玉露コースで…
タイトルと知人のすすめだけ、事前情報なしで行ったら驚いた。シニア世代のホッコリ物語かと思いきや、茶飲友達という設定の高齢者向けの売春クラブの話だと!買う側も買われる側も、さらに運営する若者も、それぞれ事情と寂しさを抱えている。ファミリーってなんだ?ルールを守ることだけが正しいことか?居場所のない人たちを利用して自分の寂しさを埋めていただけなのか?
突き詰めれば違法組織の物語だけど、なんかそれだけでは割り切れない、心に茶葉が残る作品だった。
手段と目的。
ドリームワークスのシュレックシリーズのスピンオフ。人生の目的って?とか、家族や仲間が大切だよねっていうメッセージより、3DCGって今こんなすごいんですよ!このバトルシーンどう?みたいなほうが強いような気がする。なんか戦ってばかりだった。残念…。
浅丘か永田か?
コミュ障で悩みの多い本郷猛が、生感のないルリ子さんのために戦うオトナの仮面ライダー。今のガキ向けの飛び道具ばかりのライダーとは違い、ガッツリ蹴る殴るで戦うのはいい。ただ不必要に血なまぐさいし、後半はほぼエヴァ。あとショッカーの戦闘員のイー!が聞けないのはどうや?最後そんなモヤモヤを子門真人の「迫るぅショッカー!」で洗い流して帳尻合わすのはズルい。
やっぱりこうじゃなきゃ!
子供なのにスーパーヒーローになっちゃったシャザムの2作目。ちょっと何と戦ってるのかややこしくはなっているけど、ヒーロー側は変わらず。存在意義だとか、ほかの世界との整合性とか、そういう難しいことを考えたい奴はヒーローものなんか見るな!
マルチバースも時空の移動もなく、問題があるのは家族と恋愛くらい。このくらいシンプルなほうがいい。悩んで弱みもあるヒーローの方が共感できるやろ。
お久しぶりのトム・ハンクス
演じるのは気難しくて四角四面、近所の嫌われもんのオヤジ。でも新しく越してきた家族と触れ合ううちに心を溶かしていき…という王道の話。定年を迎え、心の拠り所の妻は亡くなりというのは、僕らおっさんには身につまされる設定。でもあんな濃密な近所付き合い、都会ではあんまりないやろうなぁ。人は一人では生きていけないというか、それではつまらない。もちろん面倒くさいこともあるけどね。山田洋次が菅原文太とかで撮りそうな物語だな。
あれ、おかしいなぁ?
4歳くらいの男の子を育てるシングルファザー。でも病気で自分が余命わずかになってしまい、里親さがしを始める…子供はかわいすぎるし、普段なら号泣必至の展開だ。でもなんか乗れない。淡々とした展開、でてくるのは里親に対しての粗ばかり。耐えていると言えばカッコいいが、あの状況で葛藤を隠しあんなに冷静にいられるだろうか?一人で息子と向き合えるだろうか?オレには無理だわ。
ドラえもん、ちゃうわ。
もちろん原作者がなくなり、ネタが枯渇しても続けないといけない苦しみはわかる。でも古沢良太のこの脚本は分かりやすく、多様性とか、自分らしく…Jポップで使いそうな薄っぺらいテーマをドラえもんに当てはめただけ。ジャイアンやスネ夫もたまたま側にいるだけの脇役バーツでしかないし、子どもたちに向けたメッセージもない。包装紙だけで商売するのは、やめてくれるか?
もう少しデバッグが必要やったわ。
東出昌大が2003年に逮捕されたwinnyの開発者を演じた実話もの。途中までは著作権の粗と、道具の開発者を逮捕するという権力の横暴、戦う弁護士、そして天才がゆえにイマイチピンと来てない被告、このバランスが絶妙だったし、面白かった。なのにまとめ方が酷すぎる。吉岡秀隆まで使った壮大な前フリも観客のカタルシスも投げっぱなし。まあオロオロした東出くんは適役以外の何者でもなかったけど。
政治ネタのyoutube番組をやってるプチ鹿島とダースレイダーによる選挙行脚のロードムービー。映画にもなった香川一区や、維新に乗っ取られた大阪を冷やかしで巡っていた時に奈良で安倍さんの事件が勃発。分かりやすい選挙の構図を動物園にでも行くように高みの見物してたら、突然ライオンが撃ち殺されて…そりゃ動揺するよな。
ホントは自分たちの生活に直結してるのに、どこかオリの向こうの別世界みたいに感じてしまいがちな政治。べき論に終始し、安全なところから野次馬的に評論しているスタンスにはあまり共感できないけど、興味を持ってもらうためにはこういう形もありなんかな。
せいでか?おかげでか?
東日本大震災の学生ボランティアを受けいれてきた「つなかん」と女将さんを
見つめ続けたほぼ10年のドキュメント。震災直後のものはよく見たけれど、
その後の変化・経過まで見続けたものはこのくらいの時期にならないと成立しないだろう。
あれからもうすぐ12年。干支を一回りすればいろいろある。女将さんにも大学生だったボランティアにも。見ていて強く感じたのは「人間力」「おかげで」「お互いさま」つらい中でも輝きを失わない太陽みたいな女将さんだって、実は若者たちに支えられている。彼らと出会えたのは震災の「おかげ」なのかもしれない。
「頑張れ」とは言わない。支え合って、思いやり合って、生きていけたら幸せだな。