シアターキャンプ 5思ってたんと違う…アメリカで夏休みに行われるサマーキャンプ。学校とは違った環境で、親と離れて合宿しながらいろんなことを学んでいく。そのプログラムとしての演劇。モキュメンタリーっぽく作ったというからかなり期待してたのに…どうして物語の進行が大人中心なの?キャンプの中心は子どもの成長、覚醒やろ。頑張れベアーズとか、スクールオブロックみたいなのを見たかったのに。
BAD LANDS 4そりゃ、西成やけど。安藤サクラと山田涼介の異父兄弟が、ウラの世界で暴れまわるだけの映画。親がロクデナシという可哀想な点はあれど、登場人物に誰一人共感できる人がいないし、悪そうな雰囲気ばかりで描写がないから薄い。ファッション極道映画はいらんわ。ロケ地が知ってるところばかりだったから最後まで見たけど、そうじゃなかったら持たんかったわ。
沈黙の艦隊 6あかん、強すぎる!独立国家やまとを宣言した、海江田艦長率いる原子力潜水艦シーバットの話ではない。その海江田艦長を演じる大沢たかおのキャラがキングダムの王騎将軍から離れない。冷静さ、不気味さ、得体のしれなさ。軍を動かすように潜水艦を自在に操って、敵を煙に巻く。これもシリーズ化しそうだし、ますます見分けがつかなくなりそうや。
コンフィデンシャル 国際共助捜査 7痛快!北のイケメン工作員と南のブ男刑事に加え、さらにFBIのイケメン捜査官が三つ巴で陰謀と闘う変則バディ映画。悪側の動機や目的なんかが分かりづらいところはちょっとあったけど、信頼するのかせえへんのか、3人の駆け引きとアクション、そしてコメディ部分のバランスがとても良くてメチャ楽しめた。ジョン・ウィックよりこっちが好きだなぁ。
ジョン・ウィック コンセクエンス 6パリってあんなに治安悪いの?行くのやだぁ!キアヌ演じる殺し屋が、世界最大の闇組織、そして町中のゴロツキから狙われる「大逃走中」。3時間中2時間強はドンバチのお時間です。しかも防弾スーツが進化してるんか、みんな体を撃っても全然死ななくて、雑魚もいちいちゾンビみたいに頭をやらないといけないから大変。途中から完全にFPSみたいな画面になってきて、武器はパワーアップするわ、階段落として振り出しに戻るわ、やりたい放題。そんな中、画面を締めていたのはドニー・イェン師匠。動きのキレが全然違う。盲目なんやから、接近戦はともかく撃ち合いはハンデいるやろ(笑)
グランツーリスモ 7なんだこの熱さは!プレステのレースゲーム「グランツーリスモ」の優秀なレーサーを集めて鍛え、ホンモノのレーシングドライバーを作るという、アホみたいな実話の映画化。世の中はよそ者と若者とバカ者が変えるという言葉どおりのプロジェクトにリスペクトしか感じない。結果が成功してるから映画にもなってるんだし、結果はみえてはいたけど、充分ハラハラドキドキしたし、彼らの熱意や粘り強さは伝わりすぎるくらいだった。どうしてなんだろう?レースにもクルマにも全く興味ないのにこの手の実話モノには心が踊る。
オジさん、劇団始めました 4おじさんも劇団もナメるな!渡辺いっけいさん演じる経理部長が、輝きを取り戻すために一念発起して劇団に入る話。同年代、公私ともに疲れはある、劇団好き、共通点はいっぱいあったので期待してしまった…失敗した。そもそも芝居としての台本が雑なので、低予算とかそういう以前に見ててしんどい。あの劇中劇を見て、内輪以外どのあたりに良かったなんて言えるんだろう?中年おじさんもただのダメな生きものじゃないし。
こんにちは、母さん 6わたし〜は、まあまあよ〜♪吉永小百合がおばあちゃん、息子が大泉くん、その娘が永野芽郁ってな座組で撮った山田洋次作品。通りに面した入口、2階へ土間からあがる階段、奥に小さな中庭。随時に山田流が散りばめてあって、懐かしい。ただ吉永小百合はやはり誰が撮ってもさゆりちゃんのまんま。華はあるけど演技はなぁ…。良かったのは大泉くん。会社、家庭、親との関係に共感するだけでなく、随所に渥美さんと重なる雰囲気が。令和の寅さんなら彼だ。
バカ塗りの娘 5親子代々の津軽塗をつごうか葛藤する女性と家族の物語。目当ては主人公よりもオヤジ役の小林薫さんだ。嫁には逃げられ、長男とはうまく行かず、腕はいいけど不器用なオヤジを相変わらずの好演。物語は鮮やかな漆器の話だけど、ビックリするくらい地味に展開していく。こないだの藤竜也さんもそうだけど、あんなオヤジになりたいなぁ。難しそうだけど。
福田村事件 8どこになる?ちょうど100年前。関東大震災直後の混乱期に起きた悲劇の映画化。森達也監督はドキュメンタリーでいつも気づかなかった視点を提示してくれる。100年前の事件なのでもちろん生き証人はいないからだが、初めての劇映画でどう表現するか?楽しみにしていた。未曾有の災害後という混乱の極み。差別するものを作らないと不満が収まらなかった歪んだ社会制度。そこで扇動する者、巻き込まれる者、立ち向かうもの、被害者、傍観者…どれか一つではなく、どの立場にもなり得る状況で「お前だったら…」の刃をあちこちから突きつけられた。本当の悪人なんてどこにもいない。みんな家族や自分、お国を純粋に守りたかっただけだ。だからこそ、根が深く、向き合わなくてはいけない問題だ。