でも、舞曲としてのワルツにはあまり興味がないんだな。
ラテンを聴くときは、いつもは踊りをイメージしてるんだけど、
でも時々、ダンスミュージックとしてではなく鑑賞するための音楽として聴くことがある。
それと同じような意味で、
ワルツというと、優雅な舞踏をイメージすることが普通なんだろうけど、
ボクが好きなワルツは、どちらかと言うと踊りには向いてない。
優雅で、ロマンチックなワルツと言うよりも、
ロマンチックではあったとしても、
乾いていて、硬質で、なにか、緊張感のあるワルツが好き。
●Sergei Prokofiev / Slow Waltz from the ballet "Cinderella"
プロコフィエフのバレー「シンデレラ」の中の一曲です。
バレー音楽だもの。もちろん、踊れないことはないよ。
でも、その「乾いた叙情性」は、
いわゆる「ウィンナーワルツ」みたいなものをワルツの規範だと思っていたら、
愕然とするほど、甘くない。
でも、ロマンチックでしょ?
ロマンチックの定義に、見直しを求められそうだけどね。
●Bill Evans / Waltz For Debby
ビル・エヴァンスのこのワルツは、ストイックな表現の彼だからこそできた。
ジャズに見る、抑制されたロマンチシズムです。
●Dave Brubeck / Kathy's Waltz
ディブ・ブルーベックにかかると、
ワルツは3拍子の舞曲ではなく、5拍子や7拍子といった変拍子の一種類みたいだね。
気持ちの良い、裏切られ方です。
