さて、その後の飲み会の話です。 何の後かって? ●ここ
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定席に来る客とちがって、
落語会に来るのような人は落語に精通している人が多いんだろうね。
枕なんかでは、ボクがわからないところで客が笑ってたりするんだよね。
詳しい人だけがくすっと笑える、上級者向けの笑いが仕込んであるみたい。
みんなすっごく落語に対する知識の蓄積があって、ここに来てるわけです。
一人ぼっちで、皆に合わせて力なく笑うボク。
落語狂いの友人に、後でいろいろと解説をしてもらえたけどね。
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で、飲み会になったワケなんですが、
そうだなぁ...
普段着で行ったら、自分以外のみんなが正装だったパーティみたいだったかな
ひ弱な身体で、虎の穴に送り込まれたような感じだったかな
神宮の花火大会にいったら、花火の前にアイドルのコンサートがあって、
気がついた時には、まわり中が立ち上がってヲタ芸を始めちゃったいた時のような感じかな
とにかく自分が浮いちゃってるのが、よくわかる。
みんなが話している内容が、難しくて、難しくて。
師匠のおっかけをやってるって言う、小学校2年生の女の子も来てたんだけど、
彼女にすら負けてるだろうなぁ。
Episode I
たまたま隣に座って飲んだお兄さんなんは、
ある師匠のおっかけを、もう20年以上しているということでとにかく裏事情に詳しい。
ボクの知らない落語家の、
性格とか、好きな音楽とか、師弟関係とか、自分との付き合いとかを話してくれるんだけど、
8割かた、何を言ってるのかわからない。
聞き手のボクの知識が無いんだか、彼の話が飛んでいるのだか。
Episode II
菊之丞師匠と話をした時に、「ネタ帳」って言葉が出たものだから、
もちろん、笑わせどころ、いままでとは違う話の展開かなんかを記録したノートのことだと思ったんだよね。
だから、「師匠のネタ帳って見せてもらえるものなんですか?」
なんて質問したボクです。
友人が慌てて、
「落語で言うネタ帳ってのは、席亭がその日の演目を記録したものなんだよ」
って教えてくれたけど。
とんちんかん 泣
Episode III
もうこうなると、ちょっと話しがわかるところだけに反応するのが精一杯です。
そんな時に「牛スジと大豆の煮込み」が料理で出て来たんだよね~ めっちゃ和風。
すると近くの趣味人って感じの粋なおじさんが、「これは、フェジョアーダだな」って言っていたんだ。
フェジョアーダってのはブラジル料理なんで、
話題に詰まっていたボクは、
「ブラジルがお好きなんですか?」って話しかけたワケです。
もちろん、それは「牛スジと大豆の煮込み」であって「フェジョアーダ」じゃないんだけどさ。
だってフェジョアーダって、ブラジルのフェジョンっていう黒い豆を煮込んだ料理で、
色が全然違うし、当然味も全然違う。
●フェジョアーダ
ボク 「ブラジルがお好きなんですか?」
彼 「ブラジルに1年半居たからね。これフェジョアーダだよね。」
だからフェジョアーダじゃないんですけど!
でも、落語の知識の無さのせいですっかり腰の引けてたボクは、
そのままにしておくしかありませんでした。
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すっかり負けてたボク。
ま、勝ち負けじゃないけどさ、
やっぱりどんな世界でも基本的な知識は楽しみのためには必要だな~ってね。