不随運動・・・本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きること。
”揺れている”と意識するようになったのは、Tenが自閉症の診断を受けてからだが、そういえば度々揺れていた。小学5,6年の頃には、チック(ビートたけしのように首と肩をピクッとさせる)もあった。
不随運動についてまだ知らなかった頃、Tenの上半身が前後にゆらゆら揺れているのを見て、「揺れているよ」と声をかけたことがある。Tenの「何もすることがないからだよ」という返答が、変なのと思っていた。
日々、Tenと向き合い、そして知るにつれ・・・ずるずると芋づるの根のごとく、続け様にTenの抱える一般との違いに気づかされことがある。
Tenにとっては、『何もすることがない』ということが、不安要素だった。Tenの脳は【知りたい脳】、情報に渇望している。そして、処理能力を超えた情報を欲しがる。なので、壁一面が白い部屋は目の置き所がなくて苦痛だという。かつて、GUの更衣室から遁走した原因のひとつが白い部屋だった。
今現在、身体が少し揺れ始めたかなと様子をうかがっていると・・・その後、すぐベースを膝に乗せ、テクニカル練習が始まる。とにかく、ベースに没頭している。Tenなりの不安解消術なのかもしれない。
もう一つの不随運動
かつて、Tenは手癖・手いじりもあったので、筆箱の中は分解されたシャープペン・ポールペン・コンパスが、いつもガラクタになった状態で入っていた。新しいものを買い与えるときに「もう、分解しないで」とお願いするのに、一週間後にはバラバラ状態。それでも、文具は無いと本人が困るだろうと思い、新しくしていた。コンパスは、計10個以上購入した。(100均がこの世に合ってよかった)
ある日、文具屋で少し高めのシャープペンの機能の素晴らしさを、実演販売士さながら饒舌に語るので・・・そんなにも欲しいのかと甘々ではあったが、「絶対に分解するな」と念押しをして購入してやった。
高めの品だし、機能の有能さを語るぐらいだ・・・大切にするだろう。と踏んで
思惑はすぐに外れた。無残にバランバラン。
構造が知りたくて分解するのかと聞けば、「それもある」と答える。だったら、「分解したら、組み立てろや」と半ギレ状態で、もっともらしい事を言ってみた。Tenは困ったのかヘラヘラしながら、「やってみたけど、ダメだった」と言い訳をした。←こんな調子なので、Tenは頻繫にハハ(私)にキレられていた。 結果、Tenの情操教育的にダメ対応だった。
注) 自閉症のある人の感情表現は、たまに一般的でないことがある。Tenは、突発的に困った時はヘラヘラする。(笑ったような様子になる)
注) 自閉症のある人は、基本・言い訳をしない。言い訳を言っているように見えるが、事実や 過程について説明しているにすぎない。
中学になっても、筆箱の中はガラクタ状態。
ある日、Tenがスマホ片手に「世の中には、こういう気の利いた商品がある」と言ってきた。
スマホ画面には正四面体のキューブ、その側面にはそれぞれスイッチやボタンが付いている。玩具のようだが、分からない。それは何?どう遊ぶの?とたずねると、手のひらにのせてカチカチと触る道具だと言う。
『こんなモノのどこが、気が利いているのか』
ハハ(私)への回答の中に、筆箱のガラクタ問題の答えがあった。
Tenは、授業中など長い時間じっとしていられないのだという。無意識に手で何かをいじっていないと落ち着けない時がある。その行動に意味などなく、仕草に近いものらしい。
「壊すな。分解するな」と言われていたので、残骸になったブツと見るとさすがにマズイ事になったと思っていたらしい。
このキューブは、おそらくこの問題を解決すると思うと言う。
「そうだったんかい~」 もっと早く、言っておくれよ~(←Tenとの間には、こういう事が多い)
このキューブの商品名はフィジェットキューブ。トイザらスで購入しました。その後、筆箱の中のバラバラ事件は起きていません。スゴッ!
そして現在は、ベースが手遊びの道具となっています。短い即興フレーズをケイタイゲームや動画を観ながら弾きます。器用だな~と感心します。