アナログ万歳!
僕らのヒーロー、ジャッキー・チェン主演映画。当たり前だけど70を超え、いくらジャッキーでも衰えはある。でもこの作品は主演のアクションを見せる以上に他の設定や作り込みがしっかりしていて、メチャ良かった。またジャッキーより強かった敵のレオン・カーフェイが全く見劣りせず、情報や段取りばかりの小賢しい若造を地力で蹴散らす感じが痛快だった。やっぱり最後は胆力と拳の力だよね。ラストで次回作をガッツリ振っているので、それも楽しみた。
アナログ万歳!
僕らのヒーロー、ジャッキー・チェン主演映画。当たり前だけど70を超え、いくらジャッキーでも衰えはある。でもこの作品は主演のアクションを見せる以上に他の設定や作り込みがしっかりしていて、メチャ良かった。またジャッキーより強かった敵のレオン・カーフェイが全く見劣りせず、情報や段取りばかりの小賢しい若造を地力で蹴散らす感じが痛快だった。やっぱり最後は胆力と拳の力だよね。ラストで次回作をガッツリ振っているので、それも楽しみた。
病んでるな…アメリカ。
間違いなく戦後80年、世界を牽引してきた資本主義のリーダーであるアメリカ。その限界点とさまざまな問題を抱えている現状。それを提示されているようでコメディなのに暗い気分になってしまった。
入口は思い出すのも嫌なコロナ禍のマスク騒動。そこからよくわからない田舎の権力争いや閉塞感、お決まりの人種差別から陰謀論まで絡み合っていく。いろんな社会派映画で描かれている「アメリカの闇全部盛り」みたいな物語。後半、かなり強引な展開でまとめにかかってはいたけど、全くまとまってもいないし、ようこそと言われても行きたくない。それどころか、こんな国が引っ張っていく未来の世界に不安しか感じられないわ。
アニメの新しい使い方
アニメって今までの常識では、実写では作れない世界を表現する手法だと思ってた。ドラえもんやSFの世界、魔法の使える世の中、とても撮影できない設定を想像し、創造できるのが得意技だ。でもCGが進化し、想像したものはリアルに何でも映像化できる時代になった。だからというわけではないだろうが、この作品でのアニメの使い方はベクトルがまるで違った。
物語は太平洋戦争末期、パラオのペリリュー島で生き残り、終戦を知らずに潜伏していた30人ほどの日本兵の話だ。激しい戦闘とその後の苦しみ、壮絶すぎてリアルな再現を見るのはしんどい。そこを3頭身のアニメに乗せることで、目を向けさせ、考える機会につなげていた。こういう使い方あるんだ。見てて発見があった。
なんかもったいないなぁ。
1はよくできていたし、大人も楽しめた。だから続編が作られたわけだけど、今回は子ども向きのジェットコースタームービーになってしまったのが残念。テーマ自体は「みんな違ってみんないい」金子みすずみたいになっちゃうし。でもお金も手間も物凄くかかっているから、ほとんど誰も気づかない小ネタが山ほどあるんやろな。サービスの無駄遣いだわ。
やっぱりおもろい。
ここ数年注目している京都の劇団、中野劇団。1幕物のシチュエーションコメディで、台本が秀逸だ。その代表作が映画化されたと聞いたので見に行った。結婚の報告をしようとバーに友人を呼びだした2人の男。たまたま2人は知り合いで、お互いの報告を見ることになるんだけど、それぞれ複雑な事情があって…という物語。自分が前に見たのは舞台版だったけど、とにかく面白い。アンジャッシュとかダウが得意なかけ違いがどんどん悪化していくタイプ。ただ、どうしたって笑わせることが目的のコントなので、1時間はしんどいし、映画にするとなぁ。ストーリーテラーのいる短編集みたいにして、もう何本か見たかった。
ズドーン、低めに響く重いストレートのような。
「ミッドナイトスワン」の内田監督が北川景子を主演に迎え作った「薬の売人をして子供を育てるシングルマザー」の話。
「かわいい子どもを必死で育てるためには、他人を不幸にでもするかあちゃん」を演じた北川景子は頑張ってたと思う。でも隣にいた用心棒役の森田望智がすごすぎて、霞んでしまっていた。あかん、あれは本物だ!格闘技のスピード、迫力、体格、所作…どれを取っても普段きれいな女優さんとは全く思えず、まったく違う人間に化けた彼女にやられてしまった。その二人が苦しい生活の中で悪に手を染めながらも、自分の愛する人のために必死に生きる姿。子供がやりたいことはなんとしても実現してあげたい。母の大きな愛が暗くて辛い現実の中でも、輝く一瞬をとらえた物語だと思った。でも一番怖かったのは役柄とか老化もあるだろうけど、ほぼアバターの人みたいだった田中麗奈。
素直じゃないのかなぁ…
阪神に期待されて入団しながら、3年目の21歳で脳腫瘍を発症。28歳で亡くなった横田慎太郎選手の実話ベースのドラマ。大きな手術を乗り越え、引退試合で見せた見事なバックホームは素晴らしかったし、その後の生きる姿勢もたくさんの人たちに勇気を与えたんだと思う。もちろんそれは否定しない。でもこの映画の作り方にはガッカリした。ベタすぎる演出とシーンの作り方に逆に醒めた。また横田本人はともかく、金本さん、平田さん、特に掛布さんがなぜあの役者?余計ないろいらんやろ。あとどさくさに紛れて出ていた とこわか吾郎!ええ話が台無しや
それでよかったのかもしれない。
柴咲コウ演じる主人公の元に突然かかってきた電話。お兄さんが亡くなりました。遺体を引き取りに来て下さい。
家族に甘え、迷惑をかけ通し、何年も疎遠だったダメ兄。それを演じられるのはオダギリジョーしかない。やってきたことを考えたら腹がたって仕方ないのに、少しずつ生前の様子を知るうちに、溶けていくわだかまり。生きているうちは迷惑でかさ高かったけど、亡くなって動けなくなったことで、いい部分だけが蒸留されたような。矛盾するけど、自分がいなくなることで、彼は壊してしまった家族を再生することに成功したのかもしれない。
うっとおしくて、面倒で。でもどうしたって離れられなくって、代えもいない。きっと誰にとっても呪縛でな支えなのだ、家族って。
凡庸すきて。
山田洋次監督が倍賞千恵子はじめ、山田組の面々を使って「パリ・タクシー」を翻案。寅さんファンとしては見に行かないわけにはいかず。ただなぁ…。テレビの「さんタク」にひっかけた一本芝居のキムタクの起用。無理やり昭和の辛かった時代を重ねた人生。思い出の地を巡るとかいいながら、はとバスのコースみたいな東京巡り。これまでの山田作品に傷がつくわ。92歳の監督はもう引退させてあげようよ、誰かが。
いつの時代の映画やねん・・・。
真剣師、出自の闇、親のギャンブルからの虐待、子供の貧困…テーマが昭和すぎて、なぜこの時代にこれを映画化する必要があったのか?将棋という動きのないステージを中心にした物語だったこともあって、登場人物の顔芸大会になっていたのも残念。令和の砂の器をやりたかったんだろうな。