すぐ調シリーズ 全14巻
発行:医学書院(2012年5月)
定価(各)1,260円(税込)
本のしくみ:ポケットサイズ・各100頁位
【本の評価】
何か知らない間に書店の棚を占拠してたよ。
昨日まで普通の生活していたのに、
学校から帰って見たら
自宅が差し押さえになっていたみたいに…
このシリーズ、呼吸器とか循環器とか、
科別に14巻あるんだけど、
ほぼ同時に、一気に発売になったみたい。
だから一晩で城が建つように
書店に並び、棚を陣取ったってわけね。
一気にこれだけの点数出すなんて、
さすが絶対王者・医学書院ならではの離れワザ!
と言いたいところなんだけど、
実はけっこう、
いや、かなりがっかりしているよ。フィリップは。
本の内容は、
ナースや他の医療従事者が、
業務に必要な事柄やデータなんかを
「あれ何だっけ?」って思ったときに
「チラ見」する本。
だからポケットに入るコンパクトな大きさで、
頁も100頁位とスリムなわけ。
でもさ、これって学研とか照林社で出て
ちょっと前にブームになった「看護カード」
のパクリだよね。
それを「薬剤」や「検査・治療」といった項目別に整理し、
シリーズにして科別に系統立てて揃えただけ。
カードではなく、本になっているけど、
これもちょっと前に照林社から「カード→ブック化」してるよね?
(照林社は自社本のパクリ…?!)
これが、だーれも看護カードみたいな企画を出していなくて、
急にシリーズ14巻出たら
もう医学書院には誰もかなわない!って感じだけど、
これじゃあ、その辺のパクリ出版社の仕事だよ!
王者の仕事じゃないよ!って思うのはフィリップだけ?
「科別にして本にしたのが工夫です!」
と言えばそうだし、悪いことではないよ。
むしろ出版界では
「柳の下にドジョウは3匹いる」(だったっけ?)
とかいう格言があるって聞いたことがあって、
実際にそんな企画も多いよ。
売れたものを狙っていくのはセオリーだけど、
なんかしっくりこなかったなあ。
「本」としてはよくできているよ。
しっかり作ってあって、よい「本」ですよ。
ただ、何が現場で優先的なのか?
どうしたら使い勝手がいいか?
っていう「企画」としての思いが伝わらなかったなあ。
一般的に言われているポイント、エッセンスを
コンパクトにきれいにまとめたってだけ。
監修もついてそれなりの謝礼も払っているんだろうけど、
それにしても「高い」って思うよ。
ある意味「ジェネリック本」だからね。
せめてもっと安くするとかしないと…。
とりあえず「この土地も医学書院がもらっちゃおう」
「今はなにやっても儲かるぜ」
ってくらいしか意思が感じられなかったかな。
【総合評価】
10点満点中4点
★★★★☆☆☆☆☆☆
まあ、医学書院じゃなかったらね、いいんだけどね…。
なんか残念で…。