>地獄でなぜ悪い スタンダードエディション [DVD]/キングレコード

¥4,104
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準新作100円セールでレンタル。
しかしレンタルDVDは安すぎ。
こうなると感覚が麻痺して、新作のうちは借りるのを躊躇してしまうではないか。
新作っつっても300円くらいスよ。

これですこれです。
園子温監督作品は。
いや~これぞエンターテイメントという感じで面白かったです。
期待通りです。

勢いがあって速いテンポで畳み掛けるような、濃い映画です。
一緒に見ていた嫁は、あまりの濃さ、騒々しさに途中で、
「やっぱ私は園子温合わない」「苦手だ」
と言っていた。

確かに過剰でアナーキーで疲れるが、
これほど最後まで飽きさせずに引き込まれる映画をつくれる監督は見当たらないのではないでしょうか。
ちゃんと伝える スペシャル・エディション [DVD]/Happinet(SB)(D)

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園子温監督の「地獄でなぜ悪い」がまだ新作扱いだったので、
旧作のこちらを先に見た。なにせ80円とかである。
園子温の映画は、「冷たい熱帯魚」「愛のむきだし」「ヒミズ」と見たが、
どれも大変エネルギッシュで、最後までぐいぐい引きこまれて面白かった。
しかし登場人物がギャーギャーと騒ぐ印象で、見終わったころにはぐったりと疲れる。

NHKのドキュメンタリーや、「竹山ロックンロール」など、
TVでみた監督本人の印象も映画と全く同じで、
一言で乱暴に言うと「面白いけど疲れる」という印象である。
昔、こういう感じのお友達がいたのを思い出します。
語ることが沢山あって、その熱量に圧倒されてしまう感じの、
異常に頭がきれる不良。

「ちゃんと伝える」だが、
見始めると淡々としていて、非常に普通のヒューマンドラマという感じで進む。
あれっ、園子温らしくない。でんでんと吹越満はちょっと出てくるけど。

ネタバレですけど、
映画のクライマックス、主人公が親父の葬儀で霊柩車をジャックして、亡骸を棺から出して一緒に釣りをして親父との約束を果たす、という、
実際にやったら親戚縁者から総スカン、神をも恐れぬアナーキーな行動に出るが、
そのシーンすら淡々とした印象。

意図的に静かな映画をつくろうとしたんでしょう。
園子温監督の映画の中では異色作なのではないでしょうか。
こころ (まんがで読破)/イースト・プレス

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若いころ島田雅彦の「彼岸先生」を読んで面白かったので、
この小説の下敷きとなっているという、夏目漱石の「こころ」も読まなければと思うも、
「昔の小説だから文体が堅い」
という印象により冒頭で挫折、今まで放置していた。

「まんがで読破」という、
古今東西の名作文学を、一時間くらいで読める感じのマンガにしてくれるという素晴らしい企画シリーズがある。
堅い?と感じた文体も含めての漱石であるし、
本来「こころ」が一時間で読破出来るはずもなく、
かなりの情報量が抜け落ちているはずで、
あくまであらすじ、ダイジェストのコミック化である。

しかしあえて言おう、漱石の「こころ」は読んだよ、と。
(…マンガで)
このお手軽な爽快感、達成感がこのシリーズの素晴らしいところだ。

サクッと読んでみると
これは人間の欲望、執着心、とりわけ嫉妬心を鋭く描きだした青年文学ではありませんか。
己れの矛盾とかを突き詰め過ぎて自殺しちゃう系の。

こういう話は青年期の潔癖でナイーブなハートにぐっさりくるんですよね。
自問自答しちゃう感じで。
発表以来、これを読んで多くの青年が、
「俺は嫉妬に駆られて友情を裏切るようなことはすまい。あとあと死にたくなっちゃうからね」
と思ったに違いない。

青年期をとうに過ぎた中年としては、
人間、欲望・執着心・矛盾があるのは当たり前、
自責の念にとらわれないように、いかに折り合いをつけて上手いことやっていくかという風に、開き直っちゃっているので、
出来ればなるべく若い時に読んでおきたかった本です。