【D】 Deux Arabesques | /// H A I H A I S M ///

/// H A I H A I S M ///

あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

はいっ!


相変わらず世をすねている「なつむぎ」です。


放浪の詩人になれる日は、いつなんだろう。


*****


と、ちょっと愚痴ったところで、こんにちは。


今日、ご紹介するのは、

ご存知クロード・ドビュッシーの中でも、

特に有名な作品、

1888年作曲のピアノ曲、「2つのアラベスク(Deux Arabesques)」です。


ラテン・ブラジルを紹介しようと思ってブログを始めた割には、どうも寄り道が多いです。


特にクラシック通でもないボクの、クラシック音楽の記事...


やっぱり、迷惑ですか?



いや、むしろ今日は、もう一つのボクの興味であるスペインがらみの記事なんだ、


って思って読んでやって下さい。


*****


ボクは学生の頃、

イスラム建築史という、マイナーな上にもマイナー、

そんなことを研究してもどうやって生活できるの?

ってなジャンルの勉強をしてました。


ま、それじゃ食えないってことで、結局会社勤めしちゃったけどさ。


スペインに1年間暮らしていたのは、

スペインが800年間イスラムの国だったってことで、

イスラム由来のデザインが豊富に残ってるから。


(あ、あと、酒が安くて、お姉ちゃんが可愛いから。)


特に、南の方はね。



///   H A I H A I S M   ///-Fes

●モロッコ、フェズのアラベスク


さて、さて、


アラベスク(arabesque)ってのは、文字通りには「アラブ風」って意味なんだろうけど、


イスラム美術におけるデザインの様式の1つだって、考えてもらえばいい。


モスクの壁面なんかを飾る、幾何学的なデザインをイメージしてもらえば良いかな。


イスラム教では偶像崇拝が禁止されているから、

キリスト教の建物みたいに、神々の彫刻や絵画で聖堂を装飾することができない。


だもんで、幾何学文様を巧みに配列することで、

イスラムの世界観を表現してる、って言われてます。


ムスリム(イスラム教徒)にとって、アラベスクの幾何学模様は、

いつまでも、どこまでも広がる無限のパターンを意味していて、

無限の神アラーを象徴しています。



ボクは、このアラベスクが大好き。

イスラム建築の魅力はたくさんあるんだけど、その1つは、確かにアラベスクです。



///   H A I H A I S M   ///-Alhambra

●スペイン、グラナダの「アルハンブラ宮殿」内のアラベスク



*****


さて、話題を「2つのアラベスク(Deux Arabesques)」に戻すと...


この時の「アラベスク」は、アラブ風という意味ではないです。

技巧的で小規模の作品のことを、このころは「アラベスク」と称していたようです。


そして、題名の通り、2曲から成ってます。あたりまえです。

第1番 ホ長調 アンダンティーノ・コン・モト


第2番 ト長調 アレグレット・スケルツァンド


なんか、こう書くと、すっごく教養あふれる記事みたいだな。


You Tube は ●ここ


*****


で、ドビュッシーのアラベスクと、モスクの模様のアラベスク、

「どこが共通するところなんだろ?」

ってのが、ボクの興味なんだけど...


1番では、左手の分散和音とか、左手と右手のリズムがずれていくところとか、


2番では、はねるような3連符の使い方と、その連続のしかたとか、


幾何学模様と同様の、無限の連続を感じさせる「技巧的」な部分なんじゃないかってね。


そして、程よくエキゾチックなところ。


*****


「すべての芸術は音楽の状態にあこがれる」 って言葉があります。

それは、音楽は、抽象度が高い芸術だから。


そして、いろいろな模様の中で、当然抽象度が高いのは、

幾何学模様。


ボクは、抽象性に対する憧れを、ロマン主義の音楽に感じます。



にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ ← click me!