
かれこれ10年くらいの長い付き合いになる飲み友達の女の子が、この夏に幼馴染と結婚をしたって、家も近所で幼稚園からの同級生だとか言っていて、そこでボクも幼馴染と結婚するってのはどんな気分なのかなと、少し考えたりしてみて、当たり前にいつもそばにいた人を、いつから恋愛の対象として考えるようになったんだろうねなんて聞いてみたら、ずっとそばにいたワケじゃないの、ちょっとした偶然で久しぶりに会ったのがきっかけなのよとの答えで、それもまたなかなかロマンチックであるような気がするのは、それは、昔ワケありの女と偶然再会したような気分だろうかなって感じで、まぁ幼馴染なのだからワケありっていうのとはちがうだろうけれど、いたずらをして叱られたこととか、学校で小便をもらしちゃったこととか、他にもいろいろと蒸し返されると恥ずかしい過去のエピソードを、もう誰にも話さなくなったことを知ってる相手との再会だもの、それは普通とは違ったんだろうと振り返ってみたら、ボクは昔のことはどんどん忘れちゃうタチなので、幼稚園や小学校の頃の話なんてもうほとんど何にも覚えてないし、中学時代も、高校時代も同じだから、今、偶然に出会ったらドキドキするだろうなんて思える幼馴染の女の子は思い浮かばないし、ちっ、つまらないものだよ、せっかく久しぶりの同級会なんてどうだろうと考えていたのにと一瞬気分が引いてしまって、すると同じ年でも、年上でも、年下でも、あんまり関係ないと思えて来るというかなんというか、ストライクゾーンが広いんで、ファーストへの牽制球だって「ストライク」を取っちゃいますってくらいなボクに、同じ年か、年上か、年下かって尋ねられても、やはり答えはどうでも良いと言ってしまいそうだし、結婚するなら異性?同性?あるいはそのどちらでもない性?くらいの質問じゃなくちゃ、もうドキドキしないと言うか。
