裁判沙汰 | nurseredcatのブログ

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私が主任をしてた時に患者さんからクレームがあってその人の話を聞きにいきました。男性の看護助手が、ドレイン液を空にするときに無理やり下腹を触ってきたというクレームでした。その時は両方の話を聞き、担当を変えて、その時の状況を看護部長(マネージャー)にメールで報告しました。そのあと患者さんから同じクレームはなく、その患者さんは退院していきました。

 

それから3年後、職場が変わっていた私は新しい看護部長に呼び出され、裁判に巻き込まれたことを告げられました。最初、患者さんの名前を言われて全く覚えていませんでした。急きょ、病院お抱えの弁護士と会うことに。その時にやっと3年前のクレームを思い出したのでした。その患者さん、病院とその看護助手をセクシュアルハラスメントで訴えていたんです。私は証人として呼び出されるようでした。もう3年前なので記憶もあやふや。そしたら私が元看護部長に書いたメールを見せられてびっくり。それには患者さんは頭がおかしい態度をたくさんしてたこと、その看護助手はとてもいい青年で今までそういうクレームは全くなかったこと、私はその看護助手を信じていることなど書いてありました。一つの気がかりは私がその看護助手を”頑固なところがある”と書いてあったこと。私はいい意味で”頑固なところ”と書いたんだと説明すると弁護士は安心しているようでしたが、私はパニック。その看護助手が心配だったし、私がばかなこといってそれが上げ足に取られたらと自分を責めました。そのあと裁判で聞かれそうな質問の受け答えの練習をして裁判の準備をしました。ラッキーだったのはその患者さんが勝ち目がないと思ったのか、資金が続かなかったのか訴訟をやめてくれたこと。結局裁判にはならず助かりましたが、その看護助手は辞表をだすように仕向けられ仕事をやめてしまいました。今では看護助手の仕事はやめて、企業の一般社員をしています。

 

今回の出来事でいろいろなことを学びました。まず、自分の書いたメールは証拠になるので書く内容や言葉に気を付けること。特に問題が生じたときに感情に任せて書きたくなりますが、一度頭を冷やしてからメールを書くようにすることにしたほうがいいです。また、内容を一致させること。看護師はチャート(看護記録)するところがたくさんあって大変ですが、内容が一致していないとナースとして信用がないと思わせる策略に利用されてしまいます。例えば、患者さんの意識がないと気づいた時間がチャート内で違っていたり、薬をあげた時間が違っていたりなどです。集中治療室ではモニターの数字が直接チャートにはいっていくシステムになっていて、ナースはその数字を確認ボタンを押して認知します。モニターの数字は間違っていることも多く、それに気づかないで確認ボタンを押してしまうと後々まずいことがあります。例えば、モニターが呼吸数0(ゼロ、無呼吸)と読み込むことがあります(1分間に呼吸数12-20が正常)。それは一定の呼吸数を保たれる人工呼吸器を付けている患者さんには普通ありえないのですが、それに気づかないで確認ボタンを押してしまうと呼吸数が0として記録され、私はそれに対して何もしなかったという風に見られてしまいます。他には病院のポリシーをよく知っておくこと。ポリシーは相手の弁護士に利用される物の一つで、ナースがポリシーを守っているかを調べられます。また、ナースによくあるのが自分のノートを残しておく行為。ノートは患者さんの内容を自分用にまとめるもので、ほとんどのナースが自分のノートを使っています。私も毎日仕事場で使います。次の日に仕事にもどってくるときはノートも残しておいて、次の日に同じ患者さんを受け持った場合にまた使います。ただし、次の日に戻ってこない場合はすぐに安全なゴミ箱に捨てなくてはいけません。ナースによっては何年も取っておく人がいますがそれは絶対にしてはいけません。もし、裁判沙汰になった場合、そのノートが自分の首を絞めてしまうことが多いからです。ノートに書いてある内容とチャートに書いてある内容が違ったり、余計な内容がノートに書いてあるとそれについて突っ込まれます。

 

私が働いている病院は一日に3-5個の訴訟を相手にしているそうです。訴訟好きなアメリカ人ですね。