「あたしのどこが好き?」
って、女性から聞かれたことがありません。
普通、女の子は、好きな男性に聞くものですか???
どんなもんでしょうね。 こういう質問。
「ねぇ、ねぇ。 あたしのどこが好き?」 なんて聞かれたら、
ボクは、かなり困るな。
こんな質問に、的確に、気恥ずかしさなく、さりげなく答えるなんて、
ハードルが高すぎです。
こういうことを聞く女性は、
決してボクのことが好きなんじゃなくて、
ボクがどういう答えを出すか、
試してるんだって、そう思うなぁ。
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さて、何て答えていいものやら。
「そりゃ、お前。全部だよ。」
はい、座布団全部持ってってちょうだい。山田君。
きっとこれ、一番良くない答えじゃないかなぁ。
きっと、聞いた本人も「ぷぷぷ」って思ってるんじゃないだろうか。
「君の好きなところ? 身体だな。 他にはないよ。」
いいね。ハードボイルドな男だな、ボク。
ただ、これで喜んでくれる女性いるかな?
そういう女性と付き合う機会があったら、言ってみたい。
まぁ、ないだろうけどね。
「においだよ。 最高だよ。」
どんなもんでしょ。
ま、チーズとか買うとき、においで美味しさを判断してるけど。
うれしいですか?
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さて、ひるがえって、
「ねぇ、ねぇ。 ボクのどこが好き?」
って、いい歳した中年男に尋ねられたら、普通どう思うんでしょ。
そりゃ、引きますよね。
大潮の日の干潮時くらいに、引きますかね。
沖に見えた小島まで、歩いて渡れるくらいに引きますね。
だからボクは、そう聞きはしないけれど、
でも、おだてに弱いほうだから、やっぱり、ほめられてうれしい部分をほめられたい。
どんな風に褒めてもらえるんだろうか。
「ねぇ、ねぇ。 ボクのどこが好き?」
「そうね。 眉毛が薄いところかな。 笑顔でいないと、すぐキレル危ない人みたい。」
ま、こりゃぁ事実なんだけど、そこが好きだって言われても、戸惑うよ。
もっと、他にいいところ、探してよ。
「ねぇ、ねぇ。 ボクのどこが好き?」
「そうね。 頭頂部に比べて、後頭部がとってもふさふさのところかしら。」
物は言いようです。
きっと、この女性は、どんな欠点でも反対側から見て、長所として表現することができるんだね。
♪ 俺たちゃ実年 文句があるか 背は低いが 血圧高い 財布は薄いが 脂肪はあつい
♪ 俺たちゃ実年 文句があるか 頭は薄いが 小便は濃いぞ 気が短いぶん 説教は長い
「実年行進曲」 作詞:青島幸男 作曲:大瀧詠一
じわ~っと、思い出しました。
「ねぇ、ねぇ。 ボクのどこが好き?」
「そうね。 あご周りとか、腹回りとか、とにかくなんの周りにも、お肉が程よくついてるところかしら。」
まあね。
やっぱり、こういうことは、聞いちゃいけないんだな。
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「でさぁ。ぶっちゃけ、みんなは、いったいボクのどこが好き好きなの?」