西武新101系247編成が赤電塗装となり、12月17日から多摩湖線で営業運転を開始したので早速撮影しに行ってきました。
(クハ1247・国分寺〜一橋学園・2017年12月17日)
西武の赤電塗装は101系登場以前の通勤車の標準カラーで、ローズピンクとベージュに塗り分けられていました。
そんな赤電を振り返って……みたわけですが、実はそれほど馴染みがなかったりします。というのも子供の頃は西武線沿線に住んでいなかったもので。
多分、西武の赤電の写真を初めて撮ったのは1978(昭和53)年ごろです。清瀬にあった親戚の家に遊びに行ったあと、従兄弟と一緒に西武狭山線で501系に初めて乗車しました。
(クモハ501・西所沢・1978年12月)
下手くそな写真ですが、小学生がポケットカメラで撮影したものなので何卒ご容赦を(笑
501系の電動車は17mの初期車と20mの後期車が存在しましたが、17m車はのちに351系となり、501系は20m車に統一されました。そんな501系もこの頃は廃車が進行していて、1980(昭和55)年には全廃されたので、写真を撮ったのはこれっきりでした。
続いて新宿線で西武新宿駅まで赤電に乗車。途中でクハ1411形を先頭にした列車とすれ違いました。
(クハ1411・野方〜都立家政・1978年12月)
まるで旧型国電みたいな出で立ちの20m3扉車で、国鉄の戦災復旧車6両と、国鉄から払い下げられた木造車の台枠を流用して車体を新製した39両という陣容でした。
そして赤電の制御電動車とペアを組んで運用していましたが、1981(昭和56)年に全廃されています。
クハ1411形を撮影した時に乗車していたのが451系です。
(クモハ451・西武新宿・1978年12月)
451系は501系の後継車で、西武初の両開き扉を採用した軽量車体など技術的にはエポック的存在なのですが、国電みたいな切妻デザインが、湘南スタイルの501系と比べてカッコ悪いと、当時子供心に思ったものです。
まぁそれ以前に101系や2000系の黄色(レモンイエロー)の車体と比べると赤電は地味な印象でした。
この次に西武赤電に出会ったのは1982(昭和57)年のこと。
この頃の赤電は、支線区間が中心となっていました。
ということで東村山駅に行ってみたところ、国分寺線の551系が停車中でした。
(クモハ551・東村山・1982年8月)
551系は451系の後継車です。外観上の特徴は湘南顔をベースに全面窓を連続窓風に仕上げた、西武湘南顔を初めて採用したこと。このスタイルはカルダン駆動車の601系にも受け継がれました。
なお551系の4両編成は1985(昭和60)年までに引退しました。
そして赤電の完成系が701系、801系です。
(クハ1801/クモハ551・東村山・1982年8月)
西武湘南顔も進化して、腰部にシールドビーム2灯とステンレスの飾り帯、幕部に行先方向幕と尾灯類を配置するデザインとなり、この顔は101系にも受け継がれました。
701系の冷房化は1982(昭和57)年12月までに、801系は1983(昭和58)年3月までに冷房化と黄色塗装化が完了し、この顔の赤電はこの時点で姿を消しています。
551系のうち、制御電動車のクモハ551形と制御車のクハ1651形の2両編成と、571系は多摩川線で晩年を過ごしました。
(クハ1571・競艇場前〜是政)
571系は551系の中間車モハ571形とサハ1751形に運転台を取り付けて2両編成化したものです。赤電の増結編成として1978(昭和53)年から改造されましたが、本線系統からの赤電撤退で支線部に転身しました。ちなみにクハ1651形は元601系の制御車クハ1601形で、中間電動車が冷房改造の上701系に編入されたために余剰となっていたものを551系の制御車として活用したものです。
多摩川線の551系、571系は1988(昭和63)年3月までに引退。これで20m級の赤電は消滅しました。
西武最後の赤電となったのは、多摩湖線の351系でした。
(クモハ351・国分寺・1982年8月)
西武多摩湖線は国分寺駅の有効長が17m車3両分しかなかったため、351系の中間に17m級付随車のサハ1311を組み込んだ3両編成として国分寺〜萩山間で活躍しました。
しかし、国分寺駅の校了工事の完成で有効長も20m車4両となったため、1990(平成2)年6月で運用を終了。西武の赤電は完全に姿を消しました。
元赤電だった401系、新501系、701系、801系も1997(平成9)年までに引退。そして赤電が消えてから11年後の2001(平成13)年に101系159編成が赤電塗装となって姿を現しました。
(クハ1159・花小金井〜小平・2001年9月29日)
101系は新製時から黄色い車体なのですが、車体は801系とほぼ同一なので、違和感がまったくありませんでした。ちなみに冷房車の赤電は、701系の冷房改造ごく初期に存在しました。
この101系赤電は9月29・30日と10月7・8日に臨時列車で運行されただけで、残念ながら一般営業に就くことなく黄色に塗り戻されてしまいました。
この顔の101系も2010(平成22)年で西武線から姿を消しました。
高運転台にマイナーチェンジした新101系も本線系統から姿を消しましたが、多摩川線の開業100周年記念イベントのアンケートで赤電復活の希望が多かったのだそうです。
こうして247編成が赤電となりました。
(クハ1247・国分寺〜一橋学園・2017年12月17日)
この顔の赤電がどうなるのかと思いましたが、思ったより違和感がないですね。ステンレスの飾り帯が効いているのでしょうか。
247編成はしばらく多摩湖線を運行した後、1月24日から多摩川線で走るそうです。
多摩湖線で運用している間に黄色い263編成とのすれ違いシーンを見てみたいものですね。