いろいろあったのね…

ドラマのキントリは10年以上放送していたらしいけど、1秒も見たことがない。そんなヤツが何も言う権利はないと思うけど、映画になってもスケールの広げようがないのがしんどいね。物理的に取り調べ室から広げようがないし、一番たどり着けない相手が総理大臣というのもベタ。さらにその作戦に無理がありすぎる。ドラマファンが気持ちを収めるには必要だったのかもしれないけど。

今年のラストに。

ラストマンがあまりにも…だったので、お口直しに見に行った1本。フランスで「最強の2人」を超える大ヒットを記録したコメディだと聞いて大みそかの映画館に行った。

宝石強盗をして逃げ損ねた親子2人が、たまたま知的障碍者がサマーキャンプに向かうバスに紛れ込んで…という物語だ。障碍者の役者はすべてオーディションで選んだ本物。だからといって邦画よくある「かわいそうでピュアな存在」なんて描き方はしないで、ガハハハ!クソだぜ!みたいな個性豊かなキャラがあふれているから見ていて楽しい。展開的にはベタ、まとめ方はイマイチ。でも「いい人間ではなかった」父ちゃんの心がちょっとずる変わっていく感じとか、障碍なんて人と「何かちょっと違うだけ」と生きていけるカラっとした空気がいいなと思った。

見た人も「サムシング・エクストラ」な気持ちを持ち帰れる1本かな。

実に作りが粗い。

もともと2年ぐらい前に放送していたアミューズの看板2人によるバディ刑事ドラマらしいが、もちろん見ていない。作品自体の目的が、福山雅治という「男前で絵になるけど演技の幅が狭い」スーパースターをカッコよく見せるため、そしてファンがそれだけを楽しむためになっているのが不幸。そのための物語も、ひとりでだって十分主役を張れる大泉洋や永瀬廉すら、お飾りでしかなくなっている。盲目のFBI捜査官の設定は雑だし、展開もなんでもあり。あんな白昼にドンパチやらんやろ!

まあマチャのファンは十分眼福なんだろうけど。これが今年のラストムービーになるのはちょっと嫌だったので、もう1本見に行くことにした。

ホンモノとニセモノ。

監督を務めたミュージシャンが、住之江に実際にあるライブハウスを舞台にして作ったミュージシャン青春群。ゼロではない売れる可能性にかけ、青春をぶつける若者たちの表情や演奏。ホンモノのミュージシャンをキャスティングし、ゴリラホールで撮影したのはホンモノのライブだった。でもそれだけでは映画にはならない。それ以外の部分、実家や彼氏との同棲、メンバーと行く居酒屋…そこの演出が稚拙すぎてちょっとガッカリ。あそこもホンモノだったらもっと入り込めたのに。

アナログ万歳!

僕らのヒーロー、ジャッキー・チェン主演映画。当たり前だけど70を超え、いくらジャッキーでも衰えはある。でもこの作品は主演のアクションを見せる以上に他の設定や作り込みがしっかりしていて、メチャ良かった。またジャッキーより強かった敵のレオン・カーフェイが全く見劣りせず、情報や段取りばかりの小賢しい若造を地力で蹴散らす感じが痛快だった。やっぱり最後は胆力と拳の力だよね。ラストで次回作をガッツリ振っているので、それも楽しみた。

病んでるな…アメリカ。

間違いなく戦後80年、世界を牽引してきた資本主義のリーダーであるアメリカ。その限界点とさまざまな問題を抱えている現状。それを提示されているようでコメディなのに暗い気分になってしまった。

入口は思い出すのも嫌なコロナ禍のマスク騒動。そこからよくわからない田舎の権力争いや閉塞感、お決まりの人種差別から陰謀論まで絡み合っていく。いろんな社会派映画で描かれている「アメリカの闇全部盛り」みたいな物語。後半、かなり強引な展開でまとめにかかってはいたけど、全くまとまってもいないし、ようこそと言われても行きたくない。それどころか、こんな国が引っ張っていく未来の世界に不安しか感じられないわ。

アニメの新しい使い方

アニメって今までの常識では、実写では作れない世界を表現する手法だと思ってた。ドラえもんやSFの世界、魔法の使える世の中、とても撮影できない設定を想像し、創造できるのが得意技だ。でもCGが進化し、想像したものはリアルに何でも映像化できる時代になった。だからというわけではないだろうが、この作品でのアニメの使い方はベクトルがまるで違った。

物語は太平洋戦争末期、パラオのペリリュー島で生き残り、終戦を知らずに潜伏していた30人ほどの日本兵の話だ。激しい戦闘とその後の苦しみ、壮絶すぎてリアルな再現を見るのはしんどい。そこを3頭身のアニメに乗せることで、目を向けさせ、考える機会につなげていた。こういう使い方あるんだ。見てて発見があった。

なんかもったいないなぁ。

1はよくできていたし、大人も楽しめた。だから続編が作られたわけだけど、今回は子ども向きのジェットコースタームービーになってしまったのが残念。テーマ自体は「みんな違ってみんないい」金子みすずみたいになっちゃうし。でもお金も手間も物凄くかかっているから、ほとんど誰も気づかない小ネタが山ほどあるんやろな。サービスの無駄遣いだわ。

やっぱりおもろい。

ここ数年注目している京都の劇団、中野劇団。1幕物のシチュエーションコメディで、台本が秀逸だ。その代表作が映画化されたと聞いたので見に行った。結婚の報告をしようとバーに友人を呼びだした2人の男。たまたま2人は知り合いで、お互いの報告を見ることになるんだけど、それぞれ複雑な事情があって…という物語。自分が前に見たのは舞台版だったけど、とにかく面白い。アンジャッシュとかダウが得意なかけ違いがどんどん悪化していくタイプ。ただ、どうしたって笑わせることが目的のコントなので、1時間はしんどいし、映画にするとなぁ。ストーリーテラーのいる短編集みたいにして、もう何本か見たかった。

ズドーン、低めに響く重いストレートのような。

「ミッドナイトスワン」の内田監督が北川景子を主演に迎え作った「薬の売人をして子供を育てるシングルマザー」の話。

「かわいい子どもを必死で育てるためには、他人を不幸にでもするかあちゃん」を演じた北川景子は頑張ってたと思う。でも隣にいた用心棒役の森田望智がすごすぎて、霞んでしまっていた。あかん、あれは本物だ!格闘技のスピード、迫力、体格、所作…どれを取っても普段きれいな女優さんとは全く思えず、まったく違う人間に化けた彼女にやられてしまった。その二人が苦しい生活の中で悪に手を染めながらも、自分の愛する人のために必死に生きる姿。子供がやりたいことはなんとしても実現してあげたい。母の大きな愛が暗くて辛い現実の中でも、輝く一瞬をとらえた物語だと思った。でも一番怖かったのは役柄とか老化もあるだろうけど、ほぼアバターの人みたいだった田中麗奈。