考えると、門番も隣人も居ない、プライバシーの守られる空間。
豪華に飾った部屋。タンゴの曲と、薄明かり...
なんだか、ムードが出てきます。
そういうクラブの存在を、法的に、社会的に、倫理的に許すかどうかは、この際さておき、
この詩で表現されているものは、
退廃的ではあるけれども、とても魅力的な街の情景と、
当時の先進都市ブエノスアイレスの、暗がりの部分の魅力なんだろうって思う。
●PACO MEDINA
コリエンテス街348番地というのは、今は存在しないのだそうです。
ただ、この番地のところには、それを示すプレートが取り付けられているとか。

見に行ってみたいな。
